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旅立った僕達
コーヒーショップにて
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彼女から相談される僕。
ミッシェルを、見捨て館から飛び出す僕。人としての好感度はプラマイどれ位なのだろうか?
それはさておき、コーヒーショップの前についた、こう時代背景に合わない事は、全部、魔王ヤーグの暗躍の思えるのだ僕の気のせいだろうか……?
「コーヒーを買いに行く手間を減らす考えを巡らせたが、ここはやはりコーヒー豆のなる木の鉢植え買って魔界に植えればすべて解決すると思いさっそく買って来た!」
言ってそう感がやばい。
トントン、目の前のガラスから音がする。と、思ったら腕組みして立っている僕の向こうにフィーナがいた。
僕は急いで、コーヒーショップの扉を押し、中に入ると、彼女の元まで急いだ。客はまばらで、落ち着いた音楽がレコードの様な音源で流れている。
コーヒーショップの低い段差を上がった位置の窓際のテーブルに彼女は座っていた。手を振る彼女のもとに急いで歩みを進める。
「ごめん、待たせたかな?」
「いえいえ、全然まってませんよ」
僕は彼女の前に座ると、腰に白いエプロンを巻いた店員が、すぐ注文を取りにやってくる。彼女の前には、アイスコーヒーが置かれているので――。
「コーヒー 1つ」
と、彼に注文する。「彼は、かしこまりました」と言い礼をすると、カウンターの方へと帰って行った。
「それであの……相談なんですけど……」
彼女はすぐに相談について話を切り出したわりに歯切れが悪い。よっぽどいいにく話なのかもしれない。
「うん、何で聞くよ。言ってみて」
「今、ハヤトが、そうだって事ではないですが……、浮気は良くないと思います」
「あっうんそうだね。気を付けるよ」
「気を付けるのではなくしないでください。他の女の子と話していると、私、凄く、凄く嫉妬するんです」
今の、フィーナは、怒ってる雰囲気ではなく、気持ちを持て余してしまっている様に見えた。やはり恋人同士は、デートして、デートして、あれやって、これやって毎日を過ごす事で細い絆を確かめ合うところはあるから。
「もしかしなくても、ウンデーネの事なのかな?」
彼女は、黙り込み下を向く……。店にかかる音楽の音が、とても大きく聞こえる。
僕はここまでしているから、大丈夫だよ。という理屈では、嫉妬は抑えられるものではないし……。恩着せがましい事も言いたくない。暇な時に、あれだけ妹の少女漫画読んだじゃないか! 思い出せ僕の脳よ!
「お待たせしました。コーヒーでございます」
不穏なムードの僕達の前に、ウェイターさんがコーヒーを置く。
「君には厳しい話かもしれないけれど、僕と契約した彼女は精霊として、越えてはいけない人魚姫の一線を越えてしまっていると思う。彼女自ら来たって部分もあるけれど、最終的にここに引き留めたのは僕、正確に言うと、ルイスと僕だ。だから、僕には彼女を拒む事は出来ない。けど、恋人と言う線は越えない。彼女の為にもそこは守る。そこで、僕の彼女はたぶんわかっていても嫉妬してしまうのはわかった。で、こういう時、普通の恋人同士はデートして……、デートして……、あれやって、これやってどれ位好きか確認するよね」
彼女の表情が、暗いものから、やんわりピンク色になる。僕もたぶんピンク色、いつか慣れるものなのだろうか。だから僕はお行儀が悪いが、机に肘を付き顔を隠しながら……。
「でも、可愛い赤ちゃんは、安全な所で育てたいじゃないですか、だから、今は楽しいデートだけ。これからいっぱいデートへ行こう……そして今、コーヒー飲んだら二人でデートに行こう」
「……はい」
「フィーナ……。僕だけ恥ずかしの嫌だから、俺の事好きっていって」
ヘタレな僕は、顔を隠しながらそう言う。
椅子の動く音がして、僕の足に彼女の膝が当たる。
僕の耳もとで、「ハヤトの事が好き」って囁く声が聞こえる。それだけで嬉しいのだが……。
「耳元で囁くのもうれしいけれど、普通に言ってくれないとダメだから」
僕は、顔を隠しても、あくまでも強気で彼女の方向へ向き直り言う。
「もうっ」彼女はそう言い、怒ったのかな? っと思ったら。力ずくで、僕の顔を覆う手を外され、彼女に手首を掴まれながら……。
「私は、貴方の事がすきです。貴方はどうですか? 」いたずら好きの僕の彼女はそう言うので――。
「僕は、君の事が凄く好きです」と、答える。
ふふふ 彼女は、やっと普通に笑ってくれた。
つづく
ミッシェルを、見捨て館から飛び出す僕。人としての好感度はプラマイどれ位なのだろうか?
それはさておき、コーヒーショップの前についた、こう時代背景に合わない事は、全部、魔王ヤーグの暗躍の思えるのだ僕の気のせいだろうか……?
「コーヒーを買いに行く手間を減らす考えを巡らせたが、ここはやはりコーヒー豆のなる木の鉢植え買って魔界に植えればすべて解決すると思いさっそく買って来た!」
言ってそう感がやばい。
トントン、目の前のガラスから音がする。と、思ったら腕組みして立っている僕の向こうにフィーナがいた。
僕は急いで、コーヒーショップの扉を押し、中に入ると、彼女の元まで急いだ。客はまばらで、落ち着いた音楽がレコードの様な音源で流れている。
コーヒーショップの低い段差を上がった位置の窓際のテーブルに彼女は座っていた。手を振る彼女のもとに急いで歩みを進める。
「ごめん、待たせたかな?」
「いえいえ、全然まってませんよ」
僕は彼女の前に座ると、腰に白いエプロンを巻いた店員が、すぐ注文を取りにやってくる。彼女の前には、アイスコーヒーが置かれているので――。
「コーヒー 1つ」
と、彼に注文する。「彼は、かしこまりました」と言い礼をすると、カウンターの方へと帰って行った。
「それであの……相談なんですけど……」
彼女はすぐに相談について話を切り出したわりに歯切れが悪い。よっぽどいいにく話なのかもしれない。
「うん、何で聞くよ。言ってみて」
「今、ハヤトが、そうだって事ではないですが……、浮気は良くないと思います」
「あっうんそうだね。気を付けるよ」
「気を付けるのではなくしないでください。他の女の子と話していると、私、凄く、凄く嫉妬するんです」
今の、フィーナは、怒ってる雰囲気ではなく、気持ちを持て余してしまっている様に見えた。やはり恋人同士は、デートして、デートして、あれやって、これやって毎日を過ごす事で細い絆を確かめ合うところはあるから。
「もしかしなくても、ウンデーネの事なのかな?」
彼女は、黙り込み下を向く……。店にかかる音楽の音が、とても大きく聞こえる。
僕はここまでしているから、大丈夫だよ。という理屈では、嫉妬は抑えられるものではないし……。恩着せがましい事も言いたくない。暇な時に、あれだけ妹の少女漫画読んだじゃないか! 思い出せ僕の脳よ!
「お待たせしました。コーヒーでございます」
不穏なムードの僕達の前に、ウェイターさんがコーヒーを置く。
「君には厳しい話かもしれないけれど、僕と契約した彼女は精霊として、越えてはいけない人魚姫の一線を越えてしまっていると思う。彼女自ら来たって部分もあるけれど、最終的にここに引き留めたのは僕、正確に言うと、ルイスと僕だ。だから、僕には彼女を拒む事は出来ない。けど、恋人と言う線は越えない。彼女の為にもそこは守る。そこで、僕の彼女はたぶんわかっていても嫉妬してしまうのはわかった。で、こういう時、普通の恋人同士はデートして……、デートして……、あれやって、これやってどれ位好きか確認するよね」
彼女の表情が、暗いものから、やんわりピンク色になる。僕もたぶんピンク色、いつか慣れるものなのだろうか。だから僕はお行儀が悪いが、机に肘を付き顔を隠しながら……。
「でも、可愛い赤ちゃんは、安全な所で育てたいじゃないですか、だから、今は楽しいデートだけ。これからいっぱいデートへ行こう……そして今、コーヒー飲んだら二人でデートに行こう」
「……はい」
「フィーナ……。僕だけ恥ずかしの嫌だから、俺の事好きっていって」
ヘタレな僕は、顔を隠しながらそう言う。
椅子の動く音がして、僕の足に彼女の膝が当たる。
僕の耳もとで、「ハヤトの事が好き」って囁く声が聞こえる。それだけで嬉しいのだが……。
「耳元で囁くのもうれしいけれど、普通に言ってくれないとダメだから」
僕は、顔を隠しても、あくまでも強気で彼女の方向へ向き直り言う。
「もうっ」彼女はそう言い、怒ったのかな? っと思ったら。力ずくで、僕の顔を覆う手を外され、彼女に手首を掴まれながら……。
「私は、貴方の事がすきです。貴方はどうですか? 」いたずら好きの僕の彼女はそう言うので――。
「僕は、君の事が凄く好きです」と、答える。
ふふふ 彼女は、やっと普通に笑ってくれた。
つづく
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