魔王がやって来たので

もち雪

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旅立った僕達

新しい街でのひと段落

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昨日の……いや朝のまでの騒動が終わり、ギルドからの好意でと言うか、みんな酔っぱらって役にたちそうもないからと言うべきかそのままゲストハウスへ帰宅する事が出来た。
 
その頃には、異世界の街でも朝を迎え皆が動き出す時間へとなっていた。

 そしてやっと眠りについた僕は、お昼過ぎに、ウンデーネの後頭部を腹部にもろに受けると言う事態で目を覚ましてしまった。

 彼女はベットの横に腰掛け、寝ている僕に向かってそのまま後ろに倒れ込んだ様だ。少し腹部を押さえて、「ヴぅっ」と言ってのたうち回ったのちその事を、把握した。

 そのまますぐに薄い方の掛け布団を、頭からかけ胴の部分を軽くしばった。

「ははは、悪い子はお仕置きだ!」

「えっ!?、なに? 主様あるじさま?」

 りっぱな布団お化けが出来た。

 視線を感じて振り返ると、扉にフィーナが居た……。

「えっと……おはよう……トリックオアトリート……」
 
 違う女の子の子と楽しそうな場面……でも、無いかもしれないが、少しの焦りもありそんな言葉を呟く。

 向こうの世界は、そろそろそんな季節のはず……。

「はい」

 僕の気のせいか、彼女はちょっと読み取れない表情で、僕のもとまで来ると、彼女はお菓子をくれた。

「なに、なに? どうしたの? これ外せないよ?」

 ウンディーネの声、悪い主様の僕はやっぱり好きな子優先させてしまっている。気まずさが僕の中でどんどん増えて行く。
 
「よいしょ」

 フィーナは、ベットに座るとウンデーネの蔦をほどき、布団を取った。

「ウンデーネは、どーんてしちゃだめ、ハヤトも蔦で縛るのはやり過ぎですよ」

「「はい……」」

 では、ランチ行きませんか?
 そう言いと彼女は、にっこり笑ってくれたので凄く安心した。

「いきます!」「ウンデーネも行きます!」

「じゃー私達下で待ってますね」

 彼女は、スカートが広がらない様にお尻を押さえて立ち上がると、ウンデーネと一緒に下へ降りていった。

 フィーナのは、いたずらを選んで欲しかった気もするけど……仕方がない。お菓子の小分けの紙袋を破き、お菓子を食べた。ちゃんとかぼちゃ味のお菓子で不思議だった。

 まぁハロウィンについての、情報源は見当がつくけれど……。

 僕は、手短に出かける用意を済ますが、一階のダイニングでは、ミッシェルとルシスがそろってダイニングテーブルに座り、書類の山で埋もれていた。

 僕は、扉から顔だけをだし――。
「ルイス、ミッシェル、ラインを今から食べに行くけど、ランチ行かない?」

 ルイスが書類から目を話こちらを見る。
 
「私達は、出前で済ませました。ぬいぬい達とルナはそれぞれ、買い物と教会へ行ってしまったのでいませんよ」

「そうか、ありがとう。外で、必要な物は?他に買ってくるものあるかな?」

「大丈夫です。気を付けて行って来てください。『大蛇の牙』については、すべて終わった事を確認する知らせはまだ来てませんからね」

「わかった。気を付ける」
 
 そう言い、待っていてくれたフィーナ達と街へ飛びだす。

 異世界では、その瞬間から冒険は始まっている。

    つづく

 
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