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旅立った僕達
演技プラン
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水鏡の湖から幾日も歩き、野宿は日課に、そして幾つもの登り道、下り道を先の山間の峠があった。
野山を歩く僕達は、皆、無口で少しトゲトゲとしたムードが漂って来ていた。僕は、大自然に飽きてきている頃だった。
「おい、待て……俺達はこの峠で有名な山賊パレロ様だ!」
突然現れた山賊の一人が、そう言った時、僕は胸元で両手をがっしりと掴んだ。物語の中にしかいないと思っていた山賊が現れて、少しときめきに近い何かを感じた。
「おい! 辞めてやれ」
ぬいぬいが、何故か山賊の立場になって、僕をいさめていた。
先頭を行く僕達の前後を八人の山賊が現れて行く手を完全に塞いだとき、森の草むらから女性陣が楽し気に現れ、僕達の後ろに陣取っている山賊を、今度は挟み込むと言う状態になった。
「なんだ、お前たちは仲間か!?」
その時は、山賊たちと、パレロは、まだプライドを保った。が、水色の髪と、水色の瞳のウンデーネを見たと時、明らかに相手の心がざわっくのを肌で感じた。
「邪魔だと思う……」
ウンデーネは、そう言った。その意味合いは明らかにどけって事なので、僕らを隔て居た山賊は退き逃げた。しかしフィーナの放つた蔓が、足に巻き付き逆さに吊るし上げる。
「魔女だ……」
「むっ」フィーナは、少し怒った声を上げて口元まで蔦に絡めとり、地面に寝かせていく。
「こっちの二人がミッシェルで、ボスとこいつはハヤトだ、それぞれで武器のみで攻撃、殺さない様に、10秒だ」
「10」
「えっ!? ちっと待って……」そう言ったのは山賊で、その空いた気持ちの隙に、呼び出した槍の柄で、一人のみぞおに加減し叩き込む、
「9」
「グハッ」
「8」
そのまま大きく軸足に力をいて、僕の後ろに居るだろう、パレロに向かって槍を湾曲しならせるほどの攻撃を足元へ当てる。その後、右か左へ逃げるだろうから、そのまま柄の先を叩きこむ……はずが逃げない!?
「7」
辛うじて顔面からわずか、外しおっととと、なりながら姿勢をたもった。しかし、その一撃で、パレロは何故か気絶していた。
「6」
後ろを向くとミッシェルも終わっていた。
「ミッシェルは、風の魔法を剣に込めはじき飛ばしたか……魔法には、今度は無しだ。ハヤトは、2人だったからいいが、人数が多い場合当てて行けよ。俺達はスポーツやりに来てるんじゃないからな」
「わかった。今度までに殺さない様な技を考えておくよ」
「そういうのは自由だが、精々死なんようにな」
「それは、力いっぱい頑張るよ」
そう言うとぬいぬいは、僕の背中をぽんぽんと叩いて、それぞれわかれて、尋問する。こっちが、攻撃しないとわかったら舐められるので、出来るだけかっとんでいるスマイルで演じるようにしている。
「すみませんどこに住んでいるんですか? 教えて下さ――い。教えてくれるまでずっとそのまま。僕と二人きりでずっと一緒に一緒ですよ。ねっ」
首斜めにしまくりで、言っていると話してくれる。演技プラン間違っている気がするが、非暴力で荒くれ者に対峙するにはやるしかない。
僕は名男優……。 くっつ……。
つづく
野山を歩く僕達は、皆、無口で少しトゲトゲとしたムードが漂って来ていた。僕は、大自然に飽きてきている頃だった。
「おい、待て……俺達はこの峠で有名な山賊パレロ様だ!」
突然現れた山賊の一人が、そう言った時、僕は胸元で両手をがっしりと掴んだ。物語の中にしかいないと思っていた山賊が現れて、少しときめきに近い何かを感じた。
「おい! 辞めてやれ」
ぬいぬいが、何故か山賊の立場になって、僕をいさめていた。
先頭を行く僕達の前後を八人の山賊が現れて行く手を完全に塞いだとき、森の草むらから女性陣が楽し気に現れ、僕達の後ろに陣取っている山賊を、今度は挟み込むと言う状態になった。
「なんだ、お前たちは仲間か!?」
その時は、山賊たちと、パレロは、まだプライドを保った。が、水色の髪と、水色の瞳のウンデーネを見たと時、明らかに相手の心がざわっくのを肌で感じた。
「邪魔だと思う……」
ウンデーネは、そう言った。その意味合いは明らかにどけって事なので、僕らを隔て居た山賊は退き逃げた。しかしフィーナの放つた蔓が、足に巻き付き逆さに吊るし上げる。
「魔女だ……」
「むっ」フィーナは、少し怒った声を上げて口元まで蔦に絡めとり、地面に寝かせていく。
「こっちの二人がミッシェルで、ボスとこいつはハヤトだ、それぞれで武器のみで攻撃、殺さない様に、10秒だ」
「10」
「えっ!? ちっと待って……」そう言ったのは山賊で、その空いた気持ちの隙に、呼び出した槍の柄で、一人のみぞおに加減し叩き込む、
「9」
「グハッ」
「8」
そのまま大きく軸足に力をいて、僕の後ろに居るだろう、パレロに向かって槍を湾曲しならせるほどの攻撃を足元へ当てる。その後、右か左へ逃げるだろうから、そのまま柄の先を叩きこむ……はずが逃げない!?
「7」
辛うじて顔面からわずか、外しおっととと、なりながら姿勢をたもった。しかし、その一撃で、パレロは何故か気絶していた。
「6」
後ろを向くとミッシェルも終わっていた。
「ミッシェルは、風の魔法を剣に込めはじき飛ばしたか……魔法には、今度は無しだ。ハヤトは、2人だったからいいが、人数が多い場合当てて行けよ。俺達はスポーツやりに来てるんじゃないからな」
「わかった。今度までに殺さない様な技を考えておくよ」
「そういうのは自由だが、精々死なんようにな」
「それは、力いっぱい頑張るよ」
そう言うとぬいぬいは、僕の背中をぽんぽんと叩いて、それぞれわかれて、尋問する。こっちが、攻撃しないとわかったら舐められるので、出来るだけかっとんでいるスマイルで演じるようにしている。
「すみませんどこに住んでいるんですか? 教えて下さ――い。教えてくれるまでずっとそのまま。僕と二人きりでずっと一緒に一緒ですよ。ねっ」
首斜めにしまくりで、言っていると話してくれる。演技プラン間違っている気がするが、非暴力で荒くれ者に対峙するにはやるしかない。
僕は名男優……。 くっつ……。
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