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旅立った僕達
水面の上の二人
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多くの広葉樹を見る事の出来る湖の水辺を歩いている。
渡し舟があったが、船頭が不在だったので、仕方なしに水鏡になった湖の水辺を僕ら行く。
湖の水は澄み、魚が幾度も水面に顔をのぞかせる。やはりここでも、フィーナと写真を撮りたいが、そんなに何枚も撮っていると電池が足りなくなってしまう。……うん? ところで、フィーナどうやって電源を、とっているのだろうか? 後で、聞いてみよう。
そんな事を考えて歩いていると、ぬいぬいが小走りに湖に走って行く。彼の後を追い僕が付いていくと――。
「おい、これを見ろ」
彼は指さす先の湖には、水面の揺らめきはないけれど、水中に女性が居る。
試しに僕は手を突っ込もうとしたら、「おい!」と、言われぬいぬいに腕を掴まれた。
「ウンデーネ、こいつの代わりに見てやれ」
そう言って僕の後ろで、どれどれ?って言う感じに見ているウンデーネに、ぬいぬいは告げる。
彼女は、口元に手をやり首をかしげると。「わかった」と言って、荷物を置いて手を突っ込むが、どこまでも触れる物がないようで、思い切ってそのまま飛び込んでしまった。
そんな彼女をも、今回もぬいぬいが止めようとしたが、そんなぬいぬいだけを慌ててみんなが引っ張る。
「ぬいぬいさん、ちゃんと自分の非力さを自覚してくださいよ」と、ミッシェルは言うと、どこからともなく現れたぬいぬいの杖の一振りで、「うぇ――まずぅ……なんですかこれ!?」と、うぇうぇ言い出す。
「これは好き嫌いを直す魔法、このまずい味の後に食べると素材本来の味に気付く魔法だ」
「なんて魔法かけ」ミッシェルが話している途中で、彼の口に何か放り込むが、「うわぁぁぁ」なんか、すぅーすぅーする。これ何ですか? 「お前の嫌いなハッカ飴だが、うむ」
「全然美味しくないじゃないですか。もう!?」
地団駄を踏むミッシェルに、ぬいぬいは、「そういう事もあるのか……」と、目を見開き驚いていた。
「ハヤト、遊んでいないで、こっちに来てください」
向かった先では、ずぶ濡れの男性が、四つん這いになり荒く息している。
僕らの来た方角から、ウンデーネが水を滴らせて歩いて来た。
「主様、水の中には女の子はいなかった。」
「ありがとうウンデーネ、では、彼女が居るのは水面の僅かな部分だけなのかもね」
そう言うと男性は泣き出し、僕らは少し途方にくれるが、そこはルイスわかっている部分だけでも報告を始める。
「ウンデーネが、飛び込んだ後の水面は、なおも女性が我々に何か訴えるので、それにしたがったら彼を見つけて保護しました。それでも彼は女性の元に行こうとはしていましたが、女性は彼を助ける様に私達に要請しているので、彼が何も考えず湖に飛び込んだのでしよう」
「お前達に何がわかる。俺の気持ちもわからないくせに!」
「じゃー貴方は、貴方を助けようとして湖に飛び込んだ、彼女の気持ちがわかるんですか!!」
そう言って勝手に飛び込んだ、ウンデーネを指さす。こんな時だけ感のいいウンデーネは、「頑張ったのにひどい!」と、言ってフィーナの後ろに隠れた。
「そうだったんですか、すみませんでした……」
「もう、いきなり飛び込まないでください」と、フィーナにバスタオルでウンデーネを拭く。フィーナの体の横から見え隠れする彼女は拭いて貰いニコニコだ。
その後、彼は、責任を感じ我々を家へと招待した。彼の家は、一人で住まいには少し大きい一戸建てで、船の船頭の独占商売は結構儲かるんだな……と僕を感心させた。
彼の振舞う、魚料理の後に彼は、水面に移る彼女の事を話出した。
「親父から船頭を継ぎ、一年位してから彼女の事に気付いたのです。そして寂しいこの暮らしの中で、彼女だけが俺の安らぎである事に気付いたのです。しかし夢中になる俺に比べ彼女は段々現れてくれなくなった……。だからつい彼女の腕を引き留めようとして湖に落ちたのですが……もしかしたらこのまま逝けたた彼女に会える気がして……しかしあまりの苦しさに、いつの間にか助けを呼んでしまった様です……」
みんな一同黙って聞いていた。中にかモリモリ魚をたべ、生で食べそうな勢いの子も居たが……。みんな黙って居たのは事実は,ミッシェルはよく頑張った。
「とりあえず氷の魔法でも覚えますか……」
「あっ!……はい!」そもそも、こんな所に住む人は結構器用な人が多いが、恋の力は凄まじく次に朝には、彼は……。
「覚える事が出来ました!」と、日が上がりだして、すぐの僕らを起こしてまわったらしい。
そして彼は、氷越しに彼女に触れ、泣いて喜んだらしいのだ。
ちなみに、僕の夢は、フィーナと素敵な湖でデートする夢だったのでまぁ……仕方ないよね……。起きられなくても。
つづく
渡し舟があったが、船頭が不在だったので、仕方なしに水鏡になった湖の水辺を僕ら行く。
湖の水は澄み、魚が幾度も水面に顔をのぞかせる。やはりここでも、フィーナと写真を撮りたいが、そんなに何枚も撮っていると電池が足りなくなってしまう。……うん? ところで、フィーナどうやって電源を、とっているのだろうか? 後で、聞いてみよう。
そんな事を考えて歩いていると、ぬいぬいが小走りに湖に走って行く。彼の後を追い僕が付いていくと――。
「おい、これを見ろ」
彼は指さす先の湖には、水面の揺らめきはないけれど、水中に女性が居る。
試しに僕は手を突っ込もうとしたら、「おい!」と、言われぬいぬいに腕を掴まれた。
「ウンデーネ、こいつの代わりに見てやれ」
そう言って僕の後ろで、どれどれ?って言う感じに見ているウンデーネに、ぬいぬいは告げる。
彼女は、口元に手をやり首をかしげると。「わかった」と言って、荷物を置いて手を突っ込むが、どこまでも触れる物がないようで、思い切ってそのまま飛び込んでしまった。
そんな彼女をも、今回もぬいぬいが止めようとしたが、そんなぬいぬいだけを慌ててみんなが引っ張る。
「ぬいぬいさん、ちゃんと自分の非力さを自覚してくださいよ」と、ミッシェルは言うと、どこからともなく現れたぬいぬいの杖の一振りで、「うぇ――まずぅ……なんですかこれ!?」と、うぇうぇ言い出す。
「これは好き嫌いを直す魔法、このまずい味の後に食べると素材本来の味に気付く魔法だ」
「なんて魔法かけ」ミッシェルが話している途中で、彼の口に何か放り込むが、「うわぁぁぁ」なんか、すぅーすぅーする。これ何ですか? 「お前の嫌いなハッカ飴だが、うむ」
「全然美味しくないじゃないですか。もう!?」
地団駄を踏むミッシェルに、ぬいぬいは、「そういう事もあるのか……」と、目を見開き驚いていた。
「ハヤト、遊んでいないで、こっちに来てください」
向かった先では、ずぶ濡れの男性が、四つん這いになり荒く息している。
僕らの来た方角から、ウンデーネが水を滴らせて歩いて来た。
「主様、水の中には女の子はいなかった。」
「ありがとうウンデーネ、では、彼女が居るのは水面の僅かな部分だけなのかもね」
そう言うと男性は泣き出し、僕らは少し途方にくれるが、そこはルイスわかっている部分だけでも報告を始める。
「ウンデーネが、飛び込んだ後の水面は、なおも女性が我々に何か訴えるので、それにしたがったら彼を見つけて保護しました。それでも彼は女性の元に行こうとはしていましたが、女性は彼を助ける様に私達に要請しているので、彼が何も考えず湖に飛び込んだのでしよう」
「お前達に何がわかる。俺の気持ちもわからないくせに!」
「じゃー貴方は、貴方を助けようとして湖に飛び込んだ、彼女の気持ちがわかるんですか!!」
そう言って勝手に飛び込んだ、ウンデーネを指さす。こんな時だけ感のいいウンデーネは、「頑張ったのにひどい!」と、言ってフィーナの後ろに隠れた。
「そうだったんですか、すみませんでした……」
「もう、いきなり飛び込まないでください」と、フィーナにバスタオルでウンデーネを拭く。フィーナの体の横から見え隠れする彼女は拭いて貰いニコニコだ。
その後、彼は、責任を感じ我々を家へと招待した。彼の家は、一人で住まいには少し大きい一戸建てで、船の船頭の独占商売は結構儲かるんだな……と僕を感心させた。
彼の振舞う、魚料理の後に彼は、水面に移る彼女の事を話出した。
「親父から船頭を継ぎ、一年位してから彼女の事に気付いたのです。そして寂しいこの暮らしの中で、彼女だけが俺の安らぎである事に気付いたのです。しかし夢中になる俺に比べ彼女は段々現れてくれなくなった……。だからつい彼女の腕を引き留めようとして湖に落ちたのですが……もしかしたらこのまま逝けたた彼女に会える気がして……しかしあまりの苦しさに、いつの間にか助けを呼んでしまった様です……」
みんな一同黙って聞いていた。中にかモリモリ魚をたべ、生で食べそうな勢いの子も居たが……。みんな黙って居たのは事実は,ミッシェルはよく頑張った。
「とりあえず氷の魔法でも覚えますか……」
「あっ!……はい!」そもそも、こんな所に住む人は結構器用な人が多いが、恋の力は凄まじく次に朝には、彼は……。
「覚える事が出来ました!」と、日が上がりだして、すぐの僕らを起こしてまわったらしい。
そして彼は、氷越しに彼女に触れ、泣いて喜んだらしいのだ。
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