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それでも少しずつ歩む日々
ドレスのプレゼント
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城内の勇者の間まで歩く道。
召喚の間に移転してもらい何度となく歩いた道だ。
明日には旅立つ事となる。大豆畑は、今日焼き払った。帰り道の出たスライム1匹は、もはや楽に倒せる敵となった。
玄関前のシルスさんは、「僕も今日祝賀パーティー出席しますが、これでしばらく会えないのですね……」そう言ってくれた。
「本当にいままでお世話になりました」
僕は、魔界に暮すかもしれない。ここに戻って来ても勇者の間には、もう住まないだろう。 もう一度ここ戻って来るなら、仮住まいではなくここへ根を張った生活をしたいそんな風に思う。
あと少しの時を惜しむ様に鍵を解除し、扉を開ける。開けてびっくり別れを惜しむ我が家は、クリスマス化していた。
ところ狭しとプレゼンとの箱が、並べられる。
「主様、これ見てフフフ」
ウンディーネが、シフォン生地が、ふんだんに使われたブルー地に白のさし色が入ったマーメードドレスを着ている。
「可愛い!」ウンディーネは、ふぁふぁで、水の中の妖精の様だ。
「「イェーィ」」パチン、僕とウンデーネとでハイタッチ!
「ってどうしたんだウンディーネ!? これ」
「うん、わかんない」
「そっか……わかないか……、これからはわらないドレスは、勝手に着てません。ウンディーネ」
「わかった」彼女は、力を込めて頷いた。
プレゼントの箱をかき分け中に入って行くと、ダイニングで紅茶を飲んでいる、シルエットが居た。
シルエットは、シックな赤色のドレスで、肩と胸元がだされ、生地の始まりにはたくさんのドレープが入りその部分でドレスが止められている。手には長めの手袋を付けて、髪は横で真珠の飾りでまとめられている。
色っぽさが香り立つ様だ。
「あら、ハヤトじゃない? どうしたのに惚れちゃった? でも、こっちはもっとなのよ」
彼女が立ち振り向くと、背中はあらわになっている。俗に言う、殺す系の洋服だ。
「詳しくは、言いませんが、純朴の青年達を殺しにきてますよね?」
そうは言っても彼女のドレスは多くのドレープは使ってあり、上品に体のラインを出す立体加工で作られており、異世界の匠の技を見る事が出来る。
「まぁ、私が落とす男は特別な男だけだけど……、そう言われて悪い気はしないわ、合格」
僕は無事合格した様だ。ウィンクされながら、エレガントに指をさされた。
「ところで、どうしたんですか? そのドレスは?」
「あぁ、オリエラのお父様のアニス王かららしいわ。ところで、気にならないのフィーナのドレスが?」
「あっ! 行ってきます!」
僕は、2階へ駆け上がる。気持ちは、高揚しドキドキは、収まらない。
「まだ、話の途中なんだけど……」
階段を駆け上がると、オリエラが居た。
全体的にレースをふんだんにつかったバレーのチュチュなのだけどスカートのが、ミニスカートの上に、一枚のシフォ生地巻きつけられた様になっていて、前側にウェストの部分までスリットが入っている。
そこから歩く度、足が覗かせる様になって少女ぽさを演出している。
シフォンの生地の中のミニスカートは、タイトスカートなのだけど、レースがギリギリの量、使われていて――。
女の子の可愛らしさのふんわり感と女性らしいボディーラインを出す努力のせめぎ合いの落としどころを探った作りになっている。
「オリエラ、ドレス凄くにあっていね」
「そうかな? 魔法学校の制服は、ズボンばかり穿いてたから着なれないというか、自分が自分じゃないみたい」
「でも、君の事を一生懸命考えて選ばれたドレスだと思うよ。ぬいぬいにも聞いてこればいい」
「師匠か――恥ずかしいなぁ――、うん……じゃぁ行ってくる」
「いってらっしゃい」
「ハヤト、褒めてくれてありがとう――!」
階段を駆ける音、でも、その音はすぐゆっくりとした足音に変わる。若いっていいなぁ……。
フィーナとシルエットの部屋をノックする。
「はい……」
彼女が、顔を覗かせる。
「ハヤト! どうぞ中へ」
「えっと女の子が一人だけの時は、部屋へ入るのは遠慮した方がいいかな? っと最近思って……準備が、出来たらしたへエスコートするよ。まぁただの1階へだけどね……」
そう言うと僕は頭を掻きつつ、ポケットを探る。
そしてありえない過去を思い出した。
「僕の携帯は、向こうの世界のベッドの上だ!!」
僕は力なく座り込み……体育座りをした。美しい彼女の驚き、引かれようと……それをしなければ乗り越えられない時がある、それが今回は体育座り。
「ハヤト大丈夫? 携帯に大事なものが入っていたんですか?」
僕の彼女が西洋のお姫様の様な淡いピンクのドレスで、あくまでも上品であり可愛い、上等なレースを幾重にもつかったドレスを着ているのになんたる事……。
「大丈夫……写真は、取れないけれど絶対に覚えているから、今日の日の事を……」
「写真撮りますか?」
「撮ります!」
写真は、撮った。たくさん撮った。さっき女性の部屋へは一人の時って言ったけど、夜景も撮りたいから入って撮った。
わぁ――い!
つづく
召喚の間に移転してもらい何度となく歩いた道だ。
明日には旅立つ事となる。大豆畑は、今日焼き払った。帰り道の出たスライム1匹は、もはや楽に倒せる敵となった。
玄関前のシルスさんは、「僕も今日祝賀パーティー出席しますが、これでしばらく会えないのですね……」そう言ってくれた。
「本当にいままでお世話になりました」
僕は、魔界に暮すかもしれない。ここに戻って来ても勇者の間には、もう住まないだろう。 もう一度ここ戻って来るなら、仮住まいではなくここへ根を張った生活をしたいそんな風に思う。
あと少しの時を惜しむ様に鍵を解除し、扉を開ける。開けてびっくり別れを惜しむ我が家は、クリスマス化していた。
ところ狭しとプレゼンとの箱が、並べられる。
「主様、これ見てフフフ」
ウンディーネが、シフォン生地が、ふんだんに使われたブルー地に白のさし色が入ったマーメードドレスを着ている。
「可愛い!」ウンディーネは、ふぁふぁで、水の中の妖精の様だ。
「「イェーィ」」パチン、僕とウンデーネとでハイタッチ!
「ってどうしたんだウンディーネ!? これ」
「うん、わかんない」
「そっか……わかないか……、これからはわらないドレスは、勝手に着てません。ウンディーネ」
「わかった」彼女は、力を込めて頷いた。
プレゼントの箱をかき分け中に入って行くと、ダイニングで紅茶を飲んでいる、シルエットが居た。
シルエットは、シックな赤色のドレスで、肩と胸元がだされ、生地の始まりにはたくさんのドレープが入りその部分でドレスが止められている。手には長めの手袋を付けて、髪は横で真珠の飾りでまとめられている。
色っぽさが香り立つ様だ。
「あら、ハヤトじゃない? どうしたのに惚れちゃった? でも、こっちはもっとなのよ」
彼女が立ち振り向くと、背中はあらわになっている。俗に言う、殺す系の洋服だ。
「詳しくは、言いませんが、純朴の青年達を殺しにきてますよね?」
そうは言っても彼女のドレスは多くのドレープは使ってあり、上品に体のラインを出す立体加工で作られており、異世界の匠の技を見る事が出来る。
「まぁ、私が落とす男は特別な男だけだけど……、そう言われて悪い気はしないわ、合格」
僕は無事合格した様だ。ウィンクされながら、エレガントに指をさされた。
「ところで、どうしたんですか? そのドレスは?」
「あぁ、オリエラのお父様のアニス王かららしいわ。ところで、気にならないのフィーナのドレスが?」
「あっ! 行ってきます!」
僕は、2階へ駆け上がる。気持ちは、高揚しドキドキは、収まらない。
「まだ、話の途中なんだけど……」
階段を駆け上がると、オリエラが居た。
全体的にレースをふんだんにつかったバレーのチュチュなのだけどスカートのが、ミニスカートの上に、一枚のシフォ生地巻きつけられた様になっていて、前側にウェストの部分までスリットが入っている。
そこから歩く度、足が覗かせる様になって少女ぽさを演出している。
シフォンの生地の中のミニスカートは、タイトスカートなのだけど、レースがギリギリの量、使われていて――。
女の子の可愛らしさのふんわり感と女性らしいボディーラインを出す努力のせめぎ合いの落としどころを探った作りになっている。
「オリエラ、ドレス凄くにあっていね」
「そうかな? 魔法学校の制服は、ズボンばかり穿いてたから着なれないというか、自分が自分じゃないみたい」
「でも、君の事を一生懸命考えて選ばれたドレスだと思うよ。ぬいぬいにも聞いてこればいい」
「師匠か――恥ずかしいなぁ――、うん……じゃぁ行ってくる」
「いってらっしゃい」
「ハヤト、褒めてくれてありがとう――!」
階段を駆ける音、でも、その音はすぐゆっくりとした足音に変わる。若いっていいなぁ……。
フィーナとシルエットの部屋をノックする。
「はい……」
彼女が、顔を覗かせる。
「ハヤト! どうぞ中へ」
「えっと女の子が一人だけの時は、部屋へ入るのは遠慮した方がいいかな? っと最近思って……準備が、出来たらしたへエスコートするよ。まぁただの1階へだけどね……」
そう言うと僕は頭を掻きつつ、ポケットを探る。
そしてありえない過去を思い出した。
「僕の携帯は、向こうの世界のベッドの上だ!!」
僕は力なく座り込み……体育座りをした。美しい彼女の驚き、引かれようと……それをしなければ乗り越えられない時がある、それが今回は体育座り。
「ハヤト大丈夫? 携帯に大事なものが入っていたんですか?」
僕の彼女が西洋のお姫様の様な淡いピンクのドレスで、あくまでも上品であり可愛い、上等なレースを幾重にもつかったドレスを着ているのになんたる事……。
「大丈夫……写真は、取れないけれど絶対に覚えているから、今日の日の事を……」
「写真撮りますか?」
「撮ります!」
写真は、撮った。たくさん撮った。さっき女性の部屋へは一人の時って言ったけど、夜景も撮りたいから入って撮った。
わぁ――い!
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