132 / 204
それでも少しずつ歩む日々
ドレスのプレゼント
しおりを挟む
城内の勇者の間まで歩く道。
召喚の間に移転してもらい何度となく歩いた道だ。
明日には旅立つ事となる。大豆畑は、今日焼き払った。帰り道の出たスライム1匹は、もはや楽に倒せる敵となった。
玄関前のシルスさんは、「僕も今日祝賀パーティー出席しますが、これでしばらく会えないのですね……」そう言ってくれた。
「本当にいままでお世話になりました」
僕は、魔界に暮すかもしれない。ここに戻って来ても勇者の間には、もう住まないだろう。 もう一度ここ戻って来るなら、仮住まいではなくここへ根を張った生活をしたいそんな風に思う。
あと少しの時を惜しむ様に鍵を解除し、扉を開ける。開けてびっくり別れを惜しむ我が家は、クリスマス化していた。
ところ狭しとプレゼンとの箱が、並べられる。
「主様、これ見てフフフ」
ウンディーネが、シフォン生地が、ふんだんに使われたブルー地に白のさし色が入ったマーメードドレスを着ている。
「可愛い!」ウンディーネは、ふぁふぁで、水の中の妖精の様だ。
「「イェーィ」」パチン、僕とウンデーネとでハイタッチ!
「ってどうしたんだウンディーネ!? これ」
「うん、わかんない」
「そっか……わかないか……、これからはわらないドレスは、勝手に着てません。ウンディーネ」
「わかった」彼女は、力を込めて頷いた。
プレゼントの箱をかき分け中に入って行くと、ダイニングで紅茶を飲んでいる、シルエットが居た。
シルエットは、シックな赤色のドレスで、肩と胸元がだされ、生地の始まりにはたくさんのドレープが入りその部分でドレスが止められている。手には長めの手袋を付けて、髪は横で真珠の飾りでまとめられている。
色っぽさが香り立つ様だ。
「あら、ハヤトじゃない? どうしたのに惚れちゃった? でも、こっちはもっとなのよ」
彼女が立ち振り向くと、背中はあらわになっている。俗に言う、殺す系の洋服だ。
「詳しくは、言いませんが、純朴の青年達を殺しにきてますよね?」
そうは言っても彼女のドレスは多くのドレープは使ってあり、上品に体のラインを出す立体加工で作られており、異世界の匠の技を見る事が出来る。
「まぁ、私が落とす男は特別な男だけだけど……、そう言われて悪い気はしないわ、合格」
僕は無事合格した様だ。ウィンクされながら、エレガントに指をさされた。
「ところで、どうしたんですか? そのドレスは?」
「あぁ、オリエラのお父様のアニス王かららしいわ。ところで、気にならないのフィーナのドレスが?」
「あっ! 行ってきます!」
僕は、2階へ駆け上がる。気持ちは、高揚しドキドキは、収まらない。
「まだ、話の途中なんだけど……」
階段を駆け上がると、オリエラが居た。
全体的にレースをふんだんにつかったバレーのチュチュなのだけどスカートのが、ミニスカートの上に、一枚のシフォ生地巻きつけられた様になっていて、前側にウェストの部分までスリットが入っている。
そこから歩く度、足が覗かせる様になって少女ぽさを演出している。
シフォンの生地の中のミニスカートは、タイトスカートなのだけど、レースがギリギリの量、使われていて――。
女の子の可愛らしさのふんわり感と女性らしいボディーラインを出す努力のせめぎ合いの落としどころを探った作りになっている。
「オリエラ、ドレス凄くにあっていね」
「そうかな? 魔法学校の制服は、ズボンばかり穿いてたから着なれないというか、自分が自分じゃないみたい」
「でも、君の事を一生懸命考えて選ばれたドレスだと思うよ。ぬいぬいにも聞いてこればいい」
「師匠か――恥ずかしいなぁ――、うん……じゃぁ行ってくる」
「いってらっしゃい」
「ハヤト、褒めてくれてありがとう――!」
階段を駆ける音、でも、その音はすぐゆっくりとした足音に変わる。若いっていいなぁ……。
フィーナとシルエットの部屋をノックする。
「はい……」
彼女が、顔を覗かせる。
「ハヤト! どうぞ中へ」
「えっと女の子が一人だけの時は、部屋へ入るのは遠慮した方がいいかな? っと最近思って……準備が、出来たらしたへエスコートするよ。まぁただの1階へだけどね……」
そう言うと僕は頭を掻きつつ、ポケットを探る。
そしてありえない過去を思い出した。
「僕の携帯は、向こうの世界のベッドの上だ!!」
僕は力なく座り込み……体育座りをした。美しい彼女の驚き、引かれようと……それをしなければ乗り越えられない時がある、それが今回は体育座り。
「ハヤト大丈夫? 携帯に大事なものが入っていたんですか?」
僕の彼女が西洋のお姫様の様な淡いピンクのドレスで、あくまでも上品であり可愛い、上等なレースを幾重にもつかったドレスを着ているのになんたる事……。
「大丈夫……写真は、取れないけれど絶対に覚えているから、今日の日の事を……」
「写真撮りますか?」
「撮ります!」
写真は、撮った。たくさん撮った。さっき女性の部屋へは一人の時って言ったけど、夜景も撮りたいから入って撮った。
わぁ――い!
つづく
召喚の間に移転してもらい何度となく歩いた道だ。
明日には旅立つ事となる。大豆畑は、今日焼き払った。帰り道の出たスライム1匹は、もはや楽に倒せる敵となった。
玄関前のシルスさんは、「僕も今日祝賀パーティー出席しますが、これでしばらく会えないのですね……」そう言ってくれた。
「本当にいままでお世話になりました」
僕は、魔界に暮すかもしれない。ここに戻って来ても勇者の間には、もう住まないだろう。 もう一度ここ戻って来るなら、仮住まいではなくここへ根を張った生活をしたいそんな風に思う。
あと少しの時を惜しむ様に鍵を解除し、扉を開ける。開けてびっくり別れを惜しむ我が家は、クリスマス化していた。
ところ狭しとプレゼンとの箱が、並べられる。
「主様、これ見てフフフ」
ウンディーネが、シフォン生地が、ふんだんに使われたブルー地に白のさし色が入ったマーメードドレスを着ている。
「可愛い!」ウンディーネは、ふぁふぁで、水の中の妖精の様だ。
「「イェーィ」」パチン、僕とウンデーネとでハイタッチ!
「ってどうしたんだウンディーネ!? これ」
「うん、わかんない」
「そっか……わかないか……、これからはわらないドレスは、勝手に着てません。ウンディーネ」
「わかった」彼女は、力を込めて頷いた。
プレゼントの箱をかき分け中に入って行くと、ダイニングで紅茶を飲んでいる、シルエットが居た。
シルエットは、シックな赤色のドレスで、肩と胸元がだされ、生地の始まりにはたくさんのドレープが入りその部分でドレスが止められている。手には長めの手袋を付けて、髪は横で真珠の飾りでまとめられている。
色っぽさが香り立つ様だ。
「あら、ハヤトじゃない? どうしたのに惚れちゃった? でも、こっちはもっとなのよ」
彼女が立ち振り向くと、背中はあらわになっている。俗に言う、殺す系の洋服だ。
「詳しくは、言いませんが、純朴の青年達を殺しにきてますよね?」
そうは言っても彼女のドレスは多くのドレープは使ってあり、上品に体のラインを出す立体加工で作られており、異世界の匠の技を見る事が出来る。
「まぁ、私が落とす男は特別な男だけだけど……、そう言われて悪い気はしないわ、合格」
僕は無事合格した様だ。ウィンクされながら、エレガントに指をさされた。
「ところで、どうしたんですか? そのドレスは?」
「あぁ、オリエラのお父様のアニス王かららしいわ。ところで、気にならないのフィーナのドレスが?」
「あっ! 行ってきます!」
僕は、2階へ駆け上がる。気持ちは、高揚しドキドキは、収まらない。
「まだ、話の途中なんだけど……」
階段を駆け上がると、オリエラが居た。
全体的にレースをふんだんにつかったバレーのチュチュなのだけどスカートのが、ミニスカートの上に、一枚のシフォ生地巻きつけられた様になっていて、前側にウェストの部分までスリットが入っている。
そこから歩く度、足が覗かせる様になって少女ぽさを演出している。
シフォンの生地の中のミニスカートは、タイトスカートなのだけど、レースがギリギリの量、使われていて――。
女の子の可愛らしさのふんわり感と女性らしいボディーラインを出す努力のせめぎ合いの落としどころを探った作りになっている。
「オリエラ、ドレス凄くにあっていね」
「そうかな? 魔法学校の制服は、ズボンばかり穿いてたから着なれないというか、自分が自分じゃないみたい」
「でも、君の事を一生懸命考えて選ばれたドレスだと思うよ。ぬいぬいにも聞いてこればいい」
「師匠か――恥ずかしいなぁ――、うん……じゃぁ行ってくる」
「いってらっしゃい」
「ハヤト、褒めてくれてありがとう――!」
階段を駆ける音、でも、その音はすぐゆっくりとした足音に変わる。若いっていいなぁ……。
フィーナとシルエットの部屋をノックする。
「はい……」
彼女が、顔を覗かせる。
「ハヤト! どうぞ中へ」
「えっと女の子が一人だけの時は、部屋へ入るのは遠慮した方がいいかな? っと最近思って……準備が、出来たらしたへエスコートするよ。まぁただの1階へだけどね……」
そう言うと僕は頭を掻きつつ、ポケットを探る。
そしてありえない過去を思い出した。
「僕の携帯は、向こうの世界のベッドの上だ!!」
僕は力なく座り込み……体育座りをした。美しい彼女の驚き、引かれようと……それをしなければ乗り越えられない時がある、それが今回は体育座り。
「ハヤト大丈夫? 携帯に大事なものが入っていたんですか?」
僕の彼女が西洋のお姫様の様な淡いピンクのドレスで、あくまでも上品であり可愛い、上等なレースを幾重にもつかったドレスを着ているのになんたる事……。
「大丈夫……写真は、取れないけれど絶対に覚えているから、今日の日の事を……」
「写真撮りますか?」
「撮ります!」
写真は、撮った。たくさん撮った。さっき女性の部屋へは一人の時って言ったけど、夜景も撮りたいから入って撮った。
わぁ――い!
つづく
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる