125 / 166
それでも少しずつ歩む日々
書類提出に向け
しおりを挟む
旅の為の書類を書き終えた。
しかしヘンテコだった。僕とフィーナとウンデーネは、ルイスを捕まえて書類を書いたのだけど。
書類を書くにあたってまず、こちらの言葉を書けているか? からのチェックから始めてどうやら僕の名前は書けているらしい。
じゃー向こうの漢字で名前を書いてみると、宣言し見せるとルイスには読めないらしい。漢字を知っているフィーナは『漢字で、名前が読めます』と言う。
じゃー2枚の紙を混ぜて、二人に見せると――。
「えっ……両方とも読めます……」と、驚くルイス。
「漢字は、こっちです」フィーナはそう言うので、漢字の方にの裏に〇を付けて、何度か見せてみる。そうすると、正解しない回も出る。それを伝えて見せると魔界特有の文字で最後は見えだしてカオスの状態になってしまった。
「狐でもそう言う事は出来るのですが、無意識で行うと言うのは難しいです」
「勇者ってどうなっているんですか?」と、最後にはルイスに言われる始末になってしまった。
そんな中でウンディーネだけが、ルイスに書いて貰った見本の自分の名前を一人もくもくと練習させられ、「私も話に参加したいのにな」とふてくされながら頑張っていた。
それでも名前さえ書ければ、後はチェックを入れるだけの異世界から来た、勇者仕様の優しい書類になっている。
それでもところどころで、死後の埋葬の仕方や、葬儀を知らせたい人などの質問が書かれていて驚かされる。
「フィーナは、埋葬はなんて書いた?」
「秘密です」
「秘密なのか……じゃ、僕はフィーナと一緒でて書いておこう」
「それじゃ――決められなくなりますから、ちゃんと書いておいてください」
「でも、フィーナと一緒って書いたから……」
「私もそう書きました」
フィーナが顔を赤らめて書類を見せて来る。
「フィーナ……」
「フィーナも主様も川に流す方式にしない?」ウンディーネが、笑顔でそう薦めて来た。
「水に流され、水の微精霊に戻る貴方と違って、人間は川に流す方式は却下です」
それもあっけなくルイスに却下され、「勇者様も魔界では死体が残る方がまれなので、大丈夫ですよ」と身も蓋もないアドバイスを僕にくれる。
「じゃあさ――ルイス、バスってあるんだけど、乗り合い馬車の乗り場固定されているのだけれど」
「「はい」」
「乗り場固定された場所に、バス停って目印を置くんだけど……それを毎日動かして、自分の家の前に移動させて移動距離0って与太話あるんだけど」
そう、僕が与太話で言った話。
「そう言うのはどこにでもありますが、毎回、国家の民衆同士の心の中で見えない内に関係が悪くなるので、大問題になるやつです」
「魔界でも魔王様が出る案件ですね。まぁ魔界は、荒野すぐてそんな事はあまりおきないでしょうけど。人間界となら大問題です」
それは、こうやって魔界の執事と魔界の補佐官によって否定された。……勇者の執事だったか。
「出来た!」やっとウンディーネが、本番を終えた。
「拝見します」ルイスの検査をしているところを、なんとなく眺める。ルイスの動きが止まっている。書類には、ウンデイーネ……。
「うん……難しい所ですが……いざ、となったらゴリ押ししましょう!」
と言うわけで、国家間では、難しいごり押し行為も個人間では、まぁ時として行われますよね。
と言うわけで、僕らは城の事務室へと参上した。
すぐ手続きをした、現地の仲間と違い最後まで時間がかかった、異国出身組の僕とフィーナは、すんなり書き加われた身分証明書のギルドのカード受け取って終わった。
ウンデーネはやはり止められたが、赤で横に2本線引いかされ、本人に赤のペンを渡して小さなィを下に書かせたら、ギルドの身分証明書と見比べて書類提出と共にカードに記載されあっさりとおわった。訂正印の必要も無し。
あっさりとあっけなく僕らは旅立てる事になった。
「後は、旅立ちの祝賀パーティーと見送りのパレードだけですね」
と、さっさりルイスが言うが、それはそれで重い。むしろそちらの方が重いよと、頭を抱えたのであった。
つづく
しかしヘンテコだった。僕とフィーナとウンデーネは、ルイスを捕まえて書類を書いたのだけど。
書類を書くにあたってまず、こちらの言葉を書けているか? からのチェックから始めてどうやら僕の名前は書けているらしい。
じゃー向こうの漢字で名前を書いてみると、宣言し見せるとルイスには読めないらしい。漢字を知っているフィーナは『漢字で、名前が読めます』と言う。
じゃー2枚の紙を混ぜて、二人に見せると――。
「えっ……両方とも読めます……」と、驚くルイス。
「漢字は、こっちです」フィーナはそう言うので、漢字の方にの裏に〇を付けて、何度か見せてみる。そうすると、正解しない回も出る。それを伝えて見せると魔界特有の文字で最後は見えだしてカオスの状態になってしまった。
「狐でもそう言う事は出来るのですが、無意識で行うと言うのは難しいです」
「勇者ってどうなっているんですか?」と、最後にはルイスに言われる始末になってしまった。
そんな中でウンディーネだけが、ルイスに書いて貰った見本の自分の名前を一人もくもくと練習させられ、「私も話に参加したいのにな」とふてくされながら頑張っていた。
それでも名前さえ書ければ、後はチェックを入れるだけの異世界から来た、勇者仕様の優しい書類になっている。
それでもところどころで、死後の埋葬の仕方や、葬儀を知らせたい人などの質問が書かれていて驚かされる。
「フィーナは、埋葬はなんて書いた?」
「秘密です」
「秘密なのか……じゃ、僕はフィーナと一緒でて書いておこう」
「それじゃ――決められなくなりますから、ちゃんと書いておいてください」
「でも、フィーナと一緒って書いたから……」
「私もそう書きました」
フィーナが顔を赤らめて書類を見せて来る。
「フィーナ……」
「フィーナも主様も川に流す方式にしない?」ウンディーネが、笑顔でそう薦めて来た。
「水に流され、水の微精霊に戻る貴方と違って、人間は川に流す方式は却下です」
それもあっけなくルイスに却下され、「勇者様も魔界では死体が残る方がまれなので、大丈夫ですよ」と身も蓋もないアドバイスを僕にくれる。
「じゃあさ――ルイス、バスってあるんだけど、乗り合い馬車の乗り場固定されているのだけれど」
「「はい」」
「乗り場固定された場所に、バス停って目印を置くんだけど……それを毎日動かして、自分の家の前に移動させて移動距離0って与太話あるんだけど」
そう、僕が与太話で言った話。
「そう言うのはどこにでもありますが、毎回、国家の民衆同士の心の中で見えない内に関係が悪くなるので、大問題になるやつです」
「魔界でも魔王様が出る案件ですね。まぁ魔界は、荒野すぐてそんな事はあまりおきないでしょうけど。人間界となら大問題です」
それは、こうやって魔界の執事と魔界の補佐官によって否定された。……勇者の執事だったか。
「出来た!」やっとウンディーネが、本番を終えた。
「拝見します」ルイスの検査をしているところを、なんとなく眺める。ルイスの動きが止まっている。書類には、ウンデイーネ……。
「うん……難しい所ですが……いざ、となったらゴリ押ししましょう!」
と言うわけで、国家間では、難しいごり押し行為も個人間では、まぁ時として行われますよね。
と言うわけで、僕らは城の事務室へと参上した。
すぐ手続きをした、現地の仲間と違い最後まで時間がかかった、異国出身組の僕とフィーナは、すんなり書き加われた身分証明書のギルドのカード受け取って終わった。
ウンデーネはやはり止められたが、赤で横に2本線引いかされ、本人に赤のペンを渡して小さなィを下に書かせたら、ギルドの身分証明書と見比べて書類提出と共にカードに記載されあっさりとおわった。訂正印の必要も無し。
あっさりとあっけなく僕らは旅立てる事になった。
「後は、旅立ちの祝賀パーティーと見送りのパレードだけですね」
と、さっさりルイスが言うが、それはそれで重い。むしろそちらの方が重いよと、頭を抱えたのであった。
つづく
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
父が死んだのでようやく邪魔な女とその息子を処分できる
兎屋亀吉
恋愛
伯爵家の当主だった父が亡くなりました。これでようやく、父の愛妾として我が物顔で屋敷内をうろつくばい菌のような女とその息子を処分することができます。父が死ねば息子が当主になれるとでも思ったのかもしれませんが、父がいなくなった今となっては思う通りになることなど何一つありませんよ。今まで父の威を借りてさんざんいびってくれた仕返しといきましょうか。根に持つタイプの陰険女主人公。
王太子の子を孕まされてました
杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。
※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
愛想を尽かした女と尽かされた男
火野村志紀
恋愛
※全16話となります。
「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる