魔王がやって来たので

もち雪

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それでも少しずつ歩む日々

君とだけ一緒だったはずだった

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 今日はの昼はフィーナを街に誘って、昼食をとる事にした。

 そして城内の街行きの定期乗り合い馬車に乗り込む為、フィーナを引き彼女を馬車に招き寄せる。その後に続きウンデーネとシルエット二人も、エスコートする為に乗り込む彼女達の手助けをする為にそれぞれに手を伸ばす。

 僕達4人は、フィーナが僕の横に座り、ウンデーネとシルエットは僕達の顔をみて頬笑みを絶やさない。

主様あるじさま、街で食事なんてひさしぶりね」

「主様、ちょっとしたハーレムなんて素敵ね」

 シルエットは、ウンデーネの真似をする。

「一緒に食事は、楽しいけどハーレムを作るのは僕の趣味じゃないから」

 フィーナは、僕達がそんな会話している中で、一人静かに黙り込んでいる。

「フィーナ、僕は君を誘ったんだし何か食べたいものがあれば、決めてくれるかな?」
 
 彼女は、少しもじもじしながら、「人間界のおにぎりや卵焼き食べてみたいです」そう言った。

「わかった。じゃあ、街に入ったら銅像の前で降ろして貰おう」
 
「えぇ、こちらの人間界にもあるんですか? おにぎり」

「そうらしい。実は僕も噂だけで行った事はないけどね」

 彼女は、手を合わせ顔の横に起きながら、目を輝かせている。ウンデーネは、おにぎりと聞いて首をかしげているが、シルエットは食べた事があるのか特に驚いている様ではなかった。

 街に入ると石畳のがつづいていたが、土の上のを馬車が通る感触になっていまった。

「すまない、行きすぎた様だ」

 街中なに銅像があり、そばに日本料理屋がある様に聞いたがどうやら見落としてしまった様だ。正直、ルイスに話を聞いただけだったので、すぐに見つかると考えいたが、簡単に考え過ぎてた様だ。

 僕は荷馬車の奥に進み、御者と僕を隔てる小窓の横を叩くと、ガラス窓が開いた。「降ります」と言いお金を4人分払うと、馬車は止まっり僕は乗る時と同じ様に一番に出て、彼女達に手を貸す。

 馬車を降りると、御者に「ありがとう」やバイバイなどをして彼に別れを告げ、まずここがどこか確認すると一応、仮の目印を決める。

「ここの辺りに、勇者の銅像があって彼が残したレシピを使った、日本料理屋があるんだ。ちょっとここら辺で探して貰えないかな?」

 そう言い一応仮の目印についても、フィーナとシルエットに伝える。僕とウンデーネが組になってフィーナ達と別れ探せば、案外すぐに銅像は見つかった。そしてフィーナ達もすぐにそこへとたどり着いた。

 武者の恰好をした格好をした銅像を見た彼女達は、目を開けて驚いている。

「この銅像、もしかしてよしの? 髪型とか、そっくりだけれどもっと彼、目つきが悪いわよね?」

「それはシルエットとだいたい戦ってるからじゃないですか――、でも、そうですね。目がキラキラし過ぎかもしれません」

「彼は、魔界に居るの? 子孫ではなくて?」

 僕は、少し驚きを隠せず聞く。勇者がそんなに長寿だっとちょっと問題かもしれない。

「彼よ。魔王は、気まぐれで何百年の前から人間の勇者を、青い鳥にして置いているわ」

 シルエットは、魔王ヤーグのイメージには合わない。僕が、少し考えこんでいると……。

「よしのさんも少しは丸くなって、暴言も減ってきているんですよ」

「でも、彼はいつも怒っていて面白いわよね」

「もうシルエットは、すぐによしのさんを挑発するから」

「……当初聞いていた通りの勇者の様で、なんだか納得したような……」

 まぁ、長寿の方も気になるが、いろいろな効力の働いている自分の体に、長寿が加わっても今のところは問題ないだろう。

 日本料理は、近くにありすぐに見つかった。

 その店の前に、ビオトープ、陶器の鉢に小さな魚が泳いでいる。三人の女性は、その魚を見て可愛いとか素敵とはしゃいでいる。少し待っているとウンデーネは、魚を覗き込もうとしてるし、そんな彼女を支えようとするシルエット、少し遠くから二人を見ているフィーナとそれぞれの個性の違いを何となく眺めていた。

 その何の変哲もない時間。

 僕は、気を抜き過ぎて……フィーナが耳もとの髪を耳にかけようとして、不意に僕の視線に気づき恥ずかしそうにこちらを見て恥ずかしそうに笑う。そういう瞬間で、思いっきり息が止まるほどの思いや心臓の高鳴りをおさせる事に……。

 おもわず、赤面するほどの好きを感じるのだった。

 

           つづく。
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