魔王がやって来たので

もち雪

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それでも少しずつ歩む日々

越えるべき壁の発露(はつろ)?

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畑からの道、ウンディーネと二人で帰る城への道。下手をすると一生こうして一緒に、ウンディーネと歩いて行く事になるだろう。

 精霊の契約は、絶対で、ウンディーネとが帰る時は、たぶん僕は死んでいるらしい。帰る次点で、殺されてしまう、ウンディーネの手によって……。だから下手をうたなければ、生きてられるが、正しいか……。

 これはもうウンディーネの言う通り、可愛い妹が出来たと思い、生きていくしかないのかもしれない。まぁ――本物の妹いるし、いける! って言うか、行くしかない。

 前を見て歩き出すと、ウンディーネが、僕の顔をちらちらと、うかがう様に見ている事に気付く。

「ウンディーネ、ごめん……、君の事いろいろ勉強していたはず……なのに……フィーナが来て君に、僕の出して欲しい答えを強要し過ぎたかもしれない……」

「うん……」

「僕は、いい主様あるじになるよ、だから……今は、それを目指させてほしい。でも、それは僕は少し変わるって事でだ。そしてそれは絶対である様にしたい。」

「わかった。精霊の水しかない世界ではない。この夢と冒険の世界をみんな夢見て生きている、だから精霊は気にいった人間に、力を預ける。でも、私はこの場所で、夢と冒険を見せて、ううん、私が行くの。主様について夢の様な冒険の日々を見に」

「わかった、絶対退屈はさせない旅にするよ。そんなわけで、今日も走ろうみんなはきっともう僕らのうちに帰っているころだ」

 僕達が、走ると、ウンディーネの水色の長い髪が揺れる。彼女を少しでも、泣かせない様に僕は、頑張らなければいけない。



                 ☆★☆★☆




 しかし、ウンディーネは、家に着いた時には泣いていた……。

「くやしぃ……あんな犬に、吠えられるなんて屈辱耐えられない――!」

 城下町で、大きいブルドックを、連れたおじいさんが居て……どうも、レト君はウンディーネからおじいさんを守ろうとして、ウンディーネを吠えたのだが……。

「あなた何? やるの?!」って言って、ウンディーネが激怒っていうか、子供の喧嘩に堂々と参戦したみたいになり……おじいさんも「すみません、すみません……レトの命だけは――。ほらレト! お座り」って言ったら……レト君は、おじいさんとウンディーネを交互に見てお座りするほど、おりこうさんなんだけど……少しでもウンディーネが動くと、ヴゥ――と、うなってしまうので……僕はあわてて――。


「いや、ウンディーネが凄く強いからびっくりしたのかもしれませんし、大丈夫なんで、じゃ――失礼します」

 そう言って、ウンディーネを連れて慌てて帰って来たと言うわけだ。

「さぁ……ウンディーネ、はい、ハンカチ。いつまでも泣いてないで……」

「ウンディーネは、気配と言うか、強さを敏感な犬とかの為に、もっと引き締めていう。 弱い魔物の狩りの時困るし」

「わかった。シルエットくらいになるまで頑張る!」

 僕は、ウンディーネの顔を見る。

「もしかして、シルエットさん強いの?」

「うん、フィーナの魔力も凄くて、主様と同じくいい匂いだけど。シルエットは私が前一時期、見ていた一族に感じが似ているかな? こう一撃必殺じゃないんだけど。いろいろ多芸多才の方で強い。でも、水が嫌いぽいから途切れ途切れしか見た事でしかわからないけれど……」

「はぁ……そうなんだ……」

 僕のまわりには、大変が切れ目をなさずにやってくるようだ……。

 僕はすっかり暗くなった空の星を見上げる。そして、ハッ!と思いつく。もしかして、この障害を乗り越えないと……娘はやれん!的なアレなのかもしれない。さすが魔王……。

            つづく 
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