86 / 164
王の命
上級試験 開会式
しおりを挟む
湿地帯のある平原の前の高台に僕らはいた。高台の下は魔物が歩いている様子が目視出来る。
本部テントと救護テントがあるけれど、終わり間際まで受験者は使う事は、出来ないとルイスから聞いた。
今回の受験者は100名位。近場の別のギルドの連中も来ている様だが、こんなものだろうか?
始まる前に、僕達のパーティーに声をかける人物がいた。
「おいどんも、御一緒していいですか?」
彼は、やたらめったらが体格が良くて、とても優しい顔をしている男で、背中には、大きなリュックをしょっている。
「いつも、フリーで荷物運びをしてますが、今回、運悪く便乗するはずのパーティーが、受付に遅刻してしまったようで……お願いできないでしょうか?」
「駄目です、一人20匹で、うちのチームだけで60匹狩らなければならないのに、80匹になるなんてハンデーにしかなりません。」
そうミッシェルが、言い切ってしまう。
「でも、ミッシェル……」
「ハヤトさんの頼みでも駄目です! パーティーで、一人でも反対するものがあればその話は持ち越しでしょう? 今回は、間に合いません。」
ミッシェルは、胸の所で、バイバイする様に手を動かす。見た目はクルマのワイパーみたいに少しおもろかわいい動作だが、言っている事は可愛くない。
「ミッシェル、私はいいと思うな~人手があった方が、安全だよ?」
オリエラも同行を求めるがどうも駄目な様だ。さっきのバイバイ姿勢のまま――。
「彼は、補助職で戦闘では役にたちませんし、討伐数の証明の為の中級以上の魔物から出る魔石は、僕達で持てる大きさですよ。彼を入れるのは、合格率を下げるだけですので無理です」
仕方ない……この手は使いたくなかったが、使うか。
「ミッシェル、彼はフリーの中級職と考えると、この階級を受けられるだけの実績もある。と言う事は、多くのパーティーと親しい間柄なはず。親しくなると……少なくとも2パーティーと親しくなれるチャンスがあるはずだ。そして彼に投資することによって……未来の上級パーティーとも……」
そう言って僕は、彼の言葉を待つ。
「お近づきになれる可能性を秘めている。わかりました。ハヤトさんがそこまで言うならパーティーを組みましょう!」
しかしすぐ後ろの話題の彼には、丸聞こえだけどな……顔がとても戸惑っているし……。
「なんかすみません、ありがとうございます。 スドウと言います」
やはり聞こえてた様で、僕は少し心が痛かった。
「こちらこそ、よろしくお願いします。ハヤトです」 「オリエラです」 「ミッシェルです。よろしくお願いします」
スタートまでのあき時間、各自、受付時に配られた地図を見る。
確実に数を稼げるならアリ、安全を取るなら魚、基本に戻ってスライムでもいいが、ここのスライムは毒があるらしい。アリは当たりの年は、各パーティー連携を取ってサクサクいけるらしいが……、はずれの年は横でモグモグされているの見ながらだから士気が、おおいに下がるらしい。
昨日に、ルイスから聞いた知識なんだが……。
上級には合格定員数などないから……みんなで連携するよな? よな??
「人数が居るから数の勝負のアリへ行こうか?」
「そうですね、立ち位置とアリの巣を壊さない様にすればいいと聞きますし」
ミッシェルは、さすがこういう時の台詞は安定している。
「楽しみだぁ~合同戦になるかもしれないでしょう? 授業でもやったけど実際はどうな風になるんだろう」
「皆さんなんかういういしくっていいですね」
スドウさんは、そう言って笑顔をみせる。
「あのスドウさん、荷物運びって戦闘中どんな感じの配置なんですか?」
「そうですね……人によりますけど……おいどんはだいたい後衛の位置にいますね。いつでも、荷物を持っているので――戦う事は、出来ませんが――見張りの様な立ち位置で居る事がおおいでござわす」
「わかりました。うちでは、ミッシェルの隣ですねよろしくお願いします」
「スドウさん、お互いがんばりましょうね」
ミッシェル、キャラが、変わっている……。 お金にかかわる時でも、ちょっとなまいきな後輩をつらぬいてくれ!
いや……むしろ、今のままがいいのか?
キ――ィ――ンマイク特有のあの反響音がなった。
「やーみんな初めての人もいるかな? ここホイルトツェリオ城のギルド長を、務めるレン ホルンだ」
キタ――――!! 異世界のブラックギルドの犠牲者レン ホルンさん。上級試験のテストが、ギルドの公での最終テストだから来るのはわかるが……。そうかそうなのか……。
今日の彼女はやはりおかっぱで、切れ目のあるタイトスカートにやっぱり、異世界風ポンチョみたいな服をざっくり着ている。
「と言うわけで、事故やけがなどあればすぐに助けに行く事は出来ない。無理のある行動は避ける様に心がける様に、後、死体を見つけた場合、配った布で覆って欲しい。いろいろな効果があるからね。じゃ――みんな、頑張って!始め!」
上級試験が始まった。この階級になるとみんな歴戦の猛者だろう……。そう思ってた僕の横を、アウトロー風の男達が走って、アァァァァァ――――――!一人、足を滑れせ下に落ちていった……。
辺りが騒がしくなるなか、「行こうか」と僕は、左手で頭を抱えながら歩き出す。
つづく
本部テントと救護テントがあるけれど、終わり間際まで受験者は使う事は、出来ないとルイスから聞いた。
今回の受験者は100名位。近場の別のギルドの連中も来ている様だが、こんなものだろうか?
始まる前に、僕達のパーティーに声をかける人物がいた。
「おいどんも、御一緒していいですか?」
彼は、やたらめったらが体格が良くて、とても優しい顔をしている男で、背中には、大きなリュックをしょっている。
「いつも、フリーで荷物運びをしてますが、今回、運悪く便乗するはずのパーティーが、受付に遅刻してしまったようで……お願いできないでしょうか?」
「駄目です、一人20匹で、うちのチームだけで60匹狩らなければならないのに、80匹になるなんてハンデーにしかなりません。」
そうミッシェルが、言い切ってしまう。
「でも、ミッシェル……」
「ハヤトさんの頼みでも駄目です! パーティーで、一人でも反対するものがあればその話は持ち越しでしょう? 今回は、間に合いません。」
ミッシェルは、胸の所で、バイバイする様に手を動かす。見た目はクルマのワイパーみたいに少しおもろかわいい動作だが、言っている事は可愛くない。
「ミッシェル、私はいいと思うな~人手があった方が、安全だよ?」
オリエラも同行を求めるがどうも駄目な様だ。さっきのバイバイ姿勢のまま――。
「彼は、補助職で戦闘では役にたちませんし、討伐数の証明の為の中級以上の魔物から出る魔石は、僕達で持てる大きさですよ。彼を入れるのは、合格率を下げるだけですので無理です」
仕方ない……この手は使いたくなかったが、使うか。
「ミッシェル、彼はフリーの中級職と考えると、この階級を受けられるだけの実績もある。と言う事は、多くのパーティーと親しい間柄なはず。親しくなると……少なくとも2パーティーと親しくなれるチャンスがあるはずだ。そして彼に投資することによって……未来の上級パーティーとも……」
そう言って僕は、彼の言葉を待つ。
「お近づきになれる可能性を秘めている。わかりました。ハヤトさんがそこまで言うならパーティーを組みましょう!」
しかしすぐ後ろの話題の彼には、丸聞こえだけどな……顔がとても戸惑っているし……。
「なんかすみません、ありがとうございます。 スドウと言います」
やはり聞こえてた様で、僕は少し心が痛かった。
「こちらこそ、よろしくお願いします。ハヤトです」 「オリエラです」 「ミッシェルです。よろしくお願いします」
スタートまでのあき時間、各自、受付時に配られた地図を見る。
確実に数を稼げるならアリ、安全を取るなら魚、基本に戻ってスライムでもいいが、ここのスライムは毒があるらしい。アリは当たりの年は、各パーティー連携を取ってサクサクいけるらしいが……、はずれの年は横でモグモグされているの見ながらだから士気が、おおいに下がるらしい。
昨日に、ルイスから聞いた知識なんだが……。
上級には合格定員数などないから……みんなで連携するよな? よな??
「人数が居るから数の勝負のアリへ行こうか?」
「そうですね、立ち位置とアリの巣を壊さない様にすればいいと聞きますし」
ミッシェルは、さすがこういう時の台詞は安定している。
「楽しみだぁ~合同戦になるかもしれないでしょう? 授業でもやったけど実際はどうな風になるんだろう」
「皆さんなんかういういしくっていいですね」
スドウさんは、そう言って笑顔をみせる。
「あのスドウさん、荷物運びって戦闘中どんな感じの配置なんですか?」
「そうですね……人によりますけど……おいどんはだいたい後衛の位置にいますね。いつでも、荷物を持っているので――戦う事は、出来ませんが――見張りの様な立ち位置で居る事がおおいでござわす」
「わかりました。うちでは、ミッシェルの隣ですねよろしくお願いします」
「スドウさん、お互いがんばりましょうね」
ミッシェル、キャラが、変わっている……。 お金にかかわる時でも、ちょっとなまいきな後輩をつらぬいてくれ!
いや……むしろ、今のままがいいのか?
キ――ィ――ンマイク特有のあの反響音がなった。
「やーみんな初めての人もいるかな? ここホイルトツェリオ城のギルド長を、務めるレン ホルンだ」
キタ――――!! 異世界のブラックギルドの犠牲者レン ホルンさん。上級試験のテストが、ギルドの公での最終テストだから来るのはわかるが……。そうかそうなのか……。
今日の彼女はやはりおかっぱで、切れ目のあるタイトスカートにやっぱり、異世界風ポンチョみたいな服をざっくり着ている。
「と言うわけで、事故やけがなどあればすぐに助けに行く事は出来ない。無理のある行動は避ける様に心がける様に、後、死体を見つけた場合、配った布で覆って欲しい。いろいろな効果があるからね。じゃ――みんな、頑張って!始め!」
上級試験が始まった。この階級になるとみんな歴戦の猛者だろう……。そう思ってた僕の横を、アウトロー風の男達が走って、アァァァァァ――――――!一人、足を滑れせ下に落ちていった……。
辺りが騒がしくなるなか、「行こうか」と僕は、左手で頭を抱えながら歩き出す。
つづく
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
王太子の子を孕まされてました
杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。
※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる