魔王がやって来たので

もち雪

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王の命

蜂の殺意

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 ふと、思ったのだが……この異世界武器に魔法の効果をのせる事が普通で、なんか凄いな……。まぁふと思っただけなんですけどね。

 そんなわけで、城の兵士練習場ドーム側で、今日も槍の稽古をしているのだが……。
 ウンディーネは、今日も師匠の隣に座って居るな……持って来た漫画のヒロインのマネージャーも確かそんな感じだったような?……。

 ぐぇ――、柔軟の背中を不意に押されて変な声が出る。

「あっ、すみません」ミッシェルが、そう言いながら僕の背中を押す。交替でミッシェルの背中を押すが、普通に柔軟だ出来ていてる。

「凄いですね、柔軟が出来ていて」僕は、感心して彼に伝える。

「いえ、これぐらい普通何で……」

(なんか、いつもの言動に対して、自己肯定感、低いよな……ミッシェルって……)

 僕は、ミッシェルの背中を押す。ギューギューやはり彼の体は柔らかい。ミッシェルのくるくるふわふわの巻き毛と同じ位柔らかい。

「ミッシェル、僕には普通じゃないので……うーん、自分を褒めてあげてくださいよ」

「はぁ……」

 ミッシェルは、戸惑った様にそう言うだけだった。また、余計な事を言ってしまった……。穴があったら入りたい……。仕方ない槍のかたをたくさん稽古して、すべてを忘れよう。ここでは、槍のかたが5種類あるが、すべてうまく行えるようになっても結局、その人に身体能力らしく僕のギルドカードの示された槍の能力よ開花してくれと願うばかりだ。

 お昼のランチの後にギルドまで行く、僕は、来月の一日にある、中級、上級の階級テストを一緒に申し込む事にした。槍は、まだ使い物にならないが、月に一度しか受けられない為、魔法でごり押しするしかないが挑戦しても損はないだろう……どこぞのテストみたい生死をわけたテストじゃないよな? ないよなあ???

 そして、今日のギルドクエストは、蜂!これは普通。だが、毒もあるし気を付けねばならない。
 条件、民家なので現状維持、家の主に報告。蜂の巣の除去までか……まぁ、普通か……。

 ギルドクエストオファー主の家に行くと、すぐ蜂を見つける。あ……今回も、バケツ大か……。ルイスに、援護射撃をして貰い、家の主に挨拶する為に扉を叩く、そんな僕の横を矢がかすめてバケツが死んでいく。あっと……蜂か……。やはり開けてくれなさそうなので本腰を入れて狩る事に決定。

「ハヤト、挨拶してたら、その間に全部倒しそうだったかも?――」

 オリエラは、サクサク倒していく。今日は、ウンディーネは、「蜂の顔が、無理」だそうで基本様子見らしい。ギルドのプリントが、無駄に顔がリアルだったからな……。

「みんな行くよ」

 今日の作戦は、火が使えないので、僕がメインで蜂を閉じ込める、水攻めの檻を作り出す。後の2人が、逃げた蜂をカバー、ミッシェルに僕の魔法補助をお願いするやり方だ。

 槍で、近くまで蜂を落としつつ進む、音によって相手がわかるので師匠よりやりやすいが、蜂の巣がでかい分どれだけ入っているのか未知数な点が不安だが。二人とも僕より上級なだけあってさくさく倒していく。うん? 家を、見ると中でふたりが僕達に向かって、凄く祈っている。僕は、うなずくだけすると魔法を使っていく。水を慎重に巣の周りにまとわせ。徐々に水圧をかけ逃がさない様にする。耳元ではいろんな音だなっている様だが、そこに意識を向けぬ様にやり過ごすが……。

 先ほどから気になるものが、2つある。水死する蜂の死体が折り重なる水……やばい。もっとやばいのが巣からの音だ。

「音が、均一性を持って来てる……」

 僕が、そうつぶやくと共に辺りの空気が、変わり音が外にまで響く。この音は歓喜の音……。

「ハヤトに逃げて――!!」ウンディーネの声が、遠くから聞こえるが、この水圧を今解除すれば家の中の人まで無事ですまない。

 そう考えている時には、もう巣を食い破った女王蜂が中から出て来て僕の顔をその濁った眼で見つめ笑う。

 笑ったのか?

 僕からは確かにそう見えた。
 
 しかしその瞬間。女王蜂が出す僕を肩を食い破る不気味なギシピチィシと僕の耳の届いた。僕の肩を深く喰らいついソレを払いのける余裕も、恐怖も水の魔法の維持と解放に持って行かれてる今は僕はただの蹂躙されるでくの坊とかす。しかしそれは瞬時に動いた、何本の矢とオリエラの炎の刃が、女王蜂を切り刻むまでのわずかな時間であった。しかしその中で僕は絶望を知った。

 気絶しそうなギリギリで保ち、水を少しずつ崩壊させるそれさえも正直、危うくなってきている。

 ミシェルは、僕の肩に凄い量の回復魔法をかけて、肩が燃え上がるように、熱い。

 みんな何か叫んでいた様に思う。だけど……魔法に集中しないとだからよく聞こえない。

 その時、僕の肩を誰かが叩く。その手があまりに優しくて僕は、思わず振り返ってしまった。

「ウンディーネ?」彼女の髪が、水中の中にいる様に空いっぱいに広がる。やはり、水の中の彼女の方が奇麗かもしれない。そう僕が思った瞬間には、僕は作った水の檻は、彼女の腕の一振りですべては霧となり霧散していた。

 僕は、ウンディーネとミッシェルの支えられ深い闇に落ちた。

 
 
          ◆◆◆◆◇◇

 僕は暗い闇の海から這い出すと、僅かな炎は、そこにはあってそこには誰かが居てくれるはずと、僕は勝手に考えていた。海岸の砂をかき分け進んだ先の炎、とても小さくでも、暖かい。ゆっくり手で包み込む。

「あたたかい……」

 しかし僕の手の隙間から光があふれて辺りを照らす。

      ーーここで、ふたたび暗転する。ーー

 ………………光はあった。でも、それは燭台しょくだいの上のろうそくの明かり。

 僕は、ベットから起き上がろうとすると――。

 「起きないでください、回復魔法を使ったと言って、今回流れた血の量が多すぎたので、少し揺り戻しが来る可能性があります」

 それは、ルイスの声で……。
 横を見ると白いガウンの似合う男ルイスがいた。ルイスは、コーヒーを飲んでいる様で、白いコーヒーカップを持っている。でも、冷めているの湯気はの白さがみることは出来なかった。

「何で、ここに?」

「貴方のウンディーネが、貴方の足から離れなかったので、対抗出来る僕だけが残されました」

「そっか」ウンディーネの頭を撫でる。さらさら、すべすべで絹の様だ。

「じゃ、私がこれで――」

「ありがとう……」

「あっと……ハヤト様、学生もいるので不純行為は、お控えください」

「そうですね……」僕は、笑った。ルイスのガウンをしっかり持って。

「自分の身は自分で守る。でも、今日は体調不良なのでお願いします」と、必死でルイスに頼み。彼は、ソファで寝る事になった。

 次の日、朝からウンディーネとルイスがもめる声で目を覚ましたが……僕は、いろいろな事に感謝しながら起きたのだった。

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