魔王がやって来たので

もち雪

文字の大きさ
上 下
83 / 164
王の命

初めてのギルドクエスト

しおりを挟む
 勇者の間に、みんなが勢ぞろいしてから、何日もたち僕は、槍の師匠バジリオに、教えを乞うよになった。

 彼は兵士の中でも屈指の槍の使い手だ。燃える様な赤い髪を短く切り揃えてもなおも赤く。物静かな彼の心内を髪が表している様でもある。そんな彼のもとで僕は、毎日槍の稽古をしていた。

「行きますよー」全速力で、走るふたり、バジリオに向け槍の刃先は前に風を切って走らせる。

 しかし彼かその攻撃を読んでましたとばかり、その柄の先の部分に、ひょいと跳び乗り僕へめがけ走り込む、僕は槍を下に落とし使用不可にならない様に、腰に力を入れて僕は剣先をそのまま上に大きく振り上げる。

 彼は、それを読んでいたのか、柄の先に重さを感じない! からぶった? 手ごたえの無かった槍の柄を力任せに自分のわきに収めて、上が、下か、退いたのか瞬時に判断を迫られる。

 辺りを見回す隙に背中を、思いっきり刃の無い槍で叩きつけられしばらく、呼吸が出来なくてしまう。

 どうやって後ろをとるところまで、移動したのか全くわからなかった。 

 (どうなってるんだ!? 本当にもう!)

 咳はでて屈むまま、槍でバジリオの足もとを狙って円を描いて攻撃するが、そのまま背中に彼の体重がのり僕の身体が地面に崩れ落ちる。

「は……全然、バジリオさんに追いつかない」

「基礎鍛錬が、足りないそれだけだ」

「はい、ありがとうございました!」
 
 そのまま柔軟や、基礎訓練の繰り返しは、すべて地味であるが、大切だ。

 問題は……僕のグループメンバーが、いつでも一緒な事だ。今日は、まだ、ルイスが居ないからいいが……ウンディーネとミッシェルは必ずいる。ミッシェルにおいては、ウンディーネの監視と時々水の重りをプラスされているのでめきめき頭角を現している。彼に必要だったのは、身分を越えて彼を指導する師の姿だったかもしれない。

 昼時は、週に一度であるが自炊をする。冒険者の多いこの世界では、結構食べられる携帯食も多く。豊富だ。この自炊意味があるのかな?

 午後は、初めてのギルドクエストにおもむく。ギルドの隣の施設には酒場があり、ゲーム通りでテンションが上がる。

 どうやら国営なので、酒場は問題があるのでは?と言う意見で、別れてはいるが調理場で繋がっているらしい。
 
 この施設には掲示板が2つあり、ギルドの入り口と隣の酒場には、常連用の一攫千金のクエストが貼られてあり、階級が合えば選び放題らしい。

「ハヤト、あそこの窓口へ行ってパーティーの申請してください」
 
 ルイスが、言う澄み切った目だ。これは、なんかある……。と、思って受付のおねぇさんのもとへ行き申請しを行ったが普通に親切に教えてくれた。 
 
 ギルドカードを提示するだけで、終了する荒くれ物でも、出来る難度の申請で、いちいちルイスを疑って悪い事をしたかもしれない。

「ハヤト、どこかの邸宅で、みんなで晩餐やダンス踊る集まりに参加したことは?」

「はい? お誕生会ですか?」

「知ってたらいいんです……そうですか……」
 と、ルイスは、少し寂しそうだった。あ……そっちのパーティか……。

 クエストは、普通一番最低ランクのメンバーに合わせて受けられる仕組みなので……。

 今回、僕に合わせて紹介してもらったクエストは、海辺でカニ退治と、スライム退治だった。報酬は同じくらい。

「カニ退治でお願いします。」

 はい、こちらを、どうぞ。今回のクエストの説明のプリントを貰った。今回は、カニの物的証拠は、必要なしで、海辺にいる誰かにサインを貰えば帰って良いらしい。最低限の環境維持も書かれていた。

 そういえば先が、直角に折れ曲がった金属の棒を貸して貰った。カニでも食べる時に使うと思ったら、現地に行って使い方が、わかった。ダウジングに使用する物らしい。僕は、それを持って進むと……。

 ピーンポーンと、音が鳴った。バケツ一杯分の大きさのカニが居た。

「先がせばまるとかじゃないんかい。はいはい狩ろう」

 僕達はそれぞれの得物を持って、戦うがルイスは弓だった。あれ? 糸は? 僕が見ていると、ルイスは……。

「服が、汚れるといやなんで」
 
 そう言う。わかる……。僕は、もう海水でビショビショだもん。

 ダウジングの金属は、背中に巻きつけていたが、満潮になって来るとどんどんカニが、増えるしなかなか終わらない。
 
 ダウジングの金属は、岩場のてっぺんにもう放置した。

 そう思っていると、向こうの方から、人が走って来る。カニも走って来る。どんどんどん近づいて――。

 って遠近法を無視したカニだった。大きさは家くらい。逃げてきたみなさん結構な事故!、もうこれ以上書けないよって位の状態なのでは?。とにかく初級のランクの狩場につれて来ちゃダメなやっだ……。

「ウンディーネ同じ水属性だから、あいつは水圧で貫いて、物理攻撃で行こう。ミッシェルが、ウンディーネの護衛で、ルイスあいつどこが弱点なの?」

「見ての通り口でしょう。そこ意外、弾かれますから気を付けて」

「ウンディーネそこよろしく、それと僕に今、抱きつくのは止めて……」

「ウンディーネ、こうしないと怖くて……」
 その時、何かがウンディーネのすれすれをかすった。

 矢! 矢! ルイスの矢! ウンディーネの目の力が、凄く強くなったけど……。

「ルイス、ひどい……でも、ウンディーネ頑張るね」涙浮かべて、ウンディーネ……。どこで、そう言うの覚えるの?

 そう言う間に足音の地響きが、強くなる。ウンディーネの一発が、カニの魔物をつらぬいて魔物は息たえた。ウンディーネさん……もう、最強ですね。

「ウンディーネなかなかやりますね」

 ルイスは、もっと最強なの? それとも噛ませ犬なの? 少なくとも精神力はSSSのはず、しかし神職には絶対なれそうもなさそう残念。

 ルイスは、そのまま走って来たパーティに回復魔法をしながら、なんかすごく言ってる。向こうのパーティーのメンバーすごく謝っている。ち……近寄れない……。

「ウンディーネは、頑張りました」
 

 僕の手ぶんぶんするウンディーネ。僕は、そばにいたミッシェルの手を持ってぶんぶんする。

 ミッシェルは、僕越しに見える、見えるウンディーネ見て言いかけた言葉を言うのを止めた。そう言うのやめて振り向けなくなるから……。

 大物を、倒したせいか、今まで倒していた魔物かにが居なくなった。

 海辺に居た人を捕まえてサインを頼んだらめちゃひかれていた……この惨状……まあわかる。

 結果は、ギルドに連絡してくれるらしい。ついでに向こうのパーティーの事も知らせたらずんずん歩いていってしまった。向こうのパーティーメンタルが、もたないだろう、もう……。


              つづく
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話

ラララキヲ
恋愛
 長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。  初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。  しかし寝室に居た妻は……  希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──  一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……── <【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました> ◇テンプレ浮気クソ男女。 ◇軽い触れ合い表現があるのでR15に ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾は察して下さい… ◇なろうにも上げてます。 ※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

処理中です...