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王の命
カミナリの魔法
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久しぶりに兵士練習場へ立つ。
僕のもと来た世界のジャージは、もう1着のみ。すべては、スライムのデロデロ体液のせいだ。仕方なので、魔法学校の体操着を着ると、普通の状態でも『魔紋』が、ざわつきだす。
半袖を着ていると、魔紋が見え隠れするようにまでなり、僕を、不安にさせる。それは、良い。その魔力のおかげかウンディーネのお顔が、心なしかつるつるすべるべなのなのも良い。
でも、少し魔法が、制御出来ない部分が出来ているのが、問題だ。今は、コーヒーカップに、波紋が浮かぶとか、火の火力が強い程度なのだは、未知なものなので慎重にならざるおえない。
今日は、ルイスは別行動で、僕とウンディーネは、兵士練習場に来ている。
雷の魔法の習得とウンディーネは、雷の魔法から身を守る訓練をしていた。しかし僕の雷の魔法の前には、ウンディーネの水の防御壁は無力で、途中で彼女の水魔法に雷の魔法を、上乗せする攻撃方法の練習に切り替えていた。
「ウンディーネ行くよ――!」
「はい、主様どうぞ」
僕とウンディーネは、並び立つ。まず、ウンディーネが、辺りの空気の水分に力を与え濃い霧を作り出す。その中で、三本の水の矢に、螺旋を描かせ、目標に射る。
僕の手から放たれて雷が、その中を入り乱れる様に、僕のカミナリが螺旋を描き、そしてその威力を霧を通してたの全体の敵をも倒す様に霧に魔力をうわ乗せする。
目標物は、真っ黒に燃えて射貫かれているかが……。今の状態なら範囲攻撃にして弱すぎだろうか? 敵が未知数だからわから過ぎる。
「ウンディーネ、この全体攻撃についてどう思う?」
「うん――。ウンディーネは、今まで誰とも契約をした事がないので、わからないです」
ウンディーネは、その全身を魔法の杖替わにしているので、攻撃はえぐいが、かわいい。手を後ろに組んで、もじもじしている所がかわいい。うーんよくわからないなんだろう。まぁ趣味じゃないって事はないだろうもうわからん。しらん。
「どうしました? レインの事そんなに見つめて」
いつのまにかウンディーネは、僕の前に立ち、僕だけに聞こえる様にいう。
「あ……そんなに見てたのなら、これから気をつけるようにしないとね。 無意識が、ちょっと制御出来てないから……」
僕は、そう言って彼女の言葉を誤魔化し、右腕を見せる。そうすると明らかに彼女の表情が曇るので、良くない状況なのだろう。彼女は、丸太の椅子に座らせると、僕の手を取り目を閉じる。
「水の魔法を使う感覚だけに、集中してくださいませんか?」
彼女の口調が少しかわった。僕は彼女の言う通りにすると、僕の水の力はあっけなく彼女とつながる別次元に流れ込んでいるような、底の無いマナを感じる。僕の水の魔力を飲み込む様に、彼女の回復魔法に似た水魔法が、僕の腕を通って僕のマナに干渉するのがわかる。
「貴方の魔法の早熟さと私の存在とが、貴方のマナに干渉しすぎてしまった様です。しばらくは、落ち着くでしょうが、貴方自身が成長しなかれば、あなた自身を壊してしまう恐れもあります。お気を付けください」
そう言って彼女は、僕の手を包み込み、「だから、今日の魔法訓練はここでおやすみ。わかった? 主様」
「あぁ、わかったありがとう。ウンディーネ」
僕はすべてが、すんなり進まない苛立ちを隠してそう答えた。
つづく
僕のもと来た世界のジャージは、もう1着のみ。すべては、スライムのデロデロ体液のせいだ。仕方なので、魔法学校の体操着を着ると、普通の状態でも『魔紋』が、ざわつきだす。
半袖を着ていると、魔紋が見え隠れするようにまでなり、僕を、不安にさせる。それは、良い。その魔力のおかげかウンディーネのお顔が、心なしかつるつるすべるべなのなのも良い。
でも、少し魔法が、制御出来ない部分が出来ているのが、問題だ。今は、コーヒーカップに、波紋が浮かぶとか、火の火力が強い程度なのだは、未知なものなので慎重にならざるおえない。
今日は、ルイスは別行動で、僕とウンディーネは、兵士練習場に来ている。
雷の魔法の習得とウンディーネは、雷の魔法から身を守る訓練をしていた。しかし僕の雷の魔法の前には、ウンディーネの水の防御壁は無力で、途中で彼女の水魔法に雷の魔法を、上乗せする攻撃方法の練習に切り替えていた。
「ウンディーネ行くよ――!」
「はい、主様どうぞ」
僕とウンディーネは、並び立つ。まず、ウンディーネが、辺りの空気の水分に力を与え濃い霧を作り出す。その中で、三本の水の矢に、螺旋を描かせ、目標に射る。
僕の手から放たれて雷が、その中を入り乱れる様に、僕のカミナリが螺旋を描き、そしてその威力を霧を通してたの全体の敵をも倒す様に霧に魔力をうわ乗せする。
目標物は、真っ黒に燃えて射貫かれているかが……。今の状態なら範囲攻撃にして弱すぎだろうか? 敵が未知数だからわから過ぎる。
「ウンディーネ、この全体攻撃についてどう思う?」
「うん――。ウンディーネは、今まで誰とも契約をした事がないので、わからないです」
ウンディーネは、その全身を魔法の杖替わにしているので、攻撃はえぐいが、かわいい。手を後ろに組んで、もじもじしている所がかわいい。うーんよくわからないなんだろう。まぁ趣味じゃないって事はないだろうもうわからん。しらん。
「どうしました? レインの事そんなに見つめて」
いつのまにかウンディーネは、僕の前に立ち、僕だけに聞こえる様にいう。
「あ……そんなに見てたのなら、これから気をつけるようにしないとね。 無意識が、ちょっと制御出来てないから……」
僕は、そう言って彼女の言葉を誤魔化し、右腕を見せる。そうすると明らかに彼女の表情が曇るので、良くない状況なのだろう。彼女は、丸太の椅子に座らせると、僕の手を取り目を閉じる。
「水の魔法を使う感覚だけに、集中してくださいませんか?」
彼女の口調が少しかわった。僕は彼女の言う通りにすると、僕の水の力はあっけなく彼女とつながる別次元に流れ込んでいるような、底の無いマナを感じる。僕の水の魔力を飲み込む様に、彼女の回復魔法に似た水魔法が、僕の腕を通って僕のマナに干渉するのがわかる。
「貴方の魔法の早熟さと私の存在とが、貴方のマナに干渉しすぎてしまった様です。しばらくは、落ち着くでしょうが、貴方自身が成長しなかれば、あなた自身を壊してしまう恐れもあります。お気を付けください」
そう言って彼女は、僕の手を包み込み、「だから、今日の魔法訓練はここでおやすみ。わかった? 主様」
「あぁ、わかったありがとう。ウンディーネ」
僕はすべてが、すんなり進まない苛立ちを隠してそう答えた。
つづく
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