魔王がやって来たので

もち雪

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王の命

危うい関係と執事の私事

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 教会から出て陽射しがまぶしかった。何か重大な過ちを犯してしまった気がするまぁいい。過ぎた事だ。

 僕は、次の仕事の為、消えようとするルイスの手を掴み、ルイスを真ん中にして3人で座る。ウンディーネは、ちょっと涙目だったがそれを隠すように笑顔だ……なんか居たたまれない。

 「ウンディーネ、本に書いてあったのですが……。精霊は、普通は精霊の世界に居て召喚のに応じ、精霊の門から来るじゃないですか?……で、いつかえんの?」

 無駄に同情心だけで、付き合うと言うのは両方に良くない気がしたため……きつく……言い過ぎても……使役関係にあるパートナーなので、駄目、それを踏まえた上で出た言葉が、余計駄目男のようだ……。

 もう、どうすればいいのやら。

「ハヤト様に会いたくて、本体で来てしまったので、ある程度結果が、出なければ帰れません……」
 ウンディーネは、椅子の下の自分の足を揺らしながら、それを見ている。もじもじしているところが可愛い。

「結果とは?」
 
「結婚して、子供を作るなり、夫といざこざ起こすまで帰りませんよ。この精霊は。後、ウンディーネ、この城の大部分がハヤト様って言ってるので、それを使っているうちは個性が薄れて誰にも勝てませんよ? ちなみにハヤトって言っている人は、3人はいます。私から言える事は以上です。もう次の仕事に行っていいですか?仕事が立て込んでいるので。」

「貴方にそんな事言われはありませんが、主様あるじさまの手前受け入れます」
 
 そう言って彼女はこぶしに力を込めた。ルイスにしても、僕の男女関係にいつまでもつき合わせられないので、仕事に行ってもら事にした。しかし精霊と主従関係って、そんな問題になるもんなのか?謎だ。

 「ウンディーネ、僕は、畑仕事に行くので、君は案内するから僕の自宅で待ってて」

「私も行きます!」
 両手を顎の下で、グーにしてるウンディーネは可愛い。なんか妹感あるな彼女。

「まぁ……人間界に来て疲れたでしょう……部屋で、ゆっくりしてればいいよ。足りないものがあれば用意して貰うから……ところで、人間界の常識とかわかる?」

「はい」
 
「じゃー人間界を少し楽しんで」

「はい、ありがとうございます主様」

 僕は、勇者の間に帰り、ウンディーネとシルスさんにそれぞれを紹介した。そうして困った事があれば、シルスさんに相談するようにウンディーネに言い、シルスさんに中で、異変を感じたら二人以上で中へ入ってもいいので少し様子を見てあげてと伝えた。そしたら、あっ、これ「ルイスさんから頼まれていました」と、魔法回復薬ジュース(リンゴ味)を貰った。シルスにお礼を言って別れたが……。ルイスの仕事ってこうやってアイテム配るイベントの為の仕事ではあるまいなぁ……。もしやと思いポストの中を見たら、ルイスからの手紙と魔法回復薬ジュース(みかん味)が入ってた。

 僕は、それらを鞄に入れて思った。ルイスみたいな人がダンジョンにアイテム置いて置くのでは?……。いや、そんな事をないと、考えて首を振る。僕は……いろいろあって疲れてるだけ……。そして、空を眺める。

 ……そこには、箱があった。

        つづく
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