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新たな仲間
由緒正しい、勇者に寄り添う執事の一族
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「ところで、アルト家ってなんですか? 」
僕は先ほどの話を思い出し、ぬいぬいとルイスに聞く。
「アルト家につきましては、人間界に伝わる昔話の1つに勇者の話がございます。時代、時代に、いろいろな勇者のパーティが結成させますが……。その中で勇者の先導役としてある、ある家系の若者が毎回派遣されます、その歴代の人物の家名がアルトなのです」
「異世界から来られたちょっとアレな勇者の皆さまが、国民の皆様ともめる事がないように、プロデュースしていくのがアルト家の仕事となっております」
(ちょつとアレ……)
ルイスさんの言う事は、わからない事ではないが……アレか……。
この世界について、わりかし予想する事の出来る僕でさえ、家事などから日常のあらゆる事には、少しの不便はあるのだから……勇者パーティーに船頭は必要かもしれない。
「あの……貴方の依頼主は、誰ですか? 」
「貴方の一番優先すべき、命令は誰の命令ですか? 」
魔界に入れば魔王が迎えに来るてはずになっている、その事について事前に話しておく必要があるが……。魔王の手先として、無駄に牢屋に入るのはいやなので一応聞いてみる。まぁ……嘘を言われても、こちらとしてはわからないわけだが……念のため。
僕の質問に対して、ルイスは、眉1つ動かさず――。
「それはお答え出来ません」
と、笑顔で答えた。
「お前……」
ぬいぬいは、少し凄んでみせたが、ルイスは素知らぬ顔だ。僕も少し困ったが、わからない事が多すぎて、不便があるのは明らかなので彼を受け入れる事にした。
「わかりました」
「では、よろしくお願いします ルイス」
「はい、かしこまりました、ハヤト様」
ルイスは、にっこり笑う。
ぬいぬいは、少し成り行きが気に入らないようで……。
「おい、ハヤト少しは考えろ」
「ぬいぬい、彼の様な昔から居る由緒ある一族を動かせるのは、大きな権力を持ったわずかな人達だと思うの、であえて彼らの意思に逆らうのは良い選択ではない気がします……」
「それにレンも彼の件について一役買っているなら、僕が下手な事をしなければ当分の間は彼は心強い味方です。だから大丈夫だと思うんですよね……」
(まぁ魔王と僕の関係を知られれば悪くすると、……僕の頭と胴体がさようならだが)
「お前に考えがあるのならいいが、仲間以外をそばに置くのは褒められた事ではない」
「特に冒険者なら尚更だ」
「心にとめます」
冒険者のぬいぬいの意見は、もっともだが……出来たら、フィーナの実家について商い、本家、と言う知識がない部分について、執事の立場から意見も欲しかった僕にとってルイスは逃がしたくない人材だった。だからこの賭けに乗るのも悪くないと考えた。
「いろいろな不具合もございますでしょうが、私のここでの主はハヤト様です」
「ここでの執事業務について、お話しても良いでしょうか? 」
ルイスは、執事としてやるべき事をこなしていく。
「お願いします」
「私はここに居る間は、この屋敷の執事にあてがわれた部屋に住むことになります」
「料理などは、今までと同じように城の調理場から運んでまいります」
「そこで、問題です」
「お城には使用人がいるのですが、皿など割れますと使用人が責任を負う場合がございます。なにぶん勇者様にお出しする皿は、どれも高級品ですので……」
「あぁ……」
そこまで聞いて僕は声をもらした。
「軽率でした……そこまで考えていませんでした」
「冒険者、勇者様方々がお茶やお菓子を、気軽に召し上がりたいのはわかります」
「そちらのお皿だけでも、街でお買いになるのはいかがでしょうか? この屋敷の維持費で賄う事も可能です」
「街での購入も……もう行動の制限は、解除されたのですか? 」
「はい、そう聞き及んでおります」
「おぉ~!」
「ぬいぬい! なんか凄い」
「そうか、良かったな」
今まで、この屋敷と訓練の往復だったのやっと始まる本格的な異世界生活に、僕は歓喜した。
「出来たら、旅で使える食器がいいんですよね」
「今の所、魔法使いのオリエラと執事のルイスとまだ半人前の……僕……」
言葉にすると不安なパーティメンバーだった。
「オリエラは、魔法剣士だ」
ぬいぬいの声が飛ぶ。
「ぬいぬいは、旅には行かないの? 」
「おれは、まだ正式には産休中だ」
「目的にも決まってないのに、行くわけがない」
ぬいぬいは、クッションに背中をあずけ、頭の後ろで腕を組んでいる。
ぼくは、人差し指を3で、折り曲げたまま首をグギギギと、ロボットの様に動かしルイスの方を向く。
「ルイスのジョブは? 」
「秘密です」
ルイスは、口元に指を一本立ててにっこり言った。
「あぁ――」
僕は、頭を抱え……。
「ルイス……」
ぬいぬいは、呆れている。うちのパーティーはだめかもしれない……。
つづく
僕は先ほどの話を思い出し、ぬいぬいとルイスに聞く。
「アルト家につきましては、人間界に伝わる昔話の1つに勇者の話がございます。時代、時代に、いろいろな勇者のパーティが結成させますが……。その中で勇者の先導役としてある、ある家系の若者が毎回派遣されます、その歴代の人物の家名がアルトなのです」
「異世界から来られたちょっとアレな勇者の皆さまが、国民の皆様ともめる事がないように、プロデュースしていくのがアルト家の仕事となっております」
(ちょつとアレ……)
ルイスさんの言う事は、わからない事ではないが……アレか……。
この世界について、わりかし予想する事の出来る僕でさえ、家事などから日常のあらゆる事には、少しの不便はあるのだから……勇者パーティーに船頭は必要かもしれない。
「あの……貴方の依頼主は、誰ですか? 」
「貴方の一番優先すべき、命令は誰の命令ですか? 」
魔界に入れば魔王が迎えに来るてはずになっている、その事について事前に話しておく必要があるが……。魔王の手先として、無駄に牢屋に入るのはいやなので一応聞いてみる。まぁ……嘘を言われても、こちらとしてはわからないわけだが……念のため。
僕の質問に対して、ルイスは、眉1つ動かさず――。
「それはお答え出来ません」
と、笑顔で答えた。
「お前……」
ぬいぬいは、少し凄んでみせたが、ルイスは素知らぬ顔だ。僕も少し困ったが、わからない事が多すぎて、不便があるのは明らかなので彼を受け入れる事にした。
「わかりました」
「では、よろしくお願いします ルイス」
「はい、かしこまりました、ハヤト様」
ルイスは、にっこり笑う。
ぬいぬいは、少し成り行きが気に入らないようで……。
「おい、ハヤト少しは考えろ」
「ぬいぬい、彼の様な昔から居る由緒ある一族を動かせるのは、大きな権力を持ったわずかな人達だと思うの、であえて彼らの意思に逆らうのは良い選択ではない気がします……」
「それにレンも彼の件について一役買っているなら、僕が下手な事をしなければ当分の間は彼は心強い味方です。だから大丈夫だと思うんですよね……」
(まぁ魔王と僕の関係を知られれば悪くすると、……僕の頭と胴体がさようならだが)
「お前に考えがあるのならいいが、仲間以外をそばに置くのは褒められた事ではない」
「特に冒険者なら尚更だ」
「心にとめます」
冒険者のぬいぬいの意見は、もっともだが……出来たら、フィーナの実家について商い、本家、と言う知識がない部分について、執事の立場から意見も欲しかった僕にとってルイスは逃がしたくない人材だった。だからこの賭けに乗るのも悪くないと考えた。
「いろいろな不具合もございますでしょうが、私のここでの主はハヤト様です」
「ここでの執事業務について、お話しても良いでしょうか? 」
ルイスは、執事としてやるべき事をこなしていく。
「お願いします」
「私はここに居る間は、この屋敷の執事にあてがわれた部屋に住むことになります」
「料理などは、今までと同じように城の調理場から運んでまいります」
「そこで、問題です」
「お城には使用人がいるのですが、皿など割れますと使用人が責任を負う場合がございます。なにぶん勇者様にお出しする皿は、どれも高級品ですので……」
「あぁ……」
そこまで聞いて僕は声をもらした。
「軽率でした……そこまで考えていませんでした」
「冒険者、勇者様方々がお茶やお菓子を、気軽に召し上がりたいのはわかります」
「そちらのお皿だけでも、街でお買いになるのはいかがでしょうか? この屋敷の維持費で賄う事も可能です」
「街での購入も……もう行動の制限は、解除されたのですか? 」
「はい、そう聞き及んでおります」
「おぉ~!」
「ぬいぬい! なんか凄い」
「そうか、良かったな」
今まで、この屋敷と訓練の往復だったのやっと始まる本格的な異世界生活に、僕は歓喜した。
「出来たら、旅で使える食器がいいんですよね」
「今の所、魔法使いのオリエラと執事のルイスとまだ半人前の……僕……」
言葉にすると不安なパーティメンバーだった。
「オリエラは、魔法剣士だ」
ぬいぬいの声が飛ぶ。
「ぬいぬいは、旅には行かないの? 」
「おれは、まだ正式には産休中だ」
「目的にも決まってないのに、行くわけがない」
ぬいぬいは、クッションに背中をあずけ、頭の後ろで腕を組んでいる。
ぼくは、人差し指を3で、折り曲げたまま首をグギギギと、ロボットの様に動かしルイスの方を向く。
「ルイスのジョブは? 」
「秘密です」
ルイスは、口元に指を一本立ててにっこり言った。
「あぁ――」
僕は、頭を抱え……。
「ルイス……」
ぬいぬいは、呆れている。うちのパーティーはだめかもしれない……。
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