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新たな仲間
ギルド長 レン ホルン
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レンは、勇者の間のドアを僕が開けると――。
「ありがとう」と言って中に入り、玄関横の燭台のロウソクに、マッチで火を灯しその燃えかすを灰皿に捨てる。そこでやっと僕は扉を閉めた。
「はい、どうぞ」
僕は燭台受け取り歩きだす、電気が一般的でないこの世界な闇は深い。 応接間に行くだけで、少し毎日緊張していた。そして応接間の燭台のロウソクに、炎を移す事でやっと落ちつく事が出来る。
「これだけ広いと、管理するだけで大変だね」
辺りを見まわしながらレンは言った。
「それは執事のシャルルさんが、やってくださってますから」
「彼は、有能だし問題ないだろうが……やはり少し不便さはありそうだね」
「そう言う事も含めて、今回いろいろ決まったから」
レンは、ギルドの身分証の入った袋を取り出し――。
「ごめん、ちょっと開けるね」
彼女は袋を開け、中から本の様な形のギルドの初級の認定書を取り出し、僕に立つ様促す。
「草薙ハヤト殿、貴殿をギルド初級冒険者に認定する ギルド監督長レン ホルン」
卒業式と同じ作法でそれ受け取った。
レンはギルドの身分証明のカードの入った袋も、僕に手渡しながら、少し困った顔をする。
「君は、名前が後に来て苗字は先だろ? 」
「こちらでは、名前が先だら、迷ったけれど……。君がどう望むか確認無しに、そのままに記載してしまったよ」
レンが、申し訳なさそうに言うので、こちらも慌てる。
「ありがとうございます、そこまで気にしてもらってなんか嬉しいです」
ちっと申し訳なさそうなレンが、気になって焦って言ってしまった。
「そうかい? 、後、記念品って訳ではないが良い物をあげよう」
そう言ってレンは、小さな紙袋を差し出した。
「ちょっと食べてみてくれないか?」
開けてみるとクッキーが一つ入っていた。食べてみるとごくありふれたクッキーの味で、この世界のクッキーをまだ多く食べていない僕は、そのまま伝える事にした・
「うーん僕の世界では、普通のクッキー味です」
「スーッとして爽やか感じは、やはり感じない? 」
「あまりよくわからないですね……」
レンは、深く考え込む動作をする。
「今、ギルドでは、この地方の名産品の作りに一役買っているんだけれど……」
「ギルドの仕事はそんな事もするんですか?」
「いや、しないね」
「じゃ……何故? 」
「ギルドはどうしても一般人から仕事を請け負うから、その代表とも言える商業界の連中に恩を売るった方がいいって副長の方針でね」
「今日の兵士練習場の夕食でた、ヨーグルトもその試食会を兼ねたものだったもので、そっちはおおむね好評だった」
「だったのだが……焼く、クッキーにすると、スリアロの葉の爽やかさが出ない」
「困ったものだよ」
レンは、そう言って苦笑する。
「アイスクリームやゼリーに入れてみるのは、どうでしょうか?」
「ゼリーは入ってものを、見かけたが……まだ一般人にまで普及されてない、アイスの開発から考えてみるのも手だね!」
「今からギルドに戻って、副長と相談してみるよ!」
レンは、喜び帰り支度を始める。
「いやいや、レンさんは家に帰ってもう寝てください」
「仕事し過ぎです! たぶん」
「わかったでは、朝いちで」
「明日は、しっかり休んで、就業開始時間に行ってくださいね」
レンさんの多彩な仕事ぶり見かねて僕は少し強めて言ってみた。レンは、僕をまじまじと見つめて「君、案外押しがつよいね」と言うので――。
「そうですよ、さぁさぁ家に帰っておやすみなさい」
「あぁおやすみ」
レンは少し口元を緩ませ笑った様に見えたが、すぐに振り返り――。
「ギルドの規約も読んでおくように、それと近々執事見習いが君の専属で入る予定だから、後は彼に聞くといい、じゃーまた」
そう言って彼女は暗闇の中、燭台も持たずに危なげなく帰っていったのだった。
つづく
「ありがとう」と言って中に入り、玄関横の燭台のロウソクに、マッチで火を灯しその燃えかすを灰皿に捨てる。そこでやっと僕は扉を閉めた。
「はい、どうぞ」
僕は燭台受け取り歩きだす、電気が一般的でないこの世界な闇は深い。 応接間に行くだけで、少し毎日緊張していた。そして応接間の燭台のロウソクに、炎を移す事でやっと落ちつく事が出来る。
「これだけ広いと、管理するだけで大変だね」
辺りを見まわしながらレンは言った。
「それは執事のシャルルさんが、やってくださってますから」
「彼は、有能だし問題ないだろうが……やはり少し不便さはありそうだね」
「そう言う事も含めて、今回いろいろ決まったから」
レンは、ギルドの身分証の入った袋を取り出し――。
「ごめん、ちょっと開けるね」
彼女は袋を開け、中から本の様な形のギルドの初級の認定書を取り出し、僕に立つ様促す。
「草薙ハヤト殿、貴殿をギルド初級冒険者に認定する ギルド監督長レン ホルン」
卒業式と同じ作法でそれ受け取った。
レンはギルドの身分証明のカードの入った袋も、僕に手渡しながら、少し困った顔をする。
「君は、名前が後に来て苗字は先だろ? 」
「こちらでは、名前が先だら、迷ったけれど……。君がどう望むか確認無しに、そのままに記載してしまったよ」
レンが、申し訳なさそうに言うので、こちらも慌てる。
「ありがとうございます、そこまで気にしてもらってなんか嬉しいです」
ちっと申し訳なさそうなレンが、気になって焦って言ってしまった。
「そうかい? 、後、記念品って訳ではないが良い物をあげよう」
そう言ってレンは、小さな紙袋を差し出した。
「ちょっと食べてみてくれないか?」
開けてみるとクッキーが一つ入っていた。食べてみるとごくありふれたクッキーの味で、この世界のクッキーをまだ多く食べていない僕は、そのまま伝える事にした・
「うーん僕の世界では、普通のクッキー味です」
「スーッとして爽やか感じは、やはり感じない? 」
「あまりよくわからないですね……」
レンは、深く考え込む動作をする。
「今、ギルドでは、この地方の名産品の作りに一役買っているんだけれど……」
「ギルドの仕事はそんな事もするんですか?」
「いや、しないね」
「じゃ……何故? 」
「ギルドはどうしても一般人から仕事を請け負うから、その代表とも言える商業界の連中に恩を売るった方がいいって副長の方針でね」
「今日の兵士練習場の夕食でた、ヨーグルトもその試食会を兼ねたものだったもので、そっちはおおむね好評だった」
「だったのだが……焼く、クッキーにすると、スリアロの葉の爽やかさが出ない」
「困ったものだよ」
レンは、そう言って苦笑する。
「アイスクリームやゼリーに入れてみるのは、どうでしょうか?」
「ゼリーは入ってものを、見かけたが……まだ一般人にまで普及されてない、アイスの開発から考えてみるのも手だね!」
「今からギルドに戻って、副長と相談してみるよ!」
レンは、喜び帰り支度を始める。
「いやいや、レンさんは家に帰ってもう寝てください」
「仕事し過ぎです! たぶん」
「わかったでは、朝いちで」
「明日は、しっかり休んで、就業開始時間に行ってくださいね」
レンさんの多彩な仕事ぶり見かねて僕は少し強めて言ってみた。レンは、僕をまじまじと見つめて「君、案外押しがつよいね」と言うので――。
「そうですよ、さぁさぁ家に帰っておやすみなさい」
「あぁおやすみ」
レンは少し口元を緩ませ笑った様に見えたが、すぐに振り返り――。
「ギルドの規約も読んでおくように、それと近々執事見習いが君の専属で入る予定だから、後は彼に聞くといい、じゃーまた」
そう言って彼女は暗闇の中、燭台も持たずに危なげなく帰っていったのだった。
つづく
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