魔王がやって来たので

もち雪

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はじめての異世界

精霊さんといっしよ

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 ぬいぬいは、『お前は、世界とつながってない』と言った。世界の繋がりとはなんなのか?

 ぬいぬいは、頭をかきながら説明をしょうとする。

「お前の魔法の才能は凄いが、それ故にお前が制御出来てない」

「そして魔法も組み立てられた魔法になっていて、世界の繋がりが薄いので、基礎的なものになってないハイ魔法の部類になってしまっている」

「肝心の世界の繋がりとは……あれだ……みんなぁ……」

「あぁ……すまんレンやってくれ」

「はいはい」
 レンは、僕の前に立ち何故か、ぬいぬいとオリエラは僕と一緒に座って拍手を始める。

「みんな――こんにちは!」

「今日は冒険者ギルドから、魔法の勉強を始めたてのみんなの為にレンおねぇーさんが来ましたよ――」

「みんなは5つの精霊について知っているかな? 」


「精霊は世界でもあり、そしてみんなの覚える魔法の基礎でもあるんだよ!」

「だからみんなに精霊のそして世界原初の力について長い期間かけて勉強してもらいまーす」

「みんなのなかには街に住んで、精霊を見たことないお友達もいるかもしれません」

「精霊を、初めて見るよってお友達いるかな? 」

「じゃ――見た事あるよって、お友達はいるかな? 」
 そこでぬいぬいとオリエラが、手を挙げた。

「すごい、精霊を見た事あるお友達もいるんだね」

「うんうん、じゃ――今日から5週間にかけて5つの魔法の精霊に触れあって貰います」

「初めての子も、もうお友達だよって子も、まずこの水の精霊の瓶を持ってね」

「そしてたくさん、たくさん水の精霊さんとお友達になってください」

「そして世界の中に、みんなが居る事をもっと身近に感じて――」

「そして精霊さんと仲良くなって、みんなの中にもその力が眠っている事についで知ってね」

「世界と私達は繋がっていると言う事を、少しでも気づいてくれると、レンおねぇさんうれしいです」

「では、水の精霊の瓶を配ります」
 そこで、レンは胸元のポケットを探る。

「あ……ない……」

「はいよ」
 隣に座っているぬいぬいは、鞄から小瓶を出して僕に差し出す。

「ありがとうぬいぬい」「ありがとうございます」
 レンと僕は、ぬいぬいのお礼を言う。

「みんなちゃんと、行きわたったかな? 」

「持っている子、手を挙げて」
 僕は、こっそり手をあげる。

「うんうん、必要なお友達にはちゃんと瓶は届いたようだね」

「じゃ――精霊さんにまず、こんにちはの挨拶をしてみましょうか」

「はい、みんな、こんにちはー」
 レンが、言うと同時に、僕もこんにちはと挨拶をした。そうすると、瓶を持つ手がひんやりした。

「冷たい……」
 
「うんうん、ちゃんと出来た見たいだね」

「ここで、1つ注意です」
 
「この瓶に投影されるのは、原初の水の精霊ですが……」

「まれに、姿を持った水の精霊が、映し出される時があります」

「だいたいは大丈夫ですが、人型の時はすぐ瓶を手元から話してください」

「これは、レンおねえさんとの約束なので、絶対に守ってください」

「今までに、一度だけ囚われてしまう子が居て助け出すのに、それはもう大変だったらしいです」

「じゃーレンおねぇーさんとの、約束守れる子は手を挙げて」
 とんでもない前ふりに、驚きつつ僕は手を挙げた。

「じゃ――おねぇーさん今日はもう帰るけど、お約束はみんな守ってね!」

「バイーバァーイ」
 レンは、笑顔で説明を終わった。

「ハヤト、水の精霊のその感覚を、まず覚えて」

「そうすれば今回の様に、他の物ものが混じって暴走はしないと思うよ」

「混じってたんですか?」

「だな、あれは火の精霊だけの色じゃなく、何か混ざっていた、補助魔法的な物ではないようだが……」
 ぬいぬいもレンの意見に同意するようだ。
 
 ぬいぬいは、今度はオリエラに向きなおって聞く。
「で、オリエラは、台詞をすべて覚えられたか? 」

「師匠、任せて完璧だったよ」

「じゃー人型が出て制御できなくなったら、どうする? 」

「瓶を割ります 」
 オリエラは、すぐさま答えた。

「うん、うん上出来だ」
 ぬいぬいは、グウーにした手にあごを乗せ、うんうんとうなずく。

「でも、師匠はちゃんと覚えているの? 」

「おれ? おれは……」

「ぬいぬいは、子供好きだから結構評判はいいよ」
 レン何気なく口をはさむ。

「そうらしい……」

「じゃー今日の授業はここまでで帰るか……」


 
 僕達が城へ帰り着いた時、辺りはもう真っ暗になっていた。別れぎわに、ぬいぬいが「じゃあな」って言うと、僕の胸元に入れてあった瓶から……。 小さな魚が飛び出して、ふたたび瓶の中へ消えていった。

 何故か、瓶から哀しいって気持ちが伝わり――。

「僕も……」と言ってみたら、また瓶がひんやりとしたのだった。

 つづく
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