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はじめての異世界
異世界での最初の居場所
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さっきまで多くの人々が居たサロンは、静まりかえり彼女の声だけ楽し気に聞こえる。まるで、今日のランチのメーニューを読み上げる様に彼女は話し始めた。
「改めて、自己紹介するよ。私がホイルトツェリオ城の及び各国のギルド監督のレン、こっちは副大臣のダイジスさん」
「で、こちらが」
「草薙ハヤトです。 よろしくお願いします」
「ダイジスさん、彼は大丈夫。私が保証するよ」
「ハヤトもごめんなさいね。前の勇者様が、貴方の居た召喚の間で大立ち回りしちゃったらしくって……」
彼女は、そう言い楽しそうに笑みをこぼす。この人も魔王と同じく闘いに血が沸き立つタイプなのだろうか……。
「あぁ……そうなんですね……」
僕は力無くそう答えた。
「では、まず私の管轄のギルドの説明から――。」
「ギルドと言うのは、冒険者が所属する組織で、どこが取り締まるかは認可があれば基本自由ではある」
「ただし中級、上級クラスのランクアップには、大きな都市で審査試験、面談、心理カウンセリング行われるのでそこに参加しなくてはならない。まぁここまで行える余裕が出来たのは、沈黙の魔王様が人間界へ攻め込んで来ないおかげだね、昔はそぉぉりゃもうひどかったらしい、いろいろとね」
「上級の上に、エクストラって階級があるけれど……。そっちは勝手に認定の巻物が届くから問題無し」
「以上、質問は?」
彼女は身振り、手振りをまじえて、滞りなく話を終わらせた。
「僕もギルドに、入る事になるんですか?」
「絶対に入って、ハヤトは、勇者としての貴方を学ぶ必要がある」
「わかりました」
「他に質問が無ければ、続きはダイジスさんの番だね」
「よろしくお願いします」
僕が、そう言うとダイジスさんは、ポケットからハンカチを出してこめかみを拭いた。
「今、決定している事は……明日の会議で勇者様について審議する予定です。お部屋については、離れの勇者の間を使っていただく予定です」
「勇者様については全てが決まるまで、勇者の間で待機をお願いします。以上です。では、私はこれで……」
それだけ言うとさっさと席を立ち行ってしまう。
「さすが、有能なだけあって逃げ足も速いな……」
彼女は小声で感心ながら言うので、こちらもおもわず笑ってしまう。
「すみません、こちらにハヤト様が、居ると聞いて伺ったのですが」
サロンの入り口で。いかにも執事の恰好をした男性がそう言うと、レイさんは『ここだよ』と言ってソファから立ち上がった。
「彼は、執事のシャルルさん、この家の事から新居の相談まで、何でも彼に相談すれば間違いよ」
「初めましてハヤト様、執事のシャルルでございます。どうぞお見知りおきを」
そう言いシャルルさんは、頭の先から指先、足の先そして黒い髪一本までスマートなお辞儀を僕に披露した。
「草薙ハヤトですよろしくお願いします」
そう、お辞儀をした僕のすみからすみまで、その目は見つめているようだった。
「シャルルさんこの子は、ここへ働きに来たわけじゃないからお手柔らかにね」
「もちろんでございます」
ふたりともにっこり微笑んではいる……。いるが……。
「では、わたしも忙しい身なの帰るが、その内、話し相手を送るよ」
「時間は、かかるだろうけど待ってて」
そう言って彼女は、上着をひらめかせて帰っていったのであった。
つづく
「改めて、自己紹介するよ。私がホイルトツェリオ城の及び各国のギルド監督のレン、こっちは副大臣のダイジスさん」
「で、こちらが」
「草薙ハヤトです。 よろしくお願いします」
「ダイジスさん、彼は大丈夫。私が保証するよ」
「ハヤトもごめんなさいね。前の勇者様が、貴方の居た召喚の間で大立ち回りしちゃったらしくって……」
彼女は、そう言い楽しそうに笑みをこぼす。この人も魔王と同じく闘いに血が沸き立つタイプなのだろうか……。
「あぁ……そうなんですね……」
僕は力無くそう答えた。
「では、まず私の管轄のギルドの説明から――。」
「ギルドと言うのは、冒険者が所属する組織で、どこが取り締まるかは認可があれば基本自由ではある」
「ただし中級、上級クラスのランクアップには、大きな都市で審査試験、面談、心理カウンセリング行われるのでそこに参加しなくてはならない。まぁここまで行える余裕が出来たのは、沈黙の魔王様が人間界へ攻め込んで来ないおかげだね、昔はそぉぉりゃもうひどかったらしい、いろいろとね」
「上級の上に、エクストラって階級があるけれど……。そっちは勝手に認定の巻物が届くから問題無し」
「以上、質問は?」
彼女は身振り、手振りをまじえて、滞りなく話を終わらせた。
「僕もギルドに、入る事になるんですか?」
「絶対に入って、ハヤトは、勇者としての貴方を学ぶ必要がある」
「わかりました」
「他に質問が無ければ、続きはダイジスさんの番だね」
「よろしくお願いします」
僕が、そう言うとダイジスさんは、ポケットからハンカチを出してこめかみを拭いた。
「今、決定している事は……明日の会議で勇者様について審議する予定です。お部屋については、離れの勇者の間を使っていただく予定です」
「勇者様については全てが決まるまで、勇者の間で待機をお願いします。以上です。では、私はこれで……」
それだけ言うとさっさと席を立ち行ってしまう。
「さすが、有能なだけあって逃げ足も速いな……」
彼女は小声で感心ながら言うので、こちらもおもわず笑ってしまう。
「すみません、こちらにハヤト様が、居ると聞いて伺ったのですが」
サロンの入り口で。いかにも執事の恰好をした男性がそう言うと、レイさんは『ここだよ』と言ってソファから立ち上がった。
「彼は、執事のシャルルさん、この家の事から新居の相談まで、何でも彼に相談すれば間違いよ」
「初めましてハヤト様、執事のシャルルでございます。どうぞお見知りおきを」
そう言いシャルルさんは、頭の先から指先、足の先そして黒い髪一本までスマートなお辞儀を僕に披露した。
「草薙ハヤトですよろしくお願いします」
そう、お辞儀をした僕のすみからすみまで、その目は見つめているようだった。
「シャルルさんこの子は、ここへ働きに来たわけじゃないからお手柔らかにね」
「もちろんでございます」
ふたりともにっこり微笑んではいる……。いるが……。
「では、わたしも忙しい身なの帰るが、その内、話し相手を送るよ」
「時間は、かかるだろうけど待ってて」
そう言って彼女は、上着をひらめかせて帰っていったのであった。
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