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未来へ向けて
別れの電話
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魔王は、僕の、異世界に行く方法を、再度問う言葉を聞いて一瞬止まり。
「だから、今の王国はそれどころではない言っておるだろう」
そう言うとふたたび机の上に、顔を乗せてくつろぐ。魔王にそう言われると弱気にはなるが……。
「魔王、知らないのですか? 異世界に行く魔法を」
「しらん」
魔王は、そう言い切り沈黙した。
「魔王、すみません席を外します。」
僕は、そう言って席を立ちまず、コップを洗い、ガスの元栓をしめた。
「どこかへ、出掛けるのか?」と、魔王が問いかけるので……。
「すみません、しばらく待ってください」と答えた。
携帯で、最近折り返すのみの携帯番号へ電話をかける。
「もしも、母さん? うんうん元気いやいやそんなことにいって、元気だってうんうん」
「う~どうしたかぁ?~あのーー最近好きな子が、出来まして、いやいやそこまで言ってまわらくていいから、ほんと本当に」
「で、一度、向こうのご実家の方に挨拶へ行こうと思い、はいはいはい、うんうんうんわかってるわかってる」
「でも、彼女の実家は凄く遠くて、危険らしいので大学を休学したく……うんまぁ海外で、はいはい十分わかってますが……彼女の事大切にしたいから……」
「うんうん……でも、父さんならここで辞めると思う?……………………ごめん……ずるくて…………大丈夫だから必ず帰ってくるから」
「はい、もしもし父さん?いやー本当にすみませんー不可抗力と言うか…………あの――好きな子が出来まして彼女の実家に行きます。危険とかいろいろあってたぶん……もう……帰れません。あ……わかりました。帰って来ます」
「心臓の動く内は、そうあるよう務めます」
「でも、彼女の為の選択しとして……彼女の為なら帰りません」
「ははは、そういうと思った」
「急ですみません……後の事頼みます」
僕は、携帯の電源を切ってベッドに投げ捨てた。そのまま魔王の椅子の前にふたたび座る。
「何故、お前は私が知っていると、そこまで思うのだ」
魔王は、そういいただ、そこに座ってった。
「貴方がしらないと言ったからです」
「異世界へ行く方法を考えもせず、調べた過程やその方法の短所をのべるではなく」
「魔王らしくないなっと思ったのです」
「根拠のない感ですが……今は、それしか異世界へ行くための突破口が無くて……」
「もし僕に出来る覚悟が足りない、実力が足りなくて行けないのなら……」
「やります、何でも」
僕は膝でこぶしをかたく握る。口で何でもと言ってみたけれど、それは本当の事になるかわかない。甘えた言葉かもしれないが、僕はそこからしか始められない、普通の人間でだったのだから……。
「そうか……」
「方法は、2つある。」
魔王は、僕の言葉に答え話し出す。
「ひとつ、我が、お前を落とす」
「ふたつ、アポストロフィに頼む」
(アポストロフィ……?)
「我が異世界へお前を落とすとなると、お前自身が変容し普通の人間ではいられなくなるなり、悪くするとフィーナの運命の相手から外れる」
「アポストロフィは、なぁ~お勧めせん」
「すべてを叶えられるし、すべて失って……失って……わからん読めん」
「彼の言葉を聞くのもだめだ」
「彼に何かを願うなどもってのほかだ」
魔王は、まるで明日の遠足の注意事項を、読みあげるように僕に話きかせる。すべてが無事に行くように。
ぼくは、その注意をはたしてどれ位守れるのだろうか? それはわからない。
それでも……。
彼は魔王の後ろに現れて、ぼくらを見ていた。
つづく
「だから、今の王国はそれどころではない言っておるだろう」
そう言うとふたたび机の上に、顔を乗せてくつろぐ。魔王にそう言われると弱気にはなるが……。
「魔王、知らないのですか? 異世界に行く魔法を」
「しらん」
魔王は、そう言い切り沈黙した。
「魔王、すみません席を外します。」
僕は、そう言って席を立ちまず、コップを洗い、ガスの元栓をしめた。
「どこかへ、出掛けるのか?」と、魔王が問いかけるので……。
「すみません、しばらく待ってください」と答えた。
携帯で、最近折り返すのみの携帯番号へ電話をかける。
「もしも、母さん? うんうん元気いやいやそんなことにいって、元気だってうんうん」
「う~どうしたかぁ?~あのーー最近好きな子が、出来まして、いやいやそこまで言ってまわらくていいから、ほんと本当に」
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「でも、彼女の実家は凄く遠くて、危険らしいので大学を休学したく……うんまぁ海外で、はいはい十分わかってますが……彼女の事大切にしたいから……」
「うんうん……でも、父さんならここで辞めると思う?……………………ごめん……ずるくて…………大丈夫だから必ず帰ってくるから」
「はい、もしもし父さん?いやー本当にすみませんー不可抗力と言うか…………あの――好きな子が出来まして彼女の実家に行きます。危険とかいろいろあってたぶん……もう……帰れません。あ……わかりました。帰って来ます」
「心臓の動く内は、そうあるよう務めます」
「でも、彼女の為の選択しとして……彼女の為なら帰りません」
「ははは、そういうと思った」
「急ですみません……後の事頼みます」
僕は、携帯の電源を切ってベッドに投げ捨てた。そのまま魔王の椅子の前にふたたび座る。
「何故、お前は私が知っていると、そこまで思うのだ」
魔王は、そういいただ、そこに座ってった。
「貴方がしらないと言ったからです」
「異世界へ行く方法を考えもせず、調べた過程やその方法の短所をのべるではなく」
「魔王らしくないなっと思ったのです」
「根拠のない感ですが……今は、それしか異世界へ行くための突破口が無くて……」
「もし僕に出来る覚悟が足りない、実力が足りなくて行けないのなら……」
「やります、何でも」
僕は膝でこぶしをかたく握る。口で何でもと言ってみたけれど、それは本当の事になるかわかない。甘えた言葉かもしれないが、僕はそこからしか始められない、普通の人間でだったのだから……。
「そうか……」
「方法は、2つある。」
魔王は、僕の言葉に答え話し出す。
「ひとつ、我が、お前を落とす」
「ふたつ、アポストロフィに頼む」
(アポストロフィ……?)
「我が異世界へお前を落とすとなると、お前自身が変容し普通の人間ではいられなくなるなり、悪くするとフィーナの運命の相手から外れる」
「アポストロフィは、なぁ~お勧めせん」
「すべてを叶えられるし、すべて失って……失って……わからん読めん」
「彼の言葉を聞くのもだめだ」
「彼に何かを願うなどもってのほかだ」
魔王は、まるで明日の遠足の注意事項を、読みあげるように僕に話きかせる。すべてが無事に行くように。
ぼくは、その注意をはたしてどれ位守れるのだろうか? それはわからない。
それでも……。
彼は魔王の後ろに現れて、ぼくらを見ていた。
つづく
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