アプリで知り合ったイケおじと××する話

市井安希

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アプリで知り合ったイケおじが×××する話

48 アプリで知り合ったおじさんが×××する話

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そして今日が待ちに待った約束の日。

昼過ぎに2人で秋雄さんの家に行くことになっていた。
人前じゃ話しづらいことばっかりだし、久しぶりの秋雄さんにワーワー大泣きしちゃうかもしれないし……個室のある飲食店でも良かったけど、秋雄さんは緊張しちゃうらしい。

「なんだその顔は」
「なんだって、えー、しょうがないじゃーん!」

運転中のトモナガさんにニヤニヤしてるのを指摘される。トモナガさんは今日もビシッとキメてて相変わらずかっこいい。
こんな人と初対面で話すのは誰でも緊張してしまう。落ち着ける秋雄さんの家で正解だったかも。
あの狭くて何もない部屋にたくさんの思い出がある。

久しぶりに訪れた秋雄さんの住む街は相変わらずこれと言って何もないが、今日は全てが輝いて見えた。
車窓を流れる景色全てが愛しい。まだまだ寒い季節だけど興奮してるのか頬が熱い。
昨日の夜、父さんにご機嫌だけどどうした?と聞かれるくらい浮かれてる。

約4ヶ月ぶりの秋雄さんはどんな姿なんだろう?やつれてたりストレス太りしてたら可哀想だと色々想像するけどあともう少しで会える。
またニヤニヤしてたら信号待ちで停車した時、トモナガさんに頬を引っ張られた。

アパートには来客用の駐車スペースがないから駅近くの駐車場に車を停め、『今駅に着いたよ!』とLINEしておく。そこから徒歩で秋雄さんの住むアパートに向かった。

「ここずーっと真っ直ぐ行けば秋雄さんの家だよ。なんかめっちゃ可愛いアパートに住んでんの」
「可愛いアパート?」
「あはは、見ればわかるよ」

そんな他愛ない会話をしていたら、あっという間に目的地に着いた。スマホを見ると予定の時間より10数分早く、秋雄さんから返事もなくメッセージに既読もついてない。アパートの駐車場には秋雄さんの車があったから多分部屋にいるはずだ。

「うーん、秋雄さん気づいてないのかな。まぁいっか。行こうよ」
「まだ支度中かもしれないぞ、もう1回連絡入れたらどうだ?」
「秋雄さんだし、そういうの気にしないから大丈夫だって」
「そうかぁ?」

テキトーなこと言って笑う俺にトモナガさんは苦笑いしていた。
こういう時は約束の時間より少し遅く行くのがマナーって聞いたことある気がするけど……まぁ1時間も早いわけじゃないし?
階段を上がり上西の表札があるドアの前に立つと、嬉しさより懐かしさとか切なさが込み上げてきて呼び鈴を押そうとする指が震え、動かない。

「大丈夫か?」とトモナガさんに顔を覗き込まれた。その真摯な眼差しに、俺を癒して愛してくれる人はこの人しかいないって実感した。

これから会う秋雄さんはもう友達で、家族で……お互い決めたことなのに、やっぱり……寂しい。そんな思いを振り払うようにゆっくり頷く。

「……うん、大丈夫」
「そうか」

1つ深呼吸して、呼び鈴に触れる。やっぱり笑顔で会いたいから……。

ピンポーンと呼び鈴が鳴る。ドキドキしながらドアが開くのを待つが、開かない。

「あれ。また気づかないのかな」と再び呼び鈴を押すが結果は同じで、ドアの向こうから物音すら聞こえない。
コンコンとドアをノックしてみてもやはり秋雄さんはやって来なくて、2人で顔を見合わす。

「どうしたんだろ?いないのかなぁ?」
「車はあったんだろう」
「うん。そうだけど……」

会話しながらなんとなくドアノブに手をかけてみると、ガチャリと音がしてドアが少し開いてしまった。

「あれ。開いてるな……」
「秋雄さーん、入るよー……?」

いるかいないかわからない秋雄さんに声をかけながらドアを大きく開けると、玄関には秋雄さんの靴があった。そしてー……。

「あ、あ、秋雄さ……な、なにしてーーー……!」

秋雄さんは部屋の隅のタンスの側で、首にネクタイを巻きつけ、ぐったり横たわっていた。タンスの取っ手が一箇所だけ外れ床に落ちていて、首のネクタイと繋がっている。

「……あれ、少し早くないですか?」

そして、乾いた声で笑った。

秋雄さんは今、何をしているんだろう?何をしてたんだろう?

こんなにもはっきりと見えているのに状況が理解できなかった。

だって……首にそんなもの巻いて……これじゃあ首吊りしようとしてたみたいじゃないか。

絶対にありえないけど、そんなわけないよねって聞こうとしたのと同時にまた秋雄さんはむくりと起き上がって笑った。

「前に試した時はよかったんですけど……取っ手が外れるなんて……困ったな、ははは……はぁ……」
「お前っ、ふざけるなよ!」

初めて聞く怖い声でトモナガさんが怒鳴り、すごい勢いで秋雄さんにつめ寄り拳を振り上げた。

「やめてっ!トモナガさんっ!」

喉が潰れそうになるくらいの大声を、いや、悲鳴を上げる。
喉だけじゃなく体中がヒリヒリして壊れそうなくらい激しく心臓が鳴っている。呼吸が苦しくなっていく中で、俺はようやくこの状況を理解し始めた。

理解したくない。何も知りたくない。……でも、わかってしまう。

秋雄さんは……首を吊ろうとしたけど……タンスの取っ手が取れて「失敗」した……そして俺たちが予定より早く到着したのだ。

「ど、どうして……?どうしてなの秋雄さん……?」

もっと近くに行ってその理由を聞きたい。なぜこんなことになったのか……俺のせいなのか……。
だけど力が抜けて体が動かない。ただ、怖かった。それでもなんとか秋雄さんの元へヨロヨロ歩いていく。すぐそこにいるのにとても遠かった。

「約束したじゃん……!なんで……!」

秋雄さんはトモナガさんを軽く押しのけて「久しぶりですね。元気でしたか?」と笑った。

トモナガさんは顔つきを変え、再び拳を振り上げかけたが少しのところで堪えた。

「ゆうはお前のせいでー……!」
「俺のせいでって、何かあったんですか?」
「ーーーッ!!」

……本当に何があったかわからないって顔だった。

トモナガさんは怖い顔して秋雄さんを強く突き飛ばした。俺のために怒ってるってわかってるけど、反射的に「やめて!ひどいことしないで!」と責めてしまう。

「ごめんなさい、トモナガさん……でも秋雄さんにもうひどいことしないで、お願い……」

秋雄さんは辛い経験を何度も何度もしてるから。
俺だって……秋雄さんにひどいことをした。

「秋雄さん、怒ってるんでしょ?あんなことして、約束を破ったから……そうなんでしょ?だから……」

「復讐」とか「仕返し」とかそんな言葉が浮かんでは消える。
自分を傷つけないと誓った時、本当は何を思ってたのだろう?
あの時は……嬉しかった。ついに心が通じ合えた喜びが走馬灯のように駆け巡る。
きっとまた楽しい日々がやって来ると信じてたのに、今目の前に広がる光景は思い描いていたものとかけ離れていた。
首に紐をつけたままの秋雄さんと、怖い顔してるトモナガさん。涙が流れてくるのは悲しみや絶望からではない。ただ、虚しかった。

俺を好きなだけ殴って、罵って……。それで秋雄さんの気が済むならそうしてほしい。
でも秋雄さんは怒りも悲しみもない平然とした表情で、いや、不思議そうにしていた。

「そんなわけないじゃないですか!怒るなんて、そんな……」
「え……」
「ゆうくんは俺を見捨てないで、またやり直そうって言ってくれた。
 本当に嬉しかった……また毎日ゆうくんのことばかり考えてました。それで、」

次の言葉を言いかけた時、トモナガさんが大声を上げた。

「何言ってるんだ、お前。ならどうしてこんな真似を?ふざけるなよ、死にたかったら1人で死ね。この子を巻き込むな!」
「……それは、すみません。巻き込んでしまう形になってしまって本当に申し訳ないと思ってます。でも」
「でもも何もあるか!ゆう、帰るぞ。もうこいつとは関わるな。絶対にだぞ。
 ろくなことがない、この男はやっぱりこういうヤツなんだよ。怪しいと思ってついて来たらこのザマだ」
「あっ、待って!」
「ほら行くぞ!」

トモナガさんに腕を引っ張られてよろける。乱暴にされたんじゃなく力が抜けて立てなかっただけだ。尻もちをついたのと同時に秋雄さんとトモナガさんが「あっ!」と声を上げた。

「ゆうくん、大丈夫ですか!?」
「あ、う、うん……」

トモナガさんは白々しいってまた怒るけど……心配そうな顔に嘘はないと思いたい。
ならますますどうして?と胸が苦しい。苦しくてまた涙がこぼれた。
死のうとした本人は冷静に俺の心配してる。

「トモナガさん、お願い、少し待って。ねぇ秋雄さん、さっきなんて言おうとしたの?
嬉しいのになんで自殺なんてするの?なんで?ねぇ、どうして……教えてよ、秋雄さん……!」
「ゆう……」

トモナガさんは深いため息をついて俺の手を離した。

……あぁ、嫌われちゃった。

もうこの人は俺の手を握ってくれない。悲しいけど、寂しいけど当然の結末だ。
頭では納得してるけど、空いた手が震えてしまう。みっともなくて手をぎゅっと握ってごまかすとトモナガさんは再び深いため息をついた。

「……わかった、ゆうの頼みだからな」
「トモナガさん……!」

トモナガさんは渋々俺の隣にであぐらをかいて座った。

「トモナガさん、ありがとう……」

俺に優しい眼差しを向けるトモナガさんだったが、秋雄さんを見る目はとても冷たい。
しかし秋雄さんは全く気に留めず「聞いてた通り優しくてかっこいい人ですね」と微笑んだ。

「余計なこと言うな」
「はい、すみません」
「その首に巻き付いてるものも外せ、気持ち悪い」
「はい、ちょっと待ってください」

言われた通りにネクタイをはさみで切ると、首には跡が残っていて目を背けた。

秋雄さんはそこをカリカリと掻きながら「長くなりますけど」と前置きをして語り始めた。


「俺は女手一つで育てられました。父親から養育費は支払われてたけど、それだけじゃ生活できなくて、母はスナックで働いてました。
……別に、よくある話です。
でも小学校高学年になるとそれが原因で同級生にからかわれて……。
全部母のせいだと思ったけど……たった1人の肉親だから憎めなかった。
母のことは好きでしたよ。
だから迷惑かけたくなくて学校のことは言えなかった。
中学になると友達もいなくなりました。でも高校生になって、別の中学から来た事情を知らない女の子が色々気にかけてくれて、友達もできたし、楽しかった。その子のこと、多分好きでした。
でもその子、借金で夜逃げして……」

母子家庭でお母さんが亡くなっているのは知ってるけど、それ以外の話は初耳だ。
夜逃げという物騒なワードに俺もトモナガさんも顔をしかめた。

「高校卒業して、地元の寮付きの工場に就職しました。せっかくできた友達と離れたくなかったし家を出たかった」
「それはお母さんに迷惑かけないため?」
「いいえ。ちょっと違います。迷惑かけないようにする生活に疲れたんです。
 母は家に残って欲しいと言っていたけど……逃げました」
「そんな自分を責めるような言い方しないで……」
「……はい、すみません」

俺の気持ちは少しでも秋雄さんに届いたのだろうか?ただ遠い目をしていてこれと言った感情が読み取れなかった。

「そこですごく俺を可愛がってくれる先輩が1人いました。みんなは怖いって言ってたけど、俺は結構好きでした。確かに厳しいけど面白いし、なんでも知ってるし。
20歳の誕生日に先輩からお祝いに良いモン見せてやるって家に呼ばれて……何かと思えばAVでした。別に見たくなかったけど会員しか手に入らないレアものだから見ろって言われて……。どんな内容だと思います?」
「え、わ、わかんないよ、そんなの」
「中絶手術の費用を稼ぐために妊婦がSMプレイするってヤツで……夜逃げしたあの子が出てたんですよ。
歳も名前も違うし、髪も化粧も高校生の時とは違った。でも、わかりました。援交して妊娠したって……台本なのか本当なのか……でもお腹は大きかった」
「…………」

思わず言葉を失う。トモナガさんもさすがに驚いて少し目を見開いた。

「契約書にサインしたから撮影は止められない、やめたら賠償金を払わせると脅してひたすら暴力を振るって、色んな方法で痛めつけて、ケガさせて……人間のすることじゃない。
こういうの、ゆうくんも見たことありますよね。ですよね?」

突然投げかけられた問いに言葉を詰まらせる。

「え…………?そんなもの……あっ……!」

「そんなもの見たことない」と言う前にとある記憶がはっきり鮮明に浮かび上がり、これは確信がある問いだと気づく。

「……ある」

秋雄さんが送って来たあのエロ動画サイトにあったAV。秋雄さんは知らないけど、大河たちとふざけて見てトラウマになったAVのことだ。
「……知ってるのか?」とトモナガさんは顔をしかめた。どこから説明していいのか……ごまかすように曖昧に頷く。

「もうビデオは売られてないようですけど、同じシリーズの動画はいくつかネットに残ってるんですよね。……その界隈では有名な動画らしくて、驚いたなぁ。
その子の動画は見つかりませんでした。見つけたところでなんだって感じだけど」
「……」
「……」
「先輩相手だけど俺は怒りましたよ。なんてもの見せるんだって。
 同級生だってことは言えませんでした。……言えなかった。
 先輩はコレクション自慢したかったとか、からかおうとしただけだって……。同級生だったのは偶然で、本当に深い理由も悪意もなかったと思います。多分、その時は」

少し含みのある言い方で、胸がざわつく。

「しばらくは眠れないくらい……仕事を休むくらいショックでした。
 可哀想な姿が頭から離れなかった。でも段々、彼女を羨ましいと思うようになりました」
「えっ?」
「痛くて苦しいからってぎゃあぎゃあ泣き叫んで……ズルい。こんな目に遭ってるのは自分のせいなのに。自業自得ですよ。
俺はどんなに辛いことがあってもずっと黙って耐えてきた。それなのにこの子はどうしてって……」
「……そ、そんな」

ズルいと言った秋雄さんは一瞬、ふてくされた子供のような顔をしていた。
子供特有の聞き分けのないわがままにしてはあまりにも残酷で、悲しい。秋雄さんの心はもうこの時点で壊れてしまったのだろう。
……めまいがした。

「それからあの子と同じことをされて泣き叫ぶ妄想をするようになりました。自分の心に素直になるのは気持ちよかった。
 最後はどんな風にされるのか……ビデオの続きが気になって先輩に貸して欲しいと頼みました。
 先輩には『あんな怒ってたくせにハマったのか?SMプレイできる風俗紹介してやろうか?』って笑われたけど……正直に『俺も同じことをされたい』って言いました。
 そしたら『俺でどう?』って……。先輩もそんなモノ持ってるだけあって、そういう趣味の持ち主で男とも女ともセックスできる人でした。
 俺はホモじゃなかったけど……妄想の中ではAVみたいに男に殴られてたし、先輩のことは人として好きだし断る理由はなかった。
それで付き合うことになったというか、まぁそんなところです」
「……それがあの男なんだね」
「……はい」

この後の話は知っている。
20歳の秋雄さんを散々弄んで処女を奪って捨てた。そんな酷い最低の男なのに、当時の秋雄さんには魅力的な人に見えたのがとても悲しかった。

「色んなことを教えられて、なんでもやった。痛いことも苦しいことも恥ずかしいことも。でもセックスだけはしなかった。あ、セックスって言うのはケツに入れるってことで、フェラとかは……」
「やだ!そんなこと聞きたくない!」
「……すみません。不快にさせて。先輩は俺が本当に覚悟ができるまで待つと言っていました。それまでは準備期間で、つらいなら元の関係に戻ろうという約束でした」

それは初めて聞いた話だった。
トモナガさんは嫌味なく「優しいじゃないか」と呟いた。俺はずっとすぐに処女を奪って捨てたいわゆるヤり捨てされたとばかり思っていたから。
「優しい」といえばそうかもしれない。でもこの男が優しい人なら秋雄さんはこうはならなかった。誕生日会の秋雄さんの記憶が生々しくよみがえる。

「はい。……だから俺はこの人の所有物でも奴隷でもいい、人間をやめてもいいと本気で思いました。
 それでやっとセックスすることになりました。ホテルのベッドで目隠しして縛られてる時が幸せの絶頂だった。それで、これからどうなると思いますか?」
「えっ……わ、わかんない……」

また唐突に投げかけられた問いに目を泳がす。言葉の代わりに視線でトモナガさんにも質問するが、トモナガさんもただ黙って首を横に振るだけで、答えられない。

「目隠しが外されて……知らない人がいました」
「えっ……」
「それは……」

思いもよらない展開に言葉を失う。トモナガさんもまた押し潰されたように重苦しくうめき、言いかけた言葉を飲み込んだ。

そんな話、知らない。 

「驚いて抵抗したら殴られて『お前は売られた』って言われて、無理矢理犯されました。怖かったですよ。俺だって誰でもよかったわけじゃないから。
それでも……何かの間違いだと思って先輩に聞いたらやっぱりそうでした。借金があったようで……」

自分では抑えられない凶暴な怒りが身体中を駆け巡る。
手当たり次第に何もかも壊してしまいたくなるような衝動に襲われ、拳で床を叩く。

「許せない……!そんなの酷すぎるー……!」

殺してやりたい。今すぐ探し出して、俺がぶっ殺してやりたい。
本気でそう思った。コイツを殺したところでなんの罪になる?こんなやつ、生きてちゃいけない。秋雄さんと同じくらい苦しんで死ぬべきだ。

何度もこの人の苦しみや悲しみに触れてきた。だから……俺に……俺だけにすべて打ち明けてくれたって思い込みがなかったと言えば嘘になる。
初めて明かされる残酷すぎる過去にまた行き場のない怒りが激しく込み上げてきて拳を振り上げた時、トモナガさんに止められた。

「落ち着きない、ゆう。それでどうなったんだ?」

トモナガさんは冷静だった。他人だからこんなに冷静でいられるのかな?
そっけない態度の、いや、落ち着いたトモナガさんを見て少し正気を取り戻す。

「俺も許せなかった。泣き寝入りするのだけは嫌で、警察に行くと言ったら笑われました。変態同士の痴話喧嘩で警察は動かないって……。そんなのわかってた。でも……なんとかしたくて……あの時……大人しくしてればよかったんですよね」

秋雄さんはまた不穏な言葉を残し浅いため息をついてフッと笑った。過去の苦しみを誤魔化してるのか、自嘲しているのか、その両方か。白けた痛々しい笑い方だった。

「会社と実家と友達のところに写真と動画をばら撒かれました。田舎だからあっという間に噂が広まって、仕事はクビになったし、母親は再婚が破談になって絶縁しました。引っ越し先すら決まらない状態で町を出ました」

「どうして?」の言葉すら出なかった。
被害者の秋雄さんが逃げるなんておかしいと口では言えるけど、身も心も傷つけられた状態じゃ何もできないってわかってるけどこんなのあまりにもやりきれない。

「そっからしばらくフラフラ過ごしてました。やりたいこともないし、金もない。資格も運転免許しかないしどうすっかなーって感じで……」
「……大変だったね」
「そんなことないですよ。ただ、すっごい暇でした。時間だけはありました。
 だから思い立ってすぐ大型の免許取れたんですけどね。他に取れそうな資格もなかったし食いっぱぐれないかなと思って。
未経験だけど若いからって理由で雇ってくれたところがありました。そこの社長は親切で良くしてくれました。
そんな社長に『歳も近いし娘の話し相手になってくれないか』と頼まれて……めんどくさかったけど断れませんでした」
「話し相手?」
「彼氏に騙されたショックでずっと塞ぎ込んでたって。新しい男作れば元気になると思ったんでしょうねぇ」
「なるほどね……」
「それでとりあえず1度会って、向こうからお断りしてもらうために、そっけない態度を取りました」

俺と同じだな、と心の中で独り言を呟いた。
この話をするということは、社長の娘が奥さんだろうと予想がつく。

「そしたら向こうもそんな感じで……お互い黙ってムスッとしてました。それがよかったのかなんなのか、気づいたら付き合ってて、結婚して、子供も出来ました。こんな俺が家庭を持つなんて信じられなかったけど嬉しかった……」

嬉しかったと語る秋雄さんは少し微笑んでいて、家族を愛している父親の顔をしていた。
やっぱり秋雄さんは「お父さん」で、俺はこんな人と……と申し訳ない気持ちになってくる。初めて会った日に見た家族写真が鮮明によみがえり心臓のあたりが苦しい。

「……でも、だめだった。結局俺なんかが家庭を持つべきではなかった」

優しい微笑みが一転して、また白けた皮肉っぽい顔つきになる。

「そんなこと言わないで……!秋雄さんが悪いんじゃない!あれは……!」

「不幸な事故」「秋雄さんは背追い込まないで」そう言いかけた途中「違います」と冷たく遮られた。どんな発言も許さない威圧感さえあり、ついトモナガさんに抱きつくとそっと背中をさすってくれて、張り詰めたものが和らぐがそれも一瞬だった。

「家に昔の写真が送られてきたんです。仕事から帰ってきたら妻が泣いてました」
「そ、そんな……!」

一度ならず二度までも秋雄さんは……。今度は幸せな家庭を手に入れてから……。
どうしてそんなに酷いことができるんだろう?執念深いのか、思いつきの遊びなのか……俺には全く理解できなかった。

「わかってたんです。
いつかどこかで、また同じような目に遭うんじゃないかって。
ずっと不安だった。でも……目の前の幸せに目が眩んで気づかないフリをしました。その結果無関係の人を巻き込んで不幸にしてしまった。
妻の両親も交えて話し合って、離婚することになりました」

今までで一番衝撃的な言葉だった。
家族すら秋雄さんの味方をしてくれないなんて……!どんな時も助け合って支えあって生きていくのが家族なんじゃないの?
頭の中で思い描いていた家族のイメージがガラガラと音を立てて壊れていく。

「離婚!?どうして!?どうして……?秋雄さんは被害者なのにどうしてそうなるの?ちゃんと警察に行ったの?裁判もして……秋雄さんは悪くないって奥さんたちに証明したら……!」

感情のまま叫んでしまう。もう何年も前の出来事が今起こってることのように感じて、離婚という最悪の結果から逃れる方法を必死に考えていた。「色々あったんですよ」とまた冷たく遮られ目が覚める。
これ以上話すことはないと言わんばかりの態度に込み上げてくる言葉を飲み込むしかない。

「お義父さんは、いや、社長はゆうくんと同じこと言ってました。
 でもそんなことしても俺の過去は変わらないし、妻の目も変わらない。
 何があっても俺は外で裸になってクソしたり喜んで小便飲んで勃起する気違いで、最低の汚い存在なんですよ」
「っ……」

俺なら胸を張って言えるのに。「そんな秋雄さんでも大好きだよ」とー……。
秋雄さんは一番そう言ってほしい人に拒絶されたのだ。

「妻は1秒でも早く俺が目の前から消えることを望んでたけど、それじゃあ子供がかわいそうだからって、最後の思い出作りに近くの遊園地に行きました。
 妻はどうでも良いって言うから俺が決めたんですよ。子供はディズニーランドに行きたいって言ってたけど。
 ……事故に遭ったのはその帰りです。俺だけ死んだら、妻と子供は新しい人生を送ることができたのに。新しいお父さんと幸せに過ごせたかもしれないのに……」

俺もトモナガさんも言葉を失くして壮絶な独白を聞いていた。
ずっとどこか白けた態度の秋雄さんだったが肩を震わせ、目を潤ませている。

「俺だけ助かって、目を覚ましたら妻と子供は死んでました。
 それでお義母さんに『お前が死ねばよかったのに』って言われたけど、俺が一番そう思ってましたよ。
 死んで楽になりたかった。どうして死なせてくれなかったのか、どうして俺ばっかりこんな目に遭って、これ以上どうしろってんだ、なんで生まれてきたんだって。でもー……死ねなかった。
 社長が『今までの出来事は全て忘れて新しい人生を送りなさい』って今の家と会社を紹介してくれたんです。なるべく遠いところを選んでくれて、大家さんも社長も知り合いですごく親切な人だって。
そんな風に気を使われると、死ねなかった。
俺の母は海で自殺して通行人に発見されました。連絡があったけど俺は無視し続けました。たぶん自治体が葬儀をしたはずです。
いつ、どこで、どんな風にやっても自殺っていうのは絶対、必ず、他人に迷惑と面倒をかけるんですよ。だからできなかった。死にたいけど、死のうとはしなかった。ずーっと死に損なってた」
「秋雄さん……」

迷惑をかけたくないから死ねないなんてあまりにも悲しい答えだった。子供の頃の寂しい経験が今も秋雄さんをがんじがらめにしていて……でもそのおかげで生きていた。いや、ギリギリの状態で生かされていた。
自殺という選択は物凄くショックだったけど、こんなことがあったら……死にたいって思うのは当然じゃないか……。

目の前の人に、秋雄さんに、何かを言ってあげたかった。でも結局何かを言いかけただけで終わる。一生逃れられない暗闇のような過去が、楽しみや喜びを飲み込んで悲しみと苦しみだけ残していく。
秋雄さんは優しくて真面目で、家族を愛している。彼が彼でいる限りこの苦しみを味わい続けるのだ。

だったらいっそ秋雄さんもこのまま闇に消えてしまった方が楽なんじゃないだろうか……。

ごく自然に、ふとそんな考えがよぎった時だった。

「……だからなんだってんだよ」

トモナガさんが低い声で言い放つ。……思わず耳を疑った。

「トモナガさんっ!どうしてそんな……っ」

肩を揺さぶって訴えてもトモナガさんは冷徹な眼差しで秋雄さんを睨む。剥き出しの敵意を秋雄さんはただ黙って受け止めていた。
秋雄さんに良い印象はないのはわかるけど、この態度はあんまりだ。トモナガさんに対する怒り、いや、怒りが湧いてくるのをはっきりと感じ、半ば叫ぶようまた「どうして」と尋ねる。

「ゆう、落ち着きなさい」
「落ち着けるわけないじゃん!」
「……こいつが『死にたい』理由はわかった。俺も同情してるよ。『しょうがない』ってな。でもな、わざわざ俺たちが来るタイミングで死のうとする理由の説明にはなってない」
「えっ……」

「それがなんなの」とは言い切れず、水をかけられみたいに逆立っていた感情が静まる。

「人に迷惑がかかるから死ねないなんて言っておいて……同情を誘うようなことを言って……こいつはゆうを呼び出して第一発見者として自殺に巻き込もうとした。そういう計画だったんだよ」
「そ、そんな……」
「ゆうは優しくて繊細な子だから死体を見て平気なわけがない。一生消えない心の傷を負ったかもしれない。
警察の事情聴取も未成年だから親の同意がいるし、発見した時の様子やどういう関係か何度も説明しなきゃいけない。……なかなかいい嫌がらせじゃないか。よく思いつくな」

秋雄さんとトモナガさんを交互に見てうろたえることしかできない。

「それなのに心配するフリして白々しい、薄気味悪い。今の話も本当かどうかわからないしな。嘘ついて同情誘って『しょうがない』『今まで辛かったね』でうやむやにしようとしたんじゃないのか?どうなんだ?
今までも被害者ヅラしてゆうの優しさに漬け込んで言いなりにさせてたんだろう!寄生虫め」
「と、トモナガさんー……」
「ふざけるなよっ、死にたかったら1人で死ねっ」

トモナガさんがいじわるで冷たいのではなく怒っていたのだとやっと理解したのと同時に、現実を突きつけられてやっぱり……悲しかった。

あの日の約束や俺に会いたいって気持ちを嘘だと思いたくない。信じているのか、やけになっているのか自分ではもうわからない。

「秋雄さんはそんな人じゃない」と反論したかったけど、何も言葉が出て来ないのは図星だからだ。
親子ほどの歳の差でも秋雄さんは俺を子供扱いせず接してくれたと思ったけど、それも勘違いで実際はトモナガさんの言った通りなのかなぁ……。

秋雄さんの言動を振り返えろうとするが記憶にモヤがかかってるように、よく思い出せない。ただ、少し前は本当に楽しかった。それは誰に何を言われても変わらない。
秋雄さんはあの剣幕で怒鳴られても顔色ひとつ変えず、静かに首を横に振った。

「言ったじゃないですか。自殺は絶対他人に迷惑かけるって。死にたかったら1人で死ねなんて無責任だな。そんなこと言うならアンタが殺せばいいじゃないですか。できないじゃないですか」
「お前っー……!」

それは開き直りとも言える態度だった。再びトモナガさんが掴みかかると、今度はフッと冷め切った表情で、いや、見下した顔で鼻で笑った。

「俺なんか殺して自分の人生台無しにしたくないでしょう」
「何をヘラヘラしてるんだ、この気違いが」
「そうですよ、おかしいんですよ、俺は。それでも人様に迷惑かけないようにずっと頑張って生きてきたんですよ。もう十分だと思いませんか?
こんな惨めな人生、好きな時に好きなように終わらせる権利くらいあってもいいじゃないですか。
この人生を誰かに受け止めてほしかった。好きな人に認めてほしかった。
それだけです。……最後くらいワガママ言ったっていいじゃないですか……。そう思いませんか?ねぇ?」

秋雄さんがいきなり俺の方を向いて、目が合う
気圧されてつい反射的に頷きそうになるが堪えてただ口を閉ざす。
明らかにワガママの範疇を超えた願いは、肯定しても否定しても今度こそ秋雄さんを死なせてしまう気がしてならない。

逃げ道のない、どう答えても結果は同じであろう問いを突きつけられ、やっぱり俺は秋雄さんの言いなりだったのかなぁって……わかってしまった。

黙り込んだ俺に痺れを切らしたように秋雄さんはトモナガさんの腕を振り払った。

「……どうして何も言ってくれないんですか」
「わかんない、わかんないよ……秋雄さんを幸せにできなくてごめん……ごめんなさい……」

答えになってないと承知の上の情けない謝罪が部屋に虚しく響き、次に聞こえてきたのが秋雄さんの浅いため息だった。

……あぁ、がっかりされちゃった。不正解だった。

体の力が抜けて鼻の奥がツンとする。泣きそうだ、と思った時には既に涙が溢れていた。
そして秋雄さんは結局泣かなかった。秋雄さんもまた力が抜けたようにひとつガクリと頭を下げる。

「謝らないでください……すみませんでした……」
「秋雄さん……」

顔を上げてほしくて頬に触れようとするとスッと避けられた。差し出した手の行き場所がなくなってしまう。

「今までありがとうございました。ずっと楽しかったです」
「や、やだ、なに言ってるの。お別れみたいじゃん!せっかく……せっかくまた会えたのに……!なんで……!?」
「すみませんでした……帰ってください。すみません……ありがとうございました。元気でいてくださいね」
「っー……!」

秋雄さんはさらに頭を深くする。拒絶されている。そう気付いた時トモナガさんに肩を叩かれた。

「……こう言ってるんだ。帰ろう」
「やだよ!俺は……もう二度と秋雄さんを見捨てるような真似しないって決めたから。ずっと秋雄さんと一緒だよ。家族で友達だもん。それで、それで……彼氏紹介してもらって……『秋雄さんをよろしくね』って言うんだよ。恋愛相談にも乗るし、惚気話だって聞いてあげるしさ……何歳になっても、ずっと……だから……やだよ、やだよ……」

大声で喚き散らし泣きながら、ずっと秋雄さんに「大丈夫ですか」って優しく抱きしめてもらうのを待っていた。あの大きくて厚い体に包まれて慰めてほしい。

でも現実は違った。

秋雄さんはずっと無言で俯いて、トモナガさんの痩せた手のひらが俺の背中をさすっていた。

「あっ、そうだよ。トモナガさんと付き合えばいいんだよ!トモナガさん、優しいし、包容力あるし、お金持ちだしさ、秋雄さんにお似合いだって!
お、俺みたいな……ヤツじゃなくて……トモナガさんみたいな大人で余裕ある人……が……うぅ……。
いい考えだと思わない?トモナガさんもそう思うでしょ?ね?ねぇ?」
「ゆう……」

秋雄さんは依然として頭を下げたままで、トモナガさんは優しい眼差しで「諦めろ」と促してきた。

「秋雄さんは……これから……どうするの?」

意味のない漠然とした問いだった。ただ、なんとかして言葉を引き出したかっただけなのかもしれない。
秋雄さんは顔を上げ、少しだけ考える。

「…………どうでもいいかなって」

眉を下げ、細い目をもっと細くして笑う……何度も見た秋雄さんらしい優しい笑顔だった。

俺ずっとが大好きだったこの笑顔は「どうでもいい」って意味だったのかな。

俺は……どうでもいいことなんてなかった。秋雄さんが大好きだった。

「ゆう。この人と話がある。外で待ってろ」
「……うん」
「すぐ終わるから」

トモナガさんに退室を促され部屋を出る。
ドアが閉まる寸前で振り返って隙間から秋雄さんを見ようとしたけど、ガチャンと冷たい音を立ててドアが閉まる。
ドアに背中をくっつけてしゃがみ、トモナガさんが出てくるのをなんの感情もなくボーッと待っていると、隣の部屋のドアが開いて人が出てきた。

「ちょっと、あの、『また』ケンカですか……?」

いかにも不審そうな顔をして様子を伺っているのは川瀬という大学生の男だった。

「……そんなんじゃ、ない、です」

腹立ち紛れに怒鳴ってやりたかったけど彼に八つ当たりしても意味ないし、そんな気力残ってない。
川瀬は納得しない表情で首を傾げ部屋に戻っていった。

「なに話してるんだろう……」

膝に顔を埋め独り言を呟いたのと同時に険しい顔をしたトモナガさんが出てきたので飛び上がる。

「あっ、トモナガさん!……秋雄さんは……?」

肩を揺さぶって尋ねると、しばらく考え込んでから「とりあえず帰ろう」と言われた。
帰りたくないというのが本音だった。秋雄さんと俺の話はまだ終わっていないし、秋雄さんを1人にさせたくなかった。
でもこれ以上わがまま言えないし、近所の目もあるからとりあえず黙ってトモナガさんについて行ってアパートを後にした。
無言で来た道を戻り、車に乗り込む。さっきはあんなに意気揚々と歩いて目に映るもの全てが輝いていたのに、今は色褪せて見える。
車の中は嵐が過ぎ去ったように虚しい静けさと疲労感が充満して、先に沈黙を破ったのはトモナガさんだった。

「……ゆう、あいつとはもう関わるな」
「……」
「返事をしなさい」
「……」

また同じことを言われてしまった。口答えもしたくないし、頷いたってまた嘘をつくことになるってわかってる。

……悔しい。
これで2人の関係が終わりだなんて認めたくない。

でもわかってたからあっさり部屋を出たのだ。

「……秋雄さんとなに話したの」
「……気を悪くするなよ」
「しないから教えて」

「話を逸らすな」と怒られなかった。いい加減にしろって怒鳴られて引っ叩かれたら痛みで現実を忘れられたかもしれないのに、優しくされた方が辛いなんて思いもしなかった。

「ゆうのことを本当はどう思ってるかって聞いたよ。そしたら『もうどうでもいい』って……それで終わりだった。
あの子の将来を考えているならもう二度と関わるなよって言っても『どうでもいい』だって。……あいつにとってゆうはその程度の存在だったんだよ」
「……だろうね」

別にショックではなかった。そうなってしまったのは自分のせいだから。多分本当なんだろう。

「それから知り合いが経営してる病院を紹介して、連絡先を削除させたよ」
「その病院はどこにあるの、どういうところなの」
「場所は教えられない。……でもちゃんとした病院だから安心しろ。本人に治療する意思があればきっと良くなるから……」
「……そっかぁ」

トモナガさんも秋雄さんをただ嫌っていたわけではなく、最善を尽くしてくれたとわかってまた泣きそうになる。でも涙は出なかった。さっき一生分泣いたのかもしれない。

「……ゆう」
「どうでもいい存在ならもう会わない。だって『迷惑』だもん。好きな人に迷惑かけたくない……」

もう関わるなと説得される前にただ頷き、吐き捨てるように事実を自分に言い聞かせる。
秋雄さんが何度も口にした『迷惑』という言葉を使ったら、なんとなく秋雄さんに近づけた気がした。繋がりが消えた今、そんなことに喜びを感じてしまう。

やっぱり……秋雄さんが好きだ。
嫌われちゃったけどさ。
俺は秋雄さんを二度と見捨てないと決めたから。

トモナガさんは俺の肩を抱いてちょっと泣いていた。
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