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7.声の主は
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…………。
「えっ?ユイ、港街で暮らすのか?」
運ばれてきたケーキを食べながらユイの話を聞いていると、年が明けたらこの港街で働く事が決まっているらしい。
「はい、診療所の先生達にはちゃんと許可を頂きました。
だから今回はその為の準備を色々しようと思って、この港街の探索も兼ねてきたんです」
「……そっか。
じゃあ、来年からいつでも会えるな!」
「はいっ」
俺の言葉に可愛く頷いてくれるユイ。
会ったのは二度目なのに、堪らなく大切な愛娘。
来年からは傍にいてやれる。
たくさん父親らしい事をしてやろうと思った。
「……な、ユイ。
その首に掛けてるネックレスって、もしかしてリディアから貰った?」
会った時から気になっていた、鍵のアクセサリーが付いたネックレス。
その鍵の形に、俺は見覚えがあった。
「あ、はいっ。
今年の誕生日プレゼントに貰った物です」
ユイは首からネックレスを外すと、俺によく見えるように差し出した。
ネックレスを受け取り、掌に乗せて見つめて思い出す。
間違いない。
これは、俺がリディアに貰った最初の贈り物。
大切な大切な、合鍵だった。
「……持ってて、くれたんだな」
あの日、下剋上を起こした俺が突っ返した鍵。
また、俺の元に戻ってきてくれた。
リディアの忘れ形見と一緒に……。
視野が滲みそうになるのをグッと堪えて、俺はユイに鍵を返すと微笑む。
「な、ユイ。
この後、ちょっと連れて行きたい場所があるんだけど……。付き合ってくれるか?」
「?……はい」
ケーキを食べ終えると、俺はユイを連れて港街のある場所へ向かった。
……
…………。
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