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第19話
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あの後俺は忍者のように身を潜めつつ、足早に校内を移動してなんとか屋上にたどり着いた。
「え」
金本しかいないと思っていたため屋上にいるメンバーを見てギョッとした。
「よーっす」
「どうも」
「ご機嫌よう」
「やっほ~秋穂ちゃん~」
リスのように頬っぺをぱんぱんにして焼きそばパンを食べる天童に礼儀正しく正座してる火山、庭園にでもいるのかてかそのティーカップわざわざ持ってきてんのかとツッコミ所だらけの陽華に特にツッコミ所の無い紫音の4人が金本と一緒に円になってご飯を食べていた。
金本の隣に腰をかけると少し気まずそうな空気を出しながら俺にパンを差し出してきた。
「今日買えんかったやろ、やる」
「いやぁ、人生最大のモテ期を迎えちゃって人気者は大変だな~!!」
俺がふふんとドヤ顔するのを見て金本はふっと笑ってそかと返事した。こいつのせいじゃないし金本が良い奴なのはちゃんとわかってるので俺も特に気にしない。こうやってちゃんと俺のために昼飯も買っといてくれてるし。
それよりも気になることがある。
「えーと、皆さんはなぜこちらに…?」
「この間はミーティングだったので部室だったんですけど、僕達普段は屋上で食べてるんです」
「屋上なら俺達の他に誰もこないからゆっくり食べられるしね~」
辺りを見渡すと確かに自分達以外一切人がいなかった。確かうちの学校は屋上立ち入り禁止だと聞いた気がする。
「生徒会長様様ってやつだな。うるせぇ奴らもいねぇし静かに飯が食えて万々歳だぜ」
「いつも俺達を応援してくれているんだ。あまりそういうことを言うんじゃないよ」
生徒達の中で生徒会長の陽華のみが屋上の鍵を自由に持ち出せる特権で屋上が使えるということらしい。
「俺達と理由は違えど、秋穂も静かにご飯が食べられる場所を探しているんだよね。これからはここを使ってくれて構わないよ」
「…ありがと」
正直めちゃめちゃ助かるので感謝しかない。それにしても俺とは真逆の理由で落ち着いて教室で飯が食えない彼らも大変そうだなと思った。
「良かったやん」
「おう」
とりあえずこれからは誰の視線も気にすることなく安心して飯が食えそうなので昼休みが少し楽しみになった。
「あ、そういえばこの間いたあのおっきい人とチャラそうなあいつはここに来ないのか?」
「ここ来る前に俺高木の教室覗いたんだけど先生に頼まれごとしてて今日来れないみたい~」
「高木さんは人当たりが良すぎるんだよなぁ、俺みたいにめんどくせぇって言って断ればいいのによ」
「天童君は運動しか取り柄がないんですからせめて素行ぐらいは良くしとかないとまずいですよ」
火山は穏やかな見た目の割には中々ズバッと言うんだなと驚いた。
「…お、俺のことは良いんだよ。で、キメェあいつは女達と飯食ってるから滅多にここには来ねぇな」
まあなんかそんな感じなやつな気はしていたので特に驚きもしなかった。
「天童と海遠は保育園の頃からの幼なじみなんだよね~」
「ちょ土屋さん、その話しなくて良くないっすか…」
海遠と幼なじみということを知られるのが嫌なのか、とてもバツの悪そうな顔をしていた。だがその事は既に妹のおかげで把握済みだ。
「もう俺知ってるし気にすんなよ」
そう言うとみんなの視線が一斉に俺に集められる。
「あ、あ、いやクラスの女子がそんな話をしてような~してなかったような~いやしてたな!!」
ついポロッと言ってしまったがなんとか誤魔化せたと思う。多分。
「え」
金本しかいないと思っていたため屋上にいるメンバーを見てギョッとした。
「よーっす」
「どうも」
「ご機嫌よう」
「やっほ~秋穂ちゃん~」
リスのように頬っぺをぱんぱんにして焼きそばパンを食べる天童に礼儀正しく正座してる火山、庭園にでもいるのかてかそのティーカップわざわざ持ってきてんのかとツッコミ所だらけの陽華に特にツッコミ所の無い紫音の4人が金本と一緒に円になってご飯を食べていた。
金本の隣に腰をかけると少し気まずそうな空気を出しながら俺にパンを差し出してきた。
「今日買えんかったやろ、やる」
「いやぁ、人生最大のモテ期を迎えちゃって人気者は大変だな~!!」
俺がふふんとドヤ顔するのを見て金本はふっと笑ってそかと返事した。こいつのせいじゃないし金本が良い奴なのはちゃんとわかってるので俺も特に気にしない。こうやってちゃんと俺のために昼飯も買っといてくれてるし。
それよりも気になることがある。
「えーと、皆さんはなぜこちらに…?」
「この間はミーティングだったので部室だったんですけど、僕達普段は屋上で食べてるんです」
「屋上なら俺達の他に誰もこないからゆっくり食べられるしね~」
辺りを見渡すと確かに自分達以外一切人がいなかった。確かうちの学校は屋上立ち入り禁止だと聞いた気がする。
「生徒会長様様ってやつだな。うるせぇ奴らもいねぇし静かに飯が食えて万々歳だぜ」
「いつも俺達を応援してくれているんだ。あまりそういうことを言うんじゃないよ」
生徒達の中で生徒会長の陽華のみが屋上の鍵を自由に持ち出せる特権で屋上が使えるということらしい。
「俺達と理由は違えど、秋穂も静かにご飯が食べられる場所を探しているんだよね。これからはここを使ってくれて構わないよ」
「…ありがと」
正直めちゃめちゃ助かるので感謝しかない。それにしても俺とは真逆の理由で落ち着いて教室で飯が食えない彼らも大変そうだなと思った。
「良かったやん」
「おう」
とりあえずこれからは誰の視線も気にすることなく安心して飯が食えそうなので昼休みが少し楽しみになった。
「あ、そういえばこの間いたあのおっきい人とチャラそうなあいつはここに来ないのか?」
「ここ来る前に俺高木の教室覗いたんだけど先生に頼まれごとしてて今日来れないみたい~」
「高木さんは人当たりが良すぎるんだよなぁ、俺みたいにめんどくせぇって言って断ればいいのによ」
「天童君は運動しか取り柄がないんですからせめて素行ぐらいは良くしとかないとまずいですよ」
火山は穏やかな見た目の割には中々ズバッと言うんだなと驚いた。
「…お、俺のことは良いんだよ。で、キメェあいつは女達と飯食ってるから滅多にここには来ねぇな」
まあなんかそんな感じなやつな気はしていたので特に驚きもしなかった。
「天童と海遠は保育園の頃からの幼なじみなんだよね~」
「ちょ土屋さん、その話しなくて良くないっすか…」
海遠と幼なじみということを知られるのが嫌なのか、とてもバツの悪そうな顔をしていた。だがその事は既に妹のおかげで把握済みだ。
「もう俺知ってるし気にすんなよ」
そう言うとみんなの視線が一斉に俺に集められる。
「あ、あ、いやクラスの女子がそんな話をしてような~してなかったような~いやしてたな!!」
ついポロッと言ってしまったがなんとか誤魔化せたと思う。多分。
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