原典怪飢

食う福

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異形手紙

鳴味蕾火の場合

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「食べる」こと
に対して考える。


食欲とは不思議なもので、生きるための、栄養を得るための人間の欲である。
それは生きるために必要な要素を取り入れられればよいものではないだろうか?


しかし果たして人間は何故
「美味しいもの」を求めるのか。
「美味しさ」を求めるのか。

コンビニに行けば、

スーパーに行けば、

そこら中に

「栄養」

は陳列されているというのに。
人間はそれだけでは足らないのである。





そう、足らないし、足りてない。





「お腹が空いた」



ぽつりぽつりと呟きながら、
美味しそうな匂いの元へ足を進める。






風邪を引いた時に変な夢を見る人は少なくはないだろう。
風邪を引き、床に伏していたら変な夢をまた見ていた。うん、結構、わりと結構あるはずだ。


かく思う私はうんとお腹が空いた時に
先程つらつらと連ねた思考に陥る。





「たぶん、ここだね」





足を止め見上げたのは築浅であろう学生アパートだった。

「学生さんの入居募集中!」
「○○大学まで10分!」

なんて看板が立っているのを見る限り
学生が1人や2人住んでいそうだし、
なんならまだ空きがありそう。



私の鼻に間違いはないはずだ。




築浅みを感じる割にはセキュリティが
緩そうなアパートへ入っていった。






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