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第59話
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背後からも悪魔の群れが現れたのだ。
その数、十体以上。 何でこんなタイミングで現れるんだよと目を見開くが、更に見えた未来に別の意味で驚いた。 何故なら背後から向かって来た悪魔の群れは祐平の横を素通りして笑実の操る悪魔の群れに襲いかかったからだ。
「櫻居さん!?」
僅かに遅れて足音が響き、ゼイゼイと荒い息を吐いている櫻居が現れた。
どうやって手に入れたのか手には分厚い魔導書を持っている。
「あぁもう、こんな事やりたくはなかったわ! 操るの難しいし、使っているだけで寿命が減るのを意識すると吐きそうだしで最悪よ」
「な、なんで戻ってきたんですか? と言うかその魔導書は……」
「私もできるなら逃げたかったわよ! だけどこれを見つけちゃったから戻らざるを得なかったのよ!」
魔導書を失い戦闘能力が皆無な彼女は居ても居なくても変わりはない。
だから、自分が逃げる事は許される。 そんな考えで櫻居は逃走を選択したのだが、逃げた先で見つけた死体とその傍らに落ちている魔導書を手に入れた事で変わってしまう。
戦うといった選択肢が生まれたのだ。 普段の彼女であるならそのまま魔導書を持って逃げただろう。
しかし、笑実の存在とその危険性を知った今、逃げたとして水堂達が全滅すれば後で自分が単独で戦わなければならなくなる。 そう考えるなら戻って参戦した方がマシと考えたのだ。
逃げて水堂達が勝つ可能性に賭けるか、自分も参戦して勝率を上げるか。
参戦のリスクは寿命の消費だ。 知りたくない事実ではあったが、死ぬよりはマシだと自分に言い聞かせて魔導書に秘められた全ての悪魔を召喚した。 第三位階以上でも良かったが、流石に直接殴り合う事には抵抗があったので全て第二位階で召喚して水堂達の道を切り拓く事を選んだのだ。
「操るの難しいわねこれ――ってひゃ!? 何をするのよ!?」
祐平の隣に立った櫻居はそんな事を呟いていたが、そんな場合ではなかった。
櫻居を抱えて駆け出す。 一瞬遅れて櫻居の頭部があった場所を銃弾が通り抜ける。
彼女の存在を認識して排除にかかったのだ。 だが、これは大きい。
これは祐平自身も知識で確認し、検証もした事だが、悪魔を複数操るのは難しい。
リアルタイムで細かな指示を出さなくても大雑把な命令を出せば悪魔はその通りに動く。
例を挙げると「対象に攻撃を仕掛けろ」と命令すると、それだけを順守して攻撃を仕掛ける。
周囲、または特定の物や人物に対して被害を出さないように攻撃をするように指示を出せはするが、数が増えれば互いに干渉して行動が止まる場合も多い。
実際、水堂達が未だに生きているのは祐平がそうなるよう立ち回らせているからだ。
恐らく笑実が悪魔に出している指示は包囲して攻撃しろと言った所だろう。
動きが悪いのは誰を包囲するのかの指定をしていないので手近な相手を狙って回り込もうとしているからだ。 それでも負けないだけで攻め手を欠いた状況だったので笑実からすれば打開を図ろうと動いたタイミングで仕留めるつもりだったのだろう。
だが、櫻居の悪魔が突入した事により、状況が大きく変わる。
「櫻居さん。 無理に戦わせなくていい。 連中の行動を邪魔できるように壁になるように動かしてください」
「それだけでいいの? やっつけないと――」
「それは水堂さん達がやってくれます」
言いながら祐平は櫻居を抱えて走る。 理由は笑実が執拗に櫻居を殺そうと狙っているからだ。
銃弾が虚空を通り過ぎ、壁や地面を砕く。 機関銃のように秒間何十発というバカげた発射速度ではないが、二秒ごとに一発打ち込んで来るので足を止めていられない。
その為、指示を出す事に支障が出ているがその問題はどうにでもなる。
魔導書の数では未だに圧倒的な開きがあるが、操っているのは笑実ただ一人。
頭数で勝っている祐平達には対応力で分がある。
「うぃ、戻ってきたべ!」
走り回って敵を攪乱していた卯敷が戻ってきたのだ。
「悪いが彼女を頼む。 とにかく抱えて走り回ってくれ。 当たりそうになったらこっちで指示を出すから聞き逃さないでくれ」
「うっす、了解。 っつーか潟来サン、第四使っても大丈夫なんっすか?」
「大丈夫じゃないから早めにケリをつけたいんだよ」
祐平は卯敷に櫻居を預け、全体の指揮に戻る。
櫻居が戻ってきた事で一気に流れが傾いた。 笑実は一刻も早く櫻居を仕留めないと逆に追い詰められると考え、攻撃の手を緩めないがもう遅い。 何故なら水堂と伊奈波が敵を突破して彼女に迫りつつあったからだ。 ここまで来るともう詰むまで後少し。
笑実はもう櫻居を狙う事ができずに迫ってきた水堂と伊奈波に対応しなければならない。
どう対応するか? 選択肢はそう多くない。
前衛の悪魔を戻すか、位階を上げるかのどちらかだろう。 逃げる可能性もあるが、そうなったらなったで結果はそう変わらない。
遠視、マスケットは第一位階だが、残りの四十二体は第二位階だ。
あれだけの数を集めるのに少なくない回数の魔導書の能力を行使したはず。
消耗は相当なものだろう。 恐らくだが、もう笑実には余力は残されていない。
そんな状態で高位階の能力を扱ってしまうともう――
包囲され、逃げ回りながらも無数の悪魔に痛めつけられ、全身を傷だらけにした二人が悪魔の群れを突破し笑実の前に立つ。
笑実はマスケットを投げ捨てると魔導書を構え、致命的な力を開放する。
――<第四小鍵 29/72>
「あのホスト野郎の魔導書じゃねぇか!?」
水堂が叫ぶ。 祐平も気付いてはいたがあえて触れていなかった。
笑実の体がメキメキと変化を始めようとして、その動きが止まる。
『29/72』は猛毒を操る竜で、近寄る事が困難になる危険な能力ではあるが今の笑実が使うには寿命が足りなかったようだ。
彼女の変化が止まりその表情には大きな困惑が張り付いていた。
何が起こったのか理解できない。 いや、魂を対価として支払うとは知らされる筈なので精々ガス欠とでも認識していたのかもしれないが、魂が何を指すのかまでは理解していなかったようだ。
笑実は糸の切れた人形のようにどさりと倒れる。
攻撃態勢に入っていた水堂と伊奈波は顔を見合わせて動きを止めた。
周囲に召喚された悪魔も溶けるように消え去り、櫻居の召喚した悪魔も同時に姿を消す。
――何とか切り抜けたか。
命が助かった事に胸を撫で下ろしたが、同時にそれは笑実の死を意味している。
祐平はその事実を認識し、魔導書を解除して彼女へと駆け出した。
その数、十体以上。 何でこんなタイミングで現れるんだよと目を見開くが、更に見えた未来に別の意味で驚いた。 何故なら背後から向かって来た悪魔の群れは祐平の横を素通りして笑実の操る悪魔の群れに襲いかかったからだ。
「櫻居さん!?」
僅かに遅れて足音が響き、ゼイゼイと荒い息を吐いている櫻居が現れた。
どうやって手に入れたのか手には分厚い魔導書を持っている。
「あぁもう、こんな事やりたくはなかったわ! 操るの難しいし、使っているだけで寿命が減るのを意識すると吐きそうだしで最悪よ」
「な、なんで戻ってきたんですか? と言うかその魔導書は……」
「私もできるなら逃げたかったわよ! だけどこれを見つけちゃったから戻らざるを得なかったのよ!」
魔導書を失い戦闘能力が皆無な彼女は居ても居なくても変わりはない。
だから、自分が逃げる事は許される。 そんな考えで櫻居は逃走を選択したのだが、逃げた先で見つけた死体とその傍らに落ちている魔導書を手に入れた事で変わってしまう。
戦うといった選択肢が生まれたのだ。 普段の彼女であるならそのまま魔導書を持って逃げただろう。
しかし、笑実の存在とその危険性を知った今、逃げたとして水堂達が全滅すれば後で自分が単独で戦わなければならなくなる。 そう考えるなら戻って参戦した方がマシと考えたのだ。
逃げて水堂達が勝つ可能性に賭けるか、自分も参戦して勝率を上げるか。
参戦のリスクは寿命の消費だ。 知りたくない事実ではあったが、死ぬよりはマシだと自分に言い聞かせて魔導書に秘められた全ての悪魔を召喚した。 第三位階以上でも良かったが、流石に直接殴り合う事には抵抗があったので全て第二位階で召喚して水堂達の道を切り拓く事を選んだのだ。
「操るの難しいわねこれ――ってひゃ!? 何をするのよ!?」
祐平の隣に立った櫻居はそんな事を呟いていたが、そんな場合ではなかった。
櫻居を抱えて駆け出す。 一瞬遅れて櫻居の頭部があった場所を銃弾が通り抜ける。
彼女の存在を認識して排除にかかったのだ。 だが、これは大きい。
これは祐平自身も知識で確認し、検証もした事だが、悪魔を複数操るのは難しい。
リアルタイムで細かな指示を出さなくても大雑把な命令を出せば悪魔はその通りに動く。
例を挙げると「対象に攻撃を仕掛けろ」と命令すると、それだけを順守して攻撃を仕掛ける。
周囲、または特定の物や人物に対して被害を出さないように攻撃をするように指示を出せはするが、数が増えれば互いに干渉して行動が止まる場合も多い。
実際、水堂達が未だに生きているのは祐平がそうなるよう立ち回らせているからだ。
恐らく笑実が悪魔に出している指示は包囲して攻撃しろと言った所だろう。
動きが悪いのは誰を包囲するのかの指定をしていないので手近な相手を狙って回り込もうとしているからだ。 それでも負けないだけで攻め手を欠いた状況だったので笑実からすれば打開を図ろうと動いたタイミングで仕留めるつもりだったのだろう。
だが、櫻居の悪魔が突入した事により、状況が大きく変わる。
「櫻居さん。 無理に戦わせなくていい。 連中の行動を邪魔できるように壁になるように動かしてください」
「それだけでいいの? やっつけないと――」
「それは水堂さん達がやってくれます」
言いながら祐平は櫻居を抱えて走る。 理由は笑実が執拗に櫻居を殺そうと狙っているからだ。
銃弾が虚空を通り過ぎ、壁や地面を砕く。 機関銃のように秒間何十発というバカげた発射速度ではないが、二秒ごとに一発打ち込んで来るので足を止めていられない。
その為、指示を出す事に支障が出ているがその問題はどうにでもなる。
魔導書の数では未だに圧倒的な開きがあるが、操っているのは笑実ただ一人。
頭数で勝っている祐平達には対応力で分がある。
「うぃ、戻ってきたべ!」
走り回って敵を攪乱していた卯敷が戻ってきたのだ。
「悪いが彼女を頼む。 とにかく抱えて走り回ってくれ。 当たりそうになったらこっちで指示を出すから聞き逃さないでくれ」
「うっす、了解。 っつーか潟来サン、第四使っても大丈夫なんっすか?」
「大丈夫じゃないから早めにケリをつけたいんだよ」
祐平は卯敷に櫻居を預け、全体の指揮に戻る。
櫻居が戻ってきた事で一気に流れが傾いた。 笑実は一刻も早く櫻居を仕留めないと逆に追い詰められると考え、攻撃の手を緩めないがもう遅い。 何故なら水堂と伊奈波が敵を突破して彼女に迫りつつあったからだ。 ここまで来るともう詰むまで後少し。
笑実はもう櫻居を狙う事ができずに迫ってきた水堂と伊奈波に対応しなければならない。
どう対応するか? 選択肢はそう多くない。
前衛の悪魔を戻すか、位階を上げるかのどちらかだろう。 逃げる可能性もあるが、そうなったらなったで結果はそう変わらない。
遠視、マスケットは第一位階だが、残りの四十二体は第二位階だ。
あれだけの数を集めるのに少なくない回数の魔導書の能力を行使したはず。
消耗は相当なものだろう。 恐らくだが、もう笑実には余力は残されていない。
そんな状態で高位階の能力を扱ってしまうともう――
包囲され、逃げ回りながらも無数の悪魔に痛めつけられ、全身を傷だらけにした二人が悪魔の群れを突破し笑実の前に立つ。
笑実はマスケットを投げ捨てると魔導書を構え、致命的な力を開放する。
――<第四小鍵 29/72>
「あのホスト野郎の魔導書じゃねぇか!?」
水堂が叫ぶ。 祐平も気付いてはいたがあえて触れていなかった。
笑実の体がメキメキと変化を始めようとして、その動きが止まる。
『29/72』は猛毒を操る竜で、近寄る事が困難になる危険な能力ではあるが今の笑実が使うには寿命が足りなかったようだ。
彼女の変化が止まりその表情には大きな困惑が張り付いていた。
何が起こったのか理解できない。 いや、魂を対価として支払うとは知らされる筈なので精々ガス欠とでも認識していたのかもしれないが、魂が何を指すのかまでは理解していなかったようだ。
笑実は糸の切れた人形のようにどさりと倒れる。
攻撃態勢に入っていた水堂と伊奈波は顔を見合わせて動きを止めた。
周囲に召喚された悪魔も溶けるように消え去り、櫻居の召喚した悪魔も同時に姿を消す。
――何とか切り抜けたか。
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