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第373話
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発射。 ロケット弾が真っすぐにホーコートへ向かって飛ぶ。
それをホーコートはエネルギーウイングを噴かして右に旋回して回避。
「おいおい、あいつ全然だめじゃないか?」
――こりゃ、重傷だな。
恐らくは攻撃に対して反射的に対応するようになっているのだろう。
その為、ヨシナリは指示を変えた。 より単純に左に躱せと。
再度、発射。 ホーコートは一瞬、右に動きかけたが躓くように動きを止め、そのまま直撃した。
その後も何度か試した結果、ホーコートは右への旋回はランカー並みの挙動を示すが、モーションが全く同じ、左への旋回は反応が大きく遅れる。
上下に関しては上に関しては早かったが、下への反応が遅い。
射撃に関しても酷い物で、右旋回からの銃撃は恐ろしいまでの精度を誇るのだが、それ以外の挙動を挟むと露骨に当たらなくなる。 近接もほぼ同じだった。
特定状況下での斬撃、打撃は凄まじいクオリティだが、それ以外だと極端に悪くなる。
ヨシナリは内心で溜息を吐く。 段々と見えてきたからだ。
まず、ホーコートは何らかのチートを使っているのは確定だが、かなり限定された物だった。
運営にお目こぼしされている理由もこれだろう。
――いや、もしかしたら運営が意図して使わせている?
可能性は高かったが、考えても仕方がない。
具体的にどんなチートを使っているのか? 恐らくは『決められたモーションパターンをほぼ100%の精度で行える』といった物で、映像などで見比べれば一目瞭然だろう。
何度やっても寸分違わず同じ挙動になっているはずだ。
問題はそのモーションパターンが極端に少ない事にある。 ヨシナリが見た限りでは合計で二十もない。 その少ないモーションパターンの組み合わせしかできないのだ。
上位のプレイヤー、特にランカー相手だと早々に気付かれて終わるのが目に見えている。
そこまで分かればホーコートに必要なものが何かははっきりしていた。
基礎だ。 幸いにも素直な性格をしているので、基礎を叩きこんで動きの精度を底上げする必要がある。
「マルメル。 これから俺とお前でこいつに徹敵的に基礎を叩きこむ」
「あぁ、二人でしごくんだな」
マルメルは何で俺が呼ばれたのか分かったと呟く。
ホーコートがこの先、ここでやっていくなら高い確率でマルメルと組む事になる。
その為、マルメルを噛ませるのは今後を考えるとプラスになると考えたのだ。
「なぁ、ヨシナリ」
「何だ?」
「いや、方針自体には賛成だけど、あいつの心が折れないか心配なんだが……」
「――まぁ、折れたらその時はその時だ。 仕上がるかやりたくないと言い出すまでは続けよう」
マルメルはらしくないなと少し思っていたが、ヨシナリは何となく察していた。
チートを使っている時点で普通ではないと思っているのだが、それを許容されているという事はこいつはこのゲームから離れられない。 もしかしたら別の契約書を巻いたのかもしれないが、そんな事はどうでもよかった。 止める選択肢がないなら、腕を上げる事自体がホーコートにとってのプラスに働くと思われる。
――それでも最終的には本人の意思次第だが。
嫌だと言うなら辞めさせればいい。 ここで戦うというのなら嫌でも適応して貰う。
我ながら少し当たりが強い気がするなといった思いもあったが、そんな自分に内心で首を傾げつつ考えを曲げるつもりはなかった。
回避が間に合わずに直撃を受け撃墜。
ホーコートはその結果に思わず内心で舌打ちする。
まただ。 また上手く行かない。 先輩――ヨシナリから与えられた課題は一つ。
指示した方法で回避しろというものだ。
内容的にそんなに難しくないはずなのに何故か上手く行かない。
右への旋回は考えるまでもなく体が勝手に動くのに左になると何故か頭が真っ白になるのだ。
さっぱり分からない。 他の挙動もそうだ。
何故か先輩に指示された挙動を取ろうとすると何をしていいのか分からなくなる。
結果、反応が大きく遅れる事となるのだ。 自分で、自分の事が分からない。
何十回か撃墜された後にそう言うと先輩は小さく笑って見せる。
「それがお前の弱点だ。 今は得意の動きの組み合わせと機体性能で充分に通用するだろうが、上がって行くと途中で止まってしまう。 具体的にはEに上がるか上がらないか。 その辺りになると見切られ始めると思う。 もしもこのゲームでもっと上を目指したいと思っているのならできるようになっておいて損はない」
――先輩。 なんていい人なんだろうか?
ホーコートは申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
自分が言われた事を碌にできない愚図にも関わらず根気よく付き合ってくれるなんて。
ヨシナリも自分の事をしたいだろうに少なくない時間を自分に割いてくれているのだ。
それに応える為にも頑張らないと。 ホーコートは頑張るぞと気持ちを新たに声を上げる。
「よし! 次、お願いします!」
確かに中々、できるようにはならない。 だが、全く進歩がない訳ではなかった。
何十回目の挑戦だっただろうか? 飛んできたロケット弾を左に躱す事が出来たのだ。
右に比べれば不格好な旋回で、躱した後に大きく体勢を崩して墜落してしまったが確かに回避は出来た。 これを進歩と言わずに何だと言うのだ?
「お、やったな! この調子で頑張っていこう!」
墜落して近くの建物に頭から突っ込むという無様を晒したが、先輩は優しく褒めてくれた!
ホーコートはそれに大きな手応えを感じ、もっと頑張ろうと気持ちを新たに――ふと考える。
自分はこんな奴だっただろうかと? ホーコートは過去を遡って思い返す。
声だけ大きなつまらない人間。 それがホーコートのリアルだ。
このゲームを始めたのも安易で浅はかな動機だった。 特殊通貨のPは高額で取引できると知ったのが切っ掛けだ。 だが、いざ初めて見るとこのゲームの圧倒的なリアリティが彼の心を掴んで離さなかった。
まるでアニメやゲームの登場人物のように巨大な機体を操って戦場を駆けまわる。
そんな世界でちょっと名の知れたプレイヤーとして活躍したい。
英雄願望とは少し違うが、そんな承認欲求があったのは事実だった。
そんな中、見つけたのだ。 英雄の輝きを。
数多のプレイヤーが死力を尽くして戦ったあの地獄の極寒惑星。
侵攻イベントだ。 大勢のランカーが居たにもかかわらずその全てを出し抜いて敵の心臓を貫いた彼の存在を。
それをホーコートはエネルギーウイングを噴かして右に旋回して回避。
「おいおい、あいつ全然だめじゃないか?」
――こりゃ、重傷だな。
恐らくは攻撃に対して反射的に対応するようになっているのだろう。
その為、ヨシナリは指示を変えた。 より単純に左に躱せと。
再度、発射。 ホーコートは一瞬、右に動きかけたが躓くように動きを止め、そのまま直撃した。
その後も何度か試した結果、ホーコートは右への旋回はランカー並みの挙動を示すが、モーションが全く同じ、左への旋回は反応が大きく遅れる。
上下に関しては上に関しては早かったが、下への反応が遅い。
射撃に関しても酷い物で、右旋回からの銃撃は恐ろしいまでの精度を誇るのだが、それ以外の挙動を挟むと露骨に当たらなくなる。 近接もほぼ同じだった。
特定状況下での斬撃、打撃は凄まじいクオリティだが、それ以外だと極端に悪くなる。
ヨシナリは内心で溜息を吐く。 段々と見えてきたからだ。
まず、ホーコートは何らかのチートを使っているのは確定だが、かなり限定された物だった。
運営にお目こぼしされている理由もこれだろう。
――いや、もしかしたら運営が意図して使わせている?
可能性は高かったが、考えても仕方がない。
具体的にどんなチートを使っているのか? 恐らくは『決められたモーションパターンをほぼ100%の精度で行える』といった物で、映像などで見比べれば一目瞭然だろう。
何度やっても寸分違わず同じ挙動になっているはずだ。
問題はそのモーションパターンが極端に少ない事にある。 ヨシナリが見た限りでは合計で二十もない。 その少ないモーションパターンの組み合わせしかできないのだ。
上位のプレイヤー、特にランカー相手だと早々に気付かれて終わるのが目に見えている。
そこまで分かればホーコートに必要なものが何かははっきりしていた。
基礎だ。 幸いにも素直な性格をしているので、基礎を叩きこんで動きの精度を底上げする必要がある。
「マルメル。 これから俺とお前でこいつに徹敵的に基礎を叩きこむ」
「あぁ、二人でしごくんだな」
マルメルは何で俺が呼ばれたのか分かったと呟く。
ホーコートがこの先、ここでやっていくなら高い確率でマルメルと組む事になる。
その為、マルメルを噛ませるのは今後を考えるとプラスになると考えたのだ。
「なぁ、ヨシナリ」
「何だ?」
「いや、方針自体には賛成だけど、あいつの心が折れないか心配なんだが……」
「――まぁ、折れたらその時はその時だ。 仕上がるかやりたくないと言い出すまでは続けよう」
マルメルはらしくないなと少し思っていたが、ヨシナリは何となく察していた。
チートを使っている時点で普通ではないと思っているのだが、それを許容されているという事はこいつはこのゲームから離れられない。 もしかしたら別の契約書を巻いたのかもしれないが、そんな事はどうでもよかった。 止める選択肢がないなら、腕を上げる事自体がホーコートにとってのプラスに働くと思われる。
――それでも最終的には本人の意思次第だが。
嫌だと言うなら辞めさせればいい。 ここで戦うというのなら嫌でも適応して貰う。
我ながら少し当たりが強い気がするなといった思いもあったが、そんな自分に内心で首を傾げつつ考えを曲げるつもりはなかった。
回避が間に合わずに直撃を受け撃墜。
ホーコートはその結果に思わず内心で舌打ちする。
まただ。 また上手く行かない。 先輩――ヨシナリから与えられた課題は一つ。
指示した方法で回避しろというものだ。
内容的にそんなに難しくないはずなのに何故か上手く行かない。
右への旋回は考えるまでもなく体が勝手に動くのに左になると何故か頭が真っ白になるのだ。
さっぱり分からない。 他の挙動もそうだ。
何故か先輩に指示された挙動を取ろうとすると何をしていいのか分からなくなる。
結果、反応が大きく遅れる事となるのだ。 自分で、自分の事が分からない。
何十回か撃墜された後にそう言うと先輩は小さく笑って見せる。
「それがお前の弱点だ。 今は得意の動きの組み合わせと機体性能で充分に通用するだろうが、上がって行くと途中で止まってしまう。 具体的にはEに上がるか上がらないか。 その辺りになると見切られ始めると思う。 もしもこのゲームでもっと上を目指したいと思っているのならできるようになっておいて損はない」
――先輩。 なんていい人なんだろうか?
ホーコートは申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
自分が言われた事を碌にできない愚図にも関わらず根気よく付き合ってくれるなんて。
ヨシナリも自分の事をしたいだろうに少なくない時間を自分に割いてくれているのだ。
それに応える為にも頑張らないと。 ホーコートは頑張るぞと気持ちを新たに声を上げる。
「よし! 次、お願いします!」
確かに中々、できるようにはならない。 だが、全く進歩がない訳ではなかった。
何十回目の挑戦だっただろうか? 飛んできたロケット弾を左に躱す事が出来たのだ。
右に比べれば不格好な旋回で、躱した後に大きく体勢を崩して墜落してしまったが確かに回避は出来た。 これを進歩と言わずに何だと言うのだ?
「お、やったな! この調子で頑張っていこう!」
墜落して近くの建物に頭から突っ込むという無様を晒したが、先輩は優しく褒めてくれた!
ホーコートはそれに大きな手応えを感じ、もっと頑張ろうと気持ちを新たに――ふと考える。
自分はこんな奴だっただろうかと? ホーコートは過去を遡って思い返す。
声だけ大きなつまらない人間。 それがホーコートのリアルだ。
このゲームを始めたのも安易で浅はかな動機だった。 特殊通貨のPは高額で取引できると知ったのが切っ掛けだ。 だが、いざ初めて見るとこのゲームの圧倒的なリアリティが彼の心を掴んで離さなかった。
まるでアニメやゲームの登場人物のように巨大な機体を操って戦場を駆けまわる。
そんな世界でちょっと名の知れたプレイヤーとして活躍したい。
英雄願望とは少し違うが、そんな承認欲求があったのは事実だった。
そんな中、見つけたのだ。 英雄の輝きを。
数多のプレイヤーが死力を尽くして戦ったあの地獄の極寒惑星。
侵攻イベントだ。 大勢のランカーが居たにもかかわらずその全てを出し抜いて敵の心臓を貫いた彼の存在を。
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