96 / 476
第96話
しおりを挟む
次々とまるで作業のように撃破されていくプレイヤー達。
そんな中、未だに無傷で生き残っている者がいた。
ラーガストだ。 この戦場に存在する唯一のSランクプレイヤーである彼はエネミーの動きにたった一人付いていけていた。 彼の機体エイコサテトラは高速戦闘に特化した機体で背面に存在する複数のエネルギー式ウイングで急制動、急加速、急旋回を小刻みに行い、飛んでくる攻撃の悉くを回避していく。
そして隙を見て接近し、ブレードと内蔵されたエネルギーガンで攻撃を行うがエネミーも凄まじい反応で回避し、慣れた動作で撃ち返す。 他のプレイヤーからすれば次元の違う戦いだったのだが、当事者であるラーガストは少しずつではあるが敵の癖を掴みつつあった。
首を刈り取る為に接近してブレードで一閃。 際どい所で躱される。
攻撃モーションに入った同時にラーガストの死角へと移動していた腕による攻撃。
このエネミーはプレイヤーの生態とトルーパーのスペックを良く理解していた。
――そう、死角なのだ。
機体によって差異はあってもプレイヤーの意識には必ず死角が存在する。
見えていても気づかない死角。 何を視たいのか、何を視ているのか。
その二点を正確に理解していればそのプレイヤーの意識の焦点が何処に合わせられているのかはおのずと見えてくる。 同時にどこが見えていないのか、何処から仕掛ければ反応が遅れるのかもまた同様。
歴戦のAランクプレイヤー達があっさりと撃墜された理由がこれだ。
彼等は意識の死角を突かれる形で撃破されていった。 それでも反応する者が多かったが、このレベルの高速戦闘ではコンマ数秒の遅れですら致命的。 Aランクプレイヤー達ですらそうなのだ。
それ以下のプレイヤーではまるで話にならなかった。
このエネミーと対等に戦いたいのであれば死角を作らない事を意識する必要がある。
それを早々に理解したからこそラーガストは生き残っていた。 攻撃しながらも常に周囲を確認し、何処から狙われれば危険なのかを常に意識し、死角を潰す。 同時に意図的に死角と思われる場所を作って敵の攻撃を誘い自らの攻撃に繋げる。 高速戦闘の裏ではこのような高度な駆け引きまで行われていた。
付いていけないプレイヤーは戦闘の早さに次々と振り落とされていく。
そしてみるみるうちにレーダー表示から友軍の数が減っていき――気が付けばトータルで二百万近くいたプレイヤーはたったの数十しか残っていない。 生き残っている者達はエネミーの残骸などに身を隠し、狙われ難い位置にいるだけで後回しにされただけだった。
狙撃などを試みて顔を出せば即座に撃破されるのが目に見えていたので、付いていけないと判断して隠れた彼等は生き残る上では正しいといえる。 ただ、ラーガストの撃破で敗北が確定するので、勝利を目指すのであればあまり褒められた手ではなかったが。
ラーガストが急旋回し、空いた空間をレーザーが通る。
お返しとばかりに撃ち込まれたエネルギー弾をエネミーが僅かにスライドして回避。
ラーガストがエネミーの動きの癖を掴んでいる間にエネミーもまたラーガストの動きを学習しつつあった。
互いに干渉しない位置で二本の腕がラーガストを挟み、拡散レーザーを放つ。
ラーガストは自らの死角を意識して下へ回避。 エネミーの腕はそれぞれ不規則な軌道を描きながら追撃する。 地面に墜落する勢いで急降下し、直前で制動をかけて地面スレスレを這うように飛び、あちこちに転がっているエネミーの残骸の隙間を縫うように飛ぶ。
エネミーは深追いせずに腕を戻し、ラーガストの出方を待つ。
元々、高出力のエネルギーを放出している機体なので視界から消えようとも痕跡を隠す事は不可能。
エネミーとしては闇雲に狙うよりは出てくるのを待っていた方が良いと判断したからだ。
地表に堆積した残骸の一部が爆発し、何かが飛び出してくる。
エネミーはラーガストの回避パターンから動きを予測して攻撃を繰り出すが、放たれたレーザーは過たずに機体を捉える。 命中する事はまずありえないと思っていたので、センサー類の機能を強化。
最大望遠で見るとトルーパー――エンジェルタイプの残骸だった。
大破していたが、動力の生きていた機体を何らかの手段で飛ばして囮にしたのだろう。
僅かに遅れてあちこちから高エネルギー反応。 同様の手段で囮を出現させたようだ。
恐らくラーガストは飛び回りながら、利用できそうな機体を探していたのだろう。
そしてタイミングを見て利用した。 これはラーガストにとっては勝負を決める為の大博打。
エネミーもそれを理解したのか、隠していた札を切る。
何もない腕の部分から追加の腕が次々と出現し、全ての反応に対して攻撃を開始。
囮は存在していなければ意味がない。 つまり早々に全て破壊してしまえば効果がなくなる。
そして囮の用途は意識を散らす事にあり、本命は――
――真下。 囮を飛ばしたと同時に本体は出力を絞って移動し、迎撃に力を割かせた所での強襲。
エネミーは真下から最短距離で刺しに来たラーガストを見ても特に動揺した素振りを見せず、動きもしない。 その様子に嫌な予感を覚えていたが、このまま食い破るしかないと判断して出力を最大にして突撃。 距離が瞬く間に埋まり、もう少しで届くといった所でラーガストとエネミーの間に複数の腕が出現した。
光学迷彩。 恐らくこの瞬間まで温存していたのだろう。
複数の砲口がラーガストを狙う。 だが、彼は全プレイヤーの中でも最高峰のSランクプレイヤーだ。
この程度の事で操作ミスをしない。 危険なのは理解しているが、それがどうした被弾したとしても敵の喉笛を食い破ってやる。 彼は最後の最後まで戦意を衰えさせず、敵を射抜く為に推力を全開にして迷わずに行く。
エネミーの拡散レーザーの攻撃範囲は傘のように広がるので至近距離であればある程、回避が困難になる。 つまり、突っ込んで来る標的に対してはほぼ必中と言っていい。
――放たれれば。
それは両者にとって予想外の出来事だった。 腕が三基破壊されたのだ。
狙撃。 それもラーガストの突破口を開く形での。
三つの砲口が失われた事により攻撃範囲に穴ができる。
その瞬間、エネミーはラーガストへの対処より先に狙撃手を確認してしまった。
反射的な行動ではあったが、そのセンサーは地表、エネミーの残骸に埋もれるようにしていた一機のソルジャータイプのトルーパーを捉えていた。
そんな中、未だに無傷で生き残っている者がいた。
ラーガストだ。 この戦場に存在する唯一のSランクプレイヤーである彼はエネミーの動きにたった一人付いていけていた。 彼の機体エイコサテトラは高速戦闘に特化した機体で背面に存在する複数のエネルギー式ウイングで急制動、急加速、急旋回を小刻みに行い、飛んでくる攻撃の悉くを回避していく。
そして隙を見て接近し、ブレードと内蔵されたエネルギーガンで攻撃を行うがエネミーも凄まじい反応で回避し、慣れた動作で撃ち返す。 他のプレイヤーからすれば次元の違う戦いだったのだが、当事者であるラーガストは少しずつではあるが敵の癖を掴みつつあった。
首を刈り取る為に接近してブレードで一閃。 際どい所で躱される。
攻撃モーションに入った同時にラーガストの死角へと移動していた腕による攻撃。
このエネミーはプレイヤーの生態とトルーパーのスペックを良く理解していた。
――そう、死角なのだ。
機体によって差異はあってもプレイヤーの意識には必ず死角が存在する。
見えていても気づかない死角。 何を視たいのか、何を視ているのか。
その二点を正確に理解していればそのプレイヤーの意識の焦点が何処に合わせられているのかはおのずと見えてくる。 同時にどこが見えていないのか、何処から仕掛ければ反応が遅れるのかもまた同様。
歴戦のAランクプレイヤー達があっさりと撃墜された理由がこれだ。
彼等は意識の死角を突かれる形で撃破されていった。 それでも反応する者が多かったが、このレベルの高速戦闘ではコンマ数秒の遅れですら致命的。 Aランクプレイヤー達ですらそうなのだ。
それ以下のプレイヤーではまるで話にならなかった。
このエネミーと対等に戦いたいのであれば死角を作らない事を意識する必要がある。
それを早々に理解したからこそラーガストは生き残っていた。 攻撃しながらも常に周囲を確認し、何処から狙われれば危険なのかを常に意識し、死角を潰す。 同時に意図的に死角と思われる場所を作って敵の攻撃を誘い自らの攻撃に繋げる。 高速戦闘の裏ではこのような高度な駆け引きまで行われていた。
付いていけないプレイヤーは戦闘の早さに次々と振り落とされていく。
そしてみるみるうちにレーダー表示から友軍の数が減っていき――気が付けばトータルで二百万近くいたプレイヤーはたったの数十しか残っていない。 生き残っている者達はエネミーの残骸などに身を隠し、狙われ難い位置にいるだけで後回しにされただけだった。
狙撃などを試みて顔を出せば即座に撃破されるのが目に見えていたので、付いていけないと判断して隠れた彼等は生き残る上では正しいといえる。 ただ、ラーガストの撃破で敗北が確定するので、勝利を目指すのであればあまり褒められた手ではなかったが。
ラーガストが急旋回し、空いた空間をレーザーが通る。
お返しとばかりに撃ち込まれたエネルギー弾をエネミーが僅かにスライドして回避。
ラーガストがエネミーの動きの癖を掴んでいる間にエネミーもまたラーガストの動きを学習しつつあった。
互いに干渉しない位置で二本の腕がラーガストを挟み、拡散レーザーを放つ。
ラーガストは自らの死角を意識して下へ回避。 エネミーの腕はそれぞれ不規則な軌道を描きながら追撃する。 地面に墜落する勢いで急降下し、直前で制動をかけて地面スレスレを這うように飛び、あちこちに転がっているエネミーの残骸の隙間を縫うように飛ぶ。
エネミーは深追いせずに腕を戻し、ラーガストの出方を待つ。
元々、高出力のエネルギーを放出している機体なので視界から消えようとも痕跡を隠す事は不可能。
エネミーとしては闇雲に狙うよりは出てくるのを待っていた方が良いと判断したからだ。
地表に堆積した残骸の一部が爆発し、何かが飛び出してくる。
エネミーはラーガストの回避パターンから動きを予測して攻撃を繰り出すが、放たれたレーザーは過たずに機体を捉える。 命中する事はまずありえないと思っていたので、センサー類の機能を強化。
最大望遠で見るとトルーパー――エンジェルタイプの残骸だった。
大破していたが、動力の生きていた機体を何らかの手段で飛ばして囮にしたのだろう。
僅かに遅れてあちこちから高エネルギー反応。 同様の手段で囮を出現させたようだ。
恐らくラーガストは飛び回りながら、利用できそうな機体を探していたのだろう。
そしてタイミングを見て利用した。 これはラーガストにとっては勝負を決める為の大博打。
エネミーもそれを理解したのか、隠していた札を切る。
何もない腕の部分から追加の腕が次々と出現し、全ての反応に対して攻撃を開始。
囮は存在していなければ意味がない。 つまり早々に全て破壊してしまえば効果がなくなる。
そして囮の用途は意識を散らす事にあり、本命は――
――真下。 囮を飛ばしたと同時に本体は出力を絞って移動し、迎撃に力を割かせた所での強襲。
エネミーは真下から最短距離で刺しに来たラーガストを見ても特に動揺した素振りを見せず、動きもしない。 その様子に嫌な予感を覚えていたが、このまま食い破るしかないと判断して出力を最大にして突撃。 距離が瞬く間に埋まり、もう少しで届くといった所でラーガストとエネミーの間に複数の腕が出現した。
光学迷彩。 恐らくこの瞬間まで温存していたのだろう。
複数の砲口がラーガストを狙う。 だが、彼は全プレイヤーの中でも最高峰のSランクプレイヤーだ。
この程度の事で操作ミスをしない。 危険なのは理解しているが、それがどうした被弾したとしても敵の喉笛を食い破ってやる。 彼は最後の最後まで戦意を衰えさせず、敵を射抜く為に推力を全開にして迷わずに行く。
エネミーの拡散レーザーの攻撃範囲は傘のように広がるので至近距離であればある程、回避が困難になる。 つまり、突っ込んで来る標的に対してはほぼ必中と言っていい。
――放たれれば。
それは両者にとって予想外の出来事だった。 腕が三基破壊されたのだ。
狙撃。 それもラーガストの突破口を開く形での。
三つの砲口が失われた事により攻撃範囲に穴ができる。
その瞬間、エネミーはラーガストへの対処より先に狙撃手を確認してしまった。
反射的な行動ではあったが、そのセンサーは地表、エネミーの残骸に埋もれるようにしていた一機のソルジャータイプのトルーパーを捉えていた。
10
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
「日本人」最後の花嫁 少女と富豪の二十二世紀
さんかく ひかる
SF
22世紀後半。人類は太陽系に散らばり、人口は90億人を超えた。
畜産は制限され、人々はもっぱら大豆ミートや昆虫からたんぱく質を摂取していた。
日本は前世紀からの課題だった少子化を克服し、人口1億3千万人を維持していた。
しかし日本語を話せる人間、つまり昔ながらの「日本人」は鈴木夫妻と娘のひみこ3人だけ。
鈴木一家以外の日本国民は外国からの移民。公用語は「国際共通語」。政府高官すら日本の文字は読めない。日本語が絶滅するのは時間の問題だった。
温暖化のため首都となった札幌へ、大富豪の息子アレックス・ダヤルが来日した。
彼の母は、この世界を造ったとされる天才技術者であり実業家、ラニカ・ダヤル。
一方、最後の「日本人」鈴木ひみこは、両親に捨てられてしまう。
アレックスは、捨てられた少女の保護者となった。二人は、温暖化のため首都となった札幌のホテルで暮らしはじめる。
ひみこは、自分を捨てた親を見返そうと決意した。
やがて彼女は、アレックスのサポートで国民のアイドルになっていく……。
両親はなぜ、娘を捨てたのか? 富豪と少女の関係は?
これは、最後の「日本人」少女が、天才技術者の息子と過ごした五年間の物語。
完結しています。エブリスタ・小説家になろうにも掲載してます。

海道一の弓取り~昨日なし明日またしらぬ、人はただ今日のうちこそ命なりけれ~
海野 入鹿
SF
高校2年生の相場源太は暴走した車によって突如として人生に終止符を打たれた、はずだった。
再び目覚めた時、源太はあの桶狭間の戦いで有名な今川義元に転生していた―
これは現代っ子の高校生が突き進む戦国物語。
史実に沿って進みますが、作者の創作なので架空の人物や設定が入っております。
不定期更新です。
SFとなっていますが、歴史物です。
小説家になろうでも掲載しています。
H.I.S.A.H.I.T.O. みだりにその名を口にしてはならない小説がある。
あめの みかな
ファンタジー
教会は、混沌の種子を手に入れ、神や天使、悪魔を従えるすべを手に入れた。
後に「ラグナロクの日」と呼ばれる日、先端に混沌の種子を埋め込んだ大陸間弾道ミサイルが、極東の島国に撃ち込まれ、種子から孵化した神や天使や悪魔は一夜にして島国を滅亡させた。
その際に発生した混沌の瘴気は、島国を生物の住めない場所へと変えた。
世界地図から抹消されたその島国には、軌道エレベーターが建造され、かつての首都の地下には生き残ったわずかな人々が細々とくらしていた。
王族の少年が反撃ののろしを上げて立ち上がるその日を待ちながら・・・
※この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

第3次パワフル転生野球大戦ACE
青空顎門
ファンタジー
宇宙の崩壊と共に、別宇宙の神々によって魂の選別(ドラフト)が行われた。
野球ゲームの育成モードで遊ぶことしか趣味がなかった底辺労働者の男は、野球によって世界の覇権が決定される宇宙へと記憶を保ったまま転生させられる。
その宇宙の神は、自分の趣味を優先して伝説的大リーガーの魂をかき集めた後で、国家間のバランスが完全崩壊する未来しかないことに気づいて焦っていた。野球狂いのその神は、世界の均衡を保つため、ステータスのマニュアル操作などの特典を主人公に与えて送り出したのだが……。
果たして運動不足の野球ゲーマーは、マニュアル育成の力で世界最強のベースボールチームに打ち勝つことができるのか!?
※小説家になろう様、カクヨム様、ノベルアップ+様、ノベルバ様にも掲載しております。

メトロポリス社へようこそ! ~「役立たずだ」とクビにされたおっさんの就職先は大企業の宇宙船を守る護衛官でした~
アンジェロ岩井
SF
「えっ、クビですか?」
中企業アナハイニム社の事務課に勤める大津修也(おおつしゅうや)は会社の都合によってクビを切られてしまう。
ろくなスキルも身に付けていない修也にとって再転職は絶望的だと思われたが、大企業『メトロポリス』からの使者が現れた。
『メトロポリス』からの使者によれば自身の商品を宇宙の植民星に運ぶ際に宇宙生物に襲われるという事態が幾度も発生しており、そのための護衛役として会社の顧問役である人工頭脳『マリア』が護衛役を務める適任者として選び出したのだという。
宇宙生物との戦いに用いるロトワングというパワードスーツには適性があり、その適性が見出されたのが大津修也だ。
大津にとっては他に就職の選択肢がなかったので『メトロポリス』からの選択肢を受けざるを得なかった。
『メトロポリス』の宇宙船に乗り込み、宇宙生物との戦いに明け暮れる中で、彼は護衛アンドロイドであるシュウジとサヤカと共に過ごし、絆を育んでいくうちに地球上にてアンドロイドが使用人としての扱いしか受けていないことを思い出す。
修也は戦いの中でアンドロイドと人間が対等な関係を築き、共存を行うことができればいいと考えたが、『メトロポリス』では修也とは対照的に人類との共存ではなく支配という名目で動き出そうとしていた。
「メジャー・インフラトン」序章2/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節FIRE!FIRE!FIRE! No1. )
あおっち
SF
敵の帝国、AXISがいよいよ日本へ攻めて来たのだ。その島嶼攻撃、すなわち敵の第1次目標は対馬だった。
この序章2/7は主人公、椎葉きよしの少年時代の物語です。女子高校の修学旅行中にAXIS兵士に襲われる女子高生達。かろうじて逃げ出した少女が1人。そこで出会った少年、椎葉きよしと布村愛子、そして少女達との出会い。
パンダ隊長と少女達に名付けられたきよしの活躍はいかに!少女達の運命は!
ジャンプ血清保持者(ゼロ・スターター)椎葉きよしを助ける人々。そして、初めての恋人ジェシカ。札幌、定山渓温泉に集まった対馬島嶼防衛戦で関係を持った家族との絆のストーリー。
彼らに関連する人々の生き様を、笑いと涙で送る物語。疲れたあなたに贈る微妙なSF物語です。是非、ご覧あれ。
※加筆や修正が予告なしにあります。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる