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第72話
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色々とありはしたが、ヨシナリ達『星座盤』は機種転換を済ませ、イベントへの準備は完了した。
概要も既に公開されているので目を通すと前回とほぼ同じだ。
防衛戦、低ランクから順番に出撃。 ヨシナリ達は現在Fランクなので開始から一時間半経過してからの出撃となる。
前回との違いはユニオン機能が解放された事による個別通信機能とレーダーにユニオンメンバーの個別表示が可能になって連携が取り易くなった。
「……ってかそれ以外はほぼ据え置きかよ」
そう呟いたのはマルメルだ。 時が経つのは早くもうイベント当日。
イベントの開始を控え、事前の打ち合わせを行っていたのだが、見事なまでに変わっていない内容に少しだけ呆れた声を漏らす。
「こりゃクリアするまで次のイベントはお預けって事みたいだな」
「いや、三回連続で同じイベント擦り続けるとか何を考えてんだよ……」
「まぁ、ウチは早々に脱落しちゃったから今回は頑張るよ!」
――今回は最後まで生き残ってやる。
やる気を漲らせるヨシナリにまたかよと呆れるマルメル、そして前回は早々に脱落したので今回はもっと生き残るぞと気合を入れるふわわ。
三者三様ではあったが、モチベーション自体は高いのでイベントに臨む姿勢としては悪くない。
話しているとイベント開始のアナウンスが表示される。
ヨシナリ達はまだ参加できないので、時間までは観戦しかできない。
ウインドウに移し出されたのは前回とまったく同じ流れで始まった戦いだった。
四方から押し寄せる敵を迎撃するプレイヤー達。
防壁の上に陣取る者、早々に突撃して脱落する者、建物の上から狙撃する者と既視感しか覚えない光景を眺めながら話を続ける。
「まず、俺達が入るタイミングなんだが、マルメル。 覚えてるか?」
「Fランクの参戦タイミングだろ? 前の時って俺達がハンガーで機体を預けてた頃だろ?」
「あぁ、戦況的には確かヤドカリが出て来た辺りだな」
「ヤドカリってそのタイミングだったか。 防壁の上にいた連中、随分とやられてたからな」
「エネルギーシールド持ちのパンツァータイプじゃないとアレはどうにもならないからな。 頭数を揃えてるユニオンが対策してくれるとありがたいんだが……」
「ま、俺達でどうにかできる事でもないし勝手に対策するだろ? で? 俺達はどう動く感じなんだ?」
ヨシナリ達はたったの三人。
それなり以上に戦えると自負しているが、戦況を変える事は不可能だろう。
だから、勝利に貢献する以外に『星座盤』が独自に設定する目標が必要だと思っていた。
「最終的には生き残る事だな。 最後に出てくるカタツムリは今の俺達じゃお手上げだから、恐らくは蟻の相手を最後まですることになると思う」
「あー、あいつ等か。 寄ってたかって痛めつけられたから割とムカついてるんだよな」
「俺なんて串刺しだぞ。 あいつら絶対に許さねえ」
「あはは、ウチは早々に落ちたから怒ったりとかはないかなぁ」
「取り合えずふわわさんは突っ込まずに基地内で待機。 しばらくは隠れててくれていいです」
「え~、前線に行っちゃだめ?」
「駄目。 蟻が来るまでは暇かもしれませんが裏を返すと蟻が来たらかなり忙しくなります。 その戦闘能力は前線で使い捨てるのはもったいない」
ちらりとウインドウを見るとGランクの参戦が始まっていた。
もう少ししたらFランクの参戦制限が解けて入れるようになる。
「可能であれば大物の撃破を狙いたいところですが、今の俺達の装備じゃ碌にダメージを与えられないので撃破は論外です。 だから蟻を倒しまくって味方に貢献しつつ報酬を稼いでいきたいと思う。 あ、撃破報酬なんだけど全員のを合算して三で割っていこうかと思うんだけどどうかな?」
ふわわは蟻が来るまでまともに戦えないので不公平だからだ。
「あぁ、いいぞ。 前の時はヨシナリが小遣いをくれたから今度は俺が稼いでお前を儲けさせてやるよ」
「そりゃいいな。 期待してるよ」
その後も細かな打ち合わせを行い、一通り終わった所で参戦まで残り僅かとなった。
ヨシナリは目を閉じて深呼吸。 今回は入念に準備を重ねて来たんだ。
前とは違う。 今度こそ、最後まで生き残ってこのイベントを楽しみつくしてやる。
マルメルは少しだけ緊張していた。
一人だと生きるも死ぬもそれで終わりだが、今回は仲間が居るので足を引っ張るような真似だけはしたくないなと少しだけ気負っていたのだ。
ふわわは特に思う所がなかったので頑張るぞーと気楽に考えていた。
タイマーが秒読みを開始。 三人はすぐに出撃できるように待機用ハンガーに移動して機体のコックピットへ。
三、二、一――ゼロ。
ヨシナリ達にとって二度目の大規模戦闘が始まった。
入って早々、あちこちでは銃弾が飛び交い絶え間なく爆発音が響き渡る。
Fランクの参戦により、戦場のあちこちから喜びの声が上がった。
ヨシナリがぐるりと見まわし、レーダーを確認するとマルメルとふわわは近くに配置されたようでこちらに向かってきている。 空を見るとⅡ型を使用している者は早々に飛び上がり、エネミーと激しい空中戦を繰り広げていた。
戦況を確認すると前回ほど押し込まれていないようで基地の被害は思った以上に軽微だ。
どういう事だと防壁の方を見るとエネルギー式の大楯を持っている機体が必死に敵の攻撃を防いでいる。 どうやらバッテリー交換式のエネルギー兵器を持ち込んでいる機体が多いようだ。
恐らくはユニオン所属のプレイヤーで装備を支給されたのだろう。
特にシールドはこの状況では非常に有用だ。 この段階でヤドカリからの被害を減らせるのは後々の事を考えるとかなり大きい。 加えて接近戦を挑むべく突っ込んでいく者が減り、代わりにガトリング砲や三脚付きの重機関銃、設置可能なセントリーガン――射程内に標的が侵入した場合自動で銃撃する兵器がこれでもかと並べられており、凄まじい量の弾丸をばら撒いている。
プレイヤー達も統率が取れており、かなりの人数が基地と前線を往復して給弾作業を行っていた。
「おーい、弾持ってきたぞ!」
「五十五番のセントリーガンの残弾がヤバい、手の空いてる奴交換頼む!」
「弾帯持ってる奴いる? そろそろヤバい」
「ぎゃー、銃身が焼きついたー。 誰か何とかしてー!」
通信を傍受してみるとそんな会話が飛び交っていた。
概要も既に公開されているので目を通すと前回とほぼ同じだ。
防衛戦、低ランクから順番に出撃。 ヨシナリ達は現在Fランクなので開始から一時間半経過してからの出撃となる。
前回との違いはユニオン機能が解放された事による個別通信機能とレーダーにユニオンメンバーの個別表示が可能になって連携が取り易くなった。
「……ってかそれ以外はほぼ据え置きかよ」
そう呟いたのはマルメルだ。 時が経つのは早くもうイベント当日。
イベントの開始を控え、事前の打ち合わせを行っていたのだが、見事なまでに変わっていない内容に少しだけ呆れた声を漏らす。
「こりゃクリアするまで次のイベントはお預けって事みたいだな」
「いや、三回連続で同じイベント擦り続けるとか何を考えてんだよ……」
「まぁ、ウチは早々に脱落しちゃったから今回は頑張るよ!」
――今回は最後まで生き残ってやる。
やる気を漲らせるヨシナリにまたかよと呆れるマルメル、そして前回は早々に脱落したので今回はもっと生き残るぞと気合を入れるふわわ。
三者三様ではあったが、モチベーション自体は高いのでイベントに臨む姿勢としては悪くない。
話しているとイベント開始のアナウンスが表示される。
ヨシナリ達はまだ参加できないので、時間までは観戦しかできない。
ウインドウに移し出されたのは前回とまったく同じ流れで始まった戦いだった。
四方から押し寄せる敵を迎撃するプレイヤー達。
防壁の上に陣取る者、早々に突撃して脱落する者、建物の上から狙撃する者と既視感しか覚えない光景を眺めながら話を続ける。
「まず、俺達が入るタイミングなんだが、マルメル。 覚えてるか?」
「Fランクの参戦タイミングだろ? 前の時って俺達がハンガーで機体を預けてた頃だろ?」
「あぁ、戦況的には確かヤドカリが出て来た辺りだな」
「ヤドカリってそのタイミングだったか。 防壁の上にいた連中、随分とやられてたからな」
「エネルギーシールド持ちのパンツァータイプじゃないとアレはどうにもならないからな。 頭数を揃えてるユニオンが対策してくれるとありがたいんだが……」
「ま、俺達でどうにかできる事でもないし勝手に対策するだろ? で? 俺達はどう動く感じなんだ?」
ヨシナリ達はたったの三人。
それなり以上に戦えると自負しているが、戦況を変える事は不可能だろう。
だから、勝利に貢献する以外に『星座盤』が独自に設定する目標が必要だと思っていた。
「最終的には生き残る事だな。 最後に出てくるカタツムリは今の俺達じゃお手上げだから、恐らくは蟻の相手を最後まですることになると思う」
「あー、あいつ等か。 寄ってたかって痛めつけられたから割とムカついてるんだよな」
「俺なんて串刺しだぞ。 あいつら絶対に許さねえ」
「あはは、ウチは早々に落ちたから怒ったりとかはないかなぁ」
「取り合えずふわわさんは突っ込まずに基地内で待機。 しばらくは隠れててくれていいです」
「え~、前線に行っちゃだめ?」
「駄目。 蟻が来るまでは暇かもしれませんが裏を返すと蟻が来たらかなり忙しくなります。 その戦闘能力は前線で使い捨てるのはもったいない」
ちらりとウインドウを見るとGランクの参戦が始まっていた。
もう少ししたらFランクの参戦制限が解けて入れるようになる。
「可能であれば大物の撃破を狙いたいところですが、今の俺達の装備じゃ碌にダメージを与えられないので撃破は論外です。 だから蟻を倒しまくって味方に貢献しつつ報酬を稼いでいきたいと思う。 あ、撃破報酬なんだけど全員のを合算して三で割っていこうかと思うんだけどどうかな?」
ふわわは蟻が来るまでまともに戦えないので不公平だからだ。
「あぁ、いいぞ。 前の時はヨシナリが小遣いをくれたから今度は俺が稼いでお前を儲けさせてやるよ」
「そりゃいいな。 期待してるよ」
その後も細かな打ち合わせを行い、一通り終わった所で参戦まで残り僅かとなった。
ヨシナリは目を閉じて深呼吸。 今回は入念に準備を重ねて来たんだ。
前とは違う。 今度こそ、最後まで生き残ってこのイベントを楽しみつくしてやる。
マルメルは少しだけ緊張していた。
一人だと生きるも死ぬもそれで終わりだが、今回は仲間が居るので足を引っ張るような真似だけはしたくないなと少しだけ気負っていたのだ。
ふわわは特に思う所がなかったので頑張るぞーと気楽に考えていた。
タイマーが秒読みを開始。 三人はすぐに出撃できるように待機用ハンガーに移動して機体のコックピットへ。
三、二、一――ゼロ。
ヨシナリ達にとって二度目の大規模戦闘が始まった。
入って早々、あちこちでは銃弾が飛び交い絶え間なく爆発音が響き渡る。
Fランクの参戦により、戦場のあちこちから喜びの声が上がった。
ヨシナリがぐるりと見まわし、レーダーを確認するとマルメルとふわわは近くに配置されたようでこちらに向かってきている。 空を見るとⅡ型を使用している者は早々に飛び上がり、エネミーと激しい空中戦を繰り広げていた。
戦況を確認すると前回ほど押し込まれていないようで基地の被害は思った以上に軽微だ。
どういう事だと防壁の方を見るとエネルギー式の大楯を持っている機体が必死に敵の攻撃を防いでいる。 どうやらバッテリー交換式のエネルギー兵器を持ち込んでいる機体が多いようだ。
恐らくはユニオン所属のプレイヤーで装備を支給されたのだろう。
特にシールドはこの状況では非常に有用だ。 この段階でヤドカリからの被害を減らせるのは後々の事を考えるとかなり大きい。 加えて接近戦を挑むべく突っ込んでいく者が減り、代わりにガトリング砲や三脚付きの重機関銃、設置可能なセントリーガン――射程内に標的が侵入した場合自動で銃撃する兵器がこれでもかと並べられており、凄まじい量の弾丸をばら撒いている。
プレイヤー達も統率が取れており、かなりの人数が基地と前線を往復して給弾作業を行っていた。
「おーい、弾持ってきたぞ!」
「五十五番のセントリーガンの残弾がヤバい、手の空いてる奴交換頼む!」
「弾帯持ってる奴いる? そろそろヤバい」
「ぎゃー、銃身が焼きついたー。 誰か何とかしてー!」
通信を傍受してみるとそんな会話が飛び交っていた。
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