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19-1 それは未練か執着か
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▽▽▽
――アディ、僕も一緒に謝ってあげるから、セシリア様のところへ行こう。
――アディは悪くないもん。お姉様がずるいんだもん。
――でも、あれはセシリア様が卒業式につける大切なブローチだろ? 取ったらダメだよ。
――取ってないもん! ちょっと借りただけだもん!
――アディも沢山ブローチ持っているじゃないか。
――青は持ってない! うわぁぁぁん。
――わかった。だったら、
パチッと目を開けると見知らぬ天蓋が目についた。しばらくぼんやりしていると見知らぬ天蓋ではなく四月前から使用している寝台に付けられている天蓋だと理解し、深く息を吐いた。
さっきの夢は事実だった。
多分、四歳か五歳くらいの頃だ。
当時、アデレードは、兎に角、セシリアの真似をしたがった。
セシリアが持っているものはなんでも欲しがり、許可なく部屋に入って勝手に使ったりしていた。
その度セシリアに、これでもかと言うくらいに怒られた。
「今度やったら許さないからね!」
「わかった」
その時は神妙な顔で頷くが、三日も経てばケロッとして全部なかったかのように、またセシリアの部屋に入っていく。
セシリアは半ば諦めて、ある程度はアデレードの好きにさせるようになった。
それでも、時折、逆鱗に触れて大きな雷を落とされた。
全面的にアデレードが悪いので、びぇびぇ泣いて部屋に閉じこもっても、母にも兄にも放置されていた。
慰めてくれるのは、父かレイモンドだけだった。そして、父は帰宅が遅いため、大半の場合その役目はレイモンドが担った。
「レイ君、アデレードは部屋から出てこないのよ。折角遊びに来てくれたのにごめんなさいね。ほら、おやつを用意しているから向こうで食べましょう」
「……あの、アディも一緒でいいですか? 僕が呼んできます」
下位貴族の子供になればなるほど、階級意識について、幼い頃から徹底的に叩きこまれる。
レイモンドも例外ではなく、アデレードに対しては屈託なく接していたが、物心ついて以降はバルモア家の他の人間には馴れ馴れしい態度は一切見せなかった。
そのレイモンドが全身で怒りを露わにしているセシリアに対して「アデレードを許してやってほしい」と頼むことはどれほど勇気がいることか。
拗ねて籠城するアデレードを説得し、おずおずした様子で自分の元に謝罪にくるレイモンドを、流石のセシリアも撥ねつけることはできず、アデレードを許してしまうのが常だった。
家族全員がレイモンドの優しさに脱帽した。けれど、
(私は、お姉様がレイモンドばっかり贔屓しているって思っていたのよね)
子供の頃とはいえ、自分のめちゃくちゃな思考にアデレードは寝台の上で身悶えた。
レイモンドだって同い年だったのに、何故自分だけあんな風だったのか。
本能の赴くままに行動して迷惑ばかり掛けていた。
レイモンドが後からついてきてくれるから大丈夫。迷子になっても平気。レイモンドとはずっと一緒だから、と自分勝手な思考の中にいた。
(レイモンドは、それが嫌だったのかな)
思い返せばレイモンドが割りを食いすぎている。
レイモンドを酷い酷いと思っていたけれど、酷い扱いをされても有り余る恩を既に貰っていたのだ。
冷たくされた時点で察して、もっと早く離れてあげるべきだったのではないか。
レイモンドが変わってしまったのはいつからだろう。
覚えていない。
わからない。
もしかして何かきっかけがあったのではないか。
自分はそれに全く気づいていない。それはつまり、自分のことばっかりでレイモンドの気持ちを無視していたからではないか。
もっと敏感な人間だったら、或いはレイモンドに迷惑を掛けていなかったら、結果は違っていただろうか。
(私が悪かったのかな……)
昨夜はルグランでの出来事を思い出してムカムカしたが、今朝は昔の夢を見たせいで自省の気持ちが巡る。
幼い日々には、幸せな記憶しかない。あの頃みたいに戻りたかった。ずっと、戻れると信じていた。
レイモンドは誘いを断る口実に「学校を卒業するまでに成果をださなければならない。それまでは遊んでいる暇なんてない」とよく言っていたから「卒業まで待てば」と思っていた。
でも、それももう全部なくなった。
もしルグランで我慢していたら、今もいつも通りの日常で、卒業したら本当に、また昔みたいに幸せに暮らせていたのだろうか。
絶縁したのは浅慮だったのかもしれない。
いや、メイジーがいるのだから、期待するだけ無駄。大体、もう未練はない。多分。でも……。
これまで考えずにいたことが、一気に溢れてくる。ぐらぐら揺れてしまう。不安になる。これは未練なのか、執着なのか。
こんな風になりたくないから結婚までして隣国に来たのに。
全部ペイトンのせいだ。昨夜は、同情されて文句を言うタイミングを逃してしまったが、そもそもペイトンが余計なことを聞かなければ良かったのだ。
(なんか、段々腹が立ってきたわね。今更結婚した理由なんて聞いてどういうつもりなわけ?)
興味本位で人の傷口に塩を塗るような真似をするな。
が、一夜明けてそれを蒸し返してペイトンにぶつけるのは、人として問題ある気がする。ただの八つ当たりになってしまう。
アデレードはやり場のない気持ちを持て余して寝台の上で、のたうち回った。
「何をやっているんですか。はしたない」
バーサの声に我に返る。
朝の支度時は「起こすこと」が目的であるため、返事がなくとも軽いノックと共に入室してくる。暴れていたので気づけなかった。
「そのような奇行は控えてください。バルモア家の沽券に関わりますよ」
「人前ではちゃんとやるわよ」
「いざという時、普段の行いが出るものです」
そんなヘマはしない、とアデレードはのっそり気怠く起き上がった。
「シャキッとしてください。早く顔を洗って着替えて、旦那様をお待たせしてはいけませんよ」
「別に一緒に食べる約束なんてしてない」
「またそんなことを言って」
バーサがやれやれと息を吐くが、本当に一緒に食べる約束などしていない。
だって結婚して一週間は放置されていたのだし、その時から、自分は実家にいた時と同じ時刻に食事を取っていた。
今はたまたま向こうと重なっているだけだ。
ただ、以前はジェームスがポイントを付けるために傍に控えていたが、最近は配膳するメイド以外は二人になっている。
ペイトンが暴言を吐かないと確信したからだろうか。
全く気にしたことがなかったが、バーサの言うように、ペイトンは契約を守るため食事時間を合わせてくれているのかもしれない。
しかし、こっちは嫌う設定なのだから「あんたなんかの顔を見て食事なんてしたくない!」と言っても全然許されるのでは? とアデレードは不意に思った。
(まぁ、そんな非常識なことは言わないけど)
そう考えるとやはり初対面で「君を愛することはない」と発言したペイトンは、ありえないくらい失礼極まる無礼を自分に働いたのだ、と今更ながら腹が立つ。
「ほら、いつまでもゴロゴロしてないで!」
バーサが最近なんとなくペイトン寄りなことも面白くない。
しかし、今この場で文句を言うとバーサは益々ペイトンの肩を持つ気がする。
アデレードは、仕方なく、のそのそ顔を洗い服を着替えて、朝食へ向かうことにした。
――アディ、僕も一緒に謝ってあげるから、セシリア様のところへ行こう。
――アディは悪くないもん。お姉様がずるいんだもん。
――でも、あれはセシリア様が卒業式につける大切なブローチだろ? 取ったらダメだよ。
――取ってないもん! ちょっと借りただけだもん!
――アディも沢山ブローチ持っているじゃないか。
――青は持ってない! うわぁぁぁん。
――わかった。だったら、
パチッと目を開けると見知らぬ天蓋が目についた。しばらくぼんやりしていると見知らぬ天蓋ではなく四月前から使用している寝台に付けられている天蓋だと理解し、深く息を吐いた。
さっきの夢は事実だった。
多分、四歳か五歳くらいの頃だ。
当時、アデレードは、兎に角、セシリアの真似をしたがった。
セシリアが持っているものはなんでも欲しがり、許可なく部屋に入って勝手に使ったりしていた。
その度セシリアに、これでもかと言うくらいに怒られた。
「今度やったら許さないからね!」
「わかった」
その時は神妙な顔で頷くが、三日も経てばケロッとして全部なかったかのように、またセシリアの部屋に入っていく。
セシリアは半ば諦めて、ある程度はアデレードの好きにさせるようになった。
それでも、時折、逆鱗に触れて大きな雷を落とされた。
全面的にアデレードが悪いので、びぇびぇ泣いて部屋に閉じこもっても、母にも兄にも放置されていた。
慰めてくれるのは、父かレイモンドだけだった。そして、父は帰宅が遅いため、大半の場合その役目はレイモンドが担った。
「レイ君、アデレードは部屋から出てこないのよ。折角遊びに来てくれたのにごめんなさいね。ほら、おやつを用意しているから向こうで食べましょう」
「……あの、アディも一緒でいいですか? 僕が呼んできます」
下位貴族の子供になればなるほど、階級意識について、幼い頃から徹底的に叩きこまれる。
レイモンドも例外ではなく、アデレードに対しては屈託なく接していたが、物心ついて以降はバルモア家の他の人間には馴れ馴れしい態度は一切見せなかった。
そのレイモンドが全身で怒りを露わにしているセシリアに対して「アデレードを許してやってほしい」と頼むことはどれほど勇気がいることか。
拗ねて籠城するアデレードを説得し、おずおずした様子で自分の元に謝罪にくるレイモンドを、流石のセシリアも撥ねつけることはできず、アデレードを許してしまうのが常だった。
家族全員がレイモンドの優しさに脱帽した。けれど、
(私は、お姉様がレイモンドばっかり贔屓しているって思っていたのよね)
子供の頃とはいえ、自分のめちゃくちゃな思考にアデレードは寝台の上で身悶えた。
レイモンドだって同い年だったのに、何故自分だけあんな風だったのか。
本能の赴くままに行動して迷惑ばかり掛けていた。
レイモンドが後からついてきてくれるから大丈夫。迷子になっても平気。レイモンドとはずっと一緒だから、と自分勝手な思考の中にいた。
(レイモンドは、それが嫌だったのかな)
思い返せばレイモンドが割りを食いすぎている。
レイモンドを酷い酷いと思っていたけれど、酷い扱いをされても有り余る恩を既に貰っていたのだ。
冷たくされた時点で察して、もっと早く離れてあげるべきだったのではないか。
レイモンドが変わってしまったのはいつからだろう。
覚えていない。
わからない。
もしかして何かきっかけがあったのではないか。
自分はそれに全く気づいていない。それはつまり、自分のことばっかりでレイモンドの気持ちを無視していたからではないか。
もっと敏感な人間だったら、或いはレイモンドに迷惑を掛けていなかったら、結果は違っていただろうか。
(私が悪かったのかな……)
昨夜はルグランでの出来事を思い出してムカムカしたが、今朝は昔の夢を見たせいで自省の気持ちが巡る。
幼い日々には、幸せな記憶しかない。あの頃みたいに戻りたかった。ずっと、戻れると信じていた。
レイモンドは誘いを断る口実に「学校を卒業するまでに成果をださなければならない。それまでは遊んでいる暇なんてない」とよく言っていたから「卒業まで待てば」と思っていた。
でも、それももう全部なくなった。
もしルグランで我慢していたら、今もいつも通りの日常で、卒業したら本当に、また昔みたいに幸せに暮らせていたのだろうか。
絶縁したのは浅慮だったのかもしれない。
いや、メイジーがいるのだから、期待するだけ無駄。大体、もう未練はない。多分。でも……。
これまで考えずにいたことが、一気に溢れてくる。ぐらぐら揺れてしまう。不安になる。これは未練なのか、執着なのか。
こんな風になりたくないから結婚までして隣国に来たのに。
全部ペイトンのせいだ。昨夜は、同情されて文句を言うタイミングを逃してしまったが、そもそもペイトンが余計なことを聞かなければ良かったのだ。
(なんか、段々腹が立ってきたわね。今更結婚した理由なんて聞いてどういうつもりなわけ?)
興味本位で人の傷口に塩を塗るような真似をするな。
が、一夜明けてそれを蒸し返してペイトンにぶつけるのは、人として問題ある気がする。ただの八つ当たりになってしまう。
アデレードはやり場のない気持ちを持て余して寝台の上で、のたうち回った。
「何をやっているんですか。はしたない」
バーサの声に我に返る。
朝の支度時は「起こすこと」が目的であるため、返事がなくとも軽いノックと共に入室してくる。暴れていたので気づけなかった。
「そのような奇行は控えてください。バルモア家の沽券に関わりますよ」
「人前ではちゃんとやるわよ」
「いざという時、普段の行いが出るものです」
そんなヘマはしない、とアデレードはのっそり気怠く起き上がった。
「シャキッとしてください。早く顔を洗って着替えて、旦那様をお待たせしてはいけませんよ」
「別に一緒に食べる約束なんてしてない」
「またそんなことを言って」
バーサがやれやれと息を吐くが、本当に一緒に食べる約束などしていない。
だって結婚して一週間は放置されていたのだし、その時から、自分は実家にいた時と同じ時刻に食事を取っていた。
今はたまたま向こうと重なっているだけだ。
ただ、以前はジェームスがポイントを付けるために傍に控えていたが、最近は配膳するメイド以外は二人になっている。
ペイトンが暴言を吐かないと確信したからだろうか。
全く気にしたことがなかったが、バーサの言うように、ペイトンは契約を守るため食事時間を合わせてくれているのかもしれない。
しかし、こっちは嫌う設定なのだから「あんたなんかの顔を見て食事なんてしたくない!」と言っても全然許されるのでは? とアデレードは不意に思った。
(まぁ、そんな非常識なことは言わないけど)
そう考えるとやはり初対面で「君を愛することはない」と発言したペイトンは、ありえないくらい失礼極まる無礼を自分に働いたのだ、と今更ながら腹が立つ。
「ほら、いつまでもゴロゴロしてないで!」
バーサが最近なんとなくペイトン寄りなことも面白くない。
しかし、今この場で文句を言うとバーサは益々ペイトンの肩を持つ気がする。
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