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本編
乙女の慕い合い
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王子507
クピド様が、謝った•••!!!
本人とクラシャン嬢以外の関係者一同、驚き!である。
クピドの手首をギュッと握り、耳が不自由な為に言葉でなく、視線で咎め促したクラシャン嬢は。
無責任ふわっふわ女子、クピドが鼻をぐすぐすさせて涙ぐみ謝った途端に、ニコッ、として。
クルリとミトレ達に向いて、クピドの背中に手を当てて、優しく押しながら一緒に、ウチの子がすみません!といった風にして、再度頭を下げた。
クピドは、お口をフニュリと曲げて、不本意そうに、だけれど反抗する気持ちはなくしょんぼりと、クラシャン嬢に背中を撫でられて、一層グシュン。
せっかくのお祭りに、無関係なのに親父さん譲りの古い晴れ着を貶されたミトレと、彼女のロゼイユだって、そこまでされたら、えええ、良いよ良いよってなる。
ニュース隊と見学者のテレビ側と、クピドに呼び止められちょっとイヤな思いをしたミトレ達テレビを見る側で、お互いぺこぺこしながら、別れる時は笑顔で、手を振って。
ミトレと彼女のロゼイユは、しっかりお互いの手を指絡ませて繋いでいた。恋人繋ぎ、ふりふり。ウキウキの華やぐ気持ちを取り戻してくれたようである。
ほ、良かった。
とクラシャン嬢は息を吐いた。遠ざかる恋人達を、微笑んで見送る。
「クラシャン様。」
ニュース隊で、街頭インタビューに関して責任のあるスーリール。喋っている顔がクラシャン嬢の目に入るように移動して、真面目な顔で声をかける。
ハッ、と肩を揺らしたクラシャン嬢は、またスーリールにぺこぺことした。侯爵令嬢なのに、平民相手に腰が低い。
彼女は、家から出て活動する事など、今まで家族も本人も、無理だと思っていた事もあって。家族内の親しいやり方で主にコミュニケーションしてきたので、自分の身分がかなり上、とは体感していない。公爵の次、侯爵であるというのに。
平民にも馴染みがないし、身分差があまり染みていないし、身振り手振りも使って長年、意思疎通してきたので、あまりおすまししていては、伝わらないのである。
だからスーリールの方が慌てて、アワワワ、アワワ!と胸の前で手を振って。
「クラシャン様、謝らないで下さい!あの、あの、お礼を言いたくて!ありがとうございます!」
へ?
という表情で、顔を傾げた彼女は。
サラサラ、とお話しくんに文字を書く。
『良かった。 お話の 邪魔では なかったですか? ついつい でしゃばってしまって•••。』
「いえいえ!かなり助かりました!クピド様も叱って頂いて。私では身分が違うので、仕事とはいえ、怒りにくかったので、本当に、本当に!」
ペコリーッ!!と深く、深く礼をするスーリール。
クラシャン嬢は、キュッ、と目を細めて。
『お助けできたなら 良かった! 私でも お役に 立てました!』
うふふ、とほころぶ。
「クラシャン様。」
「クラシャン様!」
「クラシャン様~!」
キラキラ⭐︎
と瞳輝く乙女達。いや、キラキラ瞳の男子達もいる。一緒に見学していた班の者達が、手を胸の前で組んで、勇者を讃えて。
見学者達の班分けは、爵位や性別、年齢、障がいの有無をなるべく多様になるよう取り混ぜている。
班分けした所で、もし顔見知りがいたとしても、そこだけで仲良くつるむのではなく話が満遍なく出来るようにと、改めての自己紹介をお願いし合ったから、見学者達はお互いの名前と身分を漏らさず知っている。
見学者達の中では、クラシャン嬢以上に身分の高い者はいなくて、次がクピドの伯爵家、下にいって子爵、男爵。年齢は25歳から16歳までの若手、男女比は4対5。
「クラシャン様、その、あの!あの、あのクピド様を!」
16歳、まだ子供の輪郭を残してふくふく、マーシュ嬢が、一歩、恐る恐る近づいて。
「泣かせて!」
18歳、少しお姉さんなストレート髪、サルヴィア嬢が、その後ろからワンピースの胸に拳を置いて。
「謝らせるだなんて!!」
19歳、スラリとのっぽで痩せぎす、手足が長くて、でも素朴な顔が愛嬌のあるオリーヴァ嬢も、タイツで隠した踝がクリンと。そのまた後ろから手を組んで唇の前で。
「「「お姉様と呼ばせて下さい~ッ!!」」」
乙女の同士の慕い合い、超尊い。
カメラマンのプリュネルは、グッ!と拳を握りながら乙女達とクラシャン嬢を撮影して•••いた。
ーーーーーー
昨日は更新休みですみません。
そして今日は短くて申し訳なく。
また明日から頑張りますよ~!(*^o^*)
クピド様が、謝った•••!!!
本人とクラシャン嬢以外の関係者一同、驚き!である。
クピドの手首をギュッと握り、耳が不自由な為に言葉でなく、視線で咎め促したクラシャン嬢は。
無責任ふわっふわ女子、クピドが鼻をぐすぐすさせて涙ぐみ謝った途端に、ニコッ、として。
クルリとミトレ達に向いて、クピドの背中に手を当てて、優しく押しながら一緒に、ウチの子がすみません!といった風にして、再度頭を下げた。
クピドは、お口をフニュリと曲げて、不本意そうに、だけれど反抗する気持ちはなくしょんぼりと、クラシャン嬢に背中を撫でられて、一層グシュン。
せっかくのお祭りに、無関係なのに親父さん譲りの古い晴れ着を貶されたミトレと、彼女のロゼイユだって、そこまでされたら、えええ、良いよ良いよってなる。
ニュース隊と見学者のテレビ側と、クピドに呼び止められちょっとイヤな思いをしたミトレ達テレビを見る側で、お互いぺこぺこしながら、別れる時は笑顔で、手を振って。
ミトレと彼女のロゼイユは、しっかりお互いの手を指絡ませて繋いでいた。恋人繋ぎ、ふりふり。ウキウキの華やぐ気持ちを取り戻してくれたようである。
ほ、良かった。
とクラシャン嬢は息を吐いた。遠ざかる恋人達を、微笑んで見送る。
「クラシャン様。」
ニュース隊で、街頭インタビューに関して責任のあるスーリール。喋っている顔がクラシャン嬢の目に入るように移動して、真面目な顔で声をかける。
ハッ、と肩を揺らしたクラシャン嬢は、またスーリールにぺこぺことした。侯爵令嬢なのに、平民相手に腰が低い。
彼女は、家から出て活動する事など、今まで家族も本人も、無理だと思っていた事もあって。家族内の親しいやり方で主にコミュニケーションしてきたので、自分の身分がかなり上、とは体感していない。公爵の次、侯爵であるというのに。
平民にも馴染みがないし、身分差があまり染みていないし、身振り手振りも使って長年、意思疎通してきたので、あまりおすまししていては、伝わらないのである。
だからスーリールの方が慌てて、アワワワ、アワワ!と胸の前で手を振って。
「クラシャン様、謝らないで下さい!あの、あの、お礼を言いたくて!ありがとうございます!」
へ?
という表情で、顔を傾げた彼女は。
サラサラ、とお話しくんに文字を書く。
『良かった。 お話の 邪魔では なかったですか? ついつい でしゃばってしまって•••。』
「いえいえ!かなり助かりました!クピド様も叱って頂いて。私では身分が違うので、仕事とはいえ、怒りにくかったので、本当に、本当に!」
ペコリーッ!!と深く、深く礼をするスーリール。
クラシャン嬢は、キュッ、と目を細めて。
『お助けできたなら 良かった! 私でも お役に 立てました!』
うふふ、とほころぶ。
「クラシャン様。」
「クラシャン様!」
「クラシャン様~!」
キラキラ⭐︎
と瞳輝く乙女達。いや、キラキラ瞳の男子達もいる。一緒に見学していた班の者達が、手を胸の前で組んで、勇者を讃えて。
見学者達の班分けは、爵位や性別、年齢、障がいの有無をなるべく多様になるよう取り混ぜている。
班分けした所で、もし顔見知りがいたとしても、そこだけで仲良くつるむのではなく話が満遍なく出来るようにと、改めての自己紹介をお願いし合ったから、見学者達はお互いの名前と身分を漏らさず知っている。
見学者達の中では、クラシャン嬢以上に身分の高い者はいなくて、次がクピドの伯爵家、下にいって子爵、男爵。年齢は25歳から16歳までの若手、男女比は4対5。
「クラシャン様、その、あの!あの、あのクピド様を!」
16歳、まだ子供の輪郭を残してふくふく、マーシュ嬢が、一歩、恐る恐る近づいて。
「泣かせて!」
18歳、少しお姉さんなストレート髪、サルヴィア嬢が、その後ろからワンピースの胸に拳を置いて。
「謝らせるだなんて!!」
19歳、スラリとのっぽで痩せぎす、手足が長くて、でも素朴な顔が愛嬌のあるオリーヴァ嬢も、タイツで隠した踝がクリンと。そのまた後ろから手を組んで唇の前で。
「「「お姉様と呼ばせて下さい~ッ!!」」」
乙女の同士の慕い合い、超尊い。
カメラマンのプリュネルは、グッ!と拳を握りながら乙女達とクラシャン嬢を撮影して•••いた。
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昨日は更新休みですみません。
そして今日は短くて申し訳なく。
また明日から頑張りますよ~!(*^o^*)
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