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本編
もみもみ、リラックス
しおりを挟むチームワイルドウルフは、ロウト型の野外円形ステージ、その底にある楽屋に来て、3王子を応援に。
ネクター王子が、アルディ王子のふさふさお尻尾を、ビビり散らかして楽屋でふかふかしている。
ことん、と小さな折りたたみテーブルに、飲んでいた蜂蜜水を置いて。ニリヤが。
「ねくたーにいさま、ぼく、だいじょうぶよ、がんばろ、っていったのに。」
お目々がしょんぼりのショボショボで。
「どうしよう、きもちがどきどきするの、とまらない!ってゆうの、とまらないの。」
ギュッ、ぽんぽんも、したのに。
なでこも、したのに。
楽屋では、ああ、と黙るしかないチームワイルドウルフとルムトン副隊長とステュー隊長、竜樹も含む撮影隊スタッフ。
ニリヤはもじもじ、星の王子さまの衣装のすそを指でねじねじしつつ。
「ぼく、ぼく•••。」
じわ、と頬が赤くなり、瞳がうるうる。
ニリヤも頑張ったのだ。
大好きなネクターにいさまが、すごく心配そうだから。でも、大丈夫よの気持ちが、伝わらないから•••。
ぐすっ、ずび、と鼻を啜りだして、ネクターは焦って、アルディ王子のお尻尾をぐちゃぐちゃと抱きしめて、ぴゃ!と飛び上がらせて慌てて。
「ごごごめ、ごめんアルディ、ニリヤ!じ、自分でも、どうしようを止めたいんだけど、どうしたらいいか•••どうしようか•••。」
鼻息、悲しみ、ふぃ~ん。
ネクターとニリヤ、そしてアルディが、竜樹の方を縋る目で見つめて。こし、と滲む涙を擦って、グッと堪えて。
「ししょう~。どうしたらを、ぐす、どうしたらよい?」
「竜樹、何か、こういう時の、いいことしらない?」
「竜樹さま•••。」
ウンウン。頼られて竜樹は、すすす、と前に出た。
緊張、人前、なんかで検索すれば、そりゃ一発でしょうけどもさ。でも、緊張する事自体は、別に悪い事じゃあ、ないんじゃないかな。
色々な考えが過って、まずは焦った気持ちやショボショボした気持ちから、なんとかしてみる?って。竜樹は思った。
「そうだなあ。ちょっと皆で、蜂蜜水飲みながら、ししょうのお膝に座って考えて、お話しようか。さあ、おいで。」
さあ、さあ。
両腕を広げて跪き、ワッと集まったニリヤを抱いてお膝に乗っけて、ネクター、アルディをお胸にきゅむと抱き寄せて。
馴染みのある竜樹の、大人の男の人にぎゅうは、何だかやっぱりホッとするのだ。落ち着くによいも、するし。
「ニリヤ、よくネクターにいさまに、大丈夫よ~してあげたね。優しいね、良い子良い子。ニリヤのしたのでも、全然良かったけど、ネクターはちょっと、どうしようから気持ちが離れなくて、困ったなぁ。アルディ殿下も、きっとストレスの対処法を伝えようと来てくれたんだよね。お尻尾触らせてくれるなんて、デリケートな部分なのに、優しいじゃない。ネクター、2人の気持ちにも応えて、何とか、どうしようを、どうにかしたいもんだねぇ。」
「ししょう•••。」
ぐい、とお目々をししょうの胸に擦り付け、撫でてもらえて、ニリヤは気持ちが報われ落ち着いた。通じない気持ちを、こうだったんだよねー、って言ってくれるだけで、モヤモヤが晴れて、小さなお胸にポッと灯がともるのである。
ネクターは、少し落ち着いたけれど、シュン、と落ち込んで。私って緊張して、ダメな王子なのかも、とガッカリした。
竜樹は続ける。
「オランネージュとファング王太子殿下は、こういう時、全然緊張しないのかな?どんな感じ?」
名指しされて、ネクターの側に寄ってなでこ、としたオランネージュは。
「うーん、全く緊張しないな。だってさ、上手くできるにこしたことないけど、失敗したとしたって、可愛いねー、で済むじゃない。今のところは、まだ私たち、子供なんだからさ。沢山の人の前に出るのは、王宮バルコニーのお披露目で慣れてるし、全然緊張しない。しないったらしない。お歌を上手に歌おうなんて思ってないんだから。あはは、あは、ハ!」
ん?
あれ?
から笑いも何だかおかしい。そういえば、こんな時、オランネージュは腹黒だけれども、率先して弟達をギュッとしてあげていそうじゃない?いつもの彼ならば。
「オランネージュ•••緊張してるんだね。」
竜樹が、へにゃ、と笑えば。
ワワワ!と竜樹の腕に縋りついて、オランネージュは、すーはー、すーはーによいを嗅ぎながら。
「緊張してない!私はできる!私は王太子なんだもの、大勢の人の前に出て何かするって、ずっとこれからもするんだもの、緊張なんか!」
ぎゅむ、ぎゅむむう!
この可愛い子達を、どうしてくれよう。
団子になってぎゅむぎゅむしている、頼られて縋られての竜樹は、不意に思い出して、くふ、と柔らかく笑った。
ねえ、オランネージュ。君は、前に。
『みんな私を、しっかりした王になる、完璧な王子様だとか言うけど。
確かにあんまり感情の起伏って、私はないんだけど、それってつまらない人みたいで嫌だな、って思ってたんだ。』
なんて、言っていたっけね。
「オランネージュが感情の起伏が少ない、なんて、やっぱり全然、違ったよねぇ。良かった、良かった。」
「良くないヨォ~!!」
ふにゃん、と今度はやっと、分かりやすく竜樹に縋って、顔を腕に擦り付けて。オランネージュは鉄面皮の動じない完璧王子様から、人間くさい緊張にビビりまくりな王子様へ。その成長を、大体の大人達は嬉しく思った。
「私も、さっき、ステージに立たせてもらった時、お声が響いて、皆が見ていて、お尻尾がビビ!ってして。あ、やばい、王太子らしからぬ姿は見せられないぞ!ってなった。お歌は歌わないから、普通に降りてきたけど、オランネージュ、ネクター、ニリヤ•••。」
ひゅーん、と鼻を鳴らすファング王太子。ステージの魔力を感じてきたらしい。
「ねえ、皆。緊張するのって、そんなに悪い事かな?そもそも、何で緊張って、するんだろう?」
なんで?
そんな事を考えてもみなかった子供達も大人も、はてな?になっている。
「きんちょ、するでつか?なんでか?」
子虎のエンリちゃんも、チームワイルドウルフ達も、ぎゅむぎゅむ団子の周りに集まって心配。
「戦うためなんだよ。いつもと違うぞ!って、戦ったり、逃げたりしなきゃだろ?何か、やらなきゃ!な大きな事が起こってくると。オランネージュも、ネクターも、ニリヤもだ。お歌を、笛を、国歌を上手に歌いたいな、って思うからこそ、戦いたいの身体になっちゃう。だけど、どきどきし過ぎたり、汗かきすぎたりしたら、上手くいかないよね。」
「全然うまくいくきがしない!」
ネクターがお口をとんがらせる。
「それはさぁ、身体が反応しすぎちゃってるの。だから、ほどほどで良いんだよ、緊張は!って、身体に教えてあげなきゃあね。•••アルディ殿下は、緊張でお咳が出ちゃう時、どうリラックスするか、良く知っているでしょう?良かったら、皆に教えてあげて?」
お耳をピンッと立てて、得たり!とアルディはお口を開いた。
「うん!教えてあげるの。あのね、あのね!人の前に出たり、緊張でお咳が出る時はね、良くルルーがお手てを揉んで、マッサージしてくれるの。いいにおいの、香油を少し、垂らしてねぇ、もみもみ、さすさす、ってしてくれるんだよ。クンクンすると、ホッとする。私、ネクターにやってあげるね。ルルーは、オランネージュにやってあげて。ニリヤは、ネクターの後で、順番ね。」
「うん。」
「ありがと、アルディ。」
「助かるよ~!」
アルディ付きの、ルルー魔法療法師が、ニッコリいそいそと、色々と香油や医療具の入ったウエストバッグから、これはと思う香油の小瓶を取り出して、アルディに渡す。
きゅぽ、と栓を抜いて、手で仰いでまずは、ネクターに嗅がせて。
甘くてスッキリした柑橘の、だけどそれだけじゃない、お花の清々しさも含んだ匂い。どこか空気の落ち着く、木の発する胸深く空気を吸いたくなる匂い。粒だったそれがふわ、ふわ、として、ネクターは、ふ、と目が爛々だったのが、すうっと降りてくる心地がして。
「いい匂いだね。」
「うん、私これ好きなんだ。ネクター、嫌じゃない?匂いは好き嫌いあるからね。これでよければ、もみもみしてあげる。」
チョン、と自分の手のひらに香油を付けて、塗り伸ばし、アルディはネクターの右手を取って、まず、さすさす、にぎにぎ、と撫でて温めた。隣では、ルルー療法師がオランネージュに同じく、こちらは大きな手でやっている。
しばらく温めると、小指をネクターの親指にひっかけ、もう片手は小指に小指をひっかけて、両手できゅむ、と割り開くように掌を広げさせ。
両の親指で、開いた掌を、もみ、もみ、もみ、とゆっくりと。
誰かにリラックスして肌、触ってもらう事は、とても気持ちの良い事である。とろり、と緊張が緩む。
緩みきらない、ちょうど良いところを、アルディもルルー療法師も、慣れて知っているので、無言で癒しきらず、何かと話しかける。
「この香油はね、色々と混ぜて、リラックスするのに良い匂いで、私が好きなのにつくったの。ルルーと、どんな匂い好き?って、紙につけた香油をにおって、これとこれ、好きー、って試しに混ぜてみたりしてね。今度、ネクターも一緒に、好みの香りのを、つくろっか。」
「うん、うんーーー。」
我が弟は、やっぱり有能で、いつだって助けてくれる。
誇らしく思って、ファングは、そこにふんわりと漂う香りを、クンクン、と匂ってお耳を左右に揺らした。
そして、チームワイルドウルフ達は、大分アルディ殿下に対して、お元気になられたのだな、とは思っていたけれど。誰かが困った時、こんな風に頼りになってくれるような。そんな力がある方だった、と、おぼんの踊りを纏めた事で、少しは知りはしていたが。本人は至っておとなしいタチなので、改めて、事が起こって見直す!していた。
そしてオランネージュは、ルルー療法師の超絶テクニックもみもみに、もはや落ちていた。ニハ、の顔になっている。
ニリヤも、クンクン、と興味深げに香油を手に少し、もらって嗅ぐ。
「また緊張しすぎてきたら、手の匂いをクンクン、てしてみて。香油が温まって、まるいにおいになって、大丈夫だよ、って言ってくれてるみたいになるの、ほんとだよ。」
この番組本番前にも、何しろやってもらったアルディであるから、効果はお墨付きである。
「•••ラプタの練習、しすぎて手がガチガチになってたんだ。ありがとうアルディ、何だか落ち着いたみたい。」
天然落ち着くおじさん、竜樹のパワーも相まって、ふう、と深呼吸。ネクターの速く浅かった呼吸は、今は、すー、ふー。ちゃんとしっかり吸って吐けている。血の気も戻って、頬はいつものふくふくだ。
「蜂蜜湯をお持ちしましたよ。温かいものの方が、お喉が潤いますでしょう。さあ、皆さんで召し上がって、落ち着いたら、本番のお歌にしましょうね。」
魔道具ケトルでお湯を沸かして作ってくれた、お付きの侍女さんが、穏やかな優しい目で、チームワイルドウルフ達にも、潤いの蜂蜜湯を勧めてくれるのだった。
「ジャスミン嬢に頼まれて、タイラスに呪いを施した呪術師が?」
護衛のマルサ王弟が、厳しい声で報告を聞いている。
「はい、それが、自分から、この呪いは自分がやったものではないのか、と気にして出頭してきたものでして•••。」
ーーーーー
無人販売に、ブドウや柿や、栗にお芋が出てくる季節になりました。ニリヤ達の世界に、無人販売って成立するかしら。美味しい秋を、どうぞ皆様も。
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