王子様を放送します

竹 美津

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本編

自爆のレゾン

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レゾンは、土の付いた丸っこい指で。苺の植え付けの為に土造りをしておいた、石垣の斜面に土帯、穴を開けて、苗を注意深く差し入れた。
ランナーと呼ばれるつるで株が増えるのだが、そのつるの反対側に花実がつく。収穫しやすいように、向きを整えて、来年分の収穫を期待して、丁寧に。

ここはパシフィスト南部の温かい地方、アグルム。空は高く、日は射して、山の斜面の石垣にずっと作られた苺の苗の帯が、土色と緑を交互に彩っている。

はあ、と吐いて、穏やかに気持ち良く息を吸う。
背は高くない。修道士の皆と、同じ食事を摂っているのに、何でかコロッとした丸みを帯びた顔、身体、腕、足、指なのは、背が高くない事に加えて骨太だし、体質的に燃費がいいーー太りやすいのだろうなー、と彼は納得している。
運動も得意ではないし、前の職場の、騎士には到底向かなかったのだ。今の、畑仕事や身の回りのもの諸々、手作り加工品作業をして毎日を祈りに過ごす、その生活を、レゾンは受け入れ、穏やかに心地よく生きている。

端っこが解けた麦わら帽子の中の瞳は、コニャック色の透き通り、髪も同じく、毛先だけ黒茶に渋い。
せっせと苺を植えていたら、同じく修道士で、前職からレゾンを追ってきた、ガッシリした騎士体型のバーバルが、パッツンで、ちんちくりんの修道服から長い手足を突き出して、端っこから苺の苗をバンバン植えてこちらに近づいてきた。彼はちょっとせっかちなのである。まあ、仕事は手を抜かないので、問題はない。ちょっと行動がガチャガチャしているだけだ。

「もう直ぐ終わるな、苗付けも。」
バーバルが話しかけてくる。彼は割とお喋りだ。
「•••••••••。」
うん、コクリ。無言で頷く。

「来年の苺も、沢山採れるといいな。苺ジャムは、美味い。」
「•••••••••。」
うん、コクリ。

無言だが、バーバルは気を悪くした風もない。というのも、レゾンは喋れないからだ。

そのように誓願をしたから。

丸っこい、背の低い粗末な麦わら帽子のレゾンと、パッツン修道服の背の高いバーバルは、端っこから苗付けを始めて最後には隣り合ってギュッと緑を埋め込むと、上下、顔を見合わせて、満足の顔を交わした。
合図した訳でもないが、ふと、2人空を見る。空高く、雲たなびき、良い天気だ。
すうーっ、と胸に空を吸い込む。

「今日も穏やかな一日になるな。」
「•••••••••。」
うん、コクリ。

だが、その予想はすぐに裏返って、今日は2人にとって胸騒がしい、忙しい日になるのだ。

片付け始めていると、おーい、と遠くから同じ修道院の仲間が駆けてくる。ひょろ長い手を振って、はあはあ息をきらせて仲間が石垣畑に辿り着いて言うに。

「ファヴール教皇様が、レゾンと、バーバルを、迎えに、はあ、いらっしゃってる!何か、はっ、はっ、ギフトの竜樹様がお呼びになってるらしい!」
一体何したんだい?

???と首を捻る2人に、仲間の修道士は、まあ、まあ、とにかくファヴール教皇様がお待ちだから、片付けはやっておくから、2人とも行って行って!と背中を押されるのだった。




竜樹達と、ポムドゥテール嬢一家、石化治療したラシーヌお母さんも一緒に車椅子で運んで、皆で王宮の新聞寮へと帰ってきた。
ポムドゥテール嬢と婚約者同士に晴れてなった、マーブル伯爵家タイラスの一家と顔合わせをして、ラシーヌお母さんもベッシュお父さんも、タイラスの父ヘリオトロープもミモザ夫人も、そして弟のコリブリ君も、どちらの一家も嬉しそうである。
ミモザ夫人は、石化したラシーヌを目の当たりにして、幼児のように母を慕って寄り添う、ポムドゥテール嬢の、今のありよう、女性コミュニティに馴染みのない様子の原因を確かに感じ入り、そうして今まで毅然として生きてきた彼女の弱さを見て、心から助けになってあげたい、と思った。
こんな病人を抱えて、ひっそりと、けれど確かに父と娘は、自分らなりに生きてきたのだ。少しくらい女の子らしくなかった位、何だというのだ。誰もその生活をダメだなんて言えない。
女の子の流儀だって、これから幾らでも、ミモザが教えてあげられる。
瞳に涙を浮かべて、文字板を使ってラシーヌとお母さん同士、話をするミモザは、今までの蒙昧が、霧が、さあっと、晴れてゆく心地がした。
息子、タイラスは、きっとこんな、ポムドゥテール嬢の切なく可愛げな所を知っていて、だからあんなにも愛しそうにしていたのだな、と眠る彼を見遣るのだ。

「じばく•••?」

ジェム達や、ワイルドウルフのファング王太子達、子供達が、3王子の報告を聞いて、ハテナしている。
これからここに来るという、レゾンとバーバル修道士について、お話中。
交流室で、丸くなって、ニリヤの身振り手振りも含めたお話に、皆お目々が、くりくり!としている。

「うん、じばくしたんだって!ポムドゥテールじょうの、おかあさまの、ラシーヌおかあさまと、とうばつにいったとき、いじわるのがあったんだって。よわいまものに、かまれても、けがをしないまどうぐ、こわして、たりなくて、ラシーヌおかあさまにだけ、まどうぐこわれたからくるな!って、おんなはすっこんでろ!したかったんだって!」

?????
一生懸命な説明だが、ニリヤのお話では、何だかはてなである。
「おんなはすっこんでろ???」
「けんかなんかする時、よく男衆がいってるよね。」
「わりとそのあと、仕方ないわね!壊した所、弁償どうするの!!なんて怒られてるけどな!」
ジェム達は街のあれこれ、何だかんだ尻に敷かれている男達を思い出した。
「そうなの?」
ニリヤが、ジェムに聞く。
「うん。ケンカは、女を殴ったりしたら、男としてさいてーだから、だけどケンカはしたくって、良くすっこんでろとか言ってるけどね。結局は女に怒られてんだ、大人の男は。まあそれはおいといて、それでそれで?ニリヤ様。」

うん?とお返事して、こくこく頷くと、いやよくある男女の一幕、分かったのかな?ニリヤ。

「きしだんに、おんなはいらねぇ~。おんなはいえで、ししゅうとかしてればいんだ!おれたちおとこが、きけんから、おんなこどもを、まもってやってるんだから、おとなしくしてろ!って、なんか、おとこたちが、ラシーヌおかあさまを、いじめてやめさせる!したかったんだって!」

笑って、竜樹は補足する。片腕にヴィフアートをくっ付けて。
騎士達も、確かに偏見と思い込みはあったが、元々は悪意からの締め出しではなかった。それは言っておいてやらないと、複雑な感情からくる性差別が、ただの意地悪、悪人になってしまう。性差別はもちろん、いけない事だけど、そしてラシーヌの石化を招いた恐ろしい差別だったのだけれど、だからこそ、悪い事してるつもりじゃなくても、人は思い込みで人を不幸に陥れると、何でそれが起きたのか、竜樹は子供達に教えてやりたかった。

「えーとね、竜樹とーさがお話を付け加えるとね。レゾンさんは、魔獣を退治する第4騎士団にいたんだって。彼は、コロコロっと丸っこい身体つきで、血生臭い事は苦手で、全く騎士向きじゃなかった。努力はしていたけど、騎士のお父様に、修行だから、と騎士団にぶち込まれて、でも討伐できなくて、馬鹿にされながら、皆の武器や防具、魔道具の整備や何かをして、働いていたんだって。仕事が合わないからって腐らずに、ちゃんとできる事を、馬鹿にされてもしてたんだから、偉いなって、俺は思うよ。」

「ロンも、にがてのせんたくたたみ、やるよ!」
ふす!と、得意げな、小ちゃい子組のロンに、偉い偉いとなでこしてやり。

そんなレゾンを可愛がってくれたのが、同じ騎士団にいた、ポムドゥテール嬢のお母さん、ラシーヌであった。子育てをしている母は、そりゃ分かる。子供によって個性があって、向いてる事向いてない事が、あるって。大人になれば時により、苦手など言えないけれど、それにしたって。けれど腐らずに仕事をするレゾンを、ラシーヌは好ましく思った。剣を持てば震え、血を見て青くなるレゾンを馬鹿にしがちな同僚から、なにくれとなく庇ってやった。

ラシーヌは第4騎士団初の女性騎士だった。女性王族の護衛なんかではなくて、実際の討伐の、実力を必要とするそこに、ちゃんと実技試験も受けて入った。魔獣が生息する地方出身で、父に教わり実戦で鍛えてきたので、下手な男より、経験があった。
守りたいの思いは、男であれ女であれ、同じである。
しかし、第4騎士団の男共は、ラシーヌの入団に反発した。

女子供を守ってるんだ。
それは彼らの誇りである。
それは別に悪くない。
だが、守るべき女が同僚で、しかも同等以上の力を出した時、何だか彼らは自分たちの意義が薄れるような、ぐんにゃりと捩れるような受け入れ難さを感じて。

「況してやラシーヌさんには、ポムドゥテール嬢というお子さんもいたし、男達は何だか分かんなくなっちゃったんだな。俺からすれば、男でも女でも、戦える人が戦ってくれたらありがたいし、男でも魔獣と戦う力のない人は、沢山いると思うんだけどね。」

居心地を悪くすれば、ラシーヌは安全な家庭に帰るのではないか。
そんな浅はかな思いから、普段より、物を足りなくさせたり、居場所を無くさせるような事を、頻繁に男たちはやっていた。

そうして、ある日、魔道具の管理をしているレゾンの所に来て、ラシーヌの分の、万が一病気を持った弱い魔獣などに噛まれても大丈夫なように、爪や牙を弾くバッジ型の魔道具を寄越せと言って取り上げた。

「レゾンさんは抵抗したけど、力じゃ敵わなかったって。男達は、次の討伐は、森の浅い所で、少しくらい噛まれても、病気になるような魔獣はいない、と知っていたんだね。まさか、本当に最初からラシーヌさんを石化で殺そうなんて思ってた訳じゃなかった。そんなに意地悪じゃないよ。でも、噛まれて痛い目にあって、泣いて騎士団を辞めれば良い、と思ってたそうだよ。騎士の仕事をプロとしてやってる、ラシーヌさんを舐めてるし、女を守るんじゃなかったんかい!ってツッコミどころだね。」

「おんなのこ、つよいよ?」
セリューが、テレビ電話で繋がってる地方教会の孤児院の映像を、チラッと見て、竜樹に言う。貴族のマテリアちゃんも、寮に来ていたので、そうでしょうそうでしょう、とコックリ、頷く。
うん、女の子って、ある程度までは、男子よりも成長が早めで、敵わなかったりする事もあるもんね。口も達者な子がいるし。

レゾンは、ラシーヌに、万が一の事があるから、魔道具が直るまでは討伐を休んだらどうか、と言った。でも、ラシーヌは、それだと周りに屈した事になるから、逃げたくない、と魔道具なしで討伐に参加した。

「そしたら、出ちゃったんだ。そんなに強くはないけど、石化の触りのある、魔獣が、沢山ね。」

男達はギョッとした。
ラシーヌを見て、男達の中のバーバルって騎士が、即座にラシーヌさんに魔道具を押し付けて、守ろうとした。

「けれど彼女は、バーバルさんが危うくなった時、自分の危険を承知で魔道具を付け返した。バッジ型の魔道具は、押して付ければくっつく仕様で、一度付いてしまえば人の手で取らない限り外れない。ラシーヌさんは噛まれて、噛まれちゃったんだから遠慮なく、って、ほとんどの魔獣を自分に引き付けて、やっつけたそうだよ。森の浅い所に出たから、討伐しておかないと、森の恵みを貰いに入る一般の者達に、被害が出るだろう、って思ったんだって。」

ラシーヌは、噛まれた。石化の障りを受けた。そして観念した。
誰のせいでもない、と、文句一つ言わなかった。
生命が奪われてしまうのに、戦いに身を置く騎士たるもの、準備を怠ったのだから、と男前だったのである。

「男達が、あんなに帰らせようとしていた家に、ラシーヌさんは、帰る事になった。石化で身体の健康を損なって。男達はしょげたけど、誰のせい、って事になった時、誰も、俺のせいだ、って言い出せなかったらしい。」

子供が産まれたばかりの団員がいた。
結婚して幸せになったばかりの者も。
勉強はあまりできず、他に行きどころのない低位貴族家の次男三男。それから、平民から、力を頼まれてやっと出世して、騎士になった連中。
責任を取る、ってなった時、俺のせいです、って言える人が、その勇気が、誰にもなかった。
女が騎士になどなるからだ。これからは、第4騎士団に女は入れないで欲しい、と責任逃れの言い訳男子達が都合の良いように事件を流そうとした時。

「レゾンさんは、家も仕事も、お金も、将来の結婚も、そして声も捨てた。俗世を捨てて、修道士になる、その時に、皆と一緒にいられる世の中での最後の願いを、誓願として、周りの人に頼めるのだって。それも、何か自分の能力、魔法や五感、どれかを神様に捧げて、条件をつけて制限する事で、より強い願いを、確かに叶えられるのだって。人が死んだり、神様が認めない悪い事は、誓願出来ないそうだけどね。それを使ったんだ。」

レゾン・ミュールはここに誓願す。
女騎士、ソル・ラシーヌが石化から癒え、家族と今までのように変わりなく睦み合う事が出来るまで、我が声を神々に返し、沈黙をもって祈りを捧げる。
我が身を俗世から神の家、修道院に入らせたまえ。
俗世の最後の願いとして、第4騎士団に女性騎士を今後も採用し、ソル・ラシーヌ騎士にしたような小さな嫌がらせなどせず、女性騎士の地位向上に、働きやすいように、男性騎士は力を貸して欲しい。
私、レゾン・ミュールの魔道具整備の不手際により、ソル・ラシーヌ騎士は石化した。また、私に対して、男性騎士達は、女性騎士の実力を認められず守るだけのものとして家に帰すため、悪意からではないが、魔道具整備に邪魔をした。
今後そのような事を決して起こさず、第4騎士団は、男女共に、実力さえあれば力合わせ、より一層、本当に戦う術を持たない弱き者達を守るため、精進を重ねるべし。
その組織づくりにあたって、事を明らかにし、該当者には罰が行われる事と思うが、第4騎士団の団員達の家族にまで咎が向かぬよう。私、レゾン・ミュールの俗世での遺産取り分、財産を、全て。罰を受け、かつ家族の経済に必要のある家に、補填として配ってもらいたい。得をする事はないが、貧窮する事のないよう、我が父と母に、その仕事はお願いしたい。

最後に、私、レゾン・ミュールと関わってくれ、気持ちを掛けて下さった全ての方々に、これから先も、どうか幸いあれ。


「レゾンさんは、俗世を捨てた事で自分も罪を負い、また責任を明らかにさせ、そして団員達が家族の為にと口を噤むのを許させなかった。もう、何も言えないよね。こうまでされちゃあ、だって、もう、レゾンさんは、誰ともお喋りできないし、ほとんど修道院から出て仲の良い人と会う事も出来ないし、財産も持てないし、結婚もしない。祈りに人生を捧げちゃったんだ。自爆して、そしてその誓願は、神様に認められた。」

「ぞくせ、って、みんなとなかよくくらすってこと?」
サンが眉を寄せて、悲しそうにハテナになっている。

「そう。俗世は、皆が暮らしている、神様の家じゃない、世の中の事だな。もうお父さんとお母さんとも、よっぽどの事でもなければ、会えない。」

ふぇ~う、と子供達は皆、悲しい顔だ。ヴィフアートも、つられて、悲しみ顔になっている。

「まあ、それでも、石化しちゃうより、ずっと良いでしょう?そういう落とし前を、彼はつけた。そして、ラシーヌさんに魔道具を返されて救われたバーバル騎士も、レゾンさんを追って、彼の閉ざされた口の代わりになる事を誓願して、認められて。2人して今、修道院で、ひっそりと暮らしている、ってわけ。」

ポムドゥテール嬢のお父さん、ベッシュが竜樹の言葉を助ける。
「第4騎士団は、それ以来女性騎士に門戸を開いて、男女協力し合う道を探ってきたよ。だからポムドゥテールも第4騎士団に入れたし、そこで困る事もなく、普通に仕事が出来ているんだ。レゾン君がいてくれた事で、ラシーヌの石化が、ちゃんと意味を持って後々の組織を変えたんだ。」

竜樹が、ヴィフアートの背中をとんとんしながら。
「俺は、その、事件が起きてから変える、それまで分かんないし変わらない、っていうの、本当にどうにかなんないかな、って思うよ。ラシーヌさんの同僚で、誰か1人でも、俺サボりたいから魔道具貸してやるよ!俺やーすも、なんて捻り技を出すやつは居なかったのかな。ラシーヌさんのやった事を貶める訳でも、そんな気持ちもないけど、石化して眠りについていた、家族の辛い時間を、どうして、って思うじゃん。」
子供達も、そして聞いていたポムドゥテール嬢一家も、マーブル伯爵家タイラスの一家も、ふむ~ぅ、と悩ましい声を出した。

人は事件が起こるまで、コップの水が溢れてしまうまで、気づかず流して愚かに生きてしまう。思い直すキッカケは、小さく、幾つもあるはずなのに。


ネクター王子が、考えながらも、むん、キラッと瞳を輝かせて。

「だから、ポムドゥテール嬢のラシーヌお母様は、レゾンを呼んで、って言ったんだね!だって、石化、治るんだもの!竜樹が、考えて、みんな大丈夫!ってしてくれる!って事でしょ。事件は、おこっちゃった。どうしようもないから、これからどうにかするのでしょ?」

首を傾げて、竜樹に問いかけるネクターは。どうにもならない事があるのを、そして、だからこそ、考えてどうにかするのを、体感して知っている男子である。

「まあ、そんな訳で、ファヴール教皇にレゾンさんとバーバルさんを呼んできてもらう事にしたんだよ。王宮にちょうど歌の競演会のミュジーク神様の話をしにいらしてて、助かったよね。あんな偉い人使っちゃって良いのかな、って気もするけど。」

転移魔法陣を乗り継いで、レゾンとバーバルのいるアグルム地方の修道院まで、バリッと赴いてくれている。多分夜には連れてきてくれるだろう。

「ファヴール教皇さま、出てくとき、すっごく嬉しそうだったよ。」
「竜樹とーさと、神様のてだすけできる!ふふふ、転移魔法陣のりほうだい!ってゆってわらってた。」

教皇ともなると、出かけるより訪ねられる事の方が多い。彼は実は、フットワークの軽い、そして転移魔法陣を使ってみたかった、ワクワクさんなのだった。









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