王子様を放送します

竹 美津

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本編

あの日のどんぐり

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イリキュートは、エタニテと目をチョコとだけ合わせたその後、とぼとぼバトルフィールドの外側を歩いていた。
胸に拳、握り込んでいるのは、どんぐりのブローチ。リーダー選抜対戦をやる事が決まって、クマの郷に帰ってきてからすぐに、どんぐりを拾ってきて作った。

形のいい、色々な種類のどんぐりを。水に浮かべて、浮いたのは虫喰い。沈んだのにも虫がいる事があるから、煮沸して、乾かして。
糊の木を傷つけて瓶に採り、用意して。鍛冶屋に頼んで作ってもらっていた、キラキラしたくず金属のパーツや、折に触れて拾った綺麗な石の飾りを、磨いて大切に集めたもの。それぞれ選んで、足したり引いたり、木の丸いボタンの土台にくっつける。
小さな葉っぱの形に切った布を下に、素朴な、でも精一杯に素敵にと作って、ブローチピンを接着した。

その細々した作業を、イリキュートは、女衆達の付き合いや次代のリーダーの仕事をほっぽらかして、やった。何度もやり直して作り上げた。
出来上がって、ほう、と少し、気持ちが浄化されたような、落ち着いた気持ちになり。これを、お姉ちゃんに渡せたら。その時は、出来上がった興奮で、図々しくそんな事を思ったりも、したのだけど。

エタニテお姉ちゃんと、小さな頃、一緒に拾ったどんぐりーーー。

『キレイね。イリキュート、あんたはキレイで可愛いモノが好きなのね。器用だわ。大人になったら、そういうの作って売るといいわよ。』
幼い頃のエタニテが、どんぐりのボタンを、ニコニコと摘んで陽に掲げて、褒めてくれた。
『私が女衆のまとめ役になったら、イリキュートがステキなものを作って売れるように、他の人にも勧めて、皆でお店をやりたいわね!』
『うん!お姉ちゃん、おねがいね!』

「お姉ちゃんは、わたしを、ずっと守ってくれてたのにーーー。」

いつも先頭をゆく、お姉ちゃんみたいに、立派になりたい。
憧れて。
そんな気持ちが、いつしか、お姉ちゃんみたいに出来る、私だって!
と対抗する気持ちになっていき。

いつまでも皆の子供扱いにイラついて、お姉ちゃんさえいなければ、私にもっと、皆の認める気持ちが!となって。

意地悪したい気持ちが、なかったなんて言えない。

謝りたい。謝れない。
恥ずかしいけれど、このままクマの郷の女衆を、自分が纏める力はない。どんなにバカにされても、お姉ちゃんに、帰ってきてもらわないと。

歩いていたら、ぐるっと周って、ブレイブ王様達がいる観客席の近くへ来てしまった。護衛の厳つい獣人が、帯剣してビシ!と何人も立っている。
自分達の郷なのに、あまりの場違い感。あ、引き返、そうと。

きゅる!と振り返ったのはニリヤ。何の気配を感じたのだろうか。
パシフィストの第3王子。茶色の髪が、くるんとなったうなじ。
あ、のお口をして、直ぐに。あんよが高くてぷらぷらしていた座席から、よいっと飛び降りて、たかたか!と慌てる護衛を引き連れて、イリキュートの側に走り寄ってきた。

「エタニテかあちゃの、いもうとのひと!こっち、こっちよ!おはなし、しましょ!」
「え、ええ•••?」
引っ張られて、護衛の少しとうの立った美丈夫の人もニコリと手で、さぁさぁと促して、偉い人ばっかりがいる特別席へ。
え、えええ?!とイリキュートは抵抗したのだが、護衛の人が肩を抱いて、後ろからグイッと押してきた。とと、トト、と、抵抗する踵が、軽々と前に運ばれて。

「いもうとのひと、つれてきたー!」
「ニリヤ、やったねー!」
「お話しようね!」
オランネージュ王子。ネクター王子。ワイルドウルフのファング王太子。そして、名前をおぼん辺りから聞くようになった、アルディ王子。
皆ニコニコとして、席を詰めて空けてくれる。
ギフトの竜樹が、ニコニコとそれを見ている。

「ええ!?いえいえいえ!王族の方達と、席をなんて、恐れ多くて•••!」
「良いのよ。いらっしゃい。王子達がお話聞きたいのですって。秘密のお話なのよね、さあ、私の隣にいらっしゃいな?」
ニコ!

ラーヴ王妃が、麗しの笑顔で。王子達が詰めて空けた席を、とんとん、と叩いて呼んだ。

シ ン ダ。

心臓が止まりそうだが、そのニッコリに、いいえは言えない。
ゆらりゆらりと近づいて、震えながら席に着くと、ラーヴ王妃の、お花のような匂いと、あったかい毛皮のお日様の匂いの混ざった、何とも魅惑の香りに、ひええええ、とイリキュートは肩が硬く、胸の前のどんぐりを冷や汗、握りしめて怯えた。

「おなまえ、なあに?ぼくニリヤ。」
「い、イリキュートと申します。ニリヤ殿下。」
いりきゅーと。うん、うん、と納得して、くりっと顔を傾げたニリヤは。
「イリキュートは、どうして、エタニテかあちゃに、あやまらないの?わるいことしちゃって、ケンカは、ゴメンでなかなおりだよ?」
当然、謝るべきだよね?と。疑いを一片も含まない、パチっとした瞳で、聞いた。
兄殿下2人も、ワイルドウルフの王子殿下2人も、そしてさり気ない風にしているけれど、ラーヴ王妃とブレイブ王様も。竜樹だって、じっと黙って、返事を待っている。

慄いて。ひゅ、と息を吸う。
謝れるモノなら。
「あ、•••謝るってことは、許してくれるよね?って聞いてる、って事だから。わた、私のしたこと、謝って済む、モノかしらって。図々しくて。塊が喉に詰まって、許してくれなんて、言えなくって•••。」
しょんぼりしたイリキュートの姿、声に、ラーヴ王妃の口角が、キュ、と上がった。よしよし。反省してない訳じゃ、ないのだな。

「そうなの?でもー、ごめんねしないと、ワルカッタナァ、っておもったよって、しってもらえないよ?」
なかなおりしないと、ここが。
と、ニリヤは、小さな胸に手を当てて、シャツを掴んで。
「ぐるぐる、もやもや!イタタ!ってなって、なおらないじゃない?」
「うんうん、傷ついたら、謝ってもらいたい、って、思うよ。謝らなくてもいいよ、ってなったら、もう相手がどうでもいい時だもん。」
ネクター王子が、何となく沈んで頷く。
オランネージュ王子がネクターの背中をさすさすして。
「そうだな。それに、エタニテ母ちゃんは、クマの郷に戻りたくないのに、強引に戻したら、嫌なことされたな!って余計に嫌いになるかもよ?」

嫌いに•••。

うっ、と涙が浮かぶ。
どんぐりを拾った幼い日に、戻れたなら。

「本当は、謝りたいのよね。」
す、と背中に、温かい手が。ラーヴ王妃が、優しい眼差しで、イリキュートの俯く顔を覗き込んで。
「その、手に持っているモノは、なあに?」
「これは•••。どんぐりのブローチです。子供の頃、お姉ちゃんは、私が作ったブローチを褒めてくれたな、って思ったら、あげたくなって、作ったけど•••こんな粗末なもの、神の眷属様になんて。」
言い訳ならいくらでも。しない言い訳なら。怖くて、怖くて。

「ファングが小さい時。」
とん、とん、とラーヴ王妃は背中を柔らかく叩いてくれる。
「彼は、初めての私達の子供で、しかも後継ぎの男の子で、周り中によいよいされて。それを受け止められる、良い子ではあったけど、ある日ね。」
あんまり可愛い可愛いで、いじられすぎちゃって、クッションに顔を突っ伏して。
「もう、やーーーーっ!!!さわらないで!あっちいって!!!って。わんわん泣く様子も可愛かったのだけど、本人は、煩わしくて思うようにならなくて、本当に、わーってなっちゃったのでしょうね。誰だって、好きにやってみたいし、落ち着いて、アレコレ言われずに過ごしたいわよ。私も、可愛い可哀想で、これからは少し、そっとしておいてあげるのよ、って釘を刺したりしたんだけれどね。」
ファング王太子は恥ずかしそうにした。そ、そんな事、あったんだ。

ゆらゆら、揺れて今にもこぼれ落ちそうな、イリキュートの瞳は熱く、溶けて落ちてしまいそうだった。
「み、みんなが•••。」
キュウ、と喉が鳴る。

「みんなが?」
優しいその手に、やっぱりお母さんな、包容力のある手に、縋ってしまいそう。

「みんなが、好意で、色々教えてくれてる、って分かってる。わかってるから、今、いっぱいいっぱいで、少し、1人になりたいんだ、落ち着いてやりたい、って、言えなくて•••。」
ぽろ、ぽろ、ぽろり。
「そうなの。」

「いりきゅ。なかないでぇ。」
ニリヤが眉をキュ、とさせて心配そう。大丈夫よ、ずっと我慢してたのよ。泣かせてあげましょう?とラーヴ王妃が優しく。

「わた、私、少し1人の時間がないと、どんどん辛くなっちゃうみたい。どんぐりのブローチ作って、分かったんです。こういうの、黙ってやってるのが、すごく好きなんだって。合ってる、って。お姉ちゃんみたいに、皆といっぱい話すの、そんなに好きじゃない。ううん、話を聞いてるのは好きなの。でも、どうするの、ああするの、こうするの?って判断を求められる、話をしなきゃなのに、すぐ応えられないの!」

うえっ、ひっく、と手の甲で涙をぼろぼろに拭いて。

すぐに応えなくても良いのよ、とか。やりようはあるわよ、聞くの大事よ、とか。
色々言いたい事はあったけれど、ラーヴ王妃は全てを飲み込んで、ウンウン、と聞いた。
今必要なのは、正しい意見じゃない。寄り添って聞いてあげる事なのだ。
「誰か、その気持ちを聞いてくれそうな人、いる?」

ううん、ふるふる、と首を振る。
「お助け役に付いてくれたのが、幼馴染の、お姉ちゃんの友達で、ひっく、エタニテを追放してまでなりたかった、まとめ役なんだから、ちゃんとやれ!って。助けてくれるけど、いつも、いつも、頑張ってね、って。」
渋い顔で、それでも事あるごとに助けてくれる幼馴染の女の子、生真面目な黒クマのプロシェに何か、別に普通の言葉でも、言われるたびに。
「お姉ちゃんを追放したくせに、って。言われたの、本当は1回だけなのに、ずっと、ずっと、言われてる気分で!!」
うえふ、うええぇ、と泣き泣き訴える。
「お姉ちゃんが帰ってきてくれたら。私が皆からお姉ちゃんをとっちゃったんだ、って思って。でも、でも、お姉ちゃん、もう、よその国で、幸せにやってるって。もう、戻らないって。遠くなっちゃった。2度と、どんぐりを拾ったあの日に戻れない!嫌われちゃった!私のせいで苦しんで、死んでまでして、ごめんなさい、って」
言いたいのに、もう言えないーーー。

とことこ、とネクターが寄ってきて、イリキュートの前に立つ。不愉快そうな、眉を顰めた顔をして。
ああ、やっぱり皆、私が嫌いなの。
ごめんなさい。ごめんなさい!
イリキュートは絶望感をもって、でも溢れて泣くのを、今更止められなかった。

ネクターは、つん、と背伸びをすると、イリキュートの頭を正面から抱え込み、抱いて、よしよし、ポンポンした。辛そうな顔で。
ラーヴ王妃は、ネクターの母の事を、詳しく知っている訳ではないが、巷に流れる外面の良い噂よりは、幾許か知っている事もある。
第二側妃、キャナリ・エトワール。ネクター王子を、一度も抱いた事のない母、と。

「ごめんなさい、って、言える時に言って。言われたら、何かが変わる訳じゃなくても、痛い気持ちが、救われることって、あるから。もう何も言えなくて、ってあきらめないで。まだ、エタニテ母ちゃんは、お話聞いてくれるよ。」
戻ってきてくれる、くれないとか関係なく、自分がスッキリするためでもいいから、ごめんねしなよ?
きっと、エタニテ母ちゃんのこころも、どこか救われるから。

ネクター王子の小さな手は、頭を撫でて、優しくて。
ラーヴ王妃の大きな、長い指の手のひらは、温かく何度も背中を撫でて。
イリキュートは、泣き止んで、とにかく作ったどんぐりのブローチを渡そうよ、と王族達に勧められて、やっと、何とか勇気を絞り出して。
そうしてみようか。してみようか。
嫌われているなら、今更、ブローチ一つ、何だ。渡してスッキリしよう。

今、散々、この人たちの前で、泣いたみたいに。




「ちょっと待ったぁああ!!」

バトルフィールドでは、ルールの説明がアルトによってされている所。要は竜樹の世界の、ボクシングである。安全の為、ヘッドギア、グローブを付けて、拳のみの攻撃で、ベルトから上を狙う。足や頭、肘などを使ってはダメ。
反則は即負け。判定は、クマの郷の身体動かし肉体労働班、木こり部隊より選ばれた審判がする。

「おぉ~っとお!試合前に、物言いがついたぁ!リグレス選手、何か言いたい事が!?」
リグレスは、鋭く尖った、それなりに覚悟の決まった目で、騒然と観客が囃す中、マイクを向けられ、話しにくそうに喋り出した。

「俺が、最初レザンとの対戦を控えた前の日に、大勢で襲って怪我させて。レザンをエタニテと郷から追い出しちまった、って皆、知ってると思う。ここにいる、対戦の選手の大半は、その時の襲撃に関係した奴らだ。」
おおおお!!と低く呻き声が響く。
今更ここで、何でここで?皆、当のレザンさえ、それで納得して出て行ったものを?

「何と!そんな因縁が、この対戦に!!ふむ、それでそれで!?」
アルトのオレンジの、甘い瞳が燃える。ただの対戦じゃない、これは、過去を塗り替える為の戦いなんだーー。

「レザンは、神様の眷属だ。見ただけで、強さが分かる。きっと誰も勝てない。でも、戦いたい!俺たち、真っ当に戦わないで、このままいられないんだ!それで今日は、この場を用意してもらった。俺たちが潰し合う事、そのものは良い。でも、俺たち、強いレザンと、皆、戦いたいんだ!」

「全く、若いもんは、バカなんだよなァ。」
クレヴィリーダーが、王族達から1段低い所ーーイリキュートからは死角になる位置に座って、はふ、と息を吐いた。妻のミュリエルが、呆れた顔で、でも、うんうんと。
「貴方も相当な、おバカさんでしたわよ。まあ、今もだけど。」
まだ娘エタニテの事で怒っている、ミュリエルなのである。

「ああ、バカもバカ。バカじゃねえ奴なんて、1人もいやしねえのよな。」
クレヴィリーダーは、とほほと笑って。でも、何だか戦って吐き出して、皆スッキリすんのかもなぁ、と腹黒オヤジなりに、うーん、と背筋を伸ばした。

「戦って、拳の一つも貰って、それで、出来たら俺たちだって拳の一発でも、入れられたら、って思う。遠くに行っちまった、レザンに、少しでも届かせたい。皆、レザンと戦いたいんだ!これはリーダー選抜対戦だけど、俺、今、ギフトの竜樹様の元で、幸せにやってるレザンに、リーダーの責任を負わせる気持ちはねえ。俺がやると言って卑怯な真似をしたんだから、最後までやる。だから、だからーー。」

《全員、相手してやる!順番に、かかってこい!》

すっく、と立ったレザン父ちゃんは、眷属の印、黄色い小さな薔薇の付いた、銀のホイッスルーもキラキラと。神々しく、そして雄々しく、強大に。
眷属たる声は、マイクなしでも朗々と。

「おおっとぉ!これは過去を清算する、男達の聖なる対戦!レザン父ちゃんに選手達は一発でも当てる事が出来るのか!その拳に、ひれ伏せ、涙しろ、諦めるな、立ち上がれ!!レザン父ちゃんの許可を得て、選手1人ずつ、対レザン父ちゃん戦、皆々様方、よろしいですね?よろしいですね!?」

いいよぉ!!がんばれー!!
殴られてきな!!
わあああぁ!!と盛り上がった観客は温かく。
カメラは、どん、どん!と切り替わる。レザン父ちゃんをアップで映し、そして挑む選手達を、1人1人、順番に。

全く、しょうがないなあ。
ふふ、と笑った竜樹も、何だか毒気を抜かれて、ほわほわと、純粋に。この男達の愚かな戦いを楽しく思い始めた。
エタニテ母ちゃんは、息子のデュランを抱いて、穏やかに笑っている。
きっと分かっている。
何もかもを受け入れた、深い、慈愛の笑顔で。
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