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本編
マテリアちゃんちの場合
しおりを挟むネモフィラの花、中央の白に向けて青い澄んだ、青空カラーの花びらがグラデーション。
永久保存のガラスケースのドーム、中にちょん、と一輪。
情報神、ランセ神様のお授け下さったお花を、ピカピカのテーブルの上に、カンパニューラ公爵家マテリアちゃんのお家では、『アンファン!お仕事検証中!』の初の放送を、ワクワクと家族皆で見ている所だ。
テレビ画面には、商店街で調べた食品の、素晴らしいお買い得情報を前に、なかなか上手く情報を売ることができないマテリア。声を出しても、小さくなっていって、やがて俯き、話し終えて。
『下手くそ!もういっぺん修行してきな!』
あははは!
ヤジを受けて。
つつ、と涙。
マテリアの母でカメラマンを検証しているブリュム夫人は、お花のピアスを揺らして、カメラを覗いたまま、苦しげに。思わず呟く。
『マテリア•••!』
カンパニューラ公爵家当主ニュアージュ、マテリアのお父さんは、それを、ふ、と腹に力を入れて見守った。結果は分かってるのだ。ふくふくと嬉しそうな娘と、カメラを買いたい!と興奮した妻とが、撮影を終えて、やり遂げた!って顔で帰ってきたのだもの、3日前。
それでも、手に汗。ギュッと握り込む。
ガタンガタタ!
一緒にテレビを見ていた、前カンパニューラ公爵、マテリアの祖父と、祖母は、口をあんぐり開けて、今にも怒りそうにしたから。
ここが良いとこなの!!と言いたげに、しーっ!と人差し指を唇の前、娘のブリュム夫人に咎められて、ハラハラと浮いた腰を、座り心地の良い椅子に戻し、出ていたお菓子を苛立ち紛れにかしゅりと噛み締めて、ススッとこんな時にも上品に、お茶を啜った。目は画面に釘付けなまま。
ポム侯爵家当主ミール、ブリュム夫人の兄ーー長男の癖に公爵家の後継を、恋愛結婚のために急にブリュムにぶん投げて婿にいった兄も、くわ!とお口を開けてテレビに見入っている。その妻、ポム侯爵家バレッタは、くふふふ!と抑え切れないマテリアの可愛らしさ、奮闘、そして母ブリュムの思わずの呟きに、まぁ!と感情移入して、前のめりに画面に見入った。
ルムトン副隊長のお助けもあって、パッと花開く、お買い得情報のお知らせ実演。
さあさあ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい!!
『さ、最初はチーズ!チーズ美味しいわよねぇ!私も大好き!この、ハードな、プロフォンドゥチーズ!ナッツの香りのする、豊かな味わいのこちら!何とお試し価格で•••!』
シエルの必死の真似っこ始めに、女の子チームがそれぞれ皆、協力して。大声張り上げ、堂々と。魅せる!
チャリン!
チャリ、チャリン!
『チーズ買いに、行ってみるねぇ。』
『何か楽しかったよお。』
『頑張った、頑張った!』
「よ、良かった!!」
ほわァ、と、力の入ったテレビ前の、カンパニューラ公爵家の面々とブリュムの兄夫婦、ポム侯爵家の2人は、思わずゆるむ。
マテリアは、えへっ、と笑って、あんな風に見えてたんだなあ!と新鮮に自分の姿を客観的に見て。
泣きべそ恥ずかしいな、でも、ルムトン副隊長に教えてもらってから、すっごく私、嬉しくて楽しそうな顔をしている!とくふくふした。
街のチンピラ、竜樹にかまってちゃんのガーティと、手下のポワンが出てくるとまたまた緊張の居間。けれど無事に、竜樹の力も借りてやり過ごしてやり切って。結構なお金を稼ぎ、広場に帰ってきて、まとめ、そして有り難くランセ神様からお花を、祝福と共に。
『いや~、お仕事検証は終わりましたけど、お母さんズ。お母さんも検証中!のお2人、いかがでしたか?』
全てが終わってから、撤収しつつインタビュー。
ステュー隊長とルムトン副隊長、そして竜樹がニコニコと。カメラを下ろして、キパッとしたお仕事ズボン姿でも、隠し切れない女性の円やかさで何とも、こちらも魅力的なお母さん達に感想を。
ブリュムは応える。満々の、少し疲れた笑顔で。
『カメラマン、初めてやったんですが、娘を見守って撮り続ける、手出しはしない苦しさ、そしてやり遂げた時の誇らしさ。お仕事をするやりがい、ちょっとカメラが重くて辛かったけど、そんなの気にならない位に、次々と起こる目の前の、子供達の活躍に、本当に、本当に、楽しかったです!!!』
『マテリアちゃん、涙をつい、ね。あの時のブリュムお母さんの撮った、アップの、あの、何ともいえない表情!上手く捉えていたと思います!』
『ありがとうございます。カメラマン、素晴らしい職業ですわ。私、カメラを買いたいです。もっと、撮りたい、もっと、もっと、魅力的な、身の回りの色々を!!』
是非是非そうしてください!
エフォールの母、リオン夫人にも抜かりなくインタビューして、居眠りエフォールの撮影に皆してホワッとほころんで笑い、まとめ。お母さんのお仕事検証も、無事終わり。番組イラストのロゴの、『アンファン!お仕事検証中!』お仕事ファイルNo.001、情報屋、検証終了!ばちこん!
とアニメーションで、報告書にサインが入って締めくくられた番組は、また次回もお楽しみに!で終わった。
「何なのだ!!!」
ブワ、とカンパニューラ前公爵の、マテリアの祖父が怒り始めた。
うん、多分そうなると思っていたよな。と、現在公爵で入婿のニュアージュ、マテリアのお父さんは、前公爵の怒りを放っておいて。
優しい顔でマテリアに。
「マテリア、良くやったね!!頑張った!お買い得の情報も詳しくて、聞きがいがあったよ!竜樹様も、ぐるめ雑誌、ていうのの記事みたいだね、って賞賛しておられた。素晴らしいじゃないか!!貴重な体験もして、少し大人になったんじゃない?私はこんな素晴らしい娘をもって、鼻が高いよ!」
褒めに褒めた。
「ウフフ!ありがとう、お父様!本当に楽しくて、ためになったんですのよ!リーヴちゃんや、クーランちゃん、シエルお姉さんやエクレお姉さん達とも、仲良くできて、嬉しかったんですの!」
翡翠の猫目が、茶目っけを帯びて、きゅんきゅんに笑む。
「何が鼻が高いだ!2度とテレビになど•••!!」
「コクリコ様のご出産の検証にも、明日から呼ばれていますの!いつ出産になるか、分かりませんでしょ。妊娠、出産の事を学びながら、また検証致しますわ!すっごく、私、楽しいんですの!お仕事、女の子でも、ちゃんとやれるって、出来ましたし、これからも出来ますわ!!」
お祖父様のお話は聞いてない。
だって、予想がついていたからだ。
多分怒ると思ったから、後で言われるより、ここで纏めて、お話し合いを済ませておいた方が今後のためだな。
とカンパニューラ公爵家のニュアージュ、ブリュム、マテリア親子は思って、このテレビ番組視聴会をしている訳なのである。
「どうかな。どうかと思うよね。女の子なのに、あんな作業着でさ。街中で大声を、張り上げてさ!公爵家のお嬢様たる者が。それに、何だい?我が家のお姫様、妹のブリュムが、あんな!あんな肉体労働を!!ニュアージュ、君に妹を任せたのは、間違いだったよね、やっぱり!!」
「あなた。公爵家は、もうあなたの我が家ではなくてよ。」
ポム侯爵家、ブリュムの兄ミールに妻バレッタの冷静なツッコミ。とと、と挫かれるが、ムン!と顔を戻して問い詰めをやめない。
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「前々から、言おうと思っていた事を、今日は言いますね。お兄様、分かりました。私、ニュアージュと離婚を致します。」
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「ですから、お兄様にも、離婚していただいて、公爵家に戻ってきていただきます。お父様も離婚なさってね。私だけ、頼りになる愛する夫と離婚するなんて、割に合いませんわ。別に良いでしょ。お父様は、もう何年もお母様と暮らしてきたのだし、仕事もしていないしね。お兄様は、ご自分が恋愛結婚したいからと、お姫様って私を籠の鳥にしていた癖に、公爵家まで押し付けて、勝手な癖にまだお姫様でいろとかバカな事おっしゃるんですから。」
私、あなた方の言う通りにします。
ですから、あなた方も、公爵家のお姫様たる私に、人生を捧げて下さい。
私はニュアージュ以外の方と、再び縁を結ぶ事は、しませんから。
なっ•••!!
「何を言ってるんだ!!」
「離婚できる訳がないだろう!!!」
「ブリュム、お母様を何だと思って!」
いきりたつ面々に。
ブリュム夫人の、丸いカーブを描いた、おっとりした性格を表す眉が、優しげに、しかし恐ろしく微笑みを形作る。
「ほらね。私の事は好きに制限したいのに、自分は自由に、勝手にしたいのですわ。私が幼い頃、病弱で、ご心配をかけたのは、幾重にも謝ります。けれど、健康になった今になっても、お姫様って言って、愛玩されてもね。」
ハッ、と捨てるように息を吐く。
「生きていく手ごたえや、働く武器を奪っておいて、愛玩はするけれど、自分達の人生をかけて、最後まで責任をもって面倒をみる、なんて気は、サラサラないのよ。あなた方は。」
私、お兄様が恋愛結婚をして家を飛び出た時に思いましたの。
「ああ、人って、勝手にするんだな、って。まあそうですわよね。別々の人生を歩んでるんですもの。やりたい事も出てきますわ。ーーーなのに、何で私に、何もするなと言うの?」
え、あ、う。
言葉もない前公爵夫婦、そして兄である。兄嫁バレッタは、半目で夫を見守る。奴はシスコンを拗らせているのだよなあ。全くどうしようもない。
妻には、仕事、家のこと、パートナーとして甘えてもくるし、女性だからとチヤホヤして何もさせないなんて、事はない。頼ってるのだ。
なのに妹だけ、お姫様って。
ケッ である。
お姫様は何もやっちゃいけないのかよ、である。彼女だって生きてるのに。人生あるのに。パートナーと、夫婦として、協力し合って、兄など入り込めない位に、親密に。
「そうね、離婚しましょう。ポム侯爵家は、後継に養子を貰えば良いわ。大体、ブリュム様に、ご負担をかけて勝手をした私達なのですもの。彼女が嫌といえば、応と言うより他ありませんわ。」
バレッタは、夫にそう言って笑った。サーっと、夫ミールの顔色が悪くなる。
カンパニューラ前公爵夫婦も、目を剥いている。え、え、えええ!?
ニュアージュが気に入らない、叩き上げの、位の低い入婿。
としているけれど、彼は本当に良くやっていると思う。領地も問題なく治めて業績も上げているし、家庭も円満だし、妻のブリュム夫人も頼って頼られ、首輪などさせない、実力のある男の大らかさ、男気がある。父親としても、マテリアを認めて、力を発揮させ、のびのび育てている。可愛らしくも利発な姪っ子が、ポム侯爵家バレッタは大好きだ。子供もまだいないので、その分も愛しく思っている。
だから、マテリアも悲しくさせる、会えば離婚しろ、離婚しろのブリュム夫人の兄で自分の夫のミールに、大概腹が立っているのだ。
むぐ、と皆、黙り込んだ。
自分は離婚したくないのである。
「お父様もお母様も、お兄様も、本当に、勝手ね。お泊まりの準備をさせています。これからあなた方が、嫌というまで、『お姫様なんだから何でも周りにやってもらって、何もしないで優雅に過ごしなさい』が、どんなに窮屈で、檻のように自由がないか、味わっていただきますね。私が良いというまで、何もさせません。」
ブリュムが幼い頃の、弱々しい姿を、未だに払拭できない、その愛情からの口出しは、分からないでもないけれど。
でも、愛情を盾に、結局軟禁と同じくさせていたい歪みに、そろそろ気づいて欲しいのだ。
マテリアとニュアージュは、ブリュム夫人の言う事を受けて、ニコニコただ、黙って見守っている。
この、何かをしようと黙って見守る、というの、本当に力が要るのだ!手を出して、余分ごとをさせないで、囲ってしまった方が、どんなに楽か!!失敗だってするし、落ち込む事もあるし、良い事ばかりではない、何もしなければ嫌な事もない。
でもそれでは、何も育たない。羽ばたかない。花開かない!
結局、何もさせない3日間は、前公爵夫婦とポム侯爵ミールを、いたくげんなりさせ。
何もしないで良い、何も選ばないで良い、全部周りがやってくれて、好きな服さえ着られない。そんな毎日は、要するに監禁で。
前公爵夫人は。
「もうお願い、気が狂いそう•••!好きなお友達とお茶会したり、出かけたり、好きなドレスも選びたいし•••!」
ぼーっ、となった前公爵は。
「何だか•••気力も無くなって•••何もしないでいるとは、拷問、なのだな。」
兄ミールは。
「ごめんなさい、ごめん、離婚したくない、したくないです!バレッタと別れるなんて考えられない!カンパニューラ公爵家を背負って立つなんて、俺にはもう無理です!ニュアージュにお任せします!!!」
目には目を。歯には歯を。
時には思い知ってもらうのも、有効なんである。
ポム侯爵家バレッタは、自分の胸に縋り付く夫に、そうね来年子供も産まれるしお父様がいなくなるのは子供も悲しいかもだから、許してあげても良いわよ、と。
妊娠報告をぶっ込んで、ミールを号泣させた。
「マテリアちゃん。私も妊娠したから、コクリコ様の妊娠出産、とっても興味があるの。検証、頑張ってね!楽しみにして、応援していますから。」
バレッタのにんにんの、夫を縋り付かせての笑顔に。
「はい!バレッタ伯母様!がんばりますので、見ていて下さいね!」
カンパニューラ公爵家のお嬢様、マテリアちゃんは、本当にキュートな笑顔で、猫目を細めて応えたのである。
ブリュム夫人はそれから、カメラと、高価な編集機材を購入してもらい。周りの様々なものを撮影し始めた。
夫ニュアージュの領地視察にも、あのカメラマンスタイルで付いていって、ビシッとお仕事、一角牛の牧場や、領地の畑などを撮影して会議に役立て、映像で問題をじっくり見直し共有する事で、領地の管理の文官達とも、活発な意見交換やアイデアの提起ができ。
いつしかニュアージュに寄り添う男装の麗人カメラマンは、カンパニューラ公爵家の豊かさの象徴となって。
その地の女性達の就労にも、いたく勇気を与えて、今後益々と栄えていくのである。
領地に引っ込んだ前公爵夫婦は、大人しくなり、テレビ番組を手に汗握りつつ、相変わらず見ては緊張弛緩し、時には諦め混じりつつも笑うほどになり。
兄ミールのポム侯爵は、新たな生命を授かり、妻妊娠中の苦労を義理の弟ニュアージュに愚痴るテイで自慢しに来るようになった。
兄ミールよ、全くもって自由で勝手な男である。多分、カンパニューラ公爵家は、この兄ではダメで、やっぱり、柔らかでいながらも、芯のしっかりした、入婿のニュアージュでなければ、ならなかったのだ。
幸せなマテリアは、今日もゆく。
新聞寮に、子供達と仲良く検証しに。
ブリュムはそれを、ニコニコとお見送りする。
そして女性と、男性にも関係する大事業、妊娠出産を学ぶために、今日もまた。
大人も子供も、奮闘の日々がやってくるのだ。
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