419 / 584
本編
芸人魂は堪えきれない
しおりを挟むチーム女子達は、お茶も飲み終え、お口をハンカチで拭いて、手櫛で髪を撫で付け、ぽんぽん、と木箱に座っていたお尻を叩いて浄化をかけ。お互いに、身なりを確認し合って、さっぱりした所で、貼った大きな紙を見ながら、マテリアが。
う、ううん!
咳払い。
さて、始めましょうか。
チラリチラリと通りながら、貼った紙を見ていくお客さんに、ふー、と息吸って、吐いて。
「え~、皆さま、これから、この商店街の、お買い得情報を、お話します。」
ん?とお客さんが目を止めるも、足は止めてくれない。さっきまでいた冒険者達も、良い話を聞いた興奮をもって、止まってはいられない胸の高鳴り、いそいそと仕事やその準備に、ハケてしまっていた。
リーヴも喋る。
「もし参考になったな、と思ったら、少しで良いので、情報料をこの箱に入れてください。えーと、では、では。(どうする?マテリア様?)」
エクレも、クーランも、シエルも。マテリアもリーヴも、お互いチラチラ見合って、えーと、誰が言う?どうするどうする?とヒソヒソし合って。
絵と文を書いたマテリア様が良いでしょう!
と結論が出て、ささ、とマテリアの小さな背中、渋ピンクのツナギを押し出し。
「え~と、トゥジゥール商店のチーズは、若夫婦の真心こもった、初めての商品です。試作品値段で売ってる、お買い得品なんだけど、今回だけなの。若夫婦は、酪農を始めたばかりで、毎日丁寧に搾った一角牛のお乳を•••。」
ふふ。微笑ましいね。
女の子達が、なんかやってる。
あんまり良く聞こえないけど、可愛いね。
がんばれー。
皆、にこにこして見ていくけれど、立ち止まっては、くれないのである。
マテリアも必死に喋るが、聞いて貰えないと、段々と声も落ちてくるもの。それでも、紙の半分まで、頑張って情報を喋った所で。
リーヴが、もう少し大きな声で。
「良かったら聞いてくださ~い!お買い得品の情報で~す!」
と言って、気合い入れて喋ってはみたものの。書いた訳では無く、勉強中の読み書きだから、読んでみても辿々しい。却って、拙い事に。
くすす、ほら、頑張って!
良く聞こえないよー。
茶化していったり、応援していったり、だけれど足は止まらない。皆、遊びに来ている訳ではないので、買い物仕事を済ませなくてはならなくて、せかせか歩き。
余程の事がないと、立ち止まってはくれないのだ。
「あぁあああぁ!!!見ちゃいられない!」
ステューが頭を抱えて、モニターの前で悶える。
「その気持ち、凄くわかるぅ!」
ぬぬぬぬ、とルムトンも腕組み、堪えて、何とか頑張れ、と。
「まず、もっとパンッと大きな声で喋らないとダメなんだよね。街中って、ガヤガヤしてるから、声が響かないの。」
「うんうん。あと、自信なく喋ってても、誰も気に留めてはくれないよね。俯き、遠慮がち、ためらい、ダメダメ!聞いてください!って、どんどん自分から行かなきゃ!!」
それでも、紙が一枚読み終わるまで、ステューとルムトンは、むぐぐぐ、と女の子達の初挑戦を見守って、堪えた。竜樹には、悶えるステューとルムトン達の方が面白かった。的確なツッコミ、為になります。
「•••という訳で、輸入もののマルミットのオレンジが、時どめ倉庫のお掃除のため格安なのでした。味も、もぎたての時と変わらないです。果樹農家の、モンタニュ一家の自慢の品です。ジュースでも、そのまま食べても、ドレッシングとチーズ、ハーブで和えても美味しいです••••••。これで情報はお終いです。ありがとうございました。」
ペコリ。お辞儀するから、終わりだと分かる。
パチ、パチ。
通りすがりでも、拍手はしてくれる。
その、疎な音。却って寂しい。
その時、検証中のマテリアのお母さん、カンパニューラ公爵家ブリュムは、ずっとアップで娘を撮影していた。周りのカメラマンが、引いた絵を撮り、女の子達全員の、どうしよう、という表情、現状を抜かりなく収めてはいたのだけれど。
焦って、でも一生懸命で、つっかえて、言い直して、それでもリーヴと交代しながら、最後まで。ジーッと。
拍手があっても、皆、するりするりと歩いて、ちゃんと見てはくれない。それが、悔しくて、悔しくて、これだけしか出来ない、ちっぽけな自分が悔しくて、マテリアは。
「下手くそ!もういっぺん修行してきな!」
あははは!
ビクリ!
女の子達は、ヤジに肩が震えた。
急にお客さんが、怖くなる。
「悪いよそんな事。」
と言いつつ笑う、初老の、眉の下がった婦人。
「子供だもの、遊んでるのね。情報屋さんごっこかしら。可愛いじゃない。」
お姉さんは、くすりと笑っていて。
ごっこじゃない!お仕事なんだ!って、言いたいのに!
「忙しい、ちょっと、どいてよ。」
「お鍋、スネ肉があれば、それとーー。」
「あのお姉ちゃん、大っきいのに、泣いてるよー!」
「しー!バカ!アンタだって、泣く時あるでしょ!」
ゆら、ゆらら。歪む、開き切った瞳。ゆっくりと湧いてくる、今は必要なんかじゃない、熱い涙。溢してなんて、やるものか。まだ何もやってない。
まだ、頑張れる!
むぐぐぐ。口がわなわな、震える。
きゅむ~~~!目をキツく瞑る。
口もむぎゅぎゅ、食いしばる。
ほろ つつ
「マテリア•••!」
カメラマンは喋っちゃいけないのだ。
でも、ここで、お母さんも検証中しながら、耐えられなくて。映像はマテリアちゃんを大アップで、その表情の、堪えて震えて泣き出す、瞬間を、いや、まだまだ堪えるその気持ちを、捉えてはいたのだけど。
心の芯から漏れ出る呟きまで、撮影してるお母さんさえ気づかぬまま、しゅ、とマイクに入ってしまう。
「あ~ああぁ!もうダメ!耐えられない!!竜樹様!」
ルムトンが、マテリアの涙に反応して、わああぁ!と叫び、竜樹に手を差し出した。くれ、くれ!と振るので、ポン、と竜樹は、苦笑しながらその手に携帯電話を渡してやった。
ぴ、ぽ、ぱぴ。とぅるらるる
はっ、とマテリアは頬を拭う。
泣いてる場合じゃない。
グスッ ポチ
「はい、マテリアです。」
若干鼻声だったのは、致し方あるまい。竜樹様かしら?と女の子達全員が視線を集中する中。
『いい!?良く聞いて!大きな声で、恥ずかしいとか、そういうの今はナシ!死んだ気になって曝け出せ!!!•••さぁ~!寄ってらっしゃい見てらっしゃい!今日はこの、《アンファン!お仕事検証中!》の女の子チームが、商店街のお買い得情報をお知らせしちゃうよ!立ち止まって聞くのはタダ!もし、お得だな!ってお役立ちになったら、なったらでいいの、そこのお姉さん!有り余る貴方の懐から、ほんのお印だけ、チャリンとちょうだいな!お兄さん!チャリンチャリンでも良いからね!ではでは、最初はチーズ!チーズ美味しいよねぇ!この、ハードな、プロフォンドゥチーズ!ナッツの香りのする、豊かな味わいのこちら!何とお試し価格で、重さ200gmから銅貨5枚と、本当今だけお買い得!深い味で、ワインにも合う、いつまでも食べてられそうな、この味を知ってもらいたい!そんな酪農、チーズ造りを始めたばかりの新婚夫婦の思いのこもったものなんだ!どうだい!トゥジゥール商店に行ってみて!』
ポカン、と女の子達はお口が開いちゃった。
え?え?えーと。
あ、ムルトン副隊長、流石に、上手だなぁ。なんて。
「さぁ~!!寄ってらっしゃい見てらっしゃい!」
シエルが突然、パンパンッと手を叩いたかと思うと大声を出して。ルムトンの真似をし出した。
ええ!?とチームはシエルを振り返って、お目々をこれでもかと見開く。シエルは、顔をツンと上げて、身振り手振りも大袈裟に、精一杯に叫んでる。
「ええと、今日はこの、『アンファン!お仕事検証中!』の、可愛い美人揃いな女の子チームが、商店街のお買い得情報を、皆にお知らせしちゃうわよ!立ち止まって聞くのはタダ!勿体無いけど!でもでも、もし、お得だな!ってお役立ちになったら、そこの素敵なお姉さん!有り余る貴方の懐から、ほんのお印だけ、チャリンとちょうだいな!カッコいいそこのお兄さん!チャリンチャリンでも、良いわよ!さ、最初はチーズ!チーズ美味しいわよねぇ!私も大好き!この、ハードな、プロフォンドゥチーズ!ナッツの香りのする、豊かな味わいのこちら!何とお試し価格で•••!」
時々、えーと、えーと、とか挟みながらも、ルムトンのお手本を真似て。
ルムトンもお買い得情報を全て覚えていて、それを咄嗟に芸にまで引き上げて、見本が出来るのは凄いけれど。
元王女のシエルは、大勢の前で、チヤホヤされながらも喋る機会があったからか、物おじせず、そして大きな通る声で、初めて聞く物売りの掛け声を、自分の考えた事も挟みながら、良く真似できるものだ。
お客さんも、ん?と足を止めて、2、3人。まずは、たった、2、3人だけれど、忙しいのに足を止めて、聞いて、くれる?
『秋は美しい季節だよねぇ!葉っぱが赤く染まって、ちらはら、落ちてくる、枯葉に包まれて私、貴方を待つばかり。そんな風情ある景色を、今、絵で残しませんか!美術道具パレットが、趣味も、本気の芸術にも、サポート致します!』
『秋は、芸術の秋って言いますよ!』
脇から竜樹も助っ人だ。
『芸術の秋!』
「芸術の秋って言うんですって!美術館に行った方も、結構いるのでは!あんな絵、描いてみたい!思うのは自由だから!えっと、この際、貴方もなりきり画伯に!水彩絵の具初心者セット、厚紙も画板も、筆も絵の具もついて、この価格!」
シエルだけじゃない、交互に女の子達、精一杯声を張り上げて、真似て商品の情報を説明し出した。
紙を指しながら、女の子のはつらつとした大声は、商店街を響いて、お客さんを振り向かせてゆく。
紙1枚を喋り切って、はあ、はあ。息も荒く、上下する胸、興奮しきった頬。
『さあ!皆お役立ち?!お印できれば、ありがとうございま~す!』
お金を頂戴な!するのを、忘れてはいけない!
「お役立ち!?チャリンとお印、よろしくお願いしま~す!ありがとうございま~す!!」
シエルが、ニコニコっと笑って手を差し出し促す。
チャリン!
チャリ、チャリン!
「チーズ買いに、行ってみるねぇ。」
「何か楽しかったよお。」
「頑張った、頑張った!」
口々に何かを言いながら、お客さん達が、控えめにお金を入れてくれる。聞いていた全員ではないけれど、子供連れのお父さんが、入れてきて?なんて小銭を握らせて、小ちゃな坊やにお金を入れさせたり、お婆ちゃんがニコニコしながら、大根てやつ、初めて聞くわ。買ってみようかねえ、なんてチャリンと。
「「「ありがとうございま~す!!!」」」
声を揃えてお礼を言う、女の子の声は華々しい。喜色満面、パッと花咲く掛け声だ。
「本当だったら、帽子かなんかを差し出して、お金を貰いに、さあ、さあ!ってお客さんの所を巡っても良いんだよねぇ。」
とステューが、やっと落ち着いた、って言うふうに、頬に手を当て息を吐いて解説を入れた。女の子達は新聞紙の箱だから、かなり一杯入ったそれを持って貰いに回るのは、現実的ではないだろう。でも、言わずにおれないステューでもあるのだな。
『じゃあこの調子で頑張ってね!応援してるからね!』
「ありがとう!ルムトン副隊長!!たすかりました!」
べそかき顔、悔し涙はどこに行ったか。お母さんブリュムも、カメラから目と手を離さないけれど、その口がキュと上がって、ヨカッタ、とパクリ。声を出さずに独りごちた。
と、いうお母さんの様子を、ちゃんと撮影しているカメラマンもいるのである。抜かりない。
「ガーティ、あれテレビの撮影じゃね?いちゃもんつけるの、考え直した方が•••。」
「うるせぇ。」
ガーティと呼ばれた青年は、まだ少年の尾っぽを残したような白皙の肌に桃色の頬、けれど筋張り始めた伸びやかな指で、スンッと鼻を擦って不機嫌に。
ベージュみのある、少しぱさついた、あちこちへ跳ねる短髪ブロンドは、ちょっと目尻眉尻跳ね上がったガーティに、似合っている。この街に屯して、時々悪さをしては、みかじめ料を取ったりして嫌がられている、悪い男ってやつ。それがガーティだった。
仲間の、ナチュラルなワイン色、ほとんど焦茶髪の、三白眼の青年ーーガーティより一回り大きいが、どうも内気な様子ーーが、ガーティを何とか宥めようとする。
だって、自分達みたいな、弱い奴らをいびって、隙間からお溢れを頂いて街中で暮らしてる連中には、あんなテレビなんていう公にする者たちは鬼門である。詰め所の兵士達を呼ばれたって逃げるくらいなのに、何で。
「•••あのメスガキどもから金を奪い取ってやりゃあ、さぞかしあの、ギフトの竜樹ってやつ、面白くないだろうよな!!」
そうだ。テレビの撮影、しかも子供って事は、ギフトが関わっていそうである。
ガーティは、へっへ、と嬉しそうな馬鹿にした顔をして、街角、チーム女の子達から少し離れた路地裏で、空の樽なんかを、くりくり片足、足蹴にしながら、タイミングを測る。
「や、やめようぜ!ガーティ!ギフトの竜樹とか、ヤバいじゃん!それにアイツは、俺らに、あだるとびでお、ってやつ関係の仕事もくれたじゃんよぉ。」
「うるせぇ!ポワン、黙ってろ!オメェは俺に従ってりゃいいんだよ!•••そもそもその、仕事くれてやった、俺たち悪いのが、悪くなりすぎないように、なんてお節介野郎、ウゼェっつうの!!俺らは悪で花咲くんだ!偽善者のうざおやじ、ぐうの音も出ないように、ギタギタにしてやりテェじゃんか!俺たちの事が、本当に分かる訳でもねェのによお~!!!」
そう。
ガーティこそが、裏社会のボス、竜樹を面白がって気に入っているミニュイの、忠実な僕、シャトゥが言っていた。
ワルの中の、竜樹に仕事を貰って、慮ってもらった事への、甘えと苛立ちを抱えた、かまってちゃん。なのだった。
「行くぞ!一杯稼いでもらってヨシヨシじゃん、あれ頂こうぜ。」
「ガーティ、ヤバいよ•••。」
絶対護衛とかいるじゃん、とポワンは現実が見えているのに•••悲しきかな上下関係、止める事はできず。
酷薄な顔をして。冒険者組合の壁でニコニコ喜ぶ女の子チームに、スタスタと近づくガーティの後ろから、待ってヨォ、と追い掛ける事しか出来ないのだ。
スタスタ、スタ。スッ。
背中を丸めて、ズボンのポケットに手を入れたガーティは、悪い顔。
女の子達は、ん?と人垣を押し除けてきた、圧のある闖入者に視線を合わせた。
「ヨォ、そこのメスガキ達ィ。このガーティ様に無断で、この街で稼ごうなんて、度胸がありまくりじゃん?」
「ありがとうございます!」
ニパッ!と笑ったマテリアは、世慣れてない純粋な女の子であろう。リーヴとクーランは、スッと顔色を悪くしたが。シエルとエクレは、良く分かっていなかった。誰?
「褒めてんじゃねぇんだよ!!」
「褒めてねぇよ?お嬢ちゃん。」
ポワンは幾分か柔らかく追随する。
撮影隊は、サッと緊張。ザワワ、とお客さんに紛れていた護衛達が近くに包囲網、ガーティを。
「あら、褒めて下さったのではないの?では、どういった事で?あ!貴方も、お買い得情報が知りたいのですか!?待って下さいな、もう一度最初から、お話しますね!」
ニココ!
「ちっ、ちが!!」
ガーティは、生粋のお貴族のお嬢様と話した事なんてないのだ。何で俺のこの、威圧感ある感じに、たじろがない訳!?と戸惑う。
マテリアは全く怖くなかった。お客さんだと思っていた。家にいる、本職の護衛の者たちは、もっと鋭い顔をしているし。街には色々な人がいるなぁ、と感心していた所でもある。
「違うの?あら、貴方、歳をとっている訳でもないのに、背筋が曲がっているのは宜しくないわ。スッと立ったら、貴方って、とてもキュートなお顔をしてらっしゃるじゃない?あ、私が言う事でもないわね、初対面の方に。ごめんなさい!•••もしかして、ご病気だったりするかしら?」
明後日の方向からアプローチしてくるマテリアに。
「!?ちげーよ!!!歳でも病気でもねぇ!!」
ガーティは、たじっとなって、何となくやりづらさを感じた。
うん。マテリアちゃん。可愛いな。
何か面白くなってきた。
くくく、く。
物陰で笑うシャトゥが、ミニュイの命令通り、この経緯を楽しく見守っている。
74
お気に入りに追加
173
あなたにおすすめの小説

【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは

家族で突然異世界転移!?パパは家族を守るのに必死です。
3匹の子猫
ファンタジー
社智也とその家族はある日気がつけば家ごと見知らぬ場所に転移されていた。
そこは俺の持ちうる知識からおそらく異世界だ!確かに若い頃は異世界転移や転生を願ったことはあったけど、それは守るべき家族を持った今ではない!!
こんな世界でまだ幼い子供たちを守りながら生き残るのは酷だろ…だが、俺は家族を必ず守り抜いてみせる!!
感想やご意見楽しみにしております!
尚、作中の登場人物、国名はあくまでもフィクションです。実在する国とは一切関係ありません。

最強陛下の育児論〜5歳児の娘に振り回されているが、でもやっぱり可愛くて許してしまうのはどうしたらいいものか〜
楠ノ木雫
ファンタジー
孤児院で暮らしていた女の子リンティの元へ、とある男達が訪ねてきた。その者達が所持していたものには、この国の紋章が刻まれていた。そう、この国の皇城から来た者達だった。その者達は、この国の皇女を捜しに来ていたようで、リンティを見た瞬間間違いなく彼女が皇女だと言い出した。
言い合いになってしまったが、リンティは皇城に行く事に。だが、この国の皇帝の二つ名が〝冷血の最強皇帝〟。そして、タイミング悪く首を撥ねている瞬間を目の当たりに。
こんな無慈悲の皇帝が自分の父。そんな事実が信じられないリンティ。だけど、あれ? 皇帝が、ぬいぐるみをプレゼントしてくれた?
リンティがこの城に来てから、どんどん皇帝がおかしくなっていく姿を目の当たりにする周りの者達も困惑。一体どうなっているのだろうか?
※他の投稿サイトにも掲載しています。

大聖女の姉と大聖者の兄の元に生まれた良くも悪くも普通の姫君、二人の絞りカスだと影で嘲笑されていたが実は一番神に祝福された存在だと発覚する。
下菊みこと
ファンタジー
絞りカスと言われて傷付き続けた姫君、それでも姉と兄が好きらしい。
ティモールとマルタは父王に詰め寄られる。結界と祝福が弱まっていると。しかしそれは当然だった。本当に神から愛されているのは、大聖女のマルタでも大聖者のティモールでもなく、平凡な妹リリィなのだから。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる