王子様を放送します

竹 美津

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本編

芸人魂は堪えきれない

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チーム女子達は、お茶も飲み終え、お口をハンカチで拭いて、手櫛で髪を撫で付け、ぽんぽん、と木箱に座っていたお尻を叩いて浄化をかけ。お互いに、身なりを確認し合って、さっぱりした所で、貼った大きな紙を見ながら、マテリアが。
う、ううん!
咳払い。

さて、始めましょうか。

チラリチラリと通りながら、貼った紙を見ていくお客さんに、ふー、と息吸って、吐いて。

「え~、皆さま、これから、この商店街の、お買い得情報を、お話します。」
ん?とお客さんが目を止めるも、足は止めてくれない。さっきまでいた冒険者達も、良い話を聞いた興奮をもって、止まってはいられない胸の高鳴り、いそいそと仕事やその準備に、ハケてしまっていた。

リーヴも喋る。
「もし参考になったな、と思ったら、少しで良いので、情報料をこの箱に入れてください。えーと、では、では。(どうする?マテリア様?)」
エクレも、クーランも、シエルも。マテリアもリーヴも、お互いチラチラ見合って、えーと、誰が言う?どうするどうする?とヒソヒソし合って。
絵と文を書いたマテリア様が良いでしょう!
と結論が出て、ささ、とマテリアの小さな背中、渋ピンクのツナギを押し出し。

「え~と、トゥジゥール商店のチーズは、若夫婦の真心こもった、初めての商品です。試作品値段で売ってる、お買い得品なんだけど、今回だけなの。若夫婦は、酪農を始めたばかりで、毎日丁寧に搾った一角牛のお乳を•••。」

ふふ。微笑ましいね。
女の子達が、なんかやってる。
あんまり良く聞こえないけど、可愛いね。
がんばれー。

皆、にこにこして見ていくけれど、立ち止まっては、くれないのである。
マテリアも必死に喋るが、聞いて貰えないと、段々と声も落ちてくるもの。それでも、紙の半分まで、頑張って情報を喋った所で。
リーヴが、もう少し大きな声で。
「良かったら聞いてくださ~い!お買い得品の情報で~す!」
と言って、気合い入れて喋ってはみたものの。書いた訳では無く、勉強中の読み書きだから、読んでみても辿々しい。却って、拙い事に。

くすす、ほら、頑張って!
良く聞こえないよー。

茶化していったり、応援していったり、だけれど足は止まらない。皆、遊びに来ている訳ではないので、買い物仕事を済ませなくてはならなくて、せかせか歩き。
余程の事がないと、立ち止まってはくれないのだ。



「あぁあああぁ!!!見ちゃいられない!」
ステューが頭を抱えて、モニターの前で悶える。
「その気持ち、凄くわかるぅ!」
ぬぬぬぬ、とルムトンも腕組み、堪えて、何とか頑張れ、と。
「まず、もっとパンッと大きな声で喋らないとダメなんだよね。街中って、ガヤガヤしてるから、声が響かないの。」
「うんうん。あと、自信なく喋ってても、誰も気に留めてはくれないよね。俯き、遠慮がち、ためらい、ダメダメ!聞いてください!って、どんどん自分から行かなきゃ!!」

それでも、紙が一枚読み終わるまで、ステューとルムトンは、むぐぐぐ、と女の子達の初挑戦を見守って、堪えた。竜樹には、悶えるステューとルムトン達の方が面白かった。的確なツッコミ、為になります。


「•••という訳で、輸入もののマルミットのオレンジが、時どめ倉庫のお掃除のため格安なのでした。味も、もぎたての時と変わらないです。果樹農家の、モンタニュ一家の自慢の品です。ジュースでも、そのまま食べても、ドレッシングとチーズ、ハーブで和えても美味しいです••••••。これで情報はお終いです。ありがとうございました。」
ペコリ。お辞儀するから、終わりだと分かる。

パチ、パチ。
通りすがりでも、拍手はしてくれる。
その、疎な音。却って寂しい。

その時、検証中のマテリアのお母さん、カンパニューラ公爵家ブリュムは、ずっとアップで娘を撮影していた。周りのカメラマンが、引いた絵を撮り、女の子達全員の、どうしよう、という表情、現状を抜かりなく収めてはいたのだけれど。
焦って、でも一生懸命で、つっかえて、言い直して、それでもリーヴと交代しながら、最後まで。ジーッと。

拍手があっても、皆、するりするりと歩いて、ちゃんと見てはくれない。それが、悔しくて、悔しくて、これだけしか出来ない、ちっぽけな自分が悔しくて、マテリアは。

「下手くそ!もういっぺん修行してきな!」
あははは!

ビクリ!
女の子達は、ヤジに肩が震えた。
急にお客さんが、怖くなる。

「悪いよそんな事。」
と言いつつ笑う、初老の、眉の下がった婦人。
「子供だもの、遊んでるのね。情報屋さんごっこかしら。可愛いじゃない。」
お姉さんは、くすりと笑っていて。
ごっこじゃない!お仕事なんだ!って、言いたいのに!

「忙しい、ちょっと、どいてよ。」
「お鍋、スネ肉があれば、それとーー。」

「あのお姉ちゃん、大っきいのに、泣いてるよー!」
「しー!バカ!アンタだって、泣く時あるでしょ!」

ゆら、ゆらら。歪む、開き切った瞳。ゆっくりと湧いてくる、今は必要なんかじゃない、熱い涙。溢してなんて、やるものか。まだ何もやってない。
まだ、頑張れる!
むぐぐぐ。口がわなわな、震える。

きゅむ~~~!目をキツく瞑る。
口もむぎゅぎゅ、食いしばる。

ほろ つつ

「マテリア•••!」
カメラマンは喋っちゃいけないのだ。
でも、ここで、お母さんも検証中しながら、耐えられなくて。映像はマテリアちゃんを大アップで、その表情の、堪えて震えて泣き出す、瞬間を、いや、まだまだ堪えるその気持ちを、捉えてはいたのだけど。
心の芯から漏れ出る呟きまで、撮影してるお母さんさえ気づかぬまま、しゅ、とマイクに入ってしまう。


「あ~ああぁ!もうダメ!耐えられない!!竜樹様!」
ルムトンが、マテリアの涙に反応して、わああぁ!と叫び、竜樹に手を差し出した。くれ、くれ!と振るので、ポン、と竜樹は、苦笑しながらその手に携帯電話を渡してやった。

ぴ、ぽ、ぱぴ。とぅるらるる

はっ、とマテリアは頬を拭う。
泣いてる場合じゃない。
グスッ ポチ
「はい、マテリアです。」
若干鼻声だったのは、致し方あるまい。竜樹様かしら?と女の子達全員が視線を集中する中。

『いい!?良く聞いて!大きな声で、恥ずかしいとか、そういうの今はナシ!死んだ気になって曝け出せ!!!•••さぁ~!寄ってらっしゃい見てらっしゃい!今日はこの、《アンファン!お仕事検証中!》の女の子チームが、商店街のお買い得情報をお知らせしちゃうよ!立ち止まって聞くのはタダ!もし、お得だな!ってお役立ちになったら、なったらでいいの、そこのお姉さん!有り余る貴方の懐から、ほんのお印だけ、チャリンとちょうだいな!お兄さん!チャリンチャリンでも良いからね!ではでは、最初はチーズ!チーズ美味しいよねぇ!この、ハードな、プロフォンドゥチーズ!ナッツの香りのする、豊かな味わいのこちら!何とお試し価格で、重さ200gmから銅貨5枚と、本当今だけお買い得!深い味で、ワインにも合う、いつまでも食べてられそうな、この味を知ってもらいたい!そんな酪農、チーズ造りを始めたばかりの新婚夫婦の思いのこもったものなんだ!どうだい!トゥジゥール商店に行ってみて!』

ポカン、と女の子達はお口が開いちゃった。
え?え?えーと。
あ、ムルトン副隊長、流石に、上手だなぁ。なんて。

「さぁ~!!寄ってらっしゃい見てらっしゃい!」

シエルが突然、パンパンッと手を叩いたかと思うと大声を出して。ルムトンの真似をし出した。
ええ!?とチームはシエルを振り返って、お目々をこれでもかと見開く。シエルは、顔をツンと上げて、身振り手振りも大袈裟に、精一杯に叫んでる。

「ええと、今日はこの、『アンファン!お仕事検証中!』の、可愛い美人揃いな女の子チームが、商店街のお買い得情報を、皆にお知らせしちゃうわよ!立ち止まって聞くのはタダ!勿体無いけど!でもでも、もし、お得だな!ってお役立ちになったら、そこの素敵なお姉さん!有り余る貴方の懐から、ほんのお印だけ、チャリンとちょうだいな!カッコいいそこのお兄さん!チャリンチャリンでも、良いわよ!さ、最初はチーズ!チーズ美味しいわよねぇ!私も大好き!この、ハードな、プロフォンドゥチーズ!ナッツの香りのする、豊かな味わいのこちら!何とお試し価格で•••!」

時々、えーと、えーと、とか挟みながらも、ルムトンのお手本を真似て。
ルムトンもお買い得情報を全て覚えていて、それを咄嗟に芸にまで引き上げて、見本が出来るのは凄いけれど。
元王女のシエルは、大勢の前で、チヤホヤされながらも喋る機会があったからか、物おじせず、そして大きな通る声で、初めて聞く物売りの掛け声を、自分の考えた事も挟みながら、良く真似できるものだ。

お客さんも、ん?と足を止めて、2、3人。まずは、たった、2、3人だけれど、忙しいのに足を止めて、聞いて、くれる?

『秋は美しい季節だよねぇ!葉っぱが赤く染まって、ちらはら、落ちてくる、枯葉に包まれて私、貴方を待つばかり。そんな風情ある景色を、今、絵で残しませんか!美術道具パレットが、趣味も、本気の芸術にも、サポート致します!』

『秋は、芸術の秋って言いますよ!』

脇から竜樹も助っ人だ。

『芸術の秋!』
「芸術の秋って言うんですって!美術館に行った方も、結構いるのでは!あんな絵、描いてみたい!思うのは自由だから!えっと、この際、貴方もなりきり画伯に!水彩絵の具初心者セット、厚紙も画板も、筆も絵の具もついて、この価格!」

シエルだけじゃない、交互に女の子達、精一杯声を張り上げて、真似て商品の情報を説明し出した。
紙を指しながら、女の子のはつらつとした大声は、商店街を響いて、お客さんを振り向かせてゆく。

紙1枚を喋り切って、はあ、はあ。息も荒く、上下する胸、興奮しきった頬。

『さあ!皆お役立ち?!お印できれば、ありがとうございま~す!』

お金を頂戴な!するのを、忘れてはいけない!
「お役立ち!?チャリンとお印、よろしくお願いしま~す!ありがとうございま~す!!」
シエルが、ニコニコっと笑って手を差し出し促す。

チャリン!
チャリ、チャリン!

「チーズ買いに、行ってみるねぇ。」
「何か楽しかったよお。」
「頑張った、頑張った!」

口々に何かを言いながら、お客さん達が、控えめにお金を入れてくれる。聞いていた全員ではないけれど、子供連れのお父さんが、入れてきて?なんて小銭を握らせて、小ちゃな坊やにお金を入れさせたり、お婆ちゃんがニコニコしながら、大根てやつ、初めて聞くわ。買ってみようかねえ、なんてチャリンと。

「「「ありがとうございま~す!!!」」」

声を揃えてお礼を言う、女の子の声は華々しい。喜色満面、パッと花咲く掛け声だ。

「本当だったら、帽子かなんかを差し出して、お金を貰いに、さあ、さあ!ってお客さんの所を巡っても良いんだよねぇ。」
とステューが、やっと落ち着いた、って言うふうに、頬に手を当て息を吐いて解説を入れた。女の子達は新聞紙の箱だから、かなり一杯入ったそれを持って貰いに回るのは、現実的ではないだろう。でも、言わずにおれないステューでもあるのだな。

『じゃあこの調子で頑張ってね!応援してるからね!』
「ありがとう!ルムトン副隊長!!たすかりました!」

べそかき顔、悔し涙はどこに行ったか。お母さんブリュムも、カメラから目と手を離さないけれど、その口がキュと上がって、ヨカッタ、とパクリ。声を出さずに独りごちた。

と、いうお母さんの様子を、ちゃんと撮影しているカメラマンもいるのである。抜かりない。




「ガーティ、あれテレビの撮影じゃね?いちゃもんつけるの、考え直した方が•••。」
「うるせぇ。」

ガーティと呼ばれた青年は、まだ少年の尾っぽを残したような白皙の肌に桃色の頬、けれど筋張り始めた伸びやかな指で、スンッと鼻を擦って不機嫌に。
ベージュみのある、少しぱさついた、あちこちへ跳ねる短髪ブロンドは、ちょっと目尻眉尻跳ね上がったガーティに、似合っている。この街に屯して、時々悪さをしては、みかじめ料を取ったりして嫌がられている、悪い男ってやつ。それがガーティだった。

仲間の、ナチュラルなワイン色、ほとんど焦茶髪の、三白眼の青年ーーガーティより一回り大きいが、どうも内気な様子ーーが、ガーティを何とか宥めようとする。
だって、自分達みたいな、弱い奴らをいびって、隙間からお溢れを頂いて街中で暮らしてる連中には、あんなテレビなんていう公にする者たちは鬼門である。詰め所の兵士達を呼ばれたって逃げるくらいなのに、何で。

「•••あのメスガキどもから金を奪い取ってやりゃあ、さぞかしあの、ギフトの竜樹ってやつ、面白くないだろうよな!!」
そうだ。テレビの撮影、しかも子供って事は、ギフトが関わっていそうである。
ガーティは、へっへ、と嬉しそうな馬鹿にした顔をして、街角、チーム女の子達から少し離れた路地裏で、空の樽なんかを、くりくり片足、足蹴にしながら、タイミングを測る。
「や、やめようぜ!ガーティ!ギフトの竜樹とか、ヤバいじゃん!それにアイツは、俺らに、あだるとびでお、ってやつ関係の仕事もくれたじゃんよぉ。」
「うるせぇ!ポワン、黙ってろ!オメェは俺に従ってりゃいいんだよ!•••そもそもその、仕事くれてやった、俺たち悪いのが、悪くなりすぎないように、なんてお節介野郎、ウゼェっつうの!!俺らは悪で花咲くんだ!偽善者のうざおやじ、ぐうの音も出ないように、ギタギタにしてやりテェじゃんか!俺たちの事が、本当に分かる訳でもねェのによお~!!!」


そう。
ガーティこそが、裏社会のボス、竜樹を面白がって気に入っているミニュイの、忠実な僕、シャトゥが言っていた。
ワルの中の、竜樹に仕事を貰って、慮ってもらった事への、甘えと苛立ちを抱えた、かまってちゃん。なのだった。

「行くぞ!一杯稼いでもらってヨシヨシじゃん、あれ頂こうぜ。」
「ガーティ、ヤバいよ•••。」
絶対護衛とかいるじゃん、とポワンは現実が見えているのに•••悲しきかな上下関係、止める事はできず。
酷薄な顔をして。冒険者組合の壁でニコニコ喜ぶ女の子チームに、スタスタと近づくガーティの後ろから、待ってヨォ、と追い掛ける事しか出来ないのだ。

スタスタ、スタ。スッ。
背中を丸めて、ズボンのポケットに手を入れたガーティは、悪い顔。
女の子達は、ん?と人垣を押し除けてきた、圧のある闖入者に視線を合わせた。

「ヨォ、そこのメスガキ達ィ。このガーティ様に無断で、この街で稼ごうなんて、度胸がありまくりじゃん?」

「ありがとうございます!」
ニパッ!と笑ったマテリアは、世慣れてない純粋な女の子であろう。リーヴとクーランは、スッと顔色を悪くしたが。シエルとエクレは、良く分かっていなかった。誰?

「褒めてんじゃねぇんだよ!!」
「褒めてねぇよ?お嬢ちゃん。」
ポワンは幾分か柔らかく追随する。
撮影隊は、サッと緊張。ザワワ、とお客さんに紛れていた護衛達が近くに包囲網、ガーティを。

「あら、褒めて下さったのではないの?では、どういった事で?あ!貴方も、お買い得情報が知りたいのですか!?待って下さいな、もう一度最初から、お話しますね!」
ニココ!

「ちっ、ちが!!」
ガーティは、生粋のお貴族のお嬢様と話した事なんてないのだ。何で俺のこの、威圧感ある感じに、たじろがない訳!?と戸惑う。
マテリアは全く怖くなかった。お客さんだと思っていた。家にいる、本職の護衛の者たちは、もっと鋭い顔をしているし。街には色々な人がいるなぁ、と感心していた所でもある。
「違うの?あら、貴方、歳をとっている訳でもないのに、背筋が曲がっているのは宜しくないわ。スッと立ったら、貴方って、とてもキュートなお顔をしてらっしゃるじゃない?あ、私が言う事でもないわね、初対面の方に。ごめんなさい!•••もしかして、ご病気だったりするかしら?」

明後日の方向からアプローチしてくるマテリアに。
「!?ちげーよ!!!歳でも病気でもねぇ!!」
ガーティは、たじっとなって、何となくやりづらさを感じた。

うん。マテリアちゃん。可愛いな。
何か面白くなってきた。

くくく、く。
物陰で笑うシャトゥが、ミニュイの命令通り、この経緯を楽しく見守っている。

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