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本編
検証中の撮影隊、本番前、朝
しおりを挟む『アンファン!お仕事検証中!』撮影隊の、朝の集合場所には、ポールさんの宿屋『萱鼠の希望亭』を使う事にした。
時間貸しがとても有効に使えて、こちらも便利、ポールさんも嬉しい。仕事に使う、大勢が部屋に出入りする、夕方まで使うのを鑑みて、通常の時間貸しより1.5倍の高い料金を払う。払える所が払って支援の意味もある。
子供達をあまり早くから働かせられないので、ほどほどの時間、朝ごはんを食べてから集合、の午前9時。ニコニコの予約で、前に泊まったお部屋のお客様も、その分少し割引されて、撮影隊の後に使う遅くに入るお客様も割引。狙い目だよ、とその日に泊まる客に宣伝も出来る。早起き早出して割引に、後に入るお客様もお得。
荷物は受付で預かって、食事でもしてから、また来てもらえば良いし。
とポールさんは笑った。
これが上手くいけば、今後も撮影の基地に使わせて貰おうと、今回はお試しでやってみようの合意ができている。
子供達の自由な活動を撮りたいので、カメラは軽く、マイクはピンで個々につけ。また、子供達が話しかける相手の音も録音するのに、機動力を活かして、カメラの上にふさふさのついたガンマイク。魔道具で話しかけた相手を自動で認識して、きっちり音を録るという、会話選択的指向性の、優れものを投入した。
撮影隊の為のマイクやカメラの魔道具は、日々チリ魔法院長下の撮影魔道具開発部門で工夫され、使って使って!と喜び勇んで勧められてくる。
竜樹も、魔法が関わる便利道具に、いつも感心して、感謝である。
無口で話さない音声、音に敏感過ぎるほど拘りのあるムジカが、筆談を駆使して、いつも嬉しそうに開発協力している。
ムジカを紹介してくれたバラン王兄も、その様子にホッとして喜んでいる。
何でも、音に敏感なムジカ、日常生活が普通の人と同じでない彼を、音の事ならバラン王兄、何とかして下さいと、困りきった裕福な商人の両親に、何年も前から託されていたのだそうだ。
子供みたいに思っている、とバラン王兄はムジカの頭にポンポン手を乗せながら、ふふふと笑った。
色々な人がいる。
商人にはなれなかったろうが、ムジカは音声さんにはなれる。
そんな、色々な人の、受け入れ先の一つにもなれたら良いな、と竜樹は、テレビ事業をやる意味、理由をまた増やした。
「おはよーございます!」
「「「おはようございます!!」」」
3王子などの子供達を連れて、宿屋入りした竜樹は、ザワザワとカメラの最終チェックやチーム毎最終確認など、準備中の撮影隊に挨拶をする。子供達も多いが、それを撮影してフォローする部隊も大勢なのだ。現在少数しかいない、ほとんどのテレビクルーが集まったと言っていい。
子供達は支度部屋へ。男女に分かれていて、男子達はメイクはしないけれど、衣装を変える必要があるので、アシスタントに連れられて護衛引き連れ用意しに。
お茶でも飲みながらお待ち下さい、とアシスタントに椅子を勧められて。どうぞお構いなく、と自分からサッサと席に座り、邪魔をしないよう大人しくしていると、ドアからほっそりした、ズボン姿の女性が2人入ってきた。
「おはようございます、竜樹様。こちら、私と同じく『お母さんも、検証中!』に出演の。」
エフォールの養母、リオン夫人が、隣の女性をスッと前へ出し。
「おはようございます、あの•••今日はお世話になります。貴族の意見交換会でご挨拶して以来でしょうか。カンパニューラ公爵家、ブリュムと申します。娘のマテリア共々、このようなご衣装まで準備していただき、とても張り切っております。」
ふーす!ふー。
興奮を抑えようと深呼吸したブリュム夫人は、摘むスカートが無いので、一瞬、んん?となったが、すぐに胸に手を当てて、簡易な礼をした。
リオン夫人は背筋をピンとして、細かな茶とアイボリーの魚の骨、ヘリンボーン柄ハンチング帽をぐっと被り、その金髪をキリッと纏めて、有能そう。お揃いのブリュム夫人も、焦茶のハンチングに、やっぱり低い位置で纏めた、金髪に茶のメッシュがキラリとした髪型。その丸いカーブを描いた、おっとりした性格を表す眉を、一段、活動的に変えている。
ノーカラーのシャツ、白いくだけた、ゆるりとしたそれは、女性的な身体の曲線を覆ってはためくよう。ぶかぶかし過ぎないように、まるでメンズという訳でもなくて、少しだけ腰がゆったり絞られている。
袖はロールアップで、肘が隠れる程度に巻き上げて、袖ボタンで止めてあり、これもいかにもカメラマン、仕事人って感じを醸し出している。
ズボンは、脚に大きなフラップポケットのついたカーゴパンツで、オリーブ色が落ち着いて。靴は革で黒、ごつ目。作業しやすいながらも、綺麗目なまとまりをもっている。
「おはようございます!キリッとして素敵な装いのお二人、よくお似合いです!お仕事できそう、とってもいい絵が撮れそうですよ!今日はよろしくお願いします。気負わず、自由に、子供達の表情を追いかけてみて下さいね。」
とっても素敵な2人の装いだが、せっかくなら、男性的な中にも女性的な遊び心があったら良いかな、と竜樹は思った。女性が男性の良くする仕事に就く時、まるで男性らしいふるまいをする人もいるけれど、自然に、その柔らかさも出ても良い。
女性が柔らかい、というのも先入観なのかもしれないのだが、竜樹は男だからか、やっぱり男にはない丸さを、素敵だなと思う訳なのである。
子供達に着せて外に出て来た衣装さんを、おいでおいで、と呼ぶと。
「こないだ渡した、肌にピッと貼り付くピアス持ってる?」
宝石など、高価な石でも、ペンダントが首から落ちない魔法の仕組みを使った、何度もつけ外しできる耳の装飾品を。子供達のたんぽぽタグネックレスを作ったお店で提案したら、試しに作ってくれたので、衣装さんに渡してあったのだ。
寮の女性達は興味がありながらも、仕事柄、子供達に引っ張られそうな装飾品は着けにくいな、との事だったので、放送でと思ったのである。
「ありますよ!いつも使えるようにしてます!」
衣装さんをしている、駆け出しデザイナーもする女性、デコラは、パッと荷物から平べったい箱を出し、サササと竜樹とリオン夫人、ブリュム夫人の元に来て、パカリとそれを開けた。
「まあ!」
「かわいいわ!」
大振りなイヤリングと違って、煌めく小さな石を貼り付けて使うそれは、シンプルなだけの物ばかりでなく。少し揺れるドロップや石の花、金のワイヤーで作られた葉っぱなどを模った、ぶら下がりの装飾が、控えめだが可愛い。
「俺の偏見かもしれないけど、女性にとって、おしゃれは武器でもあるでしょう?ちょこんと付けたら、何だか、キリリとした中にも、優しい気持ちで撮影できるかな、って思いました。あんまり大きくないこれくらいのを着けるのって、衣装さん的にはどう?デコラさん。」
衣装のデコラは、むむん、と2人を遠く近く見て、リオン夫人にはこれかこれ、ブリュム夫人には、これかこれ!と候補を示した。どちらも目立たない、淡い色の石である。
2人は嬉しくピアスを選び、耳元で小さく揺れるドロップとお花を、それぞれ着けてもらい。顔を振って揺らして、デコラが持つ鏡の中で、嬉しそうに頬染める、いつもと違う自分を見た。
「素敵!」
「さりげなくて、良いわ!」
気に入った風の2人と談笑をしていると、子供達も準備が出来て、パラパラこちらに駆け出してくる。
「ししょう~!いしょう、かっこいいのよ!」
「竜樹!どう!仕事できそう?!」
「もう働いてそうでしょ!」
3王子が、ニコニコと衣装の袖を引っ張り、くるくると回ったりして見せてくる。
白いTシャツに、襟のついたポケット沢山のアースカラーのツナギ。腰には黒の太いベルトで、胸には検証隊のマーク、唐草に報告書と虫眼鏡のワッペンが付いている。
靴も、ゴツ過ぎず柔らか過ぎずの、短いブーツで。
「いいねぇ!かっこいいねえ!仕事出来そうだよ~!」
竜樹が褒めると、テェへへ、と照れ笑いして、くっつかって団子になり。
ファング王太子やアルディ王子も、尻尾のちゃんと出る処理をしたツナギに、ご満悦だ。ニコニコ、お互いを見合って、やったね!している。
ジェム達は制服に慣れているが、これ動きやすいね、と足をトントンしたり、ジャンプしたりしている。
そしてロテュス王子達、エルフ組は、作業着の隊服を着ていても何となく流麗である。
「竜樹様、似合いますか?」
ロテュス王子が、照れっとして聞いてくる。
先日の、ラフィネとの、ホテル・レヴェへのお泊りの予約についてだが、その話をジェム達と、そしてラフィネから聞いたロテュス王子は、竜樹への恋心、悲しむかなと思いきや。
「クラージュの生まれ変わり!是非是非、ラフィネ母さんと仲良くしていらして。そして私に、竜樹様のお子を、抱っこさせてくださいね!」
とニコニコした。
ラフィネさんと仲良くしたら、悲しくない?と竜樹が、言う立場でもないのだが、嫉妬とかどうなんだろうと聞いてみるに。
「私まだ、男でいくか、女性になって竜樹様の子供を産むか、決めてないからなぁ。竜樹様のお子様が生まれるのは、自分の子供でも、ラフィネ母さんとの子供でも、すごく嬉しいです。お世話したい。将来、男でお仕事もパートナーみたいに寄り添ってか、夫婦になって血のつながった家族を作りたいか、決めかねてるんです。どっちも楽しそうでしょ!ラフィネ母さんは、私が死んじゃった後で、竜樹様の子供を産んで、仲良く暮らすのよ、子供達の事も頼むわね!って言ってくれてるんですけれど。」
うふ、うふ、と指をこねこねしながら教えてくれた。
う~ん、エルフらしい、大らかな愛情である。
竜樹は何とも言えず、そして拒否する気持ちもなかったし、純粋なロテュス王子が大事な気持ちもあったので、そっか、とだけ言って、くりくりと撫でておいた。
嬉しそうに撫でられていた、ロテュス王子なのである。
「似合うよ、ロテュス殿下!かっこかわいいよ。」
女の子達、一部元王女を含む女性達も、きゃわきゃわやって来た。同じ衣装だけれど、綺麗な淡い、渋めのピンクや水色で、腰の所、焦茶のベルトで、ベルトと同色の作業用の短いエプロンが巻いてある。
ミニスカートみたいで、可愛いのである。
お仕事という事で、皆ちょっと髪を縛って、尻尾みたいになっているのもキュートだった。それぞれピンで止めたり、縛る所にちょっとした布のお花がついたりと、華やかさと個々の差別化も少しだけ、足してある。
「竜樹さま!私ズボンなんてはじめてはいたわ!とっても動きやすいのね!」
新聞印刷工のイルの娘、リーヴが、うふふ!と竜樹に抱きついて、頬を上気させた。
「ええ、ほんと!男の子って、こんなに良いものはいてたのね。スカートも楽で、良いんだけど、これだったらどんなお仕事でも、できそう!」
お年頃のクーランは、短いウェーブした髪が、ゆるりと顔の周り、邪魔にならないよう石のついたピンで、耳上キュートに止めてある。エプロンのポケットに、手を突っ込んで、これも便利~、とハタハタした。
「あ、あの!」
新顔の女の子。
翡翠の猫目が気が強そうだが、クリクリっとして愛嬌もある。金に、茶色の一筋がある髪は、お母さんのブリュムに似ている。
「カンパニューラ公爵家、マテリアと申します。意見交換会では、お話はできませんでしたが、ご挨拶だけはいたしました。あの、あの、私と、お母様を呼んで下さって、ありがとうございます!新しいことを、やってみれるって、私も、お母様も、ずっとのぞんでたことなんです!検証隊として、女性のおしごとをふやすため、必ず結果をだしてみせます!」
フス!と意気込みがすごい。
うっふふ、と思わず竜樹は笑ってしまった。いや悪い。真剣なんだから。でも、ギュッと握った小さな拳が、その決意が、尊くて可愛い。
う、うん、と気を取り直して。
「期待してます!マテリア嬢!呼びにくいから、マテリアちゃん、って言っても良い?」
「はい。何ならマテリアと、お呼びください。」
見上げる目が、言葉を待っている。
ふふ。可愛いだけじゃなく、こちらも真剣にいきましょう。
「ではマテリア。こちらこそ、来てくれて嬉しいですよ。君が参加してくれる事で、貴族の女の子達も、お仕事、検証してみたい!って思うんじゃないかな。期待してるけど、上手くいったり。いかなかったり。その、お試し頑張りを自然に撮影するから、あまり、気負わずに、そうだね、やりたいように一生懸命にやってくれれば、番組は成功しますからね。楽しみにしてます!今日はよろしくお願いしますね。」
マテリアは、竜樹の言葉に、気負った緊張も、ちょっと息が抜けて。
ニコりん!
「はい!」
良いお返事をした。
「はーい!ステューと!」
「ルムトンでっす!」
「「皆さん、おはようございます!今日もよろしくお願いします!!」」
検証隊を見守る隊長と、副隊長として、賑やかす芸人の、ツッコミ小男ステューと、ぽんぽこなお腹も親しみある大男、ボケのルムトン。
無論、ステューがガミガミ隊長、ルムトンがホケホケ副隊長である。検証隊に任務を出し、時に報告を受ける。
ナレーションでも、控えめに声を入れ、誤解されやすそうな、子供ならではの突拍子もない行動をフォローしたり、いいね!と思った所なんかを言葉にして、ユーモアたっぷりに伝えていく。
さあ、役者は揃った!
検証隊は、次のチームで、活動を開始する!
『チーム王子』
オランネージュ王子
ネクター王子
ニリヤ王子
ワイルドウルフのファング王太子
アルディ王子
*王子ならではの、お仕事への取り組みが期待できる!
『チームジェム』
ジェム
アガット
ロシェ
プラン
ネフレ
*モルトゥに世話になっていた子の中から、14歳の男子、ネフレも出演する事に。とっても緊張中である。
ジェム達は今回、街中でのお仕事だから、結構有利かも?
『チーム女子』
元王女エクレ
元王女シエル
リーヴ
クーラン
マテリア
*元王女に公爵家貴族のマテリアは、若干街中は不利だが、平民のリーヴやクーランが引っ張っていけるか?協力して、女性の検証も素敵に見せてくれると期待!
『チーム貴族と荒野へ向かう者達』
エフォール
ピティエ
プレイヤード
アミューズ
*色々と障がいもありながら、お仕事検証を魅力的に見せてくれると期待。運動能力的、活動的には、やや欠けるかもしれないが、それを補う工夫が見もの。
『チームエルフ』
ロテュス王子
エクラ王子
カリス王子
ウィエ王女
*王子か王女かは、性がまだ決まってないため仮の名称だが、そんな性別にフラットな立場で、お仕事を検証してくれるかも?
『チームお母さん』
リオン夫人
ブリュム夫人
*カメラマンとして、見逃せない子供達の表情を、しっかりと捉える事ができるか。子供達を心配なあまり、撮影を忘れてソワソワしちゃわないか。お母さん視点も期待しつつ、お母さんの表情も、プロのカメラマン達が追っていきます!
『今回のお仕事講師』
情報屋 モルトゥ
*街中でどうやって情報を得て、どうお金にしていくのか。気をつけている事、信条なども聞きながら、具体的に教えてもらいます。
子供達がお仕事してる時は、ナレーションでも解説に加わってくれる。
それでは本番!と、参りましょう。
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