王子様を放送します

竹 美津

文字の大きさ
上 下
389 / 577
本編

女の子達のしなやかで強かな夜

しおりを挟む


王都教会孤児院のクーランは、そろそろお年頃の13歳で、もう少ししたら個室で寝るようにしましょうね、と言われている。
もう月のものもあるし、だけれどまだ子供で、花街の蕾として下働きをしていた頃も大部屋だったし、ここに来てからも大部屋で皆で寝ていたから、まだ少し1人寝は寂しいような気持ちがしている。
微妙なお年頃である。

今夜はまだ、皆と大部屋で、布団を思い思いに敷いて、ゴロリとなっていた。
隣の布団には、新聞の印刷工の父親がいる、リーヴ。夜勤で父のイルがいないから、孤児院で皆と寝ているのだ。
色白で8歳、琥珀の目のくりくりした、クーランから見ても、とっても可愛い娘である。

クーランは蒸栗色と呼ばれる、ちょっとだけ黄色味の入った、見ようによっては緑みもあるような、そんな淡いクリーム系の髪をしている。花街の蕾時代は長く伸ばしていた髪だけど、教会孤児院に来てからは、見かけにそれほど気を配らなくても良くなったので、前々から暑苦しいな!と思っていたクーランは、エルフのお助けお姉さんに頼んで、最近バッサリ切ってもらった。
クリンクリン、とゆるふわに跳ねた自然のウェーブが、可愛い、って竜樹父さんは頭を撫でながら言ってくれる。
花街では、短い髪なんて、とんでもない!って事だった。男達に、アピールするので、花達は大切に髪を梳る。
だから、クーランにとって、この肩に付くかつかないかくらいの、揺れるふわふわな髪は、そこから解放された自由の象徴である。

「リーヴちゃん、寝ちゃった?」
ひそ、と、隣のリーヴを呼ぶ。
オレンジ色の魔道具ランプの光が、淡く皆を照らしている。
クーランの黒飴色の瞳が、美味しそうにきらりと光る。
今夜の竜樹父さんのお話に、興奮して眠れない。もう少し、誰かとおしゃべりしたい。
パチン。
枕に投げ出されたリーヴのピンクベージュの髪が、パサ、と顔が動くのに合わせて広がり、微かな音を立てる。
こっそりと。
「ううん。起きてるよ、クーランちゃん。」

乙女達の密かな真夜中のおしゃべりが始まる。

「竜樹父さんの世界では、女の人も沢山働いてる、って言ってたね。」
「ウン。私たちも、これから、た~くさん、働いたり、そのお金で好きなことしたり、したいね!」
ウンウン!
「私、しょうらい、お料理、ちゃんとできるようになりたい。おみせが出したいんだ!」
リーヴが言う。
母が病気で、父のイルと2人で家庭を回す事にになった時。8歳のリーヴは、お手伝いくらいしかした事ない、掃除洗濯炊事に困ったのだが、中でも食べられないのがとても辛かった。
美味しいものをお腹いっぱい食べられる、今のお母さんシェルター(入ってるのはお父さんのイルとだけど)半分教会孤児院暮らしは、大変快適である。
掃除や洗濯、お料理も、段々教えてくれる、っていう事になっているし、教会孤児院では屋台でお店を出して、子供達が働いたりしているので、リーヴもそこで働いたりして、すっかり飲食の仕事に魅了されたのだ。
美味しい、嬉しい、楽しい、お客さんにもありがとう、って言ってもらえる。中には変なお客さんもいるし、楽しい事ばっかりじゃないけど、頑張って呼びこみして、沢山売れたりすると、凄く達成感があるのだ。

「へええ。私はねえ、髪結い、ってやってみたい。櫛一本で食べていく、なんて、ちょっと格好良いじゃない?花街の下働きで、お姉さん達の髪をお手入れして、慣れてるし。」

竜樹が、話をする中で、髪結いって料金高かったから、亭主が働かない、なんて言われてね。アッハッハ!なんて余分な事を言ったのである。
そんなに料金取れるんだあ。働かない亭主はいらないけど、クーランは花街の蕾時代に、好きでもない見知らぬ男の人に散らされるのが怖くて仕方なかった。その為か、将来は好きな人と結婚したいな、という夢も持っていたから、あまり高級取りじゃなくても優しい人と、好き合って結婚したい、生活を営みたいと思っている。

「リーヴちゃん。子供って、産んでみたい?」
クーランは、男の子も女の子も欲しい。
「子供産むって、あんな大きな赤ちゃんが、お腹の中から出てくるのでしょ!私、こわいよ!」
リーヴは出産妊娠について、先程、大きなお腹のコクリコを見たばかりで、ちょっと恐れている。
「私もこわい。出産は命がけだ、って竜樹父さんも言ってたもんね。でも、•••欲しいな。」
多分可愛い。
この教会孤児院の小っちゃな子達も、こんなにかわいいんだもの。
面倒見の良い、子供ながらに子供好きなクーランである。




「俺のいた世界では、国によって女性の在り方は違っていたね。この世界でも、割とそうなのかなあ。後で調べてみるけど、エルフ達とかは、何か、女性も男性も、職業に就くのに、差があまりない印象だね?」
竜樹が、うふ、と嬉しそうに手を繋いで寄りかかってきている、エルフのロテュス王子に、目を落として聞く。
ん?と頬を染めて微笑み、寄り添うロテュス王子は、大好きな竜樹と話が出来るのがとても嬉しいから、いつだってちゃんと考えて応えた。

「はい、そうですね。エルフは小さい頃に性別がないので、大人になってからも、あまり性差を意識して生活してないです。寿命も長いし、子育ても男女問わず大好きですし、さすがに子供を産むのは女性しかできないので、自分で産みたいな、妊娠出産を体験してみたい、と思ったら女性になる、って感じが多いですかね。」
狩も畑も商売も折衝も、ものづくりも調停のお仕事も。魔法使いも治療士も、薬屋さんも、国を統べる王様も女王様までも。
「何でも男女でそれぞれやってみてますよ。お針子さんだって男性もいますしね。確かに、少しは男性の方が力が強かったり筋肉ついたりもするけど、エルフって元々あまり筋肉質な身体にならないので、そういう力仕事は、魔道具か魔法で何とかしてますね。」
「おおお、理想がここにあったよ。」

人は、エルフほど、とはいかないけれど。
「俺のいた国では、昔昔の江戸時代、って頃には、専業主婦って感じはあまりなかったらしい。でもね、途中で、女性が家に入って、家事育児の無収入労働をやるべき、って時代もあった。男に都合の良い時代だね。でも考えてみれば、俺なんか家事好きだから、お家の事を楽しんで工夫してやる機会を、男性達が放棄していた時代、ともいえるかもしれない。男らしくしなきゃ、って、家事しないって事じゃないよね。全員力仕事推奨だと、辛い人もいたろうよねえ。」
「そうね、いるわよね、きっと。」
ラフィネも頷く。

歩行車練習中で、デュランの背中の怪我をみて心配で今夜寮にお泊まりのエフォールが、トランプ遊びしながら、んん?とお話に耳を傾ける。
そうだ、エフォールだって縫いぐるみを編んだりするし、そのお父さんベルジェ伯爵家ジャンドルは、騎士団所属だけれど、副職で高級ぬいぐるみ作家の、エルドラドをやっている。
名前を隠して活動していた位だから、色々何かと、相応しくないだのなんだのくだらない事を言う人も、いたのだろう。

「俺のいた時代では、女性も勿論、色々な職業で働いたり、夢を持って生きていたよ。モデル、歌手、女優、声だけ出演する声優さん、なんかの芸能関係。テレビのアナウンサーもいるね。飲食店の料理長からサーブする給仕さん。髪の毛を綺麗に洗ったりカットしたり、パーマかけたり色染めしてくれたりする、美容師さん。肌のケア、お世話をするエステティシャン。マンガっていう絵物語を描く、漫画家さん。小説家もいるね。バスって乗り物のガイドさん。トラック、っていう大きな荷馬車みたいなのの運転手さん。トラックって荷馬車を、女性らしく飾ってたりもして。病気や怪我の、治療以外のケアをしてくれる看護師さん。お医者さんも女医さんがいるね。文官さんに近い、国家公務員。この国では貴族の当主は男性らしいけど、皆の大切な事を決める議員さん、って人たちも、女性がいる。ただ、数は少ないけどね。事務、って会社、商会だね、それに勤めて補助的な書類や雑務などの仕事をする人もいるし、営業、って商品を取引先に紹介したり取引を広めたりする仕事や、社長、商会長だね、それも女性だっている。開発、研究、職人、芸術家、工場のお針子さん、手芸作家さん。お掃除の仕事、お店の販売員、大工さん。色々あるけど、男性しかなれない職業もあるよ。相撲っていう、競技のプロ力士。それから、火災から皆を守る消防士さん。日本酒を造る、杜氏さんなんかは、男性が多いけど、今は女性の杜氏さんもいる。」

男性が多い仕事もあって、女性はまだまだ、活動を広げていっているよ!って感じだったね。
ヘェ~!と皆、お目々がキラキラしている。

「俺がいた商会では、パートさん、っていう、結婚出産子育てをしている、または子育てし終わったお母さん方が中心の人たちがいた。仕事時間が短くて、自分の都合の良い時間に働ける。その代わりお金が安めで、社員っていう、主に商会に一日中いて働く人より責任が軽いと言われている、うん、言われてるだけですごく沢山人や職によっては責任もって有能で働いてたりしてたけどさ、それが不満だっていう話も、いや話が逸れたな。うん、まあ、だから、そういう人達がいたんだ。」

「ぱーとさん。女性が、色々な場所で、そんな働き方ができたら良いですね!」
ラフィネが両手を組んで、うんうん、と頷く。

「何で短い時間なの?」
「結婚子育てって言ったじゃんね。」
「そう、そう。」
竜樹が腕を組んで、神妙に頷く。

「男性だって、お互いに協力し合って夫婦生活をやってる訳だから、パートさんしても良いはずなのに、何故かパートさんは女性が多かった。子供達の面倒をみたり、妊娠出産で休まなきゃならなかったりと、本当はずっと長く、男の人みたいに主戦力で働いていたい、って人もいるけど、女性には人生で、イベントが男性より強制的にあっちゃう。まあ、結婚するもしないも個人の自由なんだけど、やっぱり子供を産めるのは女性だけだから、頼っちゃう部分はある。長く働いてくれない、とか、商会長にとってはマイナス要素もある。仕事も家庭も、って、完璧を求められて、疲れ切ってしまう事も。それでも俺さ、女性が羨ましいって思う事もある。」

羨ましい?
はてな?と女の子達は首を傾げる。

「男って、働き出すと、働くばっかりで、しなやかに妊娠出産、仕事をその時々の生活に合わせて変える女性達に、敵わないな、素敵だな、って思う事がある。その分、給料が安かったり、女性にしてみたら、まだまだ認められてない!軽んじられてる!って思う事も多いのかも。でも、お給料の事なんかも改善しつつ、それが強みにも、していけないかな?って思う。」

強み。
ラフィネは、思う。
まだまだ、この国は女性が働いていない。でも、竜樹様のお国のように、もっと働いて、自由に暮らせたら、そんなふうに強かにしなやかに暮らせたら、と。

「妊娠、出産は、したいな、と思ったら、年齢的にこの歳からこの歳くらいまで、って期限があるから、えーと具体的には、調べてみるね、適齢期は25歳頃から32歳頃だって、みじか!実際には10代で妊娠したり、40代で出産したりもあるけど、健康に安心して充実した身体で産もう、体力のある内に子育てしよう、ってなるとそうなのかな。ううん、それにしても短い。」

「男性は長く子供をもうけられますものね。ちょっとのんびりできてお得よね。」
ラフィネが羨ましがる。
女性達は焦らされるのだ。
「結婚しなくちゃ、妊娠出産しなくちゃ、って追い詰められるのは、大変だよね。自然に、なりたいように、なれればいいのに。」

そしてまた、妊娠出産には命のリスクがある。
コクリコも、元王女エクレもシエルも、黙って、ずっと聞いていたが、こんな事、今まで考えた事がなかった。大人になったら結婚して妊娠して出産して幸せに暮らすのだろう、と。
それを漠然と夢見ていていいのは、まだ幼い頃だけの事だったのだ。女性は、こういう風にしたいな、と希望があれば、期限までには動かなければならない。でも、それで焦っては、途中の期間だって人生なのに。

「竜樹様。」
ロテュス王子が、ホワホワと。
「テレビで、そんな女性の手助けをする番組って、作れないのですか?」

お仕事色々やってみたい。
出産したい。
子育てしたい。
子育てしながらも、ちょうど良く働きたい。

竜樹の頭の中で、色々なお仕事を紹介する子供番組が流れる。

「女の子達が、色々な職場に行って、体当たりで職場体験する番組。その職業の大切なところ、大変なところ、そして素晴らしいところを紹介しながら、女性でもやってみられるのを証明する。それどころか、女性ならではの視点を、利点を提供する。そんな番組、できるかな?」
「ぼくもやる!たいけんする!!」
「私も!」
「私も知りたい!!」

何だ何だ、と3王子が番組に反応して参加してきた。
「うん、そうだね。女性もだし、男性だって、細やかな女性がするとされてるお仕事や、妊娠出産について、知れると良いよね。そんな子供番組、是非作ろう!」

「協力します!教会孤児院の子供達が、順々に体験したら良いわ!それから、コクリコさん。」
ラフィネが、ニコッとコクリコに向き直る。

「ねえ、コクリコさんの出産を、テレビ番組にしてみない?初めての妊娠、出産。戸惑う事も、助けてもらう事も、沢山ある。そうじゃなくちゃ、産まれてこないのよ、赤ちゃんて。嫌でなければ。これも、初めてのお仕事として。コクリコさん、竜樹様、どうですか。」

竜樹はちょっと驚いたが、出産ドキュメンタリーは、勿論見たことがある。感動するし、ドラマがあるし、妊娠出産についてあやふやな子供達や、軽い気持ちで認識している男性達に、それは、何を齎すだろうか?

「•••コクリコさんが、良ければ。是非。」


コクン、とコクリコは喉を鳴らした。
それは、コクリコの事情をある程度明らかにする、という事でもある。


でも、良いではないか?
隠して、ひやひやバレないか暮らすより、よっぽどカラッとしていないか?
ピティエ達、目の不自由な子達に祝福された赤ちゃんが、産まれる瞬間を。記録に残る、その瞬間を。

「ぼ、ぼくも、みたい。あかちゃんうまれるところ。」

ニリヤ王子。赤ちゃんのお兄ちゃんになってくれる。おしめを替えるんだって、お乳をあげるんだって。
そんな男の子が、増えてくれたら。



「お願いします。妊娠出産の、テレビ番組に、出演させてください。落とし屋に騙された事も明らかにしてしまって良いです。子供は、成長すれば顔が変わりますし、竜樹様の所で皆と一緒に育てば、周りに色々言われる事も少ないと思う。色々な事情のある子もいる。でも、ちゃんと真っ直ぐ育つよう、私、やっていけるって、信じたい。竜樹様、ラフィネさん、お力添え、願います!」

コクリコの決心に、シエルとエクレはド級にびびり、そして。
ラフィネは真剣な目で、強かに微笑み、頷く。

「あ、あー、事情はソフトに説明でも良いんですよ?言いたくない事は言わないで。沢山無理して傷つかなくたって。」
竜樹が気遣いするが。

「隠れて言われるより、公にして、それでも強く育てたいです。私たちは赤ちゃんを愛してるんだって。愛されて産まれてくる赤ちゃんなのだって。お父様やお兄様にも相談しますけど、やっぱり影響あるでしょうから、でも、決めるのは私です。私は貴族籍から抜けても良いです。これから働いて、赤ちゃんと、私と、皆に助けてもらいながら、生きていくのですから!」

「あかちゃん、たいせつにそだてる!!ぼくのあかちゃん、まもってみせるからね!」
ニリヤが、フコッと鼻息荒く宣言するし。
「私の後ろ盾があるって言ってもいいよ!」
オランネージュも手助けの気満々である。
「私も、抱っこしてみたい•••。」
ネクターもおずおず申し出る。

「エルフも協力します。赤ちゃん大好きですから。テレビ番組で、裏では色々な事を言う人がいるんでしょうね、って言っちゃえばいいんです。そういう人から、私たち全員で赤ちゃんを守りたい、ってしちゃう。王妃様にもお言葉頂いても良いかも?それでも表立って言う人は、多分バカです。」
ニコニコ、とロテュス王子が言って、女の子達は、やったね!おー!と雄叫びならぬ、女達の柔らかな快哉をあげた!


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

家族で突然異世界転移!?パパは家族を守るのに必死です。

3匹の子猫
ファンタジー
社智也とその家族はある日気がつけば家ごと見知らぬ場所に転移されていた。 そこは俺の持ちうる知識からおそらく異世界だ!確かに若い頃は異世界転移や転生を願ったことはあったけど、それは守るべき家族を持った今ではない!! こんな世界でまだ幼い子供たちを守りながら生き残るのは酷だろ…だが、俺は家族を必ず守り抜いてみせる!! 感想やご意見楽しみにしております! 尚、作中の登場人物、国名はあくまでもフィクションです。実在する国とは一切関係ありません。

異世界でフローライフを 〜誤って召喚されたんだけど!〜

はくまい
ファンタジー
ひょんなことから異世界へと転生した少女、江西奏は、全く知らない場所で目が覚めた。 目の前には小さなお家と、周囲には森が広がっている。 家の中には一通の手紙。そこにはこの世界を救ってほしいということが書かれていた。 この世界は十人の魔女によって支配されていて、奏は最後に召喚されたのだが、宛先に奏の名前ではなく、別の人の名前が書かれていて……。 「人違いじゃないかー!」 ……奏の叫びももう神には届かない。 家の外、柵の向こう側では聞いたこともないような獣の叫ぶ声も響く世界。 戻る手だてもないまま、奏はこの家の中で使えそうなものを探していく。 植物に愛された奏の異世界新生活が、始まろうとしていた。

異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。

お小遣い月3万
ファンタジー
 異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。  夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。  妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。  勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。  ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。  夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。  夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。  その子を大切に育てる。  女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。  2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。  だけど子どもはどんどんと強くなって行く。    大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

やっと買ったマイホームの半分だけ異世界に転移してしまった

ぽてゆき
ファンタジー
涼坂直樹は可愛い妻と2人の子供のため、頑張って働いた結果ついにマイホームを手に入れた。 しかし、まさかその半分が異世界に転移してしまうとは……。 リビングの窓を開けて外に飛び出せば、そこはもう魔法やダンジョンが存在するファンタジーな異世界。 現代のごくありふれた4人(+猫1匹)家族と、異世界の住人との交流を描いたハートフルアドベンチャー物語!

最強陛下の育児論〜5歳児の娘に振り回されているが、でもやっぱり可愛くて許してしまうのはどうしたらいいものか〜

楠ノ木雫
ファンタジー
 孤児院で暮らしていた女の子リンティの元へ、とある男達が訪ねてきた。その者達が所持していたものには、この国の紋章が刻まれていた。そう、この国の皇城から来た者達だった。その者達は、この国の皇女を捜しに来ていたようで、リンティを見た瞬間間違いなく彼女が皇女だと言い出した。  言い合いになってしまったが、リンティは皇城に行く事に。だが、この国の皇帝の二つ名が〝冷血の最強皇帝〟。そして、タイミング悪く首を撥ねている瞬間を目の当たりに。  こんな無慈悲の皇帝が自分の父。そんな事実が信じられないリンティ。だけど、あれ? 皇帝が、ぬいぐるみをプレゼントしてくれた?  リンティがこの城に来てから、どんどん皇帝がおかしくなっていく姿を目の当たりにする周りの者達も困惑。一体どうなっているのだろうか?  ※他の投稿サイトにも掲載しています。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

処理中です...