373 / 510
本編
竜樹だけみえる
しおりを挟む
せっかくお話内で25日、更新日と一緒の会議開催でしたので、開始時刻の2時に更新できたらと思いましたが、間に合う予定もなく。
本日短いですが、どうぞよろしくです*\(^o^)/*
そしてはっちゃけ竜樹ですみません。
ちゃんとまともな話になる予定ですので、どうかひとつ。
ーーーーー⭐︎
「ミニュイ様がみえました。」
侍従さんのその言葉の一拍後に、スラリと細身の黒髪黒服赤目の護衛君、護られてふわっとした黒い、シルエットの分からないゆったりとしたシャツに上着を着た。
「•••!!!」
柔和でいながら、威厳のある。
ピシリと背筋の伸びた。白髪にラベンダー。
クレプスキュール組合長!?
「竜樹、どうしたんだ?」
ひゅ、と息を呑んだ竜樹に、マルサが気付いて声を掛ける。
「あ、あの!?失礼ながらすみません、認識阻害は!?」
「!?」
タハ、と口を開けた竜樹に、裏社会のボス、ミニュイことキュール組合長は焦った様子を見せないが。内心物凄くびっくりして。
シャトゥの認識阻害が効かない!?今まで一度だってそんな事はなかったのに!?
す、と流し目、後ろに控える護衛のシャトゥを見る。シャトゥは大きな赤目を更に見開いて、目を瞬き、眉を寄せて、認識阻害を更に阻害する魔法など感知していない、と、ミニュイにふるふる、冷や汗、頭を振る。
「竜樹、もしかしてミニュイの顔が見えているのか!?」
「•••と、言う事はマルサは見えていないんだね。ああ、あー。ランセ神に誓います!ミニュイさんと護衛さんの顔の事、知った何もかもを、誰にも言いません!すみません、確かめさせて下さい。認識阻害はかけてらっしゃる?」
護衛のシャトゥが、竜樹の神の誓いに、ふ、と息を吐き、こくり、頷いて。
「勿論かけている。最大の魔力をもって。何があってもこちらが解除するまで誰にも、髪、顔、声も、性別、身体付き、服装さえも曖昧に、そこに居る事だけしか分からなくなるはず。何らかの魔法措置で解除されたとでも?そちらの誓約違反では?」
むむ、と怒りを堪えた顔をするシャトゥに、竜樹はアセアセで。
「いえいえいえ!そんな事しても、こちらに何の利もありませんよ!わざわざ招んだのに!大体神様に俺、罰をくらっちゃうでしょう!今の所、違反した罰、何もないでしょ?俺以外に、ミニュイさん達がはっきり見えてる人いる?!」
そこに揃った参加者全員が、ふるふる、と各々首を振り、見えない、何も、ぼんやりとしていて、男か女さえも、と口々に。次に侍従さん達、テレビクルーにニュース隊を次々見ても、ふるるるる、と顔を振る。
ええ~っ!?
そんな。そしてクレプスキュール組合長。が、ミニュイさん。俺、知っちゃって良かったのかな!?
どうしたら、と一瞬考えて、ミニュイの顔を目を、じ、と助けての顔で思わず見てしまった竜樹である。
「••••••••••••。」
「••••••、••••••。」
黙って、間。
顔を見合わせる2人。
ぷ。 クスッ。
ミニュイは、何となく面白くなってきた。
こりゃあ普通の会議とはいかないぞ!まあ最初からお堅い会議ではなさそうだったけど!
いわば身バレの窮地だが、こんな時に面白くなってくるのは、ミニュイの悪役としての、悪い癖である。神にも再び誓ってくれたし、さて。ギフトの御方様にだけ、どうやら認識阻害が効いていないよう。彼にだけ身元がバレている、しかし相手はそれを誰にも言えない、というのは、これはこれで、こちらに得で、何となく約束違反のようでもあり、罪悪感を与えられているかな?
ぶるるらる。
こんな時に、竜樹のマントのポケットが震える。
「ちょっと失礼、スマホが。」
ランセ
『面白そうな会議、神々も注目中!
竜樹が困ってそうだから、一言お知らせだよ。』
『神器を普段から持ち歩いて、我々神と交信している関係上、竜樹の身には神の場が発生している。
認識阻害なんかの惑わす魔法は、場に弾かれて効かないよ。なかなか強力な認識阻害だから、見えているのは、この世界で竜樹だけだね。』
『竜樹がうっかりと、万が一にも口外しないよう、こちらでミニュイについては自然と鍵、口が閉じるようにしておこう。』
『安心して、裏も表もなく話し合いだね。』
クレル・ディアローグ
『諍いと対話の匂いがする!私の領分だな!竜樹、よくと見ている、任せたぞ。』
神々の庭が竜樹を助けてくれた。
そそそ、とミニュイの側に近づいて、こちらをご覧下さい、と見せる。指でスクロール、と教えつつ、読んで貰えば、ほーぅ、うくく、と珍しがり楽しく読み終え、うむ、と頷いてくれた。シャトゥも腰を曲げて覗き込んで、なるほど、と納得。
ニヤリ、知ったね?と目配せするのに、たらり、と竜樹も苦笑い。
別モニターで放送しても認識が阻害されるか試して、無事ミニュイとシャトゥの正体は隠された。
始まる前から一悶着あったが、これで会議が始められる。仕切り直して。
竜樹が、ふーっ、と息を吐いて。
す、と手を挙げる。
パッ とテレビ画面に会議の様子が映って。
「それでは、やっとになりますが、これから。成人向けのえっちな写真などの本と、同じく映像の、商品を裏と表で一体となって売るぞ!会議を始めます!」
どーん!
はあ!?
内容について話を聞いていなかった参加者達は、目を剥いて口が塞がらなかった。
本日短いですが、どうぞよろしくです*\(^o^)/*
そしてはっちゃけ竜樹ですみません。
ちゃんとまともな話になる予定ですので、どうかひとつ。
ーーーーー⭐︎
「ミニュイ様がみえました。」
侍従さんのその言葉の一拍後に、スラリと細身の黒髪黒服赤目の護衛君、護られてふわっとした黒い、シルエットの分からないゆったりとしたシャツに上着を着た。
「•••!!!」
柔和でいながら、威厳のある。
ピシリと背筋の伸びた。白髪にラベンダー。
クレプスキュール組合長!?
「竜樹、どうしたんだ?」
ひゅ、と息を呑んだ竜樹に、マルサが気付いて声を掛ける。
「あ、あの!?失礼ながらすみません、認識阻害は!?」
「!?」
タハ、と口を開けた竜樹に、裏社会のボス、ミニュイことキュール組合長は焦った様子を見せないが。内心物凄くびっくりして。
シャトゥの認識阻害が効かない!?今まで一度だってそんな事はなかったのに!?
す、と流し目、後ろに控える護衛のシャトゥを見る。シャトゥは大きな赤目を更に見開いて、目を瞬き、眉を寄せて、認識阻害を更に阻害する魔法など感知していない、と、ミニュイにふるふる、冷や汗、頭を振る。
「竜樹、もしかしてミニュイの顔が見えているのか!?」
「•••と、言う事はマルサは見えていないんだね。ああ、あー。ランセ神に誓います!ミニュイさんと護衛さんの顔の事、知った何もかもを、誰にも言いません!すみません、確かめさせて下さい。認識阻害はかけてらっしゃる?」
護衛のシャトゥが、竜樹の神の誓いに、ふ、と息を吐き、こくり、頷いて。
「勿論かけている。最大の魔力をもって。何があってもこちらが解除するまで誰にも、髪、顔、声も、性別、身体付き、服装さえも曖昧に、そこに居る事だけしか分からなくなるはず。何らかの魔法措置で解除されたとでも?そちらの誓約違反では?」
むむ、と怒りを堪えた顔をするシャトゥに、竜樹はアセアセで。
「いえいえいえ!そんな事しても、こちらに何の利もありませんよ!わざわざ招んだのに!大体神様に俺、罰をくらっちゃうでしょう!今の所、違反した罰、何もないでしょ?俺以外に、ミニュイさん達がはっきり見えてる人いる?!」
そこに揃った参加者全員が、ふるふる、と各々首を振り、見えない、何も、ぼんやりとしていて、男か女さえも、と口々に。次に侍従さん達、テレビクルーにニュース隊を次々見ても、ふるるるる、と顔を振る。
ええ~っ!?
そんな。そしてクレプスキュール組合長。が、ミニュイさん。俺、知っちゃって良かったのかな!?
どうしたら、と一瞬考えて、ミニュイの顔を目を、じ、と助けての顔で思わず見てしまった竜樹である。
「••••••••••••。」
「••••••、••••••。」
黙って、間。
顔を見合わせる2人。
ぷ。 クスッ。
ミニュイは、何となく面白くなってきた。
こりゃあ普通の会議とはいかないぞ!まあ最初からお堅い会議ではなさそうだったけど!
いわば身バレの窮地だが、こんな時に面白くなってくるのは、ミニュイの悪役としての、悪い癖である。神にも再び誓ってくれたし、さて。ギフトの御方様にだけ、どうやら認識阻害が効いていないよう。彼にだけ身元がバレている、しかし相手はそれを誰にも言えない、というのは、これはこれで、こちらに得で、何となく約束違反のようでもあり、罪悪感を与えられているかな?
ぶるるらる。
こんな時に、竜樹のマントのポケットが震える。
「ちょっと失礼、スマホが。」
ランセ
『面白そうな会議、神々も注目中!
竜樹が困ってそうだから、一言お知らせだよ。』
『神器を普段から持ち歩いて、我々神と交信している関係上、竜樹の身には神の場が発生している。
認識阻害なんかの惑わす魔法は、場に弾かれて効かないよ。なかなか強力な認識阻害だから、見えているのは、この世界で竜樹だけだね。』
『竜樹がうっかりと、万が一にも口外しないよう、こちらでミニュイについては自然と鍵、口が閉じるようにしておこう。』
『安心して、裏も表もなく話し合いだね。』
クレル・ディアローグ
『諍いと対話の匂いがする!私の領分だな!竜樹、よくと見ている、任せたぞ。』
神々の庭が竜樹を助けてくれた。
そそそ、とミニュイの側に近づいて、こちらをご覧下さい、と見せる。指でスクロール、と教えつつ、読んで貰えば、ほーぅ、うくく、と珍しがり楽しく読み終え、うむ、と頷いてくれた。シャトゥも腰を曲げて覗き込んで、なるほど、と納得。
ニヤリ、知ったね?と目配せするのに、たらり、と竜樹も苦笑い。
別モニターで放送しても認識が阻害されるか試して、無事ミニュイとシャトゥの正体は隠された。
始まる前から一悶着あったが、これで会議が始められる。仕切り直して。
竜樹が、ふーっ、と息を吐いて。
す、と手を挙げる。
パッ とテレビ画面に会議の様子が映って。
「それでは、やっとになりますが、これから。成人向けのえっちな写真などの本と、同じく映像の、商品を裏と表で一体となって売るぞ!会議を始めます!」
どーん!
はあ!?
内容について話を聞いていなかった参加者達は、目を剥いて口が塞がらなかった。
23
お気に入りに追加
151
あなたにおすすめの小説
異世界で双子の勇者の保護者になりました
ななくさ ゆう
ファンタジー
【ちびっ子育成冒険ファンタジー! 未来の勇者兄妹はとってもかわいい!】
就活生の朱鳥翔斗(ショート)は、幼子をかばってトラックにひかれ半死半生の状態になる。
ショートが蘇生する条件は、異世界で未来の勇者を育てあげること。
異世界に転移し、奴隷商人から未来の勇者兄妹を助け出すショート。
だが、未来の勇者アレルとフロルはまだ5歳の幼児だった!!
とってもかわいい双子のちびっ子兄妹を育成しながら、異世界で冒険者として活動を始めるショート。
はたして、彼は無事双子を勇者に育て上げることができるのか!?
ちびっ子育成冒険ファンタジー小説開幕!!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
1話2000~3000文字前後になるように意識して執筆しています(例外あり)
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
カクヨムとノベリズムにも投稿しています
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
大聖女の姉と大聖者の兄の元に生まれた良くも悪くも普通の姫君、二人の絞りカスだと影で嘲笑されていたが実は一番神に祝福された存在だと発覚する。
下菊みこと
ファンタジー
絞りカスと言われて傷付き続けた姫君、それでも姉と兄が好きらしい。
ティモールとマルタは父王に詰め寄られる。結界と祝福が弱まっていると。しかしそれは当然だった。本当に神から愛されているのは、大聖女のマルタでも大聖者のティモールでもなく、平凡な妹リリィなのだから。
小説家になろう様でも投稿しています。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
転生少女の異世界のんびり生活 ~飯屋の娘は、おいしいごはんを食べてほしい~
明里 和樹
ファンタジー
日本人として生きた記憶を持つ、とあるご飯屋さんの娘デリシャ。この中世ヨーロッパ風ファンタジーな異世界で、なんとかおいしいごはんを作ろうとがんばる、そんな彼女のほのぼのとした日常のお話。
世界最強の公爵様は娘が可愛くて仕方ない
猫乃真鶴
ファンタジー
トゥイリアース王国の筆頭公爵家、ヴァーミリオン。その現当主アルベルト・ヴァーミリオンは、王宮のみならず王都ミリールにおいても名の通った人物であった。
まずその美貌。女性のみならず男性であっても、一目見ただけで誰もが目を奪われる。あと、公爵家だけあってお金持ちだ。王家始まって以来の最高の魔法使いなんて呼び名もある。実際、王国中の魔導士を集めても彼に敵う者は存在しなかった。
ただし、彼は持った全ての力を愛娘リリアンの為にしか使わない。
財力も、魔力も、顔の良さも、権力も。
なぜなら彼は、娘命の、究極の娘馬鹿だからだ。
※このお話は、日常系のギャグです。
※小説家になろう様にも掲載しています。
※2024年5月 タイトルとあらすじを変更しました。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる