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本編
16日 映しちゃおう
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「竜樹様、チリ魔法院長!朝から何をやっているんですか。•••すごくステキな映像では、あったけど。」
へへー、と。ボランティアのリーダー、バーニー君にひれ伏す、竜樹とチリである。動画が終わった所で、バーニー君の方から寄ってきてくれたのだ。
「ボランティアに来ました!」
「奪還の手伝いと、転移の魔法陣についてエルフ達と相談しに来ました!」
はいっ!と手を挙げて良い子に応える2人である。
ロテュス王子は、バーニー君について、竜樹様にこんなに強く出られるこの人は、一体誰?と、ハテナになっている。3王子とスーリール達は、キャッキャクスクス笑いだ。
「それで何で、あの映像を見る事になったんだか、全く分かりませんが、まあ、置いといて。お2人は、まだ囚われているエルフの奪還作戦について、エルフ達も交えて、お話し合いしたら良いんじゃないですかね。時間が経てば経つほど、こっちも準備できるけど、向こうにも迎え撃つ準備の時間を与えてしまうでしょ。」
ムムン、とバーニー君は腕組みをして、フーム、と鼻息。
座って落ち着いて話しましょう、と体育館の床に落ち着く。近くにいたエルフの皆も、それを取り囲み、話をじっと聞いている。
「それなんだけど、今もエルフ達は、呪いで半分監視されてる状態じゃない?話し合った事、見られてる訳だよね。」
「呪いでどこまで監視できるのか分かりませんが、そうですね。」
う~ん。
「そしてこちらは、向こうの状況が、分からない、と。」
「ええ。不利な戦いですね。」
む~ん。
「だとしたら、こちらから行って、テレビで、全てを、盟約に係る国もジュヴール国内にも、さっきのスクリーンみたいなのをたくさん出して明らかにして、放送したら、良いんじゃないですか?堂々と行って、映して、それでこちらに危害を加えれるようであれば、あちらの正当性はボロボロでしょ。」
ちんまりと大柄な身体を縮こませ三角座りをして、スーリールが発言した。
んん?と皆の視線が集中する。
「呪いも、エルフ達への酷い扱いも、皆、秘密にされてたのでしょ?全部、みーんな、カメラで映して表に出しちゃえばいいと思います!」
竜樹が眉を顰める。心配、でも?んん?と考えて。
「そうだね、スーリール。」
「勿論、私たちが同行してリポートを届けます!ね、プリュネル!クーリール!」
カメラマンのプリュネルも、アシスタントディレクターのクーリールも、コクリ、コクリと頷く。
「危険だよ!最悪捕まって、エルフ達みたいに呪われちゃう、囚われちゃうかもなんだよ!」
心配気に、オランネージュが叫ぶ。ネクターもニリヤも、そしてエルフ達も。グッと息を飲む。
スーリールは、ニッコリ笑った。
「映像は、情報は、私たちの武器です!そして守りでもあります!必ず戻って来れるよう、カメラから離れません!行ってこい!って言って下さい!私達ニュース隊は、プロです!プロの報道隊です!どこにでも行って、ニュースを届けます!」
胸を張るスーリール達。
オランネージュは、仕事に責任と誇りをもった、輝くその表情に、口をむにゅむにゅとして、閉じた。
父上は、こんな気持ちになりながら、危ない所へ、親しんだ者を出したりしなきゃいけない事も、あるのかな。
竜樹が、オランネージュの背中を、撫で撫でする。
「そして、今、私が発言した案に覗き見して対処するなら、囚われたエルフ達を、酷い状況に置いたままじゃ、外聞が悪いってやつになりますよね?急いで何とか取り繕おうとするかしら?それ、私たちが行くまでに間に合いますかね?」
ニコニコニッコリ。
「ウン。そして、決めた事が見られて分かっちゃうなら、細かく決めなけりゃ良いよね。臨機応変ってやつね。向こうも、来る時間とか曖昧で、お互いに擦り合わせて、とかしなかったもんね。こっちも曖昧で良いよね。そして言いたい放題あれこれ言っておくのも良いかもね。」
竜樹は、ニヘヘと笑う。
ロテュス王子が、そっと囁くように口を開く。
「囚われたエルフ達のいるところは、分かります。神鳥オーブ様が泥団子で神力を通してくれてから、私の共感覚で詳しく分かるようになったんです。1人1人、転移で迎えに行けると思う。」
お父様のいる所も、弟のエクラのいる所も、分かります。
ウン、ウン。
「じゃあ、まずエルフの王様が囚われてる所をドーンと画面に出しつつ助けて、神の目とカメラを囚われたエルフのいる所やジュヴールの王様のいる所に仕掛けて、バーンとジュヴール国内のエルフ達をザックリ助けたら、神様招んで、公開お話し合いしましょうかね。」
「それって作戦なの?」
ネクターが言えば。
コココ、コケコ!
『オーブがついてる!呪いが何だ!戒めなど、効くものか!罠など何ほどのものよ!カカカ!神の鳥の力、なめんなよ!』
「オーブ、頼んだよ!そして、俺も行きます。」
え、と皆が竜樹を見て、お口をあぐ、と開けた。
「俺が行かなきゃ、スマホで神々の庭に合図できないでしょ。それに、俺を取り込もうとしたりすれば、誓約が働くよね?」
何だかジュヴールの、あの元宰相さんも、竜樹を狙っていたらしいし。
タカラが、王様に報告を。
とアタフタし始めたので、他国からの留学生ボランティアにテレビ電話を借りて打ち合わせした。
その間、呪われて覗き見されているエルフ達は、ある事ない事、噂話をわざとして、監視者を混乱させる事にした。
へへー、と。ボランティアのリーダー、バーニー君にひれ伏す、竜樹とチリである。動画が終わった所で、バーニー君の方から寄ってきてくれたのだ。
「ボランティアに来ました!」
「奪還の手伝いと、転移の魔法陣についてエルフ達と相談しに来ました!」
はいっ!と手を挙げて良い子に応える2人である。
ロテュス王子は、バーニー君について、竜樹様にこんなに強く出られるこの人は、一体誰?と、ハテナになっている。3王子とスーリール達は、キャッキャクスクス笑いだ。
「それで何で、あの映像を見る事になったんだか、全く分かりませんが、まあ、置いといて。お2人は、まだ囚われているエルフの奪還作戦について、エルフ達も交えて、お話し合いしたら良いんじゃないですかね。時間が経てば経つほど、こっちも準備できるけど、向こうにも迎え撃つ準備の時間を与えてしまうでしょ。」
ムムン、とバーニー君は腕組みをして、フーム、と鼻息。
座って落ち着いて話しましょう、と体育館の床に落ち着く。近くにいたエルフの皆も、それを取り囲み、話をじっと聞いている。
「それなんだけど、今もエルフ達は、呪いで半分監視されてる状態じゃない?話し合った事、見られてる訳だよね。」
「呪いでどこまで監視できるのか分かりませんが、そうですね。」
う~ん。
「そしてこちらは、向こうの状況が、分からない、と。」
「ええ。不利な戦いですね。」
む~ん。
「だとしたら、こちらから行って、テレビで、全てを、盟約に係る国もジュヴール国内にも、さっきのスクリーンみたいなのをたくさん出して明らかにして、放送したら、良いんじゃないですか?堂々と行って、映して、それでこちらに危害を加えれるようであれば、あちらの正当性はボロボロでしょ。」
ちんまりと大柄な身体を縮こませ三角座りをして、スーリールが発言した。
んん?と皆の視線が集中する。
「呪いも、エルフ達への酷い扱いも、皆、秘密にされてたのでしょ?全部、みーんな、カメラで映して表に出しちゃえばいいと思います!」
竜樹が眉を顰める。心配、でも?んん?と考えて。
「そうだね、スーリール。」
「勿論、私たちが同行してリポートを届けます!ね、プリュネル!クーリール!」
カメラマンのプリュネルも、アシスタントディレクターのクーリールも、コクリ、コクリと頷く。
「危険だよ!最悪捕まって、エルフ達みたいに呪われちゃう、囚われちゃうかもなんだよ!」
心配気に、オランネージュが叫ぶ。ネクターもニリヤも、そしてエルフ達も。グッと息を飲む。
スーリールは、ニッコリ笑った。
「映像は、情報は、私たちの武器です!そして守りでもあります!必ず戻って来れるよう、カメラから離れません!行ってこい!って言って下さい!私達ニュース隊は、プロです!プロの報道隊です!どこにでも行って、ニュースを届けます!」
胸を張るスーリール達。
オランネージュは、仕事に責任と誇りをもった、輝くその表情に、口をむにゅむにゅとして、閉じた。
父上は、こんな気持ちになりながら、危ない所へ、親しんだ者を出したりしなきゃいけない事も、あるのかな。
竜樹が、オランネージュの背中を、撫で撫でする。
「そして、今、私が発言した案に覗き見して対処するなら、囚われたエルフ達を、酷い状況に置いたままじゃ、外聞が悪いってやつになりますよね?急いで何とか取り繕おうとするかしら?それ、私たちが行くまでに間に合いますかね?」
ニコニコニッコリ。
「ウン。そして、決めた事が見られて分かっちゃうなら、細かく決めなけりゃ良いよね。臨機応変ってやつね。向こうも、来る時間とか曖昧で、お互いに擦り合わせて、とかしなかったもんね。こっちも曖昧で良いよね。そして言いたい放題あれこれ言っておくのも良いかもね。」
竜樹は、ニヘヘと笑う。
ロテュス王子が、そっと囁くように口を開く。
「囚われたエルフ達のいるところは、分かります。神鳥オーブ様が泥団子で神力を通してくれてから、私の共感覚で詳しく分かるようになったんです。1人1人、転移で迎えに行けると思う。」
お父様のいる所も、弟のエクラのいる所も、分かります。
ウン、ウン。
「じゃあ、まずエルフの王様が囚われてる所をドーンと画面に出しつつ助けて、神の目とカメラを囚われたエルフのいる所やジュヴールの王様のいる所に仕掛けて、バーンとジュヴール国内のエルフ達をザックリ助けたら、神様招んで、公開お話し合いしましょうかね。」
「それって作戦なの?」
ネクターが言えば。
コココ、コケコ!
『オーブがついてる!呪いが何だ!戒めなど、効くものか!罠など何ほどのものよ!カカカ!神の鳥の力、なめんなよ!』
「オーブ、頼んだよ!そして、俺も行きます。」
え、と皆が竜樹を見て、お口をあぐ、と開けた。
「俺が行かなきゃ、スマホで神々の庭に合図できないでしょ。それに、俺を取り込もうとしたりすれば、誓約が働くよね?」
何だかジュヴールの、あの元宰相さんも、竜樹を狙っていたらしいし。
タカラが、王様に報告を。
とアタフタし始めたので、他国からの留学生ボランティアにテレビ電話を借りて打ち合わせした。
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