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本編
ふわふわオムレツ
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ロシェの手のひらに、オーブの産んだたまごが、5個、こんもりと。
オーブは、ロシェにすりすりして、コッコッ、と鳴いている。
「オーブ。ありがとう。た、たべる。食べるね。俺、たまご食べるよ。」
ロシェにだって分かった。
このまま、たまごを、全部育ててたら、凄くいっぱいめんどりになっちゃうって事が。
何しろ世話をしていて、めんどり達が次々生まれてくるので、ロシェ達もなかなかお世話が大変だったのだ。
専門の養鶏担当のおじいちゃんを雇って、子供達の指導とサポートをさせる位には。
ちなみにそのおじいちゃんは、神のめんどりを育てられるなんて、と感激して、毎日楽しそうに子供達と仕事している。
餌もいっぱいいるし、小屋も掃除したり、糞だって集めて、畑をやってる人にあげる準備をしなきゃだし。お金は儲かるが、儲ける為には経費もかかる。時間を置いて、ロシェや他の子供達も、手放して、食べて、取り入れていく必要を、ゆっくりと感じる事ができたのだ。
「竜樹父さん。この5個のたまご、皆で食べるように、できる?」
ロシェの問いかけに、竜樹は、まかせんしゃい、と胸を叩いた。
「皆で、ちょこっとずつでも食べられるようにね。出来るよ。じゃあ、早速作ってみようか?」
「うん。」
寮の厨房に行く。
ボウルを出して、そこにたまごを。
下から覗いているロシェが、コクン、と喉を鳴らす。
こん、こん。ぱかり。
黄身と白身に分けて。
カカーッ!と塩を混ぜた卵白と卵黄を別々に泡立てる。
「モン・サン・ミシェルの、ふわふわなオムレツ、作るよ。」
モン・サン?
竜樹は泡立てつつ。
「俺の、いた世界の、フランスって、国の、観光名所だよ。」カカカカ!
段々に泡泡になってくるたまごに、子供達は、「ふかふか、なの?」「いっぱいになった!」と目をまん丸くして見入っている。全員が厨房に入りきれないので、入れ替わり立ち代わり。エフォールも来ていたし、アルディ王子もいるから、寮でご飯を食べる面々には全員、丁度、今日、オーブのたまごを食べる事が出来るだろう。
ジュワァァ。
バターが溶けたフライパンに、卵液をふわふわと垂らす。
クンクン、子供達は香ばしい匂いに、鼻をひくりとさせる。
「いいによい、ね。」
「熱いから皆、見てても良いけど、注意だよ。」
「「「はーい!」」」
フカッ
ゆっくり焼いた、2つ折りの黄金色。
ふわふわオムレツが、できました!
わぁぁ!
交流室に、大きな皿にオムレツと、たくさんのスプーンを持って。
折りたたみの机を組み立てて、そこにオムレツを置く。
小さい子順に並ばせるが、ジェムが。
「今日は、とくべつに、ロシェを一番前にしてやろうぜ。オーブが、ロシェにって、たまごくれたんだからさ。」
と言うと、そうだそうだ!となって、皆に背中を押されながら、おずおずロシェが竜樹の前にやってきた。
「じゃあね、オムレツ、一口ずつね。」
スプーンで、一口分、ふんわりと掻き取る。あーん、と。
あんぐり、と開いたロシェの口に、フカッとひと匙。
しゅわ、もむ、もむ。コクン。
ポワワッ。
「どう?ロシェ。」
「しゅわしゅわ、だ。おいしい。•••何か、おなかが、あったかい。」
お腹に手を当てて、ロシェが感想を述べると、竜樹はニッコリして、頭を撫でてやった。
「ロシェにオーブの力が入ったんだな。お腹、丈夫になるといいね。」
「うん。」
それからスプーンを取り換えながら、子供達にオムレツを食べさせてやると、口々においしい!あわわだ!と言い、またそれぞれに、身体の一部分が温かくなった、と報告する。
エフォールとアルディ王子は、喉が、何となく温かくなったそうだ。
それ以降、ロシェの腹痛は、本当に減ったし、エフォールとアルディ王子の喘息も、発作の数が減って、子供達も少しだけ身体の変調が起きにくくなった。それに安心して無理をすると、たちまちお腹が痛くなったりするので、弱い所が警告になる、無理をしない目安になるのは変わらないままに、皆ちょっとだけオーブの力を取り入れられた。
竜樹は、どんな地方の教会預かりの子供達にも、順次オーブのたまごを送って、ふわふわオムレツを一口ずつ食べさせるように、と指示した。
病気と少し遠くなった子供達は、その分辛くない毎日を過ごせたし、病気した時にかかるお金も節約できた。
身体が弱い子供のいる教会には、オーブの孵しためんどりを送って、たまごを良く食べられるようにした。
それから、オーブのめんどりのたまごだけではなくて、竜樹がめんどりを売った養鶏業者は、たまごを教会に寄付する事が増えた。それをしても充分儲かるほど、たまごが沢山取れたのである。
結局、パシフィストの子供達は、美味しい力の出るたまごを食べられて、今までより、ちょっとだけ元気に、過ごすことができるようになる。
外国でも、「かみたまご」は有名になって、どうか売って欲しいと竜樹の所に依頼が来た。
王様とも相談して、パシフィストの国を優先に、無理なくちょっとずつ外国にもめんどりを売る事になった。
神鳥の力のカケラを持つたまごは、こうして、パシフィストと交流のある近隣諸国にも、広がっていったのである。
ココ、コココ?
「オーブ、ありがとね。」
ロシェと子供達は、今日もオーブとめんどりを可愛がる。
今では、ロシェはめんどり係のまとめ役になり、専任のおじいちゃんと毎日オーブ達の世話をしている。ロシェはその分新聞売りの販売の担当を減らした。
「おれ、大人になっても、オーブの世話したい。」
ロシェは竜樹に言うほど、めんどり達の面倒見に入れ込んだ。
「良いよ。ロシェは大きくなっても、オーブとめんどりの世話係になるかな?それにしても、餌の計算や、めんどりの販売計画をしなきゃだから、皆と勉強はしようね。」
「うん!」
ロシェは、益々おじいちゃんに鳥の育て方を教わり、勉強にも本腰を入れた。
オーブの産んだめんどりは、オーブの代わりに新聞売りにも付いて行った。
2箇所の新聞販売所では、めんどり達に見守られて、危ないお客や強盗などには遭わずに済んでいる。
オーブは、コッコッと、毎日、子供達の力になれるのを喜んでいる。
オーブは、ロシェにすりすりして、コッコッ、と鳴いている。
「オーブ。ありがとう。た、たべる。食べるね。俺、たまご食べるよ。」
ロシェにだって分かった。
このまま、たまごを、全部育ててたら、凄くいっぱいめんどりになっちゃうって事が。
何しろ世話をしていて、めんどり達が次々生まれてくるので、ロシェ達もなかなかお世話が大変だったのだ。
専門の養鶏担当のおじいちゃんを雇って、子供達の指導とサポートをさせる位には。
ちなみにそのおじいちゃんは、神のめんどりを育てられるなんて、と感激して、毎日楽しそうに子供達と仕事している。
餌もいっぱいいるし、小屋も掃除したり、糞だって集めて、畑をやってる人にあげる準備をしなきゃだし。お金は儲かるが、儲ける為には経費もかかる。時間を置いて、ロシェや他の子供達も、手放して、食べて、取り入れていく必要を、ゆっくりと感じる事ができたのだ。
「竜樹父さん。この5個のたまご、皆で食べるように、できる?」
ロシェの問いかけに、竜樹は、まかせんしゃい、と胸を叩いた。
「皆で、ちょこっとずつでも食べられるようにね。出来るよ。じゃあ、早速作ってみようか?」
「うん。」
寮の厨房に行く。
ボウルを出して、そこにたまごを。
下から覗いているロシェが、コクン、と喉を鳴らす。
こん、こん。ぱかり。
黄身と白身に分けて。
カカーッ!と塩を混ぜた卵白と卵黄を別々に泡立てる。
「モン・サン・ミシェルの、ふわふわなオムレツ、作るよ。」
モン・サン?
竜樹は泡立てつつ。
「俺の、いた世界の、フランスって、国の、観光名所だよ。」カカカカ!
段々に泡泡になってくるたまごに、子供達は、「ふかふか、なの?」「いっぱいになった!」と目をまん丸くして見入っている。全員が厨房に入りきれないので、入れ替わり立ち代わり。エフォールも来ていたし、アルディ王子もいるから、寮でご飯を食べる面々には全員、丁度、今日、オーブのたまごを食べる事が出来るだろう。
ジュワァァ。
バターが溶けたフライパンに、卵液をふわふわと垂らす。
クンクン、子供達は香ばしい匂いに、鼻をひくりとさせる。
「いいによい、ね。」
「熱いから皆、見てても良いけど、注意だよ。」
「「「はーい!」」」
フカッ
ゆっくり焼いた、2つ折りの黄金色。
ふわふわオムレツが、できました!
わぁぁ!
交流室に、大きな皿にオムレツと、たくさんのスプーンを持って。
折りたたみの机を組み立てて、そこにオムレツを置く。
小さい子順に並ばせるが、ジェムが。
「今日は、とくべつに、ロシェを一番前にしてやろうぜ。オーブが、ロシェにって、たまごくれたんだからさ。」
と言うと、そうだそうだ!となって、皆に背中を押されながら、おずおずロシェが竜樹の前にやってきた。
「じゃあね、オムレツ、一口ずつね。」
スプーンで、一口分、ふんわりと掻き取る。あーん、と。
あんぐり、と開いたロシェの口に、フカッとひと匙。
しゅわ、もむ、もむ。コクン。
ポワワッ。
「どう?ロシェ。」
「しゅわしゅわ、だ。おいしい。•••何か、おなかが、あったかい。」
お腹に手を当てて、ロシェが感想を述べると、竜樹はニッコリして、頭を撫でてやった。
「ロシェにオーブの力が入ったんだな。お腹、丈夫になるといいね。」
「うん。」
それからスプーンを取り換えながら、子供達にオムレツを食べさせてやると、口々においしい!あわわだ!と言い、またそれぞれに、身体の一部分が温かくなった、と報告する。
エフォールとアルディ王子は、喉が、何となく温かくなったそうだ。
それ以降、ロシェの腹痛は、本当に減ったし、エフォールとアルディ王子の喘息も、発作の数が減って、子供達も少しだけ身体の変調が起きにくくなった。それに安心して無理をすると、たちまちお腹が痛くなったりするので、弱い所が警告になる、無理をしない目安になるのは変わらないままに、皆ちょっとだけオーブの力を取り入れられた。
竜樹は、どんな地方の教会預かりの子供達にも、順次オーブのたまごを送って、ふわふわオムレツを一口ずつ食べさせるように、と指示した。
病気と少し遠くなった子供達は、その分辛くない毎日を過ごせたし、病気した時にかかるお金も節約できた。
身体が弱い子供のいる教会には、オーブの孵しためんどりを送って、たまごを良く食べられるようにした。
それから、オーブのめんどりのたまごだけではなくて、竜樹がめんどりを売った養鶏業者は、たまごを教会に寄付する事が増えた。それをしても充分儲かるほど、たまごが沢山取れたのである。
結局、パシフィストの子供達は、美味しい力の出るたまごを食べられて、今までより、ちょっとだけ元気に、過ごすことができるようになる。
外国でも、「かみたまご」は有名になって、どうか売って欲しいと竜樹の所に依頼が来た。
王様とも相談して、パシフィストの国を優先に、無理なくちょっとずつ外国にもめんどりを売る事になった。
神鳥の力のカケラを持つたまごは、こうして、パシフィストと交流のある近隣諸国にも、広がっていったのである。
ココ、コココ?
「オーブ、ありがとね。」
ロシェと子供達は、今日もオーブとめんどりを可愛がる。
今では、ロシェはめんどり係のまとめ役になり、専任のおじいちゃんと毎日オーブ達の世話をしている。ロシェはその分新聞売りの販売の担当を減らした。
「おれ、大人になっても、オーブの世話したい。」
ロシェは竜樹に言うほど、めんどり達の面倒見に入れ込んだ。
「良いよ。ロシェは大きくなっても、オーブとめんどりの世話係になるかな?それにしても、餌の計算や、めんどりの販売計画をしなきゃだから、皆と勉強はしようね。」
「うん!」
ロシェは、益々おじいちゃんに鳥の育て方を教わり、勉強にも本腰を入れた。
オーブの産んだめんどりは、オーブの代わりに新聞売りにも付いて行った。
2箇所の新聞販売所では、めんどり達に見守られて、危ないお客や強盗などには遭わずに済んでいる。
オーブは、コッコッと、毎日、子供達の力になれるのを喜んでいる。
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