王子様を放送します

竹 美津

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本編

事業ってたいへんね

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「ギフトの御方様のお国で、テレビ事業は採算がとれていた訳ですよね?どうやって収入を得ていたのですか?」

「民放各社と公共放送があったんだよね。その2つで違うんだけど、民放では、広告を、宣伝だね、流して、宣伝した所からお金をもらっていたよ。こんなの。」

動画に付随するCMをみせる。
CM自体も時代を現す鏡になっていて、邪魔くさいな~と思いながらも、ちょっと楽しみにしていたり、息抜きにちょうど良かったり。CMの大賞があったり、よその国の面白いCMを集めた映画もあったりした。今は何でもwebで見られるが。

「それは、これだけ美しいものが宣伝というならば、流すだけの価値はありましょうね。」
バーニー君は、感心しきりで画面をうーむと見詰める。美しい女優さんが、エアコンの宣伝にて、素敵な室内で快適に暮らしてるCMである。こんな素敵な生活、してみたい、と思わせる。

「広告にも、音楽が効果的に使われているね!」
ブレないバラン王兄。

「公共は、国民の皆さんから、お金もらってます。受信料って言って、テレビを持ってる家だけですけど。だから、公共では、国民のみんなの声をより大事にしていて、寄せられた意見で、番組内のあれこれを変更したりすることもありますよ。」

「意見が寄せられる?どうやって?直接陳情ですか?」

えーと。スマホがないんだから、メールやSNSなんかは無いとして、この世界は郵便ないっけか。
「郵便とは?」

住所というものが個々の土地に割り振られていて、手紙だったら定額の切手を買って貼って、ポストや郵便局で出せば、個人に届く仕組み。
建物ごとに住所があるし、その中のこの部署この人ってところまで、テレビ局の、色んな部署に、手紙や荷物が届くよ。
宅急便は、荷物に特化した流通かなあ。

「住所!細かくそこまで1人1人把握など、気が遠くなる事業ですよ!」

「今この国では、個人宛の荷物や手紙はどうやって運んで届いているの?」

「流通を担う商人に託すか、冒険者組合づてで、冒険者に届けてもらうか。冒険者頼みでは、個人の依頼になるので、相当のお代はかかるのと、必ず届くとは限りません。遠ければ遠いほど、届かない割合が増えますね。」
領主や貴族などは、飛びトカゲで国内なら1日から2、3日で手紙のやりとりはできます。
そうじゃないと、有事の場合困りますからね。

「飛びトカゲ、もっといっぱい使って、定期的に行き来して、郵便すればいいのに。あと住所割り振るのが大変なら、私書箱っていうのもあるよ。俺のいた世界でも、住所のない国ってあって、郵便局内に作られて割り振られた、私書箱宛でやりとりしてる、ってテレビで見たことある。」

ネットワーク、広がれば、その分世界が広がるし。
遠くに移り住んだ親しい人に、手紙が届いたら、嬉しくない?

「ちょ、ちょ、ちょっと待って下さいよ。お祭りの競演会、テレビ事業、郵便事業、そのどれもが簡単に小さく出来ることじゃありません!国の事業ですよ!」
バーニー君が、髪をぐしゃぐしゃかき混ぜながら、焦っている。

「ニリヤの番組は、小さく王宮から始めようかと思ってたんだけどな。でも、お祭りの歌を練習したり、お祭りができるのか!とかから、広場なんかに大画面置いて、放送しても面白いかも?切手のデザイン、王家の皆さんの図柄にしたりね。」

色々、楽しみだねー。
竜樹に、ニリヤがニッコリ「たのしみ、おうた!」ばんざーいした。

「待って、待って!絶対私たちだけでじゃ無理!然るべき人達に、お話を!」
「そんな時の為に、ギフトの御方お助け部隊がおります。」

むふふ、と、ミランが撮りながら。

「この会話を編集して、竜樹様の初顔合わせで紹介した、各部門の長達に、みせてはどうでしょうか!」

プレゼン、ってやつですね。
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