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諏訪見町にようこそツアー

登場人物紹介

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◎田宮芳人たみやよしと
25歳。身長170センチ。警察官。巡査。
パートナー犬:リツ 後にサクナリ
交番勤務。自宅が近いので通い。喘息の弟、琢人君の事は心配で、母親が仕事はするが私生活が頼りなかった事からも、手塩にかけて育てた自信がある。
警察学校から毎週、土日になると帰ってきていた。琢人君はその頃、土日になると発作を起こしていた。甘えたかったからかもしれない。
文句とか一切言わずに、可愛がって面倒見。
その事で、母親とはなんとなく冷戦気味。でも弟琢人君はあまり気にしていない•••というか、兄の芳人が気にかけてくれるから気にしないで済んでいるのだろう。
父親は物心ついた時には入院したっきりだった。あんまり実感ない内に亡くなられた。
警察犬、リツに惚れられて、普通の巡査だったのが犬担に。実際の本人は、ドジっ子なので、リツにもそんな所が愛されているというかオレが守ると思われているというか。
警察学校の柔道の授業では、ビュンビュンのガンゴンに投げられていた。そのへんは不得意らしい。でも、生い立ちが影響してか、言葉の足りない犬達と会話するのは、同僚の、犬に匂いが嫌われている来本和成巡査よりはずっと良い感じに会話できる。ただ、熱血漢なのが災いして、野良リーダーだった犬ハイクロとリツを決闘させることに。
後にハイクロが、弟琢人君のパートナー犬として家に来るのだが、ハイクロは琢人君を主人と思って慕っていても、兄の芳人の事はあんまり眼中に入ってないので、色々と「おまえらな•••。」という目に遭う。
琢人君が謝る。そんな繰り返し。
ハイクロにくっついてきた、ノラNo.2のサクナリの事は、ちょっと可愛いなあと思っている。
リツには無意識に甘えている。信じている。
後にサクナリも、パートナーとなる。犬2匹に挟まれて睡眠するのは寝苦しい。

◎郷徳さん
40代後半。
サクナリのいた工場で働いていたおじさん。福耳。
大人しい人。心は乙女色。サクナリにいつも可愛い服を買ってくれる。カタログを見て、お金を貯めて、それなりに良いもの。少女趣味なそのセンスは、いやらしくなく、ちょうどよく地味で、木綿の生地が多い。着やすさも考慮している。かつ、清楚なものを好む。
物知りで文学好き。クルヤとは古本屋で良く会うが、お互い誰だかは知らない。「あ、あの人」「あ、あの犬」と思っている同士。
ハゲではなくて剃っている。1人身のまま、このまま楽しく生きていきたい。あまり身体は丈夫ではないので、残していくのが嫌で、犬は大好きだがわざとパートナー犬を迎えないでいる。でも細く長く生きてしまう。
サクナリを可愛がる。サクナリも上手く可愛がられる。洗濯は郷徳さんの家で、勝手にやって帰ることにサクナリは決めていて、こんにちは、って言いながら靴を脱いでいる。郷徳さんはそれを笑顔で横目で見ながら、洗濯すすぎ中に出してあげるお茶菓子の用意をする。
1人と1匹でいる時には、サクナリがずーっと喋っていて、郷徳さんはうんうんと聞くばかりである。それで良い感じに上手くいっている。

◎初音葵(はつねあおい)
78歳 おばあさん。
パートナー犬:クルル
ハイクロの祖母であり八千代の母でありクルルの妻。若い時にとっておいた卵で、体外受精で八千代を産み、育てた。
夫、クルルとはちゃんとラブい仲。犬達の立場上、権利を守る為に大学教授として研究、講演などの活動をしてきたのは、実はクルルと出逢ったからで、研究よりもそちらが先。夫の為に死ぬまで頑張る人。これも一つの女の生き様。
立場的にはクルルの主で、見る人によっては高圧的ととる人もいるが、人が見ていない所ではかなりクルルに甘えている。そのへんは夫婦の秘密。息子、八千代には長い事分からないできた。誤解の元。
気性がかなり激しい。ファイティングスピリッツは八千代に遺伝している。
今は名誉教授となり現職を退いていて、寝たきり生活。クルルに世話をしてもらっている。
性格が強く激しい人であるが、その分乙女で弱い所はギュッと押し込められており、噴出する時はたわいもなく乙女と化してしまう。クルルの発情期、年齢差が激しいので浮気を許していたのだが、自分で許しておきながら、その時期泣いたり泣いたり機嫌が悪かったりしたし、クルルは初音教授を愛しているので悲しませたくなく、何とか2人夫婦でお家でなんとかする工夫などをしてきた。それもまた愛の軌跡で、夫婦の秘密。
体外受精で八千代を作ったとはいえ、寝たきりになる前、ちゃんと交渉はあった。死ぬまで元気なお年寄り。えろい、と文中で言われていたのはそのあたりからで、クルルはクルルなりに、初音教授との生活に満足している。
初音教授は全くもって楽しい生活で、感謝の気持ちとラブをもって、クルルが心地良く暮らせるように考えてきた。
ただ気性が激しいので、いつだって一歩前へ戦ってしまうだけのこと。
でもそんな所もクルルには気に入られている、とは自分では知らない。
総体的に、なんかかわいい人。
ライオンヘアーな癖っ毛で、ハイクロの野生的な癖っ毛はここからきている。

◎藤村さん
パートナー犬:ミルク 後に解消
40代後半。普通のサラリーマン。
ミルクの元の飼い主。最初から夫婦になる気でミルクを育てていたのだが、あまりがっつくのは可哀想なので、そっと穏やかに暮らしてきた。自分の好みを押し付ける事もしなかったし、ミルクの育成時にはとても良好な関係で、ミルクはふくふくしたお嬢様犬に育った。父親としてもミルクに愛情を注いでしまった。ちょっとおじさんになってからミルクをもらったのも敗因だったかも。
とんだ光源氏だが、ミルクは何だかんだあった後、結果的に幸せになり、藤村さんも幸せになる。
繊細に愛情を注ぐ人であり、一旦裏切られた気持ちを持ってしまってからは、ミルクへの態度がどうしても硬質化してしまい、自分でも制御できないので、それなら、いじめてしまうくらいなら、と新しいわんこをもらった。
新しいわんこをちゃんと愛して、その分ミルクを見ないようにする、としていたら「あ、いらないんだ、もう。」とミルクにバッサリ切られた。ミルクの思い切ったらバリッとしている性格では、藤村さんの弱くてよろふらな所は今でも理解できてないので、一緒にならなくて良かったかも。
ミルクの事では今でも胸が痛い。
幸せになったと聞いて、少しホッとしている。
新しいわんこをもらったことは結果的には良くて、そのわんこは楽天的で許容力のあるレトリバーわんこなので、まあまあ、いいじゃないの、まあまあ、と、ミルクの事で痛んでいる藤村さんの事も癒してあげている。
夫婦としては正直合わない藤村さんとミルクだったが、一回こっきり発情期に、八千代とのあれこれの後、合意でミルクと子供づくりをしてみて、その結果、カンロ、ペパロニ、ソルティの三姉妹が生まれている。
三姉妹の成長中も何かとミルクやハイクロ、三姉妹の世話をしてくれる大工の力さんを通じて手を貸してやろうとしたのだが、ミルクはその事を敏感に感じて、三姉妹の縁組しか援助を受けなかった。
ハイクロに関しては複雑な感情がある。今は幸せなので、掘り起こしたくない。レトリバーわんこと、隣町で、ひっそりしている。

◎来本和成(くるもとかずなり)
かわいそうな人。25歳辺り。
警察官としては優秀なのに、なぜか匂いが犬に嫌われてしまう。一瞬パートナー犬だったリツには、うぜえ、とか言われちゃう。声も良くないらしい。
従兄弟で年下の楽太郎と同じ派出所勤務で、育った時はのんびりな楽太郎の事を少し馬鹿にしていたのに、現在わんこまわりすると負ける。楽太郎の天然犬好かれビームに。
フローは鼻が悪いので、あまり邪険にされないから、フローの事は大好き。いつも泣き言を言いに行く。フローはあまり喋らないが、ぺろんと頬を舐めて慰めてくれたりして、それが痺れる程に嬉し気持ち良い。
後にフローの事をパートナー犬にしたく好きになってしまうが、フローは響さんの事が忘れられないので、報われない。
それを経て、あるたんぽぽ犬に慰めてもらい(プラトニック)、その犬に整髪料とシャンプーの組み合わせが良くないと教えてもらう。そのたんぽぽ犬と、良い仲になる、かも?
整髪料の販売元に苦情の手紙をつらつら書いたら、発売元の会社から逆に感謝の試供品が届く。犬が嫌いな人もいるので、犬避け整髪料が売り出される。犬忌避成分が入ってない犬に好かれる整髪料も、もちろん売り出される。

◎来本楽太郎
巡査。23歳辺り。
食べる事が大好きな楽天家。のんびり。いつもポケットに何か食べ物を持っている。
和成と芳人と同僚で、同じ派出所勤務。
後に、わんこの楽太郎、と呼ばれる。ノラを再縁組組織へスカウトするプロになるのだが、天然で犬に好かれるパワーが効いている。この人が面倒みてくれるんだったらいいんじゃな~い、という気にさせる。とっても素敵な、わふ~んといい匂いがするらしい。実際、最後まで面倒をちゃんとみてくれる親切さんで面倒見良し。地味で努力家、本人はなんとな~く天然にそれをこなしている。
パートナーは持たずに、一生をノラの再縁組にかける。能力に嫉妬している和成も、その事を知る訳もないので、キーキーちくちく皮肉を言われてしまう。
でも天然なので、気にしないどころか「和成はすごいなあ。優秀だなあ。」なんて本気で思っているので、当の和成はますますキーキーしたくなる。要するに和成より人間が大きい。腹も。
引退してから人の女性と結婚して子供をつくる。
あまり成績も良くなく、誰にも期待されずに育った彼がそんな風になるとは、己自身でも予測がつかない事であった。

現在時間ハイクロ達とこちゃこちゃの頃は、交代での巡回に、必ず犬を引っ掛けてきては和成に怒られているところ。困って派出所に駆け込んできた犬は、和成が話しかけても楽太郎に返事する。
警察は人にも犬(猫)にも味方です。が建前。実際には、ノラ達は、捕獲業者に捕まるんだったら警察の方がまし、でも基本的にはノラリーダーに頼る、という感じ。
ノラリーダーが間に合わない、派出所や警察が近くにいる時、あまり後ろめたい事がない時、それから気分がのった時、楽太郎がいる時、に相談にやって来る。
犬達は、自分らの自由を束縛する警察をちょっと避けているが、憎む程ではない。
守ってくれるところもあるので。
いやな警察官がいると、その噂はたちまちネットワークで広がる。何故か犬や猫の来ない派出所があるのは、そのせい。

◎工場長
厳しい責任感あふれる頼もしいオヤジ。皆には隠しているが、病気。
60代後半。
サクナリが住み着いていた工場の責任者。色々な境遇のおっさん達をまとめていられる人だけあって、サクナリの事情も気づいていたようだ。何も言わずに時々、サクナリの隣に座って煙草を吸って見せてくれた。そんな風にしてくれたのは、工場長だけ。
サクナリも分かっていて、病気でなければ工場長の家に行ったかもしれない。もう亡くすのが嫌なので、死にゆく匂いのする人の所では、サクナリはじっとしていられない。
今まで1人で暮らしてきたが、心配する息子と2人で住む事になった。
息子は普通のサラリーマン。男臭い親父とは違って、ひょろっとしている。でも、優しい所は似ている。
死に際が見事で、きちんと自分の身辺の整理をつけていく。寝付いてからも、サクナリが毎日顔を出すので、吸えなくなっても煙草に火をつけて、煙を出してくれる。サクナリが来るのが楽しみで、息子に煙草を買いに行かせてストックしておく。
サクナリは工場長が逝く時には、何があっても側にいる。
工場長が死んでからは、時々、その息子に、というか、あげてあるお布団にお線香とかを見に行く。必ず決まって日を置いてくるサクナリに、息子は、「えーっとサクちゃん煙草吸ってみようか?」と、吸えない煙草をその時だけ火を着けて見せてくれる。
サクナリはそれを見ると満足して帰る。
サクナリなりの供養のようである。

◎工場長の息子
30歳くらい。工場長より大きい。
170センチくらい。
親父と違ってやわらかい物腰。煙草が吸えないのに、親父が亡くなってからは、サクナリの為に煙草を吸ってくれるいい人。
匂いはちょっと工場長と似ているが、仕事も違うので、やっぱりちょっとちがうなー、とサクナリは思っている。事務職。
そのうち優しい、いいお嫁さんをもらう。
妻をもらってからも、サクナリが来ると、ちゃんと煙草を吸ってあげる。親父のように自然と人に頼られる威厳はないものの、地味に普通に生きていく、という事ができる、ちゃんとした人。
工場長はその辺りをはがゆく思いながらも、自分のようでない長所を、きちんと幸せになれるな、と安心して逝った。
サクナリとの縁組も、ちょっとだけ工場長は考えたようだが、なんとなく言い出さないまま、息子もサクナリも気付かないまま。

相楽の一家 ホシのいる家
ーーーーーー
◎相楽初秋(はつあき:秋生まれなんですよ)
55歳。身長175センチ。
とっても痩せ型、骨皮筋右衛門
猫背。メガネ。
趣味:水彩絵手紙、読書

押しの弱い中間管理職。髪の毛がグレーになるのは早かった。
その当時少なくなりつつあった、女性の1人である祭子さんに見初められ結婚する事ができたラッキーな人。最初、祭子さんは幾らなんでも18歳はいってると思っていたが、身体は大人中身は打ち上げ花火な14歳でびっくりした。その時には一幸がお腹に。ちょっとぼんやりうっかり風味。美大生だったが、結婚後、大手印刷会社に就職。祭子さんは奇跡のように子供を産み続けて、結局6人兄弟。女の子が生まれるまではと頑張っていた妻だが、ある日ぽっくり逝ってしまって以来、6人の子供に支えられて生きてきた。
主に実際面では長男一幸と三男三州が支えてきた。
現在は課長職。上司の部長は精神論を振り回すので、「そんな事言ってもできないものはできないよなあ。」とか部下の前で呟く。部下に、逆に、「が、頑張りましょう!」と言われてしまう。
(俺らが頑張らないと、課長がまた部長にいじめられちゃうかも!)と思っている部下達に囲まれて、職場の人間関係は上司を除けば割合に幸せ色。部長✖️課長は同じ課の社員によって断固阻止されている。
脳内ロマン色の大人しいおじさん。あまり口には出さない。
駅でゴルフのスイングを傘でしている人を見かけると、つい注意してしまい逆に怒られる。

一幸「父さんはそろそろ部長になってもいいと思う」
次春「無理だろ性格的に」
三州「部長になったら給料あがるべーよ」
六花「でもそれってそうごうてきにみて、しあわせなの?」
一幸、次春、四海、五十鈴(部長の上のどぎつい蝦蟇常務を思い浮かべて)「•••たぶん、そうでもない」



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