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第4話 バッティングセンターには出逢いがある。
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「おはようございますにゃ」
と、校門を過ぎたあたりでばったり会い、朝の挨拶をしてきた彼女の言葉に、俺は全身が硬直した。
「はっ、あたしは何を……ばっばかやろー」
そう言って彼女は挨拶の返事も待たずに走り去っていた。
その様子を会話は聞こえていないが、教室でモモタロウが見ていた。
「なぁ、嫁さん走って逃げてったぞ。」
教室に入って席につくなりモモタロウの第一声がそれだった。
「だから嫁じゃねぇ。って俺もわからん。というか先に入ったはずなのになぜいつも後から教室に入ってくるんだろうな。」
☆☆☆
(その頃の恵)
とある女子トイレ個室の中。
「はぁーやべぇ、やべよ。つい語尾が……○○○の口癖が、移ってしまった。」
何の何が移ったのかはともかく。彼女の普段はこのような口調である。
柊真白の前でだけ清純可憐な乙女少女のようになる。
その日の部活の帰り道、いつもより少し遅くなってしまったが春の大会も週末に差し迫っていたため、バッティングセンターに寄る事にした。
今年は親バカならぬ先輩バカかもしれないが、後輩で数人レベルの高いのがいる。
万年三回戦止まりを打破出来るチャンスかもしれないと思い始めている……と期待はあるのだ。
そのため同級生や先輩達もやる気を見せ始めていた。
だからこそ帰りにこうしてバッティングセンターに寄って帰るか、なんて思ったりもする。
監督である顧問の先生も何を思っているのか、俺をスタメンに選出している。
出る以上は活躍したいというのはスポーツ経験者であれば思う事だ。
何人かの先約達が既にプレイ中。
「あ。140km/hしか開いてないか。」
まぁ高校野球は120~150km/hといろいろいるから良い練習になるだろう。
ここのマシン、ランダムで変化球も投げてくるし。
結果はまずまず。
ヒット性の当たりが半分、空振り2、ホームランのボード近辺2であった。
次は150km/hのマシンが開いていたので挑戦。
結果は……
ヒット性の当たりが1/3もあった。上出来ではないか。
そして次は160km/hのマシンに挑戦。
結果は惨敗。
辛うじて何球か前に飛ばすのが精一杯。
「パワフル高校ではこれが限界か。」
次のマシーンを探していると、120km/hをパコーンパコーンと前に飛ばしている女の子がいた。
なぜ女の子かわかったかと言うと……
うちの学校の女子制服の上とジャージの下を穿いていて、頭の後ろで纏めて結っているとはいえ黒い長い髪だったからだ。
「ん?」
20球全てを打ち終えた彼女が出てくると目が合った。
「種田……?」
「ひぃっ、柊……?」
何か今のは悲鳴だったのか?と誤解を受けそうな詰まり方をしていたが。
学校の女子制服(上)とジャージ(下)を身に纏った種田恵だった。
ジャージで金属バットを持った姿はまさしくヤンキー女がピッタリ似合っていたが、口には出さなかった。
不徳にもカッコ可愛い(カッコいいと可愛いを足した造語)と思ってしまったからだ。
2人は気付いていないが、このバッティングセンターのホームラン名簿には5本の所に2人の名前が偶然隣同士に書かれている。
5本 「柊真白」「種田恵」
なんやかんや運命が交差した瞬間だった。
「種田……?」
俺はもう一度問いかけた。
学校での髪型も良いが、漫画やアニメに出てくる女子野球選手かというような、後ろできゅっと束ねた髪型に何か脳にくるものがあったのか。
別人じゃないよな?という意味も込めて。
「ひぃっ、人違いにゃ……ぁ」
金属バットを持ち上げて人違いにゃと言うその姿はヤンキーそのものだった。
しかし、語尾で全て台無しであった。
と、校門を過ぎたあたりでばったり会い、朝の挨拶をしてきた彼女の言葉に、俺は全身が硬直した。
「はっ、あたしは何を……ばっばかやろー」
そう言って彼女は挨拶の返事も待たずに走り去っていた。
その様子を会話は聞こえていないが、教室でモモタロウが見ていた。
「なぁ、嫁さん走って逃げてったぞ。」
教室に入って席につくなりモモタロウの第一声がそれだった。
「だから嫁じゃねぇ。って俺もわからん。というか先に入ったはずなのになぜいつも後から教室に入ってくるんだろうな。」
☆☆☆
(その頃の恵)
とある女子トイレ個室の中。
「はぁーやべぇ、やべよ。つい語尾が……○○○の口癖が、移ってしまった。」
何の何が移ったのかはともかく。彼女の普段はこのような口調である。
柊真白の前でだけ清純可憐な乙女少女のようになる。
その日の部活の帰り道、いつもより少し遅くなってしまったが春の大会も週末に差し迫っていたため、バッティングセンターに寄る事にした。
今年は親バカならぬ先輩バカかもしれないが、後輩で数人レベルの高いのがいる。
万年三回戦止まりを打破出来るチャンスかもしれないと思い始めている……と期待はあるのだ。
そのため同級生や先輩達もやる気を見せ始めていた。
だからこそ帰りにこうしてバッティングセンターに寄って帰るか、なんて思ったりもする。
監督である顧問の先生も何を思っているのか、俺をスタメンに選出している。
出る以上は活躍したいというのはスポーツ経験者であれば思う事だ。
何人かの先約達が既にプレイ中。
「あ。140km/hしか開いてないか。」
まぁ高校野球は120~150km/hといろいろいるから良い練習になるだろう。
ここのマシン、ランダムで変化球も投げてくるし。
結果はまずまず。
ヒット性の当たりが半分、空振り2、ホームランのボード近辺2であった。
次は150km/hのマシンが開いていたので挑戦。
結果は……
ヒット性の当たりが1/3もあった。上出来ではないか。
そして次は160km/hのマシンに挑戦。
結果は惨敗。
辛うじて何球か前に飛ばすのが精一杯。
「パワフル高校ではこれが限界か。」
次のマシーンを探していると、120km/hをパコーンパコーンと前に飛ばしている女の子がいた。
なぜ女の子かわかったかと言うと……
うちの学校の女子制服の上とジャージの下を穿いていて、頭の後ろで纏めて結っているとはいえ黒い長い髪だったからだ。
「ん?」
20球全てを打ち終えた彼女が出てくると目が合った。
「種田……?」
「ひぃっ、柊……?」
何か今のは悲鳴だったのか?と誤解を受けそうな詰まり方をしていたが。
学校の女子制服(上)とジャージ(下)を身に纏った種田恵だった。
ジャージで金属バットを持った姿はまさしくヤンキー女がピッタリ似合っていたが、口には出さなかった。
不徳にもカッコ可愛い(カッコいいと可愛いを足した造語)と思ってしまったからだ。
2人は気付いていないが、このバッティングセンターのホームラン名簿には5本の所に2人の名前が偶然隣同士に書かれている。
5本 「柊真白」「種田恵」
なんやかんや運命が交差した瞬間だった。
「種田……?」
俺はもう一度問いかけた。
学校での髪型も良いが、漫画やアニメに出てくる女子野球選手かというような、後ろできゅっと束ねた髪型に何か脳にくるものがあったのか。
別人じゃないよな?という意味も込めて。
「ひぃっ、人違いにゃ……ぁ」
金属バットを持ち上げて人違いにゃと言うその姿はヤンキーそのものだった。
しかし、語尾で全て台無しであった。
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