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第1章 MAXコーヒーが繋いだ奇跡
第43話 真人さん・友紀さんを射ち堕とした日
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友紀さんの唇から離れると糸を引いて繋がっていた。
なんかやらしい。
「「あ」」
2人して涙流して、笑って、キス失敗でおでこごつんこして。
Take2でやり直して。
思い出したら超恥ずかしい。
何が上書きだよー
テキストファイルじゃないんだぞー
もー恥ずかしい。
「あ、紅茶新しいの持ってくるね。」
こういう時は誤魔化す。
空のカップとティーポッドを持って流しに行く。
濯いで水をヤカンに入れて火を掛ける。
その間に新しい紅茶の葉を用意する。
マリアージュフレールのウェディングインペリアル。
ゴールデンチップを含む贅沢なアッサムティ。
ショコラとカラメルの甘い香りで癒してくれる。
お湯が沸くのまだかなと待ってると、背中にふと感触が……
そして背中からお腹へと手が前に回されてくる。
友紀さんなんだか…大胆だよね。
「離れたら……嫌。」
あれ?甘えんぼさんに?
それに背中に息吹きかかってます。
「あの……当たってます。」
何が……とは言えない。
「……当ててるんですよ。なんて言うと思いますか。当てる程ありませんよ。私の胸は甘食ですよ。ほんのちょっと申し訳程度の膨らみですよ。」
そこまでバラして良いの?確かにむにゅっとした感覚はないけども。
「あの、俺好きですよ、貧乳……」
何言ってるの?俺達語彙力もコミュ力もなさすぎでしょ、バカなの?こういう展開苦手にも程がある。
「な、何を言ってるんですか、何を言わせてるんですか。」
身体と顔を背中にくっつけたまま……
きっと真っ赤なのだろう、離そうとしない。
「だって、友紀さんが甘えるから、どう返して良いかわからなくて。」
それからしばらくして
「私もですよぅ。でも一人で待ってるのは寂しいのですよ。」
あ、それは俺が悪…いか?
ヤカンからピィーっと音が発する。
もう既にお湯は沸いていた。
「あ、沸いたよ。」
一気に現実に引き戻された。
本音はもう少しあの感触を味わっていたい…と思ってました。
☆☆☆☆☆
「真人さんはマリアージュフレール派なのですね。」
特に拘りはない。ただ、目移りしてあれもこれもとなって、飲みきる前に茶葉だけが増えていくだけである。
「今日の2種類はこの日のために、友紀さんとのひと時のために用意したんですよ。」
甘くて優しい感じのする紅茶を。
「普段はルピシアが多いよ。目移りしちゃって茶葉ばかり増えちゃってるけど。」
ルピシアにもウェディングあるしね。
「む、勿体ないので私が定期的に飲みにきます。」
それは通い妻宣言だろうか。
一応恋人になったんだよな?
それならある程度は遠慮しなくても良いと思う。
五木さんに渡していた予備の鍵は友紀さんへと渡っている。
「うん。色々あるし一緒に飲もう。」
一人だと溜まる一方で全然減らない。
ウェディングインペリアルもなくなり、色々話したせいか、眠くなってくる。
ソファで隣に座る友紀さんが船を漕いでいた。
たまに俺の肩に顔がもたれ掛かる。
「友紀さん、寝そうだよ。」
「あ、うん。あの……今日も泊まって良い?」
そういえばカバン持ってきてたもんね、見逃してませんよ。
「だめって言うと思う?」
悪戯心が働いてしまう。
「むぅ、それはずるい。」
友紀さんの方が上手だった。だってその仕草可愛いんだもんよ。
「変な意味はないけど、多分こうなる事を想定してたんで、風呂は沸かしてあるから入っておいで。」
「うん。先にいただくね。」
ちょっとだけ敬語が抜ける時がある。
いつか完全に抜けてくれるといいな。
「あ、の、覗いちゃダメですよ。」
人指し指を唇に当てて風呂場に消えた友紀さん。その仕草がめっちゃ可愛い。
それはどっちですか?
覗いて良いんですかダメなんですか。
あ、またここで脳内選択肢が。
1、堂々と覗く
2、こっそり覗く
3、実はカメラが仕掛けてありあとで覗く
4、一緒にはいr(誤字ではありません)
うおっほい。
ダメだ、脳内に悪魔しかいない。天使のツラした悪魔はいたけど。
☆☆☆☆☆ 一方その頃友紀は ☆☆☆☆☆
「う~ん。やっぱり覗きにはこないよなぁ。」
魅力が足りないと思われてるのか。
好きと覗きは別問題だろうし。
ってそもそも昔の話をした後じゃ当たり前か……
「いつか一緒に入りたいなぁ。それで洗いっことかして……ぶくぶくぶく。」
呟きながら恥ずかしかったのか湯船に沈んでいった。
左手首をじっと見る。
重なったりして判断し辛いが10本程度の切り傷の跡がある。
「命……絶たなくて良かった。」
左手の下に添えた右手に力が込められた。
目を瞑り過去を振り返ると涙が零れて頬を伝い、やがて其れは湯船のお湯と一体化する。
苦しみや悲しみや痛みが霧散するかのように。
「蒼く揺らめいて燃える 最期の焔は 」
「あなたの腕で消える……【私は愛した】」
「苦痛に身を委ねる 輪廻を信じて 」
「微笑んだままで逝く……【私は生きてた】」
「La La La La La La La La La La……【私は愛した】 」
「La La La La La La La La La La……【私は生きてた】 」
気付くと輪廻の砂時計を口ずさんでいた。
逆再生は……しない。
☆☆☆☆☆
「あのー本当に一緒の布団で良いの?」
押入れからバレンタインの時に使った布団を出そうとしてから友紀さんから提案があった。
「一緒が良いのです。」
どうやら友紀さんは同じ布団……ベッドで寝たいらしい。
それは変な意味でもヤラシイ意味でもなく、単に一緒の布団で寝たいと。
友紀さんの昔話を聞いて、おいそれと手を出せるはずもない。
生殺しもきついよ。
いや、そうでなくともシングルベッドに2人で寝たら狭いよ。
身体ぶつかるよ。重なるよ。
何となく起きたら俺はベッドから落ちてるか、こないだみたいにくんずほぐれつ……
「不可抗力で怒ったり嫌ったりはしませんよ。」
妙に積極的で、むしろ誘ってやしませんかと勘違いしてしまいそう。
「眠れる自信がないのですが。」
「奇遇ですね、私もです。」
じゃぁなぜ同じ布団で寝ようと?
「夢だったんです。………な人と同じ布団で寝るのが。」
「え?」
聞き取れなかった。
「なんでもないですぅ。」
と言いながらささっと布団の中に入り顔まで隠す。
しばらして目だけ出して右手をぽんぽんと布団を叩いて促す。
「寝ないんですか?」
覚悟を決めて布団に入った。
案の定狭い。シングルベッドに大人二人は……
ほとんど身動きは取れない。
これは起きたらベッドから落ちてるってありえそうだ。
まぁ落ちたら起きるだろうけど。
あーもー緊張して眠れない。
ひつじがいっぴき……ひつじがにひき…執事が……ハヤテ?綾〇ハーマイオニー??
って余計眠れない。
眠いのに緊張と悶々で……
「………っ」
あれ、寝息が聞こえる。
寝てるじゃん。確かに元々今にも寝そうだから、風呂入って布団で寝てもらおうとしてたんだけど。
あまり意識しすぎるのも良くないか。
俺達はこれから始まるんだし。
ハジマリのクロニクルか。
今日から始まる俺達の愛の年代記
お揃いの鮮やかなスカーレットのパジャマを着た二人は眠りについた。
――――――――――――――――――――――――
きっと朝起きたらバレンタインと同じことになってると思います。
でも1章はここで終わりです。
2章は付き合い始めてからの2人と周囲の援護射撃により結婚に至る物語。
告白がプロポーズじみてましたけどね。
なんかやらしい。
「「あ」」
2人して涙流して、笑って、キス失敗でおでこごつんこして。
Take2でやり直して。
思い出したら超恥ずかしい。
何が上書きだよー
テキストファイルじゃないんだぞー
もー恥ずかしい。
「あ、紅茶新しいの持ってくるね。」
こういう時は誤魔化す。
空のカップとティーポッドを持って流しに行く。
濯いで水をヤカンに入れて火を掛ける。
その間に新しい紅茶の葉を用意する。
マリアージュフレールのウェディングインペリアル。
ゴールデンチップを含む贅沢なアッサムティ。
ショコラとカラメルの甘い香りで癒してくれる。
お湯が沸くのまだかなと待ってると、背中にふと感触が……
そして背中からお腹へと手が前に回されてくる。
友紀さんなんだか…大胆だよね。
「離れたら……嫌。」
あれ?甘えんぼさんに?
それに背中に息吹きかかってます。
「あの……当たってます。」
何が……とは言えない。
「……当ててるんですよ。なんて言うと思いますか。当てる程ありませんよ。私の胸は甘食ですよ。ほんのちょっと申し訳程度の膨らみですよ。」
そこまでバラして良いの?確かにむにゅっとした感覚はないけども。
「あの、俺好きですよ、貧乳……」
何言ってるの?俺達語彙力もコミュ力もなさすぎでしょ、バカなの?こういう展開苦手にも程がある。
「な、何を言ってるんですか、何を言わせてるんですか。」
身体と顔を背中にくっつけたまま……
きっと真っ赤なのだろう、離そうとしない。
「だって、友紀さんが甘えるから、どう返して良いかわからなくて。」
それからしばらくして
「私もですよぅ。でも一人で待ってるのは寂しいのですよ。」
あ、それは俺が悪…いか?
ヤカンからピィーっと音が発する。
もう既にお湯は沸いていた。
「あ、沸いたよ。」
一気に現実に引き戻された。
本音はもう少しあの感触を味わっていたい…と思ってました。
☆☆☆☆☆
「真人さんはマリアージュフレール派なのですね。」
特に拘りはない。ただ、目移りしてあれもこれもとなって、飲みきる前に茶葉だけが増えていくだけである。
「今日の2種類はこの日のために、友紀さんとのひと時のために用意したんですよ。」
甘くて優しい感じのする紅茶を。
「普段はルピシアが多いよ。目移りしちゃって茶葉ばかり増えちゃってるけど。」
ルピシアにもウェディングあるしね。
「む、勿体ないので私が定期的に飲みにきます。」
それは通い妻宣言だろうか。
一応恋人になったんだよな?
それならある程度は遠慮しなくても良いと思う。
五木さんに渡していた予備の鍵は友紀さんへと渡っている。
「うん。色々あるし一緒に飲もう。」
一人だと溜まる一方で全然減らない。
ウェディングインペリアルもなくなり、色々話したせいか、眠くなってくる。
ソファで隣に座る友紀さんが船を漕いでいた。
たまに俺の肩に顔がもたれ掛かる。
「友紀さん、寝そうだよ。」
「あ、うん。あの……今日も泊まって良い?」
そういえばカバン持ってきてたもんね、見逃してませんよ。
「だめって言うと思う?」
悪戯心が働いてしまう。
「むぅ、それはずるい。」
友紀さんの方が上手だった。だってその仕草可愛いんだもんよ。
「変な意味はないけど、多分こうなる事を想定してたんで、風呂は沸かしてあるから入っておいで。」
「うん。先にいただくね。」
ちょっとだけ敬語が抜ける時がある。
いつか完全に抜けてくれるといいな。
「あ、の、覗いちゃダメですよ。」
人指し指を唇に当てて風呂場に消えた友紀さん。その仕草がめっちゃ可愛い。
それはどっちですか?
覗いて良いんですかダメなんですか。
あ、またここで脳内選択肢が。
1、堂々と覗く
2、こっそり覗く
3、実はカメラが仕掛けてありあとで覗く
4、一緒にはいr(誤字ではありません)
うおっほい。
ダメだ、脳内に悪魔しかいない。天使のツラした悪魔はいたけど。
☆☆☆☆☆ 一方その頃友紀は ☆☆☆☆☆
「う~ん。やっぱり覗きにはこないよなぁ。」
魅力が足りないと思われてるのか。
好きと覗きは別問題だろうし。
ってそもそも昔の話をした後じゃ当たり前か……
「いつか一緒に入りたいなぁ。それで洗いっことかして……ぶくぶくぶく。」
呟きながら恥ずかしかったのか湯船に沈んでいった。
左手首をじっと見る。
重なったりして判断し辛いが10本程度の切り傷の跡がある。
「命……絶たなくて良かった。」
左手の下に添えた右手に力が込められた。
目を瞑り過去を振り返ると涙が零れて頬を伝い、やがて其れは湯船のお湯と一体化する。
苦しみや悲しみや痛みが霧散するかのように。
「蒼く揺らめいて燃える 最期の焔は 」
「あなたの腕で消える……【私は愛した】」
「苦痛に身を委ねる 輪廻を信じて 」
「微笑んだままで逝く……【私は生きてた】」
「La La La La La La La La La La……【私は愛した】 」
「La La La La La La La La La La……【私は生きてた】 」
気付くと輪廻の砂時計を口ずさんでいた。
逆再生は……しない。
☆☆☆☆☆
「あのー本当に一緒の布団で良いの?」
押入れからバレンタインの時に使った布団を出そうとしてから友紀さんから提案があった。
「一緒が良いのです。」
どうやら友紀さんは同じ布団……ベッドで寝たいらしい。
それは変な意味でもヤラシイ意味でもなく、単に一緒の布団で寝たいと。
友紀さんの昔話を聞いて、おいそれと手を出せるはずもない。
生殺しもきついよ。
いや、そうでなくともシングルベッドに2人で寝たら狭いよ。
身体ぶつかるよ。重なるよ。
何となく起きたら俺はベッドから落ちてるか、こないだみたいにくんずほぐれつ……
「不可抗力で怒ったり嫌ったりはしませんよ。」
妙に積極的で、むしろ誘ってやしませんかと勘違いしてしまいそう。
「眠れる自信がないのですが。」
「奇遇ですね、私もです。」
じゃぁなぜ同じ布団で寝ようと?
「夢だったんです。………な人と同じ布団で寝るのが。」
「え?」
聞き取れなかった。
「なんでもないですぅ。」
と言いながらささっと布団の中に入り顔まで隠す。
しばらして目だけ出して右手をぽんぽんと布団を叩いて促す。
「寝ないんですか?」
覚悟を決めて布団に入った。
案の定狭い。シングルベッドに大人二人は……
ほとんど身動きは取れない。
これは起きたらベッドから落ちてるってありえそうだ。
まぁ落ちたら起きるだろうけど。
あーもー緊張して眠れない。
ひつじがいっぴき……ひつじがにひき…執事が……ハヤテ?綾〇ハーマイオニー??
って余計眠れない。
眠いのに緊張と悶々で……
「………っ」
あれ、寝息が聞こえる。
寝てるじゃん。確かに元々今にも寝そうだから、風呂入って布団で寝てもらおうとしてたんだけど。
あまり意識しすぎるのも良くないか。
俺達はこれから始まるんだし。
ハジマリのクロニクルか。
今日から始まる俺達の愛の年代記
お揃いの鮮やかなスカーレットのパジャマを着た二人は眠りについた。
――――――――――――――――――――――――
きっと朝起きたらバレンタインと同じことになってると思います。
でも1章はここで終わりです。
2章は付き合い始めてからの2人と周囲の援護射撃により結婚に至る物語。
告白がプロポーズじみてましたけどね。
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