MAXコーヒーから始まる糖度MAXなこじらせ魔法使い達

琉水 魅希

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第1章 MAXコーヒーが繋いだ奇跡

34話 魔法使いの真実は確かにそうだよね。そしてこれが本当の抱き枕(友紀side)

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 「私、本当は魔法使いじゃないんだよね……」

 これは言わないといけない。

 前にお互い魔法使いじゃないなんて話しちゃって。

 引っ込みつかなかった。

 うん。でも言おう。

 好きとか愛してるとか言うよりは簡単なはず。

 意を決して湯船から上がった。

 真人さんが置いておいてこれたバスタオルで髪と身体を拭く。

 う~ん、私の下着はそのままだ、使用済も前も。ってもうそっちやめよ?

 三依ちゃんがうつってきちゃったよ。

 鏡があるので映った自分を見た。

 童顔で貧相な身体で…本当に30歳か?という見た目。

 何気にコンプレックスだ。三依ちゃんも若く見えるけど、私の場合はそれ以上。

 老けて見えるよりは良いけど、若く見えすぎるのも…

 Yシャツで隠れてたから見えてないよね。この傷。

 コスの時も長袖だから隠れてたし。

 これも過去と一緒にいつか話せれば…

 っとせっかくお風呂入ったのに冷えちゃうよ。

 
☆☆☆

 着替え終わって、ドライヤーで髪を乾かす。

 本当は少し自然乾燥させてからの方が良いんだろうけど。

 ガラララララ

 リビングに戻ると真人さんはテレビでニュース番組を見ていた。

 ちょうど今日のプロ野球キャンプの様子みたいだけど私にはよくわからない。

 「あ、おかえり。湯加減はどうだった?」

 「ちょうど良かったですよ。充分温まりました。」

 身も心も。

 真人さんの隣に座る。

 向かいではなく隣に。

 「あの、真人さん。」

 「なに?」

 「私、一つ嘘をついていました。」

 「うん。」

 「私、本当は魔法使いではありません。」

 「うん……え?」

 やっぱり驚くよね。

 「それって…」

 「私、2月16日生まれなんです。」

 複雑そうな顔をしている。どういう事?って

 「えっと…私、まだ29歳363日なんです。」

 あれ…?驚いて固まってる。

 「えーーー」

 ですよねー何神妙な顔して言ってるんだって感じですよね。

 過去がどうのと言ったり実は魔法使いじゃないって言ったら悪い事考えちゃいますよね。

 「明後日誕生日なら先に言ってもらえれば色々準備できたのに。」

 あれ?そっちですか?

 てっきり騙しやがってーとか言われるかと思ったのに。

 「おこがましいかもしれないけど、何かしたいなって思っちゃうよ。」

 「あ、別に催促みたいな形になっちゃいましたけど、そうではなくて、騙してたのが自分の中で許せなくて。」

 「いやいやそんな事気にしないでよ。てっきり言えない過去に酷い事されたとか言われるのかと…あ」

 突然真人さんが席を達ジャンピング土下座を決めてきました。

 「先程は裸の所を覗いてしまい申し訳ありませんでした。」

 突然の行動にどうしていいかわからなくなるが、私は特に責めるつもりはない。

 「いえ。いつまでも脱衣所にいた自分も悪いですし、それに…Yシャツ申し訳ありませんでした。出来心でした。」

 真人さんと同じようにジャンピング土下座を決めてみました。

 ナニコレ。

 
☆☆☆

 「というわけでお互い許しあうという事で良いですよね。」

 「あ、ハイ。」

 「それでどうでした?貧相でしたでしょう?」
 
 思い出してきたのか真人さんの顔が赤い、きっと私も赤い。

 「いや、ぶり返さないでもらえます?あぁいえ。とても綺麗でしたよ。小さい方が好きですし。ってなにをカミングアウト?」

 そうですか。真人さんは小さい方がお好みでしたか。この貧相な身体も役に立ちましたね。

 それと腕の傷は見られてはないようですね。これもいつか話さないといけません。

 「そういえばもう良い時間だね。そろそろ寝る?明日は土曜だから休みではあるけど。」

 「そうですね。玄関前で寝てしまうくらいですし。」

 持参した荷物の中から歯ブラシを取り出す。

 「あぁ、流しに歯磨き粉置いてあるので使って。コップも置いてあるので。」

 私は先に歯磨きをすることにした。
 
 その間に真人さんは先程の食器を洗うようです。

 

☆☆☆

 そのご真人さんも歯磨きを終え、リビングで待っていた私の所に迎えにきてくれた。

 「そ、それで布団なんだけど……」

 「一緒のベッドでも良いですよ……」

 なんて?

 「あぁなんでもありません。」

 どうもあの告白めいた事件から大胆になってきているみたい。

 いくら特別だからといっても物事を進ませすぎじゃないかと反省です。
 私にはまだその覚悟はありません。たとえ明後日誕生日だとしても受け入れて貰えたとしても、私も同じ魔法使いになりたいのです。

 多分、明後日は何かしてもらえるんじゃないかと期待はしてますが…そういった男女の関係はまだまだ怖くて仕方がないのです。

 じゃぁなぜ裸見られて激怒しないのかとか、Yシャツくんかくんかしたかって話になりますけど、それは別問題です。
 デザートや甘いモノは別腹と同じ理論です。実際はそんなものないのですけど気分の問題です。

 「布団や枕ははお客様用のに変えてあるので俺のベッド使って、俺はその下に敷いた布団で寝るので。」

 あ、同じ布団ではないのですね、ちょっと残念。でも同じ部屋であるなら安心も出来ます。
 なんだか最近独りでいるのが寂しくなってしまって…大晦日の日のが原因でしょうか。
 あの時と同じスタイルというわけですね。
 
 「ありがとうございます。えと…あの時と同じように最初だけで良いので手、握っててもらっても良いですか?」
 照れながらも真人さんは了承してくれました。
 電気を消して布団に入って手を繋いで…

 ぬくもりの中ゆっくり眠る事が出来ました。
 興奮して寝れないなんてこともなく…



 翌朝、「どうしてこうなった」という真人さんの声で私は起きました。

 私の顔は真人さんの胸と右肩付近にあり、左頬が身体にくっついてる状態です。
 私の右手はちょうど真人さんの左胸に置いてあります。
 そして私の身体そのものは真人さんの右半身に密着しております。
 さらに私の右足は真人さんの両足の間に入り込み少し絡み合ってます。

 えっと…少し下半身に触れてる気もします。

 これは私も言ったほうが良いですかね?

 「どうしてこうなった!」
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