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僕は少女をおんぶしながら歩く。

「ああっ、伊藤さま。あんまり速く歩かないでください。振動でオシッコが漏れてしまいます。まあ、お漏らしプレーも悪くないですけどね」

お漏らしプレー・・・初めて聞いた。でもドMならそういうプレー好きそうだ。オシッコを漏らして喜ぶ少女の姿が浮かんだ。

「あの私、歩美っていいます。前島歩美です。競歩の歩に美人の美で歩美です。雌豚って呼んでください」

なんでやねん!心の中で突っ込む。関西弁で突っ込んだのは生まれて初めてだ。

「いや。歩美ちゃんって呼ばせてもらうよ」

「いやです。歩美って呼び捨てで呼んでください。そう呼んでくれないならおもらしします」

「わかったよ。歩美。これでいいだろ」

「はい。ああっ、オシッコしたいです」

「我慢しろ」

「はい。私、我慢プレーも好きなので我慢します」
歩美は嬉しそうに言う。この子の将来が心配だ。

僕は歩美をおんぶしながら歩く続ける。

こんなところを知り合いに見られたらと思うと不安になり、早足になりそうになる。でも早足で歩けば歩美がおもらしをしてしまうかもしれない。

くそっ。なんで僕がこんな思いをしなければならないんだ。

「伊藤さま。お怒りですか。怒ってもいいですよ。遠慮なく怒ってください。私が思わずおもらししてしまうくらい怒ってください」

「怒らないよ」

「おもらししたら怒ってくれますか?」

「怒らない。歩美を放置して逃げる」

「放置プレーですか?それもいいですね。さすが伊藤さまです。少しずつドSの血が目覚め始めていますね」

「僕の両親は普通の両親だけど」

「妹さんも普通ですか?」

「どうして妹がいることを知ってる?」

「それは秘密です。あっ、マンコは秘密にしてるわけではないので見たかったら言ってくださいね。すぐお見せしますから」

「・・・」

神社が見えてきた。

ここまで運良く知り合いには会わなかった。神社につくまで誰にも会いませんように。その祈りが通じたようだ。誰にも会わずに神社に辿り着いた。

無人の神社。緑の木々に囲まれた狭い敷地には短い参道があり、小さな社があり、狐の像があった。誰もいない。ここに人が来ることはほとんどない。一応公衆トイレがある。

僕は歩美を下ろす。

「さあ、はやくトイレに行ってきな」

「・・・」

「どうした?」

「もう限界です」

「はっ?」

「もう限界です。オシッコ漏れます」

「我慢しろ」

「我慢プレー・・・楽しかったです。はうううううううっ」
歩美は開放されたような表情を浮かべる。

彼女のスカートの中から伸びる脚を伝って熱気のある液体が流れてきた。

漏らした・・・本当に漏らした。愕然として彼女の脚を伝って流れてくる液体を見ていた。

「漏らしてしまいました」歩美は笑っている。「パンツの中が生温かいです」

絶句する僕。本当に漏らすなんて・・・
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