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終わりと再会とはじまりの偶然

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 どうして今、こんなことを思い出しているんだろう?私は不思議に思った。そう思った瞬間、目が覚めた。

 そこは忘れようもない、私の家の、私の部屋だった。ベッドの上に横になっている。天井にいつも見ていた天窓が見えて、その空は雨が降っているみたいだった。


 全部夢だったんだろうか?ちょっと不思議な思いがした。けどまてよ、って思った。

 「マニちゃん!マニちゃん!」

 私は大声で彼女を呼んだ。夢だったとしたら、ものすごく嬉しい。しばらくしてマニちゃんが部屋に入ってきて言った。

 「レイミリア様!気がついたんですね!」

 言いながら彼女は走り寄ってきて、私の首に抱きつく。どうやら夢なんかじゃなかったらしい…。彼女はわんわんと大泣きをして、ずいぶんと心配をかけていたみたいだ。

 「昨夜遅く、旦那様が、お嬢様を抱えて戻ってこられて。ぜんぜん気がつかないから、私、ものすごく心配で、心配で…。」

 後の方はよく聞き取れない。でも、あのできごとが夢じゃなかったってこれで確信した。

 「お父様はいる?」

 「はい、ご自身のお部屋で奥様と一緒におられるかと思います。」

 「わかった。」

 そう言って私は、ベッドから立ち上がって床に降り、寝間着の服を脱いでいつものドレスを身につけはじめた。マニちゃんが慌てて駆け寄ってきて、着替えの手伝いをしてくれる。

 「お嬢様、よろしければ私が旦那様をお呼びしてきますよ。」

 「いいのいいの。大丈夫だから。それよりそっちのリボンをとって。」

 こうして準備を整えると、私はお父様の部屋に向かった。後からマニちゃんもついてくる。心配そうにあれこれ聞かれたので、答えながら歩くことになった。

 「お嬢様、今までどうしていたんです?」

 「マニ、そのお嬢様っていうのやめて。前みたいにミリアでいいから。」

 その言葉にマニは少し驚いて、そうして嬉しそうに話をつづけた。

 「ミリア様が行方不明となられて、その日のうちにロイ爺が屋敷から出て行かされました。今はジケイさまが、離れの屋敷で使用人として働けるようお力添えをしているところです。」

 「まったく、お父様ったら。」

 「旦那様はあの日以来、ほとんど食べ物を口にしておりません。ですからその、ずいぶんと見た目が変わられてしまわれて…。どうか驚かずにいてあげてください。」

 「いいわ。驚かないでいてあげる。お母様は?」

 「奥様は寝込んでしまいました。今は旦那様の部屋のベッドで寝ています。」

 「お母様もなの?こまった両親ね。」

 そう言いながら、でも自分の身の上を心配してくれる両親にちょっとだけ嬉しく思った。だからといってこれから聞きに行く話は別。

 お父様の部屋の前について、私は大きく息を吸う。そして吐いた。それから勢いよくドアを開ける。するとそこに、ほっそりと痩せたお父様がいた。

 「レ、レイミリア…。よかった、気がついたのか。」

 お父様はそう言うと、奥にあるベッドの方へと急ぎ向かっていった。私もその後を追う。

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