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裏切りと誤解と優しさの偶然
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「ちょっと、ミラクくん!声ぐらい聞こえてるんでしょう?どうして私は馬車を降りたらいけないの?」
「見られたら困るものがあるってことじゃないですか?」
腕の中からそう返事があった。ベントスだ。
「なんでよ。外で何しているって…。」
言いながらなんかいろいろと想像してしまう私。水浴びとかしてるのかな?それとも、もっと恥ずかしいことしてる?いやいやいや、そんな馬鹿なこと、でも、いやいやいや。うふふ、どれどれ。って、馬車の出口にある扉に手をかけてみて、気がついた。
こんどはこっちが動かなくしてある…。
どんだけ私に外を見られたら困るのよ。
「ベントス?これ、ミラクくんがやっているの?」
「はい、そうです。」
「君はさっき、ここ開けて出てったよね?」
「いいえ。私は精霊ですから、扉なら開けなくても通り抜けられます。」
顔を洗う仕草をしながら、目の前で猫がそんな返事をして返せば、ああ、それは便利でよかったねって思うしかないじゃない。
「それならいいか。オジサンの荷物もあるし、食べ物には困らないわよね。」
なんか、どうでもよくなってそう言ってゴロンと席に横になった。もうほんと、どうでもいいや。どうせ私なんて何の役にも立たないんだし。どうせならこのままずっとここで暮らしたっていうわ。なんて考えてたらけれど、困ったことがすぐ起きた。
「…ちょ、っと。おねがい、ミラクくん、外に出して。」
食べるのには困らない。けど出す方となるとこれは大問題だ。いくらうちの馬車が高級車だって言っても、さすがに中にトイレまではつけてない。
「ベントス、おねがい。ミラクに、トイレって言ってきて。」
そう聞くが早いか、急を察してベントスが目の前でパッと消えた。ミラクのところまで行ってくれたんだろう。その証拠にそのすぐ後にベントスはもう一度パッと現れて、私の頭の上にぴょんと飛び乗ったかと思ったら、目の前の景色がパッと消えてその後パッと豪勢なトイレが出た。
もう出たとしか言いようがない。けどあれこれ考えてもしかたない。そのまんま急いで個室へ飛び込んだ。そうして用事がすんで一息ついて、個室の外に出て、手を洗いながらもう一度あたりを見回してみる。
壁は全部大理石だ。水道の管は、これって金?うちのトイレよりずっと贅沢だなって足元を見ると、足首までめり込みそうなふかふかの絨毯だ。どこ製なのこれ?メイドインなに?
「ベントス?どこかにいる?」
気を利かせ、ここまで私を移動させた直後にまたパッと消えたベントスを呼んでみる。ここがどこなのか聞いてみたいと思った。砂漠の集落にはそぐわないトイレだ。まさか首長の家とか?
「呼びましたか?レイミリア様。」
ベントスが目の前の蛇口の上に、パッと現れた。
「ここってどこなの?すっごい綺麗だけど…。」
「それは知りません。ミラクーロ様には、ここへお連れするようにと言われただけですので。」
知らないんだったらしょうがないか。
「見られたら困るものがあるってことじゃないですか?」
腕の中からそう返事があった。ベントスだ。
「なんでよ。外で何しているって…。」
言いながらなんかいろいろと想像してしまう私。水浴びとかしてるのかな?それとも、もっと恥ずかしいことしてる?いやいやいや、そんな馬鹿なこと、でも、いやいやいや。うふふ、どれどれ。って、馬車の出口にある扉に手をかけてみて、気がついた。
こんどはこっちが動かなくしてある…。
どんだけ私に外を見られたら困るのよ。
「ベントス?これ、ミラクくんがやっているの?」
「はい、そうです。」
「君はさっき、ここ開けて出てったよね?」
「いいえ。私は精霊ですから、扉なら開けなくても通り抜けられます。」
顔を洗う仕草をしながら、目の前で猫がそんな返事をして返せば、ああ、それは便利でよかったねって思うしかないじゃない。
「それならいいか。オジサンの荷物もあるし、食べ物には困らないわよね。」
なんか、どうでもよくなってそう言ってゴロンと席に横になった。もうほんと、どうでもいいや。どうせ私なんて何の役にも立たないんだし。どうせならこのままずっとここで暮らしたっていうわ。なんて考えてたらけれど、困ったことがすぐ起きた。
「…ちょ、っと。おねがい、ミラクくん、外に出して。」
食べるのには困らない。けど出す方となるとこれは大問題だ。いくらうちの馬車が高級車だって言っても、さすがに中にトイレまではつけてない。
「ベントス、おねがい。ミラクに、トイレって言ってきて。」
そう聞くが早いか、急を察してベントスが目の前でパッと消えた。ミラクのところまで行ってくれたんだろう。その証拠にそのすぐ後にベントスはもう一度パッと現れて、私の頭の上にぴょんと飛び乗ったかと思ったら、目の前の景色がパッと消えてその後パッと豪勢なトイレが出た。
もう出たとしか言いようがない。けどあれこれ考えてもしかたない。そのまんま急いで個室へ飛び込んだ。そうして用事がすんで一息ついて、個室の外に出て、手を洗いながらもう一度あたりを見回してみる。
壁は全部大理石だ。水道の管は、これって金?うちのトイレよりずっと贅沢だなって足元を見ると、足首までめり込みそうなふかふかの絨毯だ。どこ製なのこれ?メイドインなに?
「ベントス?どこかにいる?」
気を利かせ、ここまで私を移動させた直後にまたパッと消えたベントスを呼んでみる。ここがどこなのか聞いてみたいと思った。砂漠の集落にはそぐわないトイレだ。まさか首長の家とか?
「呼びましたか?レイミリア様。」
ベントスが目の前の蛇口の上に、パッと現れた。
「ここってどこなの?すっごい綺麗だけど…。」
「それは知りません。ミラクーロ様には、ここへお連れするようにと言われただけですので。」
知らないんだったらしょうがないか。
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