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天使と悪魔と精霊とがごちゃまぜになる偶然
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「おそらく…ですが。あの街は多くの人々が行き交う街だったでしょうから、正直なところ詳しい話は望み薄だと考えています。けど、最初に話を聞いたときに、半年ほど前に不審な者がふたり来た、と言っていました。そのふたりの容姿や性別程度でもわかればいいかなと思っています。」
「だな。けど、どうせならお前が銀鈴つかって見つけちまう方が手っ取り早い。」
「それは、おそらく難しいかと思われます。」
ミラクがそう言って頭をかいた。
「銀鈴は、願いを叶えるというアイテムです。その願いは、純粋に一途でないと叶えられません。」
「どういうことなの?」
気になって聞いてみた。
「つまり、それだけを願い銀鈴を使う必要があるわけです。洞窟の中からここまで移動したときのレイミリアさんのように。あるいは、こちらの世界へ飛んできて最初に、僕たちが砂漠で傷つかないようにと願った時の僕のように。けれど今の僕にはそれができません。」
「どうして?」
「先ほど、ベントスと話した際に、母の身に何かが起こったことを知りました。僕としては今すぐにでも母の元へ駆け付けたい気持ちでいっぱいです。その思いが邪魔をして、他の願いは純粋で一途にはならないと思うのです。」
「なんでそうしないの!?」
私は驚いて大きな声が出た。ミラクはキョトンとした顔で私を見ている。
「なにキョトンとした顔して見てんのよ!なんで今すぐにお母さんのところに行かないの?言ったらなんだけど、砂嵐も錬金術師とかも、しょせんは私達と関係ない問題でしょ?!それなのになんでよ?」
こっちこそキョトンとしそうになる。なんで他人事を優先してるんだろうってそう思った。お母さんのことを大事そうに話してたし、そっち優先して当然だと思う。誰が文句を言うっていうの?言ってくる奴がいたら逆に言い負かしてあげるわよ!子供のくせに!
「母は、…お母さんは、僕が中途半端なことをするのをとても嫌がります。嫌がりながら、ものすごく心配する人です。なのでこの件が片付かないと戻ることはできません。きっと、母の具合にも影響します。」
「そ、そんなわけ!?」
「それに今回の件、最初は他人事だったかもしれませんが、ベントスと話をしてみてどうも僕たちに深く関わりのあるできごとじゃないかと思いました。ベントスに依頼した人は、『枷を外して自由にしてやる』と言ったそうです。精霊の枷とは、命名された名前のことです。ベントスは以前は僕の母に命名されて使役されていたと言っていました。」
「それだって!まずはお母さんでしょうが!そしてお父さんに力を借りるとかなんとかいくらでもほ…!」
そこまで大声をだした途中で、
「わかった。だったらさっさとこっちの件を片付けよう。」
ジョジさんがそう言って、私の言葉をさえぎって話をつづけた。
「とりあえずは、あの首長に聞けばいいだろう。それ以外の奴の話はほとんどが首長の耳に入っているはずだ。」
「そういうものなんですか?」
「砂漠とか山岳とか、危険地帯と呼ばれるような過酷な地域に暮らす人間てのは、そういうのはしっかりと組織だってるものなんだ。」
ミラクがジョジさんをみて、へーっと感心している。私の言ったことはどうでもいいらしい。それもなんかムカつく。
「それで情報が出てこなかったら、次はお前さんの家に行く。」
「だな。けど、どうせならお前が銀鈴つかって見つけちまう方が手っ取り早い。」
「それは、おそらく難しいかと思われます。」
ミラクがそう言って頭をかいた。
「銀鈴は、願いを叶えるというアイテムです。その願いは、純粋に一途でないと叶えられません。」
「どういうことなの?」
気になって聞いてみた。
「つまり、それだけを願い銀鈴を使う必要があるわけです。洞窟の中からここまで移動したときのレイミリアさんのように。あるいは、こちらの世界へ飛んできて最初に、僕たちが砂漠で傷つかないようにと願った時の僕のように。けれど今の僕にはそれができません。」
「どうして?」
「先ほど、ベントスと話した際に、母の身に何かが起こったことを知りました。僕としては今すぐにでも母の元へ駆け付けたい気持ちでいっぱいです。その思いが邪魔をして、他の願いは純粋で一途にはならないと思うのです。」
「なんでそうしないの!?」
私は驚いて大きな声が出た。ミラクはキョトンとした顔で私を見ている。
「なにキョトンとした顔して見てんのよ!なんで今すぐにお母さんのところに行かないの?言ったらなんだけど、砂嵐も錬金術師とかも、しょせんは私達と関係ない問題でしょ?!それなのになんでよ?」
こっちこそキョトンとしそうになる。なんで他人事を優先してるんだろうってそう思った。お母さんのことを大事そうに話してたし、そっち優先して当然だと思う。誰が文句を言うっていうの?言ってくる奴がいたら逆に言い負かしてあげるわよ!子供のくせに!
「母は、…お母さんは、僕が中途半端なことをするのをとても嫌がります。嫌がりながら、ものすごく心配する人です。なのでこの件が片付かないと戻ることはできません。きっと、母の具合にも影響します。」
「そ、そんなわけ!?」
「それに今回の件、最初は他人事だったかもしれませんが、ベントスと話をしてみてどうも僕たちに深く関わりのあるできごとじゃないかと思いました。ベントスに依頼した人は、『枷を外して自由にしてやる』と言ったそうです。精霊の枷とは、命名された名前のことです。ベントスは以前は僕の母に命名されて使役されていたと言っていました。」
「それだって!まずはお母さんでしょうが!そしてお父さんに力を借りるとかなんとかいくらでもほ…!」
そこまで大声をだした途中で、
「わかった。だったらさっさとこっちの件を片付けよう。」
ジョジさんがそう言って、私の言葉をさえぎって話をつづけた。
「とりあえずは、あの首長に聞けばいいだろう。それ以外の奴の話はほとんどが首長の耳に入っているはずだ。」
「そういうものなんですか?」
「砂漠とか山岳とか、危険地帯と呼ばれるような過酷な地域に暮らす人間てのは、そういうのはしっかりと組織だってるものなんだ。」
ミラクがジョジさんをみて、へーっと感心している。私の言ったことはどうでもいいらしい。それもなんかムカつく。
「それで情報が出てこなかったら、次はお前さんの家に行く。」
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