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Side: イリーナ
1>> はじまり
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※単純に「ざまぁ」話が書きたかった後のその補足の話になるので矛盾が出てくると思いますが矛盾しているなと思ってもらえると助かります(;´∀`)
──────────
「イリーナ義姉様に見てほしいものがあるんだ」
そう声を掛けてきたのは婚約者の弟のフィザックだった。
「あらなぁに?」
婚約者との親交を深める為にナシュド侯爵家で行われていたイリーナとコザックの二人だけのお茶会が終わり、イリーナが帰ろうと玄関に向かっていたところに声を掛けてきたフィザックは少しだけ眉尻を下げて微笑んだ。
その表情を少し不思議に思いながらもイリーナは呼ばれるままにフィザックの後について行った。
イリーナ17歳。
後半年もすればナシュド家に嫁いでくる。既に花嫁衣裳など必要な物の発注などは終わっている。今日も婚約者のコザックと今後の話で盛り上がった。
コザックの弟のフィザックは二人の2歳下になる。少し前までイリーナより下にあったはずの顔は今はもうイリーナと同じ高さか、少し上になったかもしれない。これからまだ伸びるのかと思うと義姉となるイリーナも楽しみだった。
そんな『義弟』となる男にイリーナは警戒心なく付いていく。自分付きの侍女もいるし、そもそも婚約者の家でその弟に警戒する事は何もない。コザックと10歳で婚約してもう6年程も経つ。フィザックにも仲の良い婚約者がいるし、彼を“男”として見る機会はついぞイリーナには訪れなかった。
イリーナにとってフィザックはもう既に本物の『弟』になっていた。
そんな義弟に連れられてイリーナが入ったのはナシュド家の3階にある書庫として使われている部屋だった。日の光が入らないように閉めきられた厚いカーテンの下から仄かに窓からの光が漏れている。その光と廊下から漏れ入った光が室内を照らして暗いが見えない暗さという程ではない部屋の奥へフィザックは入って行く。本棚の間にある窓のカーテンを少し開いて外を覗き見たフィザックが「丁度良かった」と小さく呟いてイリーナを呼んだ。
「ここからこっそり下を覗いて見てください。左側の下です」
そんな事を言ってイリーナに場所を変わる。真剣なその表情にイリーナは不思議に思いながらも義弟の言葉に従った。
「? …………っ!?」
眼下に見えたものは……
庭園の生け垣の影で抱き合うコザックと女性の姿だった……
「……え? ……コザック様……???」
「はい……あれは間違いなく兄コザックです……」
後ろから返ってきたフィザックの言葉にイリーナは震えた。
自分の婚約者であるはずの男性が知らない女性と抱き合っている。体を離しても2人の距離は近く、互いの肩が触れ合う距離で話し合っている。その近さは友人だと言われたところで到底信じられるものではなかった。貴族の教育を受けているのなら尚更、異性との距離間は教えられている。まず婚姻前に異性と人目の無いところで2人っきりで会う行為自体が禁止されている様なものだ。それなのにコザックは自ら隠れて女性と会っている様にしか見えない。
しかも……
「っ!?」
イリーナの見える角度からはコザックが女性に口付けをした様に見えてイリーナは自分の口元を手で押さえて悲鳴を耐えた。
──不潔っ!!──
貴族の淑女として教育を受けてきたイリーナにはあり得ない光景だった。
「義姉様には知らせなきゃって思ったんだ。
だって酷いじゃないか、こんな事……
僕には兄上が何を考えてるのか分からないよ……」
フィザックはギリッと歯が鳴る程に奥歯を噛み締めた。実の兄には失望した。フィザックは婚約者を愛していたのでそんな婚約者を裏切る行為をしている兄が信じられなかった。
こんな事をイリーナに知らせてはイリーナが傷付くのは分かってはいたが、既に裏切り行為が起こっているのだ、それを秘密にして、無かったことにして何も知らない顔でイリーナを義姉として慕って弟の顔をする事はフィザックには出来そうになかった。
──先にイリーナ義姉様を裏切ったのは兄上だ。それを無かった事にしてイリーナ義姉様と笑い合うつもりでいる兄上を僕は受け入れられない……──
フィザックはその思いからイリーナに真実を教えた。婚姻後に兄の裏切りを知るより断然ましだと思ったから。
「……この事をナシュド侯爵は?」
「……分かりません……
父の事だから気づいているとは思うのですが……」
震える声でイリーナに問われフィザックは目を伏せながらそう答えた。自分の父なら既に知っている気がするが、まだ父が動いている様には思えない。
「フィーからは知らせていないの?」
“フィー”と実の弟の様に愛称でイリーナから呼ばれる音がフィザックは好きだった。そんな事を頭の隅で感じながらフィザックはイリーナと目を合わせる。
「僕からはまだ伝えていません」
「なら……フィーの口からはまだ教えないで……
わたくしからナシュド侯爵に伝えたいわ……」
婚約者の不貞行為を実の家族から言われるのと、婚約者本人から言われるのとではその後の立場が変わる。イリーナも侯爵家の令嬢として守る立場があるのだ。その事を感じ取ったフィザックもまた己の立場を考える。
「……分かりました。
僕は義姉様の味方です。兄の不貞の証言をこちらでも集めておきますね」
「ありがとう……」
イリーナは冷たくなってしまった指先を包む様に両手握り、胸に両手を当てて目を閉じた。寄せられた眉が声に出せない悲痛な声を代弁している様に見えた。
吐き気がする。目眩がする。体の体温が下がっていく。強張るのに震える。視界が暗くなる。
イリーナはどうしても浅くなる呼吸を静かに繰り返して自分の体を自制しようとするが何故か上手くいかない。
「…………」
「……大丈夫ですか?」
イリーナの異変に気付いたフィザックが心配げに声を掛ける。
だがそれに微笑を浮かべてイリーナは大丈夫と返した。
気丈に振る舞い一見いつもと変わらない姿で歩くイリーナの姿にフィザックは罪悪感を覚える。
やはり知らせない方が良かったのだろうか……
そんな事を考えてしまう。
知らなければイリーナ義姉様は傷付かず、今も変わらずに笑っていただろう。コザックが完璧に偽装して嘘を突き通していればイリーナ義姉様は一生知らずに笑って……
「フィザック」
暗い書庫で立ち尽くしていた義弟となる予定の男をイリーナは振り返る。名を呼ばれて後悔を滲ませた顔を向けたフィザックにイリーナは悲しげな笑みで微笑んだ。
「教えてくれてありがとう」
イリーナの言葉にフィザックも悲しげに微笑み返した。
-
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「イリーナ義姉様に見てほしいものがあるんだ」
そう声を掛けてきたのは婚約者の弟のフィザックだった。
「あらなぁに?」
婚約者との親交を深める為にナシュド侯爵家で行われていたイリーナとコザックの二人だけのお茶会が終わり、イリーナが帰ろうと玄関に向かっていたところに声を掛けてきたフィザックは少しだけ眉尻を下げて微笑んだ。
その表情を少し不思議に思いながらもイリーナは呼ばれるままにフィザックの後について行った。
イリーナ17歳。
後半年もすればナシュド家に嫁いでくる。既に花嫁衣裳など必要な物の発注などは終わっている。今日も婚約者のコザックと今後の話で盛り上がった。
コザックの弟のフィザックは二人の2歳下になる。少し前までイリーナより下にあったはずの顔は今はもうイリーナと同じ高さか、少し上になったかもしれない。これからまだ伸びるのかと思うと義姉となるイリーナも楽しみだった。
そんな『義弟』となる男にイリーナは警戒心なく付いていく。自分付きの侍女もいるし、そもそも婚約者の家でその弟に警戒する事は何もない。コザックと10歳で婚約してもう6年程も経つ。フィザックにも仲の良い婚約者がいるし、彼を“男”として見る機会はついぞイリーナには訪れなかった。
イリーナにとってフィザックはもう既に本物の『弟』になっていた。
そんな義弟に連れられてイリーナが入ったのはナシュド家の3階にある書庫として使われている部屋だった。日の光が入らないように閉めきられた厚いカーテンの下から仄かに窓からの光が漏れている。その光と廊下から漏れ入った光が室内を照らして暗いが見えない暗さという程ではない部屋の奥へフィザックは入って行く。本棚の間にある窓のカーテンを少し開いて外を覗き見たフィザックが「丁度良かった」と小さく呟いてイリーナを呼んだ。
「ここからこっそり下を覗いて見てください。左側の下です」
そんな事を言ってイリーナに場所を変わる。真剣なその表情にイリーナは不思議に思いながらも義弟の言葉に従った。
「? …………っ!?」
眼下に見えたものは……
庭園の生け垣の影で抱き合うコザックと女性の姿だった……
「……え? ……コザック様……???」
「はい……あれは間違いなく兄コザックです……」
後ろから返ってきたフィザックの言葉にイリーナは震えた。
自分の婚約者であるはずの男性が知らない女性と抱き合っている。体を離しても2人の距離は近く、互いの肩が触れ合う距離で話し合っている。その近さは友人だと言われたところで到底信じられるものではなかった。貴族の教育を受けているのなら尚更、異性との距離間は教えられている。まず婚姻前に異性と人目の無いところで2人っきりで会う行為自体が禁止されている様なものだ。それなのにコザックは自ら隠れて女性と会っている様にしか見えない。
しかも……
「っ!?」
イリーナの見える角度からはコザックが女性に口付けをした様に見えてイリーナは自分の口元を手で押さえて悲鳴を耐えた。
──不潔っ!!──
貴族の淑女として教育を受けてきたイリーナにはあり得ない光景だった。
「義姉様には知らせなきゃって思ったんだ。
だって酷いじゃないか、こんな事……
僕には兄上が何を考えてるのか分からないよ……」
フィザックはギリッと歯が鳴る程に奥歯を噛み締めた。実の兄には失望した。フィザックは婚約者を愛していたのでそんな婚約者を裏切る行為をしている兄が信じられなかった。
こんな事をイリーナに知らせてはイリーナが傷付くのは分かってはいたが、既に裏切り行為が起こっているのだ、それを秘密にして、無かったことにして何も知らない顔でイリーナを義姉として慕って弟の顔をする事はフィザックには出来そうになかった。
──先にイリーナ義姉様を裏切ったのは兄上だ。それを無かった事にしてイリーナ義姉様と笑い合うつもりでいる兄上を僕は受け入れられない……──
フィザックはその思いからイリーナに真実を教えた。婚姻後に兄の裏切りを知るより断然ましだと思ったから。
「……この事をナシュド侯爵は?」
「……分かりません……
父の事だから気づいているとは思うのですが……」
震える声でイリーナに問われフィザックは目を伏せながらそう答えた。自分の父なら既に知っている気がするが、まだ父が動いている様には思えない。
「フィーからは知らせていないの?」
“フィー”と実の弟の様に愛称でイリーナから呼ばれる音がフィザックは好きだった。そんな事を頭の隅で感じながらフィザックはイリーナと目を合わせる。
「僕からはまだ伝えていません」
「なら……フィーの口からはまだ教えないで……
わたくしからナシュド侯爵に伝えたいわ……」
婚約者の不貞行為を実の家族から言われるのと、婚約者本人から言われるのとではその後の立場が変わる。イリーナも侯爵家の令嬢として守る立場があるのだ。その事を感じ取ったフィザックもまた己の立場を考える。
「……分かりました。
僕は義姉様の味方です。兄の不貞の証言をこちらでも集めておきますね」
「ありがとう……」
イリーナは冷たくなってしまった指先を包む様に両手握り、胸に両手を当てて目を閉じた。寄せられた眉が声に出せない悲痛な声を代弁している様に見えた。
吐き気がする。目眩がする。体の体温が下がっていく。強張るのに震える。視界が暗くなる。
イリーナはどうしても浅くなる呼吸を静かに繰り返して自分の体を自制しようとするが何故か上手くいかない。
「…………」
「……大丈夫ですか?」
イリーナの異変に気付いたフィザックが心配げに声を掛ける。
だがそれに微笑を浮かべてイリーナは大丈夫と返した。
気丈に振る舞い一見いつもと変わらない姿で歩くイリーナの姿にフィザックは罪悪感を覚える。
やはり知らせない方が良かったのだろうか……
そんな事を考えてしまう。
知らなければイリーナ義姉様は傷付かず、今も変わらずに笑っていただろう。コザックが完璧に偽装して嘘を突き通していればイリーナ義姉様は一生知らずに笑って……
「フィザック」
暗い書庫で立ち尽くしていた義弟となる予定の男をイリーナは振り返る。名を呼ばれて後悔を滲ませた顔を向けたフィザックにイリーナは悲しげな笑みで微笑んだ。
「教えてくれてありがとう」
イリーナの言葉にフィザックも悲しげに微笑み返した。
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