妹はわたくしの物を何でも欲しがる。何でも、わたくしの全てを……そうして妹の元に残るモノはさて、なんでしょう?

ラララキヲ

文字の大きさ
上 下
17 / 22

──17──

しおりを挟む
 
 
 
 
 
「君が望むならこともできるよ、ソレ」

 わたくしの胸元を指差してそう問うてくる悪魔にわたくしは目を開けてしっかりと目を合わせました。

「望みませんわ」

 きっぱりとお断りすると悪魔はやっぱり笑いました。

「そう? でも気が変わったらいつでも言って。対価は“魂”だけど」

 歌うように言う悪魔に、わたくしは少しだけ肩を落として呆れた表情をして見せました。

「わたくしは両親と違ってちゃんとこの国の神を信仰しておりますので。祈りは教会で行いますわ」

 そう言うと悪魔は嬉しそうに目を細めて笑いました。

「いい心掛けだね。その方が良いよ。
 その方が僕らも仕事が減って嬉しいし」

 そんな不思議な答えにわたくしは首を傾げました。 
 しかし悪魔はこの会話はここで終わりだと言うようにわたくしから視線を離して、未だにうずくまる両親へと視線を向けました。

「気づいてると思うけど、のことを覚えているのはだけだ。
 だって当事者が今日のことを忘れたら僕がした仕事が無かったことにされかねないからね。
 仕事の報酬はしっかり貰うよ。君たちが死んだ後にね。それまでは人生を謳歌おうかすると良い。

 でも世界からはの記憶は消える。

 この家に娘は一人しか生まれなかった。
 “妹”という存在は存在せず、が生きた人生が『の人生』だったことになる。

 おかしな部分は勝手にが修正や補正をしてくれるから気にしなくていい。
 まぁ、はまともに外に出てなかったみたいだし、人とも殆ど会っていなかったみたいだから、大して困ることもないだろうね。
 『エカテリーナ』の全てを奪った新しい『ベアトリーチェ』がこれからはこの家のとして生きる。

 あぁ、『新しいベアトリーチェ』はこの僕の仕事の結果だ。その『僕の仕事』にケチつけようとしても無駄だからね。『ベアトリーチェ』は『僕の仕事の結果』として『寿命まで』生きてもらうよ。その間に事故死や自殺やましてや他殺なんかは出来ないからそのつもりで。
 聞いてる? お母さま?
 逆恨みなんかしちゃダメだからね?
 これを望んだのはなんだから。そしてそれを後押ししたのは他の誰でもない『』なのだから。

 では、素晴らしい仕事をして、人間の望みを悪魔は帰るとしよう!

 あぁ!? 言い忘れていたよ!
 悪魔召喚をしたんだから、、時々居るんだよね、『悪魔と契約した魂は悪魔に食われて“消える”』って思ってる人間。
 それ、違うから?
 悪魔と契約した魂は、その死後悪魔の住む世界で奴隷となり、その魂が擦り減り勝手に消滅するまで『』ことになるから。
 魂が消滅して終わり、なんてないからね。
 そのつもりで人生を楽しむんだよ。
 君たちが休息を取れるのは生きてる内だけだから♪」

 その悪魔の言葉を聞いて、
 母は悲鳴を上げて失神した。
 
 
 
 
 
しおりを挟む




□□■〔 注意 〕
※この話は作者(ラララキヲ)がノリと趣味と妄想で書いた物です。
 なので『アナタ(読者)の"好み"や"好き嫌い"や"妄想"や"考察"』等には『一切配慮しておりません』事をご理解下さい。

※少しでも不快に感じた時は『ブラウザバック』して下さい。 アナタ向けの作品ではなかったのでしょう。

■えげつないざまぁを求める人が居たので私的なやつを書いてみました。興味のある方はどうぞ😁↓
◇〔R18〕【聖女にはなれません。何故なら既に心が壊れているからです。【強火ざまぁ】


☆ブクマにしおりにエール、ありがとうございます!

感想 10

あなたにおすすめの小説

愛を知らないアレと呼ばれる私ですが……

ミィタソ
恋愛
伯爵家の次女——エミリア・ミーティアは、優秀な姉のマリーザと比較され、アレと呼ばれて馬鹿にされていた。 ある日のパーティで、両親に連れられて行った先で出会ったのは、アグナバル侯爵家の一人息子レオン。 そこで両親に告げられたのは、婚約という衝撃の二文字だった。

奪われ系令嬢になるのはごめんなので逃げて幸せになるぞ!

よもぎ
ファンタジー
とある伯爵家の令嬢アリサは転生者である。薄々察していたヤバい未来が現実になる前に逃げおおせ、好き勝手生きる決意をキメていた彼女は家を追放されても想定通りという顔で旅立つのだった。

【完結】妹に婚約者まであげちゃったけれど、あげられないものもあるのです

ムキムキゴリラ
恋愛
主人公はアナスタシア。妹のキャシーにほしいとせがまれたら、何でも断らずにあげてきた結果、婚約者まであげちゃった。 「まあ、魔術の研究やりたかったから、別にいいんだけれどね」 それから、早三年。アナスタシアは魔術研究所で持ち前の才能を活かしながら働いていると、なんやかんやである騎士と交流を持つことに……。 誤字脱字等のお知らせをいただけると助かります。 感想もいただけると嬉しいです。 小説家になろうにも掲載しています。

王太子妃が我慢しなさい ~姉妹差別を受けていた姉がもっとひどい兄弟差別を受けていた王太子に嫁ぎました~

玄未マオ
ファンタジー
メディア王家に伝わる古い呪いで第一王子は家族からも畏怖されていた。 その王子の元に姉妹差別を受けていたメルが嫁ぐことになるが、その事情とは? ヒロインは姉妹差別され育っていますが、言いたいことはきっちりいう子です。

義妹がいつの間にか婚約者に躾けられていた件について抗議させてください

Ruhuna
ファンタジー
義妹の印象 ・我儘 ・自己中心 ・人のものを盗る ・楽観的 ・・・・だったはず。 気付いたら義妹は人が変わったように大人しくなっていました。 義妹のことに関して抗議したいことがあります。義妹の婚約者殿。 *大公殿下に結婚したら実は姉が私を呪っていたらしい、の最後に登場したアマリリスのお話になります。 この作品だけでも楽しめますが、ぜひ前作もお読みいただければ嬉しいです。 4/22 完結予定 〜attention〜 *誤字脱字は気をつけておりますが、見落としがある場合もあります。どうか寛大なお心でお読み下さい *話の矛盾点など多々あると思います。ゆるふわ設定ですのでご了承ください

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

【完結】私から奪っていく妹にさよならを

横居花琉
恋愛
妹のメラニーに物を奪われたジャスミン。 両親はメラニーを可愛がり、ジャスミンに我慢するように言った。 やがて婚約者ができたジャスミンだったが、メラニーは婚約者も奪った。

【完結】私のことを愛さないと仰ったはずなのに 〜家族に虐げれ、妹のワガママで婚約破棄をされた令嬢は、新しい婚約者に溺愛される〜

ゆうき
恋愛
とある子爵家の長女であるエルミーユは、家長の父と使用人の母から生まれたことと、常人離れした記憶力を持っているせいで、幼い頃から家族に嫌われ、酷い暴言を言われたり、酷い扱いをされる生活を送っていた。 エルミーユには、十歳の時に決められた婚約者がおり、十八歳になったら家を出て嫁ぐことが決められていた。 地獄のような家を出るために、なにをされても気丈に振舞う生活を送り続け、無事に十八歳を迎える。 しかし、まだ婚約者がおらず、エルミーユだけ結婚するのが面白くないと思った、ワガママな異母妹の策略で騙されてしまった婚約者に、婚約破棄を突き付けられてしまう。 突然結婚の話が無くなり、落胆するエルミーユは、とあるパーティーで伯爵家の若き家長、ブラハルトと出会う。 社交界では彼の恐ろしい噂が流れており、彼は孤立してしまっていたが、少し話をしたエルミーユは、彼が噂のような恐ろしい人ではないと気づき、一緒にいてとても居心地が良いと感じる。 そんなブラハルトと、互いの結婚事情について話した後、互いに利益があるから、婚約しようと持ち出される。 喜んで婚約を受けるエルミーユに、ブラハルトは思わぬことを口にした。それは、エルミーユのことは愛さないというものだった。 それでも全然構わないと思い、ブラハルトとの生活が始まったが、愛さないという話だったのに、なぜか溺愛されてしまい……? ⭐︎全56話、最終話まで予約投稿済みです。小説家になろう様にも投稿しております。2/16女性HOTランキング1位ありがとうございます!⭐︎

処理中です...