乙女ゲームの世界へ転生!ヒロインの私は当然王子様に決めた!!で?その王子様は何処???

ラララキヲ

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14>>ハピエンヒロイン

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「えぇええぇえ?!?!?
 待ってっ?! え? 何を言ってるの?!??
 貴方、婚約者いるんでしょ?!?」

 真っ赤になって慌てた私にテルジオは不思議そうな顔をした。

「え? 婚約者なんかいた事ないよ?
 リアにはそんな風に見えたのか?
 僕ずっと工房に居たと思うんだけど」

「え? 学外で会ってたんじゃないの??
 わ、私てっきり貴方にも婚約者が居るものだと思ってたわ…………」

「僕
 ……誰の事を言ってるのかは後で聞くけど……、僕に婚約者は居ないし、リアに会ってからはリアしか見てこなかったよ」

 美しく光る水色の瞳でじっと見てくるテルジオの真剣さに、私は熱くなる体を抑えられずにただただ全身で赤面した。

「き……っ、気付かなかった、わ!」

「知ってる。
 リアは錬金術に大ハマりしてたからね」

 そう言って笑ったテルジオに私は照れとは別の恥ずかしさを感じてモジモジしてしまった。

「だって……私にはもう恋愛なんて無縁なんだって思ってたから……」

 この世界が乙女ゲームの世界だと気付いてからは私の頭の中には『恋愛』しかなかった。攻略対象者と結ばれて幸せになる。それだけが人生なんだと思っていた。
 だけど最推しのピグ様が居なくて、他の推し達にも婚約者の令嬢が居てみんな幸せそうで……私は『ヒロイン』として生まれたけどこの世界ではヒロインなんかじゃないんだって気付いてからはなんだか『愛されて当然』と思い込んでいた自分が恥ずかしくなって、むしろわざと恋愛から目を逸らしていた様な気がする……
 勘違い女になりたくなかったから……



「その『もう』が何を指してるのかは後で聞くけど、

 ……僕だって自分には恋愛なんて無縁だと思ってた。女性が苦手で、好きになれなくて、錬金術より興味を引くものなんて無いと思ってた。
 でもリアと出会って。
 リアの事知っていく内にどんどん目が離せなくなって。
 気が付けばリアの事考えちゃって……
 リアを一人の女性として好きなんだって気付いた……

 リアが僕の事を男として見てない事は知ってる。
 でもそれと同時に、僕以外の男と親しくしてない事も知ってる。

 ねぇ、リザリア。
 僕、これから頑張るから。
 リザリアに男として好きになって貰える様に頑張るから。

 僕の隣にずっと居てください……」

 
 立ち上がり、じっと私を見つめたままで、握ったままの私の手を口元に寄せて優しくその手に口付けしたテルジオの漏れ出る色香に……私が抗える筈も無く………

「わ……私で良ければ…………」

 なんて惚けて回らなくなってしまった頭でよく分からない返事をしてしまった私に、テルジオが花が咲く様に微笑むから……

 私の封印されていた恋愛感情が一瞬でテルジオ色に染まった……──


「あぁ、リア
 嬉しいよ、幸せになろう」

 力強く抱き締められて私は頭が茹で上がるんじゃないかと思うくらいに恥ずかしくて嬉しくて。

「……っ!?
 よ、よろしくお願いしますっ!!」

 なんて、言ってしまった。


 気付けば攻略対象者の一人をゲットしていた私は、やっぱりこの世界のヒロインで間違いないのかもしれない。



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